ヨルダン国境警備隊がシリアからの潜入を試みた2人を殺害(2015年6月8日)

ヨルダン軍高官筋によると、7日晩から8日にかけて、シリア領内からヨルダン領内に潜入しようとした2人とヨルダン国境警備隊が交戦し、殺害した。

殺害した2人の国籍は明らかにされなかった。

『ハヤート』(6月9日付)が伝えた。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアル=カーイダ系のヌスラ戦線などからなるファトフ戦線支配下のイドリブ県一帯を激しく爆撃し、女性子供ら50人以上が死亡(2015年6月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市郊外のジャーヌーディーヤ町を空爆し、子供6人、女性4人を含む49人が死亡、また多数の住民がジスル・シュグール市に避難した。

シリア軍はまた、フライカ村近郊で、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍と交戦したほか、サラーキブ市、サルキーン市、タフタナーズ市を「樽爆弾」で空爆し、少なくとも10人が死亡した。

一方、SANA(6月8日付)によると、マルジュ村、バシュラムーン村、アリーハー市、ラッジュ村、バシーリーヤ村、マアッラータ村、バズィート村、ウンム・ジャッリーン村、マジャース村、ブワイティー村、タラブ村、トゥルア村、ナビー・アイユーブ高地山頂、アウラム・ジャウズ村、カフルズィーター市、クファイル村、アイン・バーリダ村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市タッル・ザラーズィール地区をシリア軍が空爆し、子供1人、女性2人を含む4人が死亡した。

また、アレッポ市カルム・タッラーブ地区、バーシュカウィー村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、シリア軍は、タッル・リフアト市、さらにはヌスラ戦線などジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦するマーリア市、ハルバル村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月8日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、シャッアール地区、サラーフッディーン地区、ワディーヒー地区、バーブ・ハディード地区、カーディー・アスカル地区、ブスターン・バーシャー地区、フルワーニーヤ地区、カブターン・ジャバル村、アターリブ市、ダーラト・イッザ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダーイシュとヌスラ戦線などの交戦が続くアアザーズ市、マーリア市、アンダーン一帯に対しても、シリア軍が空爆を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市東部のユフーン・フサイン村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月8日付)によると、カフルラーハー市、サアン村、ザアフラーナ村、ダイル・フール村、ラスタン市、ワーディー・カフフで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月8日付)によると、アンタル丘、ナーフタ町、東ムライハ町、フラーク市、東ガーリヤ村・東カラク村間街道、アトマーン村、サイダー町、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月8日付)によると、マスハラ丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、フルカーン旅団、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(6月8日付)によると、ズィービーン町、スマード村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月8日付)によると、トゥウーマ村、ブーズ・ヒルバ村、アックー村をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月8日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)の支援を受け、ジャラージール無人地帯のクルナト・シュウバト・シャラフ、ワーディー・ハシーア一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、同地を制圧した。

シリア軍はまた、アイン・ブスターン村、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、マガッル・ミール市、バイト・ジン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、マナール・チャンネル(6月8日付)は、ヒズブッラー戦闘員がカラムーン地方のフライタ村無人地帯とベカーア県バアルベック郡アルサール地方を結ぶ丘陵地帯(トゥルクマーン高地、クサイル高地、アクバト・クサイラ高地、スィーリー高地、ハリーカ高地、タニーン高地)で、シャームの民のヌスラ戦線を掃討、同地を制圧したと伝えた。

一方、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市各所をシリア軍が空爆する一方、カラムーン地方の対レバノン国境地帯でヒズブッラー戦闘員とシリア軍による反体制武装集団の掃討が続けられた。

またドゥーマー市近郊のワーフィディーン難民キャンプで女性1人が狙撃され、死亡した。

さらに、クッルナー・シュラカー(6月8日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動するアサーワ・ワ・タンミヤ戦線の幹部3人が、脱会を宣言し、事実上崩壊したと伝えた。

「すべての権限が1人によって独占され…、大衆基盤が失われた」ことが脱会の理由だという。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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ラッカ県の対トルコ国境に位置するタッル・アブヤド市一帯でYPGと有志連合がダーイシュ(イスラーム国)に攻勢(2015年6月8日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室が7日深夜、タッル・アブヤド市郊外スルーク町近郊のアーリヤ村一帯で、有志連合が空爆を行うなかでダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、チェチェン人戦闘員1人、アラブ湾岸諸国出身の戦闘員2人を含む14人が死亡した。

この戦闘でユーフラテスの火山合同作戦司令室はアーリヤ村を制圧した。

これに関連して、ARA News(6月8日付)は、タッル・アブヤド市の複数の地元筋の話として、同市郊外のムンバティフ村に駐留していたダーイシュ(イスラーム国)のメンバー多数が7日に離反し、トルコに逃走したと伝えた。

また、ARA News(6月9日付)によると、人民保護部隊はタッル・アブヤド市郊外のハフシャー村を制圧した。

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ヒムス県では、マサール・プレス(6月8日付)によると、フナイフィース村でダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍部隊を要撃し、兵士8人を殺害した。

これに対してシリア軍は、同地を「樽爆弾」などで空爆し、民間人1人が死亡したほか、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、ジャズル・ガス採掘所地帯、ウンム・シャルシューフ村西部、ハラーリーヤ村南部などでダーイシュと交戦した。

一方、SANA(6月8日付)によると、シャンダーヒーヤ村、ジャッバーブ村、ハナーヒジュ村、西サラーム村、ラスム・サワーナ村、スルターニーヤ村、ムシャイリファ村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アイン・ズィクル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が反体制武装集団と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、ハリータ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点などをシリア軍が空爆、女性1人と子供1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(6月8日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィージャ地区、工業地区、ラサーファ地区、ジュマイラ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月8日付)によると、ドゥマイル市北東部のマンクーラ地区、カサーラ・バフル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月8日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月8日付)によると、ハサカ市南西部のアブヤド地区、スーダー村、アブド村、タッル・バールード村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、June 9, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Masar Press Agency, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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シリア反体制派代表の「第2回カイロ会議」が開幕するも国旗掲揚をめぐって早くも対立、またアサド政権退陣は採択予定の行程表には盛り込まれない見込み(2015年6月8日)

シリアの紛争解決、アサド政権との和平交渉に向けた反体制派の代表の会議「第2回カイロ大会」がカイロのホテルで開幕した。

初日の開会会合には、シリア革命反体制勢力国民連立元議長のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏(個人資格で参加)、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表、ジャマール・スライマーン氏(ムハンマド・サルマーン元情報大臣が率いる国民民主潮流に近い活動家)、「カフム」代表のハイサム・マンナーア氏、ジハード・マクディスィー元外務在外今日中者省報道官シリアの反体制派代表約170人、そしてカイロ大会準備委員会メンバーが出席した。

欧米諸国によってかつて「シリア国民の唯一の正統な代表」と認定され、最近ではトルコのイスタンブールを拠点として、アル=カーイダ系組織の軍事的攻勢やテロを「革命家の勝利」として唱導しているシリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)は、会議の準備段階でボイコットを表明、参加を見合わせた。

また、主催者であるエジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、アラブ議会連盟のアフマド・ジャルワーン議長、エジプト外務評議会のワヒーブ・ミンヤーウィー代表が参加した。

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『ハヤート』(6月9日付)によると、第2回カイロ大会準備委員会メンバーで、民主的変革諸勢力国民調整委員会のサーリフ・ナバワーニー氏は、大会で審議される文書のなかに、ジュネーブ合意実施の仕組みを定めた「行程表」案が含まれているとしたうえで、また2012年に発表されたシリア国民民主同盟大会声明に基づいて作成された「シリア国民憲章」案の審議がなされ、第2回カイロ大会での承認が得られれば、これが移行期間における新憲法起草などの基本原則となると述べた。

しかし、アラビー・ジャディード(6月8日付)は、大会参加者筋の話として、第2回カイロ大会が「シリアの反体制派はシリアでの政治的解決のためにある」と銘打って、紛争解決に向けた行程表の策定をめざしているが、この行程表には、アサド政権の退陣については盛り込まれず、これについてはシリア政府との交渉のテーブルで審議されることになる、と伝えた。

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またアラビー・ジャディード(6月8日付)によると、開会式に先立って、会場にシリア国旗が掲揚されていたことに、複数の参加者が抗議し、在外活動家や「自由シリア軍」が使用する「シリア革命の旗」(フランス委任領シリアの旗)を掲揚するよう主張、第2回カイロ大会準備委員会メンバーの一人マイサム・マンナーア氏が一時退場するという一幕もあったという。

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エジプトのシュクリー外務大臣は開会の辞で「テロ組織の脅威に立ち向かい、シリアの国土統合を回復」する必要を強調、その実現は「ジュネーブ合意(2012年)に基づく政治的正常化にいたずしてあり得ない」と述べた。

そのうえで「行政権を完全に享受する移行期統治機関の設置から開始し、同機関がシリア国民から正統性を、そして国際社会の承認を得る」必要があると続けた。

一方、2011年に始まったシリアの紛争については、「代理武力紛争」と化したと指摘、「シリア領はテロリストの温床となり…、宗派主義に囚われている」との見方を示した。

シュクリー外務大臣は「シリアの愛国的な勢力・個人のなかに…エジプトの役割、支援、そしてシリア人の純粋に愛国的な努力を後押しすることを促す動きがあった」と述べる一方、「エジプトはアラブ人民の問題に一度たりとも介入したことないし、これからも介入することはない…。エジプトの人民、そして国家は、政治的解決に至ろうとするあなた方(シリア人)の努力を後押しする」と強調した。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県、アレッポ県、ヒムス県でアル=カーイダ系のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の支配地域を爆撃(2015年6月7日)

イドリブ県では、マサール・プレス(6月7日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍とシリア軍がフライカ村、ハマキー高地、シャイフ・ハッターブ村、アアワル高地一帯で交戦した。

これに対して、シリア軍は、ジスル・シュグール市郊外のカスタン村に「毒ガス」を争点した樽爆弾2発を問うかし、8人が呼吸困難などの症状を訴えたという。

シリア軍はまた、カイヤーサート検問所一帯、ムハンバル市、イフスィム町、カフルシャラーヤー村、マアッラータ村、バサーミス村、イブリーン村、カフルウバイド村、アブー・ズバイル村、カンスフラ村を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(6月7日付)によると、サンカラ村、ブサンクール村、アイン・バーリダ村、ムハンバル市、ラーミー村、アブー・ズフール航空基地周辺、カンスフラ村、カフルウバイド村をシリア軍が空爆、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、ARA News(6月6日付)などによると、シリア軍、国防隊が、ハッダーディーン村でアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団と交戦、同地を制圧した。

シリア軍はまた、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)とアッザーン山一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

さらにシリア軍は、アレッポ市ザフラー協会地区、マイサル地区などを空爆・砲撃し、女性1人が死亡した。

また、クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、アブー・アマーラ特殊任務中隊の司令官アンマール・バックール氏がアレッポ市マシュハド地区で暗殺未遂に遭い、重傷を負った。

一方、SANA(6月7日付)によると、シリア軍は、アレッポ市フルワーニーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、ナアナーイー地区、カーディー・アスカル地区、旧市街、マシュハド地区、ライラムーン地区、サハーラ村、ダーラト・イッザ市、ズィルバ村、ハーン・アサル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、バドル殉教者旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、ARA News(6月7日付)によると、シリア軍がザアフラーナ村を「樽爆弾」で空爆、住民13人が死亡、数十人が負傷した。

一方、SANA(6月7日付)によると、ラスタン市郊外、ザフラーナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月7日付)によると、シリア軍とレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)がフライタ村無人地帯とレバノンのアルサール村を結ぶハムラー地区・クサイル通行所一帯からシャームの民のヌスラ戦線を放逐し、同地を完全制圧した。

シリア軍はまた、アイン・タルマー村、マルジュ・スルターン村、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯でヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月7日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町周辺、西ガーリヤ村、アトマーン村一帯、ダルアー市カタキート工場一帯、サムリーン村・フラーク市間で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ヤルムーク殉教者旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月7日付)によると、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 7, 2015、AP, June 7, 2015、ARA News, June 7, 2015、Champress, June 7, 2015、al-Hayat, June 8, 2015、Iraqi News, June 7, 2015、Kull-na Shuraka’, June 7, 2015、al-Mada Press, June 7, 2015、Masar Press Agency, June 7, 2015、Naharnet, June 7, 2015、NNA, June 7, 2015、Reuters, June 7, 2015、SANA, June 7, 2015、UPI, June 7, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部で有志連合はダーイシュ(イスラーム国)の拠点のみを、シリア軍はダーイシュとヌスラ戦線などの拠点を爆撃、シリア人権監視団は有志連合の爆撃をアル=カーイダ系組織への「間接支援」と非難(2015年6月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町一帯でダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線などからなる武装集団が交戦するなか、米国が主導する有志連合が、6日晩から7日にかけてで、同地のダーイシュ拠点複数カ所に対して4回にわたり空爆を行った。

この空爆で、シリア人司令官(アミール)を含むダーイシュ戦闘員8人が死亡、20人以上が負傷した。

クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、死亡したシリア人司令官(作戦司令官)はヒラール・アブー・サーイル氏。

この空爆に関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(6月7日付)に対し「ダーイシュと戦闘するクルド人以外の反体制武装勢力を有志連合が支援するのはこれが初めてだ」と指摘、「米国はスーラーン(・アアザーズ)町からトルコとの国境に位置するアアザーズ市にダーイシュが進軍するのを阻止することを決意した」としたうえで、アル=カーイダ系の「シャームの民の自由人イスラーム運動とヌスラ戦線への間接支援」になると批判した。

一方、シリア軍も、ダーイシュによって制圧されているマーリア市各所と、ヌスラ戦線などが支配下に置くアアザーズ市一帯を空爆した。

他方、SANA(6月7日付)によると、カフラ村、マーリア市、ハルバル村、フライターン市、タッル・リフアト市、アアザーズ市、カブターン・ジャバル村、ハッダーディーン村北部に対してシリア軍が重点的に特殊作戦、空爆を行い、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破

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ラッカ県では、ARA News(6月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室はタッル・アブヤド市南西部のジャウルターナク村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がクーリーヤ市で男性1人を斬首処刑した。

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ヒムス県では、SANA(6月7日付)によると、柑橘農園のガス・パイプライン一帯などでシリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月7日付)によると、アトシャーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 7, 2015、AP, June 7, 2015、ARA News, June 7, 2015、Champress, June 7, 2015、al-Hayat, June 8, 2015、Iraqi News, June 7, 2015、Kull-na Shuraka’, June 7, 2015、al-Mada Press, June 7, 2015、Naharnet, June 7, 2015、NNA, June 7, 2015、Reuters, June 7, 2015、SANA, June 7, 2015、UPI, June 7, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がハサカ市南部でダーイシュ(イスラーム国)を掃討(2015年6月7日)

ハサカ県では、『ハヤート』(6月8日付)、SANA(6月7日付)などによると、ハサカ市南部に侵攻していたダーイシュ(イスラーム国)をシリア軍、国防隊が撃退、アフダース刑務所、変電所、ワトワーティーヤ村、マシュタル村、殉教者墓地を奪還した。

シリア人権監視団によると、シリア軍は、アフダース刑務所、変電所一帯のダーイシュの拠点を砲撃するなどして攻勢をかけ、ダーイシュは深夜、同地からの撤退を余儀なくされたという。

なお、ハサカ市南部での数日にわたる戦闘で、シリア軍、国防隊、バアス大隊の兵士・戦闘員71人、ダーイシュ戦闘員48人が死亡したという。

一方、SANA(6月7日付)によると、シリア軍はまた、ハサカ市郊外のジスル・アブヤドなど一帯でもダーイシュと交戦したほか、マフルーム村、タッル・バールード村、マスーン村、ウンム・マドファア村、ムシュラーファ村、タッル・ファウワーズ村、クライア山などのダーイシュ拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員数十人を殲滅したという。

Kull-na Shuraka', June 7, 2015
Kull-na Shuraka’, June 7, 2015

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SANA(6月7日付)は、ハサカ市中心部にある広場で、「タクフィール主義テロ」との戦うシリア軍への支持を表明するデモが行われ、多数の住民が参加したと伝え、その写真を掲載した。

ハサカ市南部でのシリア軍によるダーイシュ掃討に合わせて実施されたデモには、ムハンマド・ズアール・アリー・ハサカ県知事、バアス党ハサカ支部のハラフ・ムフシム書記長、ラフマ・モスクのイマームを務めるターリク・アティーヤ師らが参列し、演説を行った。

SANA, June 7, 2015
SANA, June 7, 2015

 

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有志連合の合同司令部は8日、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回におよび、ラッカ市近郊、ダイル・ザウル市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 7, 2015、AP, June 7, 2015、ARA News, June 7, 2015、Champress, June 7, 2015、al-Hayat, June 8, 2015、Iraqi News, June 7, 2015、Kull-na Shuraka’, June 7, 2015、al-Mada Press, June 7, 2015、Naharnet, June 7, 2015、NNA, June 7, 2015、Reuters, June 7, 2015、SANA, June 7, 2015、UPI, June 7, 2015などをもとに作成。

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ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長が再選(2015年6月7日)

人民議会で通常会(第1期(=第10回)人民議会通常会)が召集され、初日にあたる7日、正副議長ら執行部の選出が行われ、ムハンマド・ジハード・ラッハーム議長が203票(出席議員数217人)の賛成票を獲得し、議長に再選さたれた。

副議長にはファフミー・ハサン議員(208票中203票獲得)、書記にはラーミー・サーリフ議員(198票中192票獲得)、ハーリド・アッブード議員(198票中160票獲得)、監査にはアブドゥッサラーム・ダフムーシュ議員(198票中186票獲得)、イスカンダル・ジャッラーダ議員(198票中181票獲得)がそれぞれ選出された。

SANA(6月7日付)が伝えた。

SANA, June 7, 2015
SANA, June 7, 2015

AFP, June 7, 2015、AP, June 7, 2015、ARA News, June 7, 2015、Champress, June 7, 2015、al-Hayat, June 8, 2015、Iraqi News, June 7, 2015、Kull-na Shuraka’, June 7, 2015、al-Mada Press, June 7, 2015、Naharnet, June 7, 2015、NNA, June 7, 2015、Reuters, June 7, 2015、SANA, June 7, 2015、UPI, June 7, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

紛争解決、政権との交渉に向けたシリアの反体制派代表約230人による大会(第2回カイロ会議)が明日開幕(2015年6月7日)

シリアの紛争解決、アサド政権との和平交渉に向けた反体制派の代表の会議(第2回カイロ大会)が、エジプト外務評議会(元大使、有識者からなる独立機関)の監督のもと、8日にカイロのホテルで開幕する。

『ハヤート』(6月7日付)によると、会議には、シリア国内外で活動する反体制政治組織代表、活動家、武装集団(自由シリア軍)の代表ら230人が出席予定。

欧米諸国によってかつて「シリア国民の唯一の正統な代表」と認定され、最近ではトルコのイスタンブールを拠点として、アル=カーイダ系組織の軍事的攻勢やテロを「革命家の勝利」として唱導しているシリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)は、会議の準備段階でボイコットを表明、参加を見合わせた。

だが、多くのメンバーが連立の代表ではなく、個人資格で出席した。

会議に先立ち、準備委員会メンバーのフィラース・ハーリディー氏は6日、記者団に対して「アサド大統領と政権幹部の退陣が…譲歩できない…会議の主要議題である」と述べた。

ハーリディー氏によると、議題には、アサド大統領と政権幹部の退陣のほか、ジュネーブ合意(2012年)の原則に従い、移行期統治機関(移行期政府)の発足、シリア国民軍の再建、移行期正義評議会の設置、国家機関の維持再編、イラン人約120万人にシリア国籍付与と不動産所有を定めたとされるシリア政府の決定の廃止、すべての外国の武装部隊・武装集団の排除、などが予定されているという。

また国連の主導のもとで準備が進められているシリア政府との和平交渉「ジュネーブ3」に関しては、反体制派を統合したうえで、統一交渉チームの設置について合意する必要があると述べた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立法務委員会のハイサム・マーリフ委員長は6日、連立のボイコットに関して、「参加したかったが、エジプトが一部メンバーの参加に反対し、それが決定(ボイコット)の背景にあった」と述べた。

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一方、エジプトのバドル・アブドゥルアーティー外務省報道官は、7月8~9日にカイロでシリアの反体制派による拡大大会を主催する、と発表した。

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クッルナー・シュラカー(6月7日付)は、カイロでの反体制派の会議「第2回カイロ大会」の開催に先立って、カドリー・ジャミール前首相(変革解放人民戦線、モスクワ在住)が公開書簡(6日付)を発表、会議開催を準備したアブドゥルアズィーズ・ハイイル氏、ジャラー・ナースィル氏ら民主的変革諸勢力国民調整委員会の幹部を「シリアの殉教者と逮捕者への反逆」(者)と批判した。

AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、June 7, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部などで、シリア軍、アル=カーイダ系組織(反体制武装集団)、ダーイシュ(イスラーム国)の混戦続く(2015年6月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北部(スーラーン・アアザーズ町近郊)のカフラ村に対してシリア軍が空爆を行った。

カフル村にはダーイシュ(イスラーム国)と交戦する反体制武装集団が集結していたという。

シリア軍はまた、フライターン市一帯、タラーリーン村一帯、ハルバル村、ズィルバ村に対しても空爆を行った。

一方、スーラーン・アアザーズ町一帯、シャイフ・リーフ村一帯、ガルナータ村、タクリー村などで、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がダーイシュと交戦、ダーイシュ戦闘員14人が死亡した。

このなかの3人は、反体制武装集団の斬首により死亡した戦闘員だという。

なお、戦闘では反体制武装集団側も6人(うち2人はヌスラ戦線戦闘員)が死亡した。

このほか、反体制武装集団はアレッポ市アシュラフィーヤ地区(シリア政府支配地区)を砲撃し、子供2人を含む9人が死亡した。

他方、SANA(6月6日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)支配下のタドムル市一帯を空爆した。

一方、SANA(6月6日付)によると、スルターニーヤ村、ムシャイリファ村、西サラーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市南西部郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、人民防衛隊がダーイシュ戦闘員8人を殺害、ラッカ県との県境に位置する複数の村を制圧した。

一方、SANA(6月6日付)によると、ハサカ県北東部のサクマーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(6月6日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室がスルーク町東部郊外のハーイシュ村、カーディリーヤ村、ダフリーズ村、ザイディー村、サフラーナ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月6日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、工業地区、ラサーファ地区、フワイジャト・サクル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(6月6日付)によると、ブサイナ高地一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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有志連合の合同司令部は7日、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して21回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、ダイル・ザウル市近郊、アイン・アラブ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

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シリア軍はアル=カーイダ系組織などからなるファトフ軍の攻勢を前にイドリブ県南部から後退(2015年6月6日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構、シャーム軍団、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、スンナ軍、ハック旅団、アンサール・ディーン戦線、イスラーム軍、フルカーン旅団、アンサール・シャーム、トルキスターン・イスラーム党、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、海外第一師団などからなるファトフ軍が、県南部に進軍したシリア軍、国防隊を撃退、ハマキー高地、ブサンクール村およびその周辺、アイン・ハムラー村、ジャンアト・クラー村、マアスィラ検問所、ムハンバル市を制圧した。

この戦闘により、シリア軍側に32人、ファトフ軍側に13人の戦死者が出た。

ファトフ軍はイドリブ県南部一帯(アリーハー市・ジスル・シュグール市間の一帯)の完全制圧をめざして、シリア軍側との戦闘を続けているという。

シリア人権監視団によると、シリア軍と国防隊は、イラン人、アフガン人、イラク人戦闘員約6,000人を動員し、ハマー県北部のガーブ平原からイドリブ県南部に進軍し、ジスル・シュグール市などの奪還をめざしていたが、イドリブ県南部の失地を回復するどころか、同地において維持していた拠点さえも失ってしまった。

これにより、県内でシリア政府の支配下にあるのは、フーア市、カファルヤー町、アブ-・ズフール航空基地、カルクール村一帯、フライカ村、ハマー県境の村々だけとなり、5月半ばにマストゥーマ村郊外の野営キャンプを放棄した後も、イドリブ県での戦闘を指揮していたシリア軍のスハイル・ハサン大佐(「虎」の愛称で知られる)は、ハマー県ガーブ平原にあるジューリーン村に設置されている作戦司令室(イラク革命防衛隊、ヒズブッラーとの合同作戦司令室だという)に撤退したという。

一方、トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のサーリム・ムスラト報道官は声明を出し、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が主導するファトフ軍によるイドリブ県の侵攻を「革命家の勝利」と賞賛したうえで、「革命家による現地での勝利と政治的現実を国際社会は考慮して、シリア国民の希望を実現するための最終的な解決策を案出すべきだ」と主張した。

他方、SANA(6月6日付)によると、シリア軍がムハンバル市周辺の拠点複数カ所を放棄、「同地における今後の戦闘任務を遂行するのによりふさわしい新たな防衛戦、拠点に再集結した」。

シリア軍はまた、サンカラ村、アイナーター村、ムウタリム村、カフルシャラーヤー村、ブサンクール村、ムハンバル市、アブー・ズフール航空基地一帯、タッル・サラムー村、ハーン・シャイフーン市などを空爆、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、マサール・プレス(6月6日付)によると、ファトフ軍がイドリブ県との県境に位置するナビー・ユーヌス峰山頂(反体制派が「クルド山地」と呼ぶ地域)に近いジュッブ・アフマル村、Syriatel塔を、シリア軍との戦闘の末に再制圧した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワーイル地区で、シリア軍、国防隊とジハード主義武装集団が交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(6月6日付)は、シリア軍ヘリコプターがラスタン市の住宅地に「機雷」を投下したと伝えた。

一方、SANA(6月6日付)によると、ラスタン市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサラミーヤ市近郊のトゥルール・ハムル村、クナイトラート村一帯をシリア軍が空爆したが、死傷者はなかった。

一方、SANA(6月6日付)によると、サラミーヤ市郊外のウンム・トゥワイナ村、ザヌーバー村、ラスム・クドスィーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ラターミナ町、カフルズィーター市、アブドゥーン村、ハミーディーヤ村、カストゥーン村を空爆、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月6日付)によると、シリア軍とレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)が、フライタ村郊外無人地帯のシャームの民のヌスラ戦線を殲滅、同地を完全制圧した。

また、ドゥーマー市一帯、ザブディーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月6日付)によると、アナダーン市、フライターン市、バヤーヌーン町、ハイヤーン町、アッザーン山、アブティーン村、マンスーラ村、アレッポ市アイン・タッル地区、バーブ・ハディード地区、カルム・マイサル地区、ライラムーン地区、旧市街、マシュハド地区、サラーフッディーン地区、ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月6日付)によると、東ガーリヤ村、ハーッラ市を空爆、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ナーフタ町、サイダー町、カフルシャムス町、東カラク村、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、ハムザ・アサド・アッラー旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月6日付)によると、西サムダーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Masar Press Agency, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

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イランの公益判別会議のリザーイー書記「イランはシリアへの部隊派遣を検討していない」(2015年6月6日)

イランの公益判別会議書記を勤め、最近になってイラン・イスラーム革命防衛隊に復職したモフセン・リザーイー氏は、シリアにイラン人、イラク人戦闘員約7,000人が派遣されたとするAFPなどの報道に関して、イラン政府が外国への部隊派遣を検討したことはないと述べ、これを否定した。

リザーイー氏は「シリア情勢に関する我々の姿勢は当初から明白だ。我々は顧問派遣を通じて地域諸国を人道的に支援するというものだ。イラン高官の間で、外国への部隊派遣や直接介入に関する議論は行われていない」と述べた。

『ハヤート』(6月7日付)が伝えた。

AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

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聖マリアの名前を冠した世界初のモスクがタルトゥース市で完成(2015年6月6日)

SANA(6月6日付)は、タルトゥース市で「聖マリア・モスク」と名付けられた新たなモスクの建設の完成を祝う式典が開催され、ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教大臣、キリスト教の司祭らが参列した、と伝えた。

聖マリアの名前がモスク名として採用されるのはアラブ世界、イスラーム国において初めてだという。

SANA, June 7, 2015
SANA, June 7, 2015

 

AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

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国連安保理は、「樽爆弾」での攻撃を含む民間人に対するあらゆる暴力行為を非難するプレス向け声明を発表(2015年6月6日)

国連安保理は、シリア情勢に関するプレス向け声明(SC/11921)を出し、民間人、医療機関などのインフラに対するあらゆる暴力行為を強く非難した。

声明はまた、「空爆、「樽爆弾」の使用を含む無差別攻撃」についても言及、指弾した。

プレス向け声明は、ヨルダン、ニュージーランド、スペインが提案した。

声明全文は以下の通り:

The members of the Security Council were briefed by John Ging, Operations Director of the United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs, regarding the recent upsurge of violence in Aleppo.

The members of the Security Council expressed their deep concern at the continued high level of violence in Syria and condemned all violence directed against civilians and civilian infrastructure, including medical facilities. They expressed outrage at all attacks against civilians, as well as indiscriminate attacks, including those involving shelling and aerial bombardment, such as the use of barrel bombs, which have reportedly been extensively used in recent days in Aleppo Governorate and other areas throughout Syria, leaving many dead and injured civilians, including children.

The members of the Security Council recalled that all obligations under international humanitarian law must be respected in all circumstances by all parties. They recalled, in particular, the obligation to distinguish between civilian populations and combatants and the prohibition against indiscriminate attacks and attacks against civilians and civilian objects. The members of the Security Council reiterated their call on all parties to immediately implement in full the provisions of Security Council resolutions 2139 (2013), 2165 (2014) and 2191 (2014) and of the presidential statement of 2 October 2013 (S/PRST/2013/15).

The members of the Security Council reaffirmed the primary responsibility of the Syrian authorities to protect the population in Syria and reiterated that parties to the armed conflict bear the primary responsibility to take all feasible steps to ensure the protection of civilians.

The members of the Security Council condemned increased terrorist attacks resulting in numerous casualties and destruction carried out by ISIL [Islamic State in Iraq and the Levant], Al-Nusra Front and other individuals, groups, undertakings and entities associated with Al-Qaida and called on all parties to commit to putting an end to terrorist acts perpetrated by such organizations and individuals. They affirmed that Member States must ensure that any measures taken to combat terrorism comply with all their obligations under international law, in particular international human rights, international refugee and international humanitarian law.

The members of the Security Council reaffirmed that terrorism in all its forms and manifestations constitutes one of the most serious threats to international peace and security and that any acts of terrorism are criminal and unjustifiable, regardless of their motivation, wherever, whenever and by whomsoever committed.

The members of the Security Council reiterated that the only sustainable solution to the current crisis in Syria is through an inclusive and Syrian-led political process with a view to the full implementation of the Geneva Communiqué of 30 June 2012. In that respect, they expressed their full support for the role and efforts of the Special Envoy of the Secretary-General, Staffan de Mistura.


AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

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チェチェン人からなるムハージリーン・ワ・アンサール軍が、ダーイシュ(イスラーム国)との交戦の是非、ヌスラ戦線との共闘の是非をめぐって内部対立(2015年6月6日)

『クドス・アラビー』(6月6日付)は、複数のメディア筋の話として、チェチェン人など外国人戦闘員からなるアル=カーイダ系組織のムハージリーン・ワ・アンサール軍内で、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線の共闘の是非をめぐって対立が生じている、と伝えた。

それによると、ムハージリーン・ワ・アンサール軍のアミール(司令官)を勤めるサラーフッディーン・シーシャーニー氏が、活動拠点であるアレッポ県でダーイシュと交戦することを拒否し、地中海岸地帯、とりわけラタキア県に転戦する決定を下したが、これに多くの幹部が異議を唱え、アレッポ県カフルハムラ村郊外で、シーシャーニー氏を支持する戦闘員を要撃し、身柄を拘束、アレッポ市郊外統一司法局に送還したのだという。

シリア国内でテロ活動を行うチェチェン人の動静に詳しい「コーカサスのこだま」(http://echokavkaz.blogspot.jp/)はツイッターなどで、シャームの民のヌスラ戦線や統一司法局が、シーシャーニー氏をムハージリーン・ワ・アンサール軍の司令部から解任することをめざしていると伝えた。

その一方で、『クドス・アラビー』は、ムハージリーン・ワ・アンサール軍の幹部のなかには、アル=カーイダ、とりわけシャームの民のヌスラ戦線に忠誠を誓うことの是非が検討されており、アル=カーイダへの忠誠が宣言された場合、ムハーリジーン・ワ・アンサール軍はダーイシュとの戦闘に参加することになると伝えている。

AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、al-Quds al-‘Arabi, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市南部でダーイシュ(イスラーム国)と戦うシリア軍との共闘を求めるクルド系部族代表らがYPGと行っていた協議が決裂(2015年6月5日)

クッルナー・シュラカー(6月7日付)は、ハサカ市南部郊外に侵攻するダーイシュ(イスラーム国)と戦闘を続けるシリア軍への協力の是非をめぐり、同地のクルド系部族、アラブ系部族、キリスト教徒の代表が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と協議したが、物別れに終わったと伝えた。

それによると、クルド系部族代表らは、人民防衛隊に対して、シリア軍と協力することを要請したが、人民防衛隊は「我々は有志連合と連携している。我々には我々の戦い、戦線があり、シリア軍にもシリア軍の戦い、戦線がある。すべての当事者が自分の戦いを行うべきだ」と回答、これを拒否したという。

Kull-na Shuraka’, June 7, 2015をもとに作成。

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ロシア外務副大臣が、シリア政府と反体制派の和平交渉「モスクワ3」開催に意欲(2015年6月5日)

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣はイタルタス通信(6月5日付)に対して、シリア政府が紛争解決に向けた反体制派との和平交渉「モスクワ3」の開催を要請しているとしたうえで、ロシアが交渉に向けて、シリア政府、反体制派双方の代表を招聘する用意がある、と述べた。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Itar-tass, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

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国防隊司令官がイスラーム軍の尋問を受け「アサド政権はダーイシュ(イスラーム国)をヒムス県東部やカラムーン地方東部に招き入れ、住民の支持を獲得しようとした」と証言(2015年6月5日)

クッルナー・シュラカー(6月5日付)は、イスラーム軍幹部の話として、イスラーム軍が最近逮捕した親政権の民兵「ワファー軍」のハーリド・ダイリー司令官(アブー・スライマーン)が尋問にいて、「アサド政権は、ダーイシュ(イスラーム国)を(ヒムス県の)砂漠地帯、バトラー地方、(ダマスカス郊外県の)東カラムーン地方に招き入れ、東グータ地方住民の間に恐怖を喚起し、「ワファー軍」への参加を促そうとしていた、と証言した(させられた)と伝えた。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、ヒズブッラー戦闘員がカラムーン地方の国境地帯で、ヌスラ戦線とダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了、同地の完全制圧を宣言(2015年6月5日)

ダマスカス郊外県では、SANA(6月5日付)によると、シリア軍が、レバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともにフライタ村無人地帯のサッラージャ高地で「タクフィール主義テロ組織」を掃討、同地を完全制圧した。

またレバノンのレジスタンスは、アルサール市無人地帯のワーディー・ハイル東部に位置するシュウバト・カルア山を制圧した。

これに関して、シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、カラムーン地方のシリア・レバノン国境の山岳丘陵地帯から、シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、同地全土を完全制圧したと発表した。

同声明によると、カラムーン地方の制圧作戦は2段階にわたって行われ、2014年までに実施された第1段階では、カーラ市、ダイル・アティーヤ市、ナブク市、ヤブルート市およびその周辺、マアルーラー市、サルハ市、ジュッバ市、アッサール・ワルド町、フライタ村など都市部を中心に奪還、治安と安定の回復が行われた。

また第2段階は、国防隊およびレバノンのレジスタンスの支援のもと、2015年に入ってから実施され、ラアス・マアッラ無人地帯、ムーサー丘、シュマイス・ヒサーン山、カルナト・タウィール、フライタ村無人地帯、そのほか多数の丘陵が奪還されたという。

しかし、シリア人権監視団によると、レバノン国境に近いカラムーン地方無人地帯で3日、シャームの民のヌスラ戦線とシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が交戦、ヒズブッラー戦闘員8人が死亡したという。

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一方、NNA(6月5日付)によると、レバノン軍がベカーア県バアルベック郡アルサール村、ラアス・バアルベック村一帯のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点に対して激しい砲撃を行った。

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また、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、マフディー・ボーイ・スカウト???主催の集会参加者に向けてビデオ演説を行い、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方における戦果が、レバノン軍の「負担を和らげ、国家と国民が軍に対して求めてきた措置の実施を促すことになろう」と述べた。

ナスルッラー書記長は、タンマーム・サラーム内閣が4日に、アルサール地方への武装集団の攻撃に備えるための部隊の展開に必要な措置の実施をレバノン軍に指示したことを受け、「内閣の決定により…、アルサールの問題は、政治家たちの問題ではなくなり、軍の問題となった。レバノン国民は軍司令部に国務を果たすよう欲している」と述べた。

またヒズブッラー戦闘員の同地での活動に関して、「我々がアルサールに入るなどと誰も言っていない。この村はタクフィール主義者に占領されている。同村の奪還の責務は国家と軍が負っている」と強調した。

「フライタ村無人地帯(シリアのダマスカス郊外県カラムーン地方)で大きな進展があった。この成果により、レジスタンスとシリア・アラブ軍の兄弟たちは、カラムーン山地一帯郊外でも、アルサール村郊外でもthe upper hand」。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍とアル=カーイダ系組織からなるファトフ軍がイドリブ県で攻防を続ける(2015年6月5日)

イドリブ県では、マサール・プレス(6月5日付)によると、シリア軍がサルキーン市の電力会社をミサイルで空爆し、「民間人12人が死亡、数十人が負傷」した。

シリア軍はまた、マアッラト・ハルマ村、マアッラトマーティル村、マアッルズィーター村、カンスフラ村、バーラ村、ラーミー村、イブリーン村、マアッラト・ヌウマーン市、バルシューン村を「樽爆弾」などで空爆した。

これに対して、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍は、シリア政府支配下にあるムハムバル村に向かって進軍を試み、同市周辺、ハルシュ・ブサンクール村、カイヤーサート検問所一帯でシリア軍と交戦する一方、ジスル・シュグール市南部のアアワル高地一帯でも、同地への進軍に成功したシリア軍と交戦した。

一方、SANA(6月5日付)によると、アウラム・ジャウズ村、ラーミー村、カフルハーヤー村、ムウタリム村、カイヤーサート検問所北部をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ハルシュ・ブサンックール村一帯に進軍したヌスラ戦線と交戦、これを撃退するとともに、サンカラ村一帯、カフルシャラーヤー村でも反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市マイサル地区など同市東部一帯を「樽爆弾」で空爆、マイサル地区では子供1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(6月5日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、サラーフッディーン地区、カーディー・アスカル地区、旧市街、アターリブ市、アウラム・クブラー町、マドユーナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、バドル殉教者旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(6月5日付)によると、「革命武装組織」がハッダーディーン村一帯でシリア軍と交戦し、同地を制圧した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東カラク村、ムザイリーブ町、ウンム・アウサジュ村、ナーフタ町、ナマル町などを「樽爆弾」で空爆、ムザイリーブ町では子供1人が死亡した。

一方、SANA(6月5日付)によると、ナーフタ町・東ムライハ町間街道、東ガーリヤ村・スーラ町間街道、ムサイフラ町、東カラク村、キヒール村、ダーイル町・ヒルバト・ガザーラ町間街道、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア軍が、ザマルカー町、ジスリーン町、ミスラーバー市、バイト・ティーマー村、バイト・サービル町、ザブディーン村、アイン・タルマー村を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥーマー市、アーリヤ農場、ハラスター市郊外農場地帯でも、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(6月5日付)によると、シリア軍がジャウバル区を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月5日付)によると、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SLN(6月5日付)によると、自由シリア軍南部戦線第1軍が、シリア軍が駐留するサアラ航空基地に対して迫撃砲で攻撃を加えた。

Kull-na Shuraka', June 5, 2015
Kull-na Shuraka’, June 5, 2015

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、SLN, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市郊外でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の攻防続く(2015年6月5日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市への侵入をめざすダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍、国防隊、バアス大隊が同市南部郊外で交戦を続けるなか、シリア軍が同地のダーイシュ拠点を狙って空爆を行った。

ダーイシュはハサカ市南部500メートルの地点にまで接近しており、シリア軍は同市への増援部隊派遣を続けているが、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は今のところ、シリア軍に対する支援、共闘はしていないという。

AFP(6月5日付)によると、ダーイシュの進軍を受けて、シリア政府の支配下にあるハサカ市南部および東部地区の住民が、西クルディスタン移行期民政局支配下の同市西部および北部地区に避難を続けているという。

シリア人権監視団によると、ハサカ市南部一帯での戦闘により、シリア軍側に71人、ダーイシュに48人の死者が出ており、ダーイシュ戦闘員の死者のうち11人が自爆により死亡したという。

一方、SANA(6月5日付)によると、ハサカ市南部郊外のアフダース刑務所一帯、マジュバル・ザフティー村、スーダー村、アブド村、ガラート村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍、国防隊はまた、ハサカ市南東部で、ダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるブーライル村を空爆し、8人が死亡した。

またダイル・ザウル航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュが交戦し、双方に死傷者が出た。

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ヒムス県では、SANA(6月5日付)によると、西サラーム村、スルターニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月5日付)によると、アレッポ市東部郊外の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領は、アルメニアのシリア友好協会の使節団と会談(2015年6月4日)

アサド大統領は、シリアを訪問中のアルメニア共和国のアルメニア・シリア友好協会の使節団と会談した。

使節団はまた、ワーイル・ハルキー首相、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣とも個別に会談した。

SANA(6月4日付)が伝えた。

AFP, June 4, 2015、AP, June 4, 2015、ARA News, June 4, 2015、Champress, June 4, 2015、al-Hayat, June 5, 2015、Iraqi News, June 4, 2015、Kull-na Shuraka’, June 4, 2015、al-Mada Press, June 4, 2015、Naharnet, June 4, 2015、NNA, June 4, 2015、Reuters, June 4, 2015、SANA, June 4, 2015、UPI, June 4, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がハマー県北部でファトフ軍に対して反転攻勢(2015年6月4日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、イドリブ県との県境に位置するズィヤーディーヤ村、ラサーリーフ村、アアワル高地で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍と交戦し、同地を奪還、制圧した。

これに関して、SANA(6月4日付)は、シリア軍がイドリブ県との県境に位置する戦略的要衝および丘陵地帯シャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員40人以上を殲滅、複数の拠点を完全制圧したと伝えた。

シリア軍が制圧したのは、ガザール高地、アアワル高地、ズィヤーディーヤ村、サラーリーフ村。

SANAによると、シリア軍はまた、サルマーニーヤ高地一帯を空爆し、戦闘員多数を殺害、またラターミナ町でも武装集団に打撃を与えたという。

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イドリブ県では、SANA(6月4日付)によると、シリア軍がバサーミス村、ヒーラー村、ジャダーリヤー村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、ジュンド・アクサー機構などファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーシュカウィー村、ハンダラート・キャンプ一帯で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などと交戦、ヌスラ戦線側は、シリア軍とともに戦闘に参加していたというアフガン人戦闘員1人を捕捉した。

アレッポ市でも、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員が、ヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール軍などでザフラー協会地区(大使徒モスク、空軍情報部一帯)で交戦した。

一方、SANA(6月4日付)によると、アアザーズ市、アウラム・クブラー町、タッル・リフアト市、マーリア市、タラーリーン村を、シリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またラトヤーン村、アターリブ市、ハーン・アサル村、ナイラブ航空基地西部、アレッポ市旧市街で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市、タイバ村を空爆、マルジュ地区、レバノン国境に近いカラムーン地方無人地帯で、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月4日付)によると、アイン・タルマー渓谷をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマルジュ・スルターン村、カースィミーヤ町、ダイル・サルマーン町、ザマーニーヤ村、バハーリーヤ村、ビラーリーヤ村、ザバダーニー市東部山岳地帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフラーク市などを空爆した。

一方、SANA(6月4日付)によると、サイダー町、フラーク市、ブスラー・シャーム市、ラジャート高地のスーム・ダルジャ村一帯、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ヤルムーク軍、シャームの民のヌスラ戦線、ハウラーン・ムジャーヒディーン大隊、南部タウヒード旅団、スジャイル砲兵大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、マアラカ村、ラフィード村一帯を空爆した。

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ラタキア県では、SANA(6月4日付)によると、ヌーバ山、アイドゥー村、キンサッバー町、バラードゥーン・ダム一帯、ダッラ村、ハドラー村、アティーラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、海岸自由人旅団、スルターン・アブドゥルハミード旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、ARA New(6月4日付)によると、ヒムス市内のバアス大学に迫撃砲弾2発が着弾し、学生1人が死亡した。

AFP, June 4, 2015、AP, June 4, 2015、ARA News, June 4, 2015、Champress, June 4, 2015、al-Hayat, June 5, 2015、Iraqi News, June 4, 2015、Kull-na Shuraka’, June 4, 2015、al-Mada Press, June 4, 2015、Naharnet, June 4, 2015、NNA, June 4, 2015、Reuters, June 4, 2015、SANA, June 4, 2015、UPI, June 4, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県、ハサカ県などでのダーイシュ(イスラーム国)、反体制武装集団、シリア軍、YPGの混戦続く(2015年6月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制派に属する「戦闘軍団」がダーイシュ(イスラーム国)によって制圧されたスーラーン・アアザーズ町各所を迫撃砲で攻撃した。

この戦闘で、ダーイシュのバーレーン人司令官が死亡した。

反体制武装集団はまた、ウンム・クラー村のダーイシュ拠点を砲撃したが、この攻撃による死傷者は出なかった。

一方、同監視団によると、「戦闘機」(国籍、所属は明記せず)がタラーリーン村を空爆し、男性2人が死亡し、複数が負傷したという。

マーリア市近郊に位置するタラーリーン村は、ダーイシュと戦う反体制武装集団が集結していたという。

他方、SANA(6月4日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、マサール・プレス(6月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県南東部のバトラー地方で反体制武装集団を要撃し、4人を殺害する一方、マハッサー地方では、反体制武装集団がダーイシュを要撃し、9人を殺害した。

一方、SANA(6月4日付)によると、東サラーム村、スルターニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団とダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が交戦した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市周辺とりわけ南部および南西部一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)が、6回にわたり自爆攻撃を行うなどして、攻勢を続け、国軍、国防隊と激しく交戦、双方が砲撃戦を行うなか、シリア軍が同地一帯を空爆した。

この戦闘でシリア軍兵士・国防隊隊員少なくとも27人が死亡、またダーイシュ戦闘員も20人以上が死亡した。

死亡したダーイシュ戦闘員のうち6人が自爆攻撃によるものだったという。

またハサカ市郊外での戦闘激化を受け、ハサカ市郊外で暮らす住民が市内に避難したという。

これに関して、ハサカ県のムハンマド・ズアール・アリー県知事は、シリア・アラブ・テレビ(6月4日付)に対し、ダーイシュがハサカ市周辺で12回にわたる自爆攻撃を行い、市内に潜入しようとしているが、シリア軍、国防隊がこれを撃退し、あらたな検問所を設置したと述べた。

また、SANA(6月4日付)によると、ハサカ市南部郊外のダーウディーヤ村、アフダース刑務所一帯を、シリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、『ワタン』(6月5日付)は、ハサカ市郊外でのダーイシュの攻勢に関して社説で「ハサカ市を防衛するクルド人同胞の一部による怠慢」が原因だと主張、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がシリア軍、国防隊と共闘しないことを暗に批判した。

社説ではまた、「一部のクルド人、そして彼らのなかにいる欧米の手先にとっての政治的・地域主義的野望とは、「地域」ないしは「自治区」なるものを作り、シリアとイラク領内に国家を建設することになる」と非難、「シリア分割計画」がシリア軍、国民を脅かしていると警鐘を鳴らした。

このほか、シリア人権監視団によると、シリア軍は、ダーイシュの主要拠点の一つシャッダーディー市に対しても激しい空爆を加え、ダーイシュ・メンバー多数が死亡した。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(6月4日付)によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯で、シリア軍およびパレスチナ人民兵が、ダーイシュ(イスラーム国)などからなる反体制武装集団と交戦し、シリア軍側に数十人の死傷者が出た。

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スワイダー県では、SANA(6月4日付)によると、フーシュ・ハマード村、マドゥール村、ラジャム・ダウラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ロイター通信(6月4日付)は、トルコ高官筋の話として、ラッカ県タッル・アブヤド市周辺での西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊などユーフラテスの火山合同作戦司令室とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘で、過去2日間で住民3,337人がトルコ領内に避難している、と伝えた。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の3日8時から4日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ハサカ市近郊、ラッカ市近郊、アイン・アラブ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 4, 2015、AP, June 4, 2015、ARA News, June 4, 2015、Champress, June 4, 2015、al-Hayat, June 5, 2015、Iraqi News, June 4, 2015、Kull-na Shuraka’, June 4, 2015、al-Mada Press, June 4, 2015、Masar Press Agency, June 4, 2015、Naharnet, June 4, 2015、NNA, June 4, 2015、Reuters, June 4, 2015、SANA, June 4, 2015、UPI, June 4, 2015、al-Watan, June 4, 2015などをもとに作成。

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カタールのジャズィーラ・チャンネルが、アル=カーイダ系組織「ヌスラ戦線」の指導者ジャウラーニー氏の独占インタビューの続きを放映(2015年6月3日)

カタールの衛生テレビ局ジャズィーラ・チャンネルは3日晩のインタビュー番組「ビラー・フドゥード」(無制限)で、27日に引き続き、シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏とされる人物と行った独占インタビュー(https://www.youtube.com/watch?v=a8Kzc7qBgyE)を放映した。

インタビューでのジャウラーニー氏の主な発言は以下の通り:

「イランはペルシャ帝国の栄光を取り戻したいと考えている…。イランは、バッシャール・アサドの時代になって、地域における権威を増した。しかし、メディアで言われているほどにイランはアサドを掌握してはいない…。レバノンのヒズブッラー、イエメンのフースィー派、イラクのラーフィディーン(シーア派)はイランが作り出したものだ」。

「イランはシリアに軍を動員していない…。しかし専門家や武器…そしてシーア派民兵の一部を動員している」。

「アサド政権はきわめて大いなる段階を経て消滅するだろう…。政権は海岸地域には残存するだろうが…」。

「我々は、ムスリム同胞団が現在進めている路線の間違いに気づき、いつか自らの原理に立ち返り、ジハードに回帰し、武器を持つことを願っている…。ムスリム同胞団は逸脱してしまった。イスラームは、我々が議会に進出し、憲法に対して宣誓することを認めていない。救済はジハードによって達成されるのであり、政治的な争いによって達成されることはない」。

「我々は支配することをめざしていはいない。正統なイスラーム的政府がシャームに発足したら、我々はその兵卒となる…」。

「ヌスラ戦線戦闘員に占めるムハージリーン(外国人戦闘員)の割合は約30%だ…。世界各国からやって来た…。ムハージルーンは戦闘の最前線におり、そのいずれもが勇敢だ」。

「米国はアル=カーイダを無人戦闘機では根絶できないだろう」。

「ダーイシュはハワーリジュ派だ…。彼らはイスラーム教徒の血を流し、法的な規則に基づかずにイスラーム教徒に背教宣告を行い、敵に背教宣告を下している…。彼らは我々に背教宣告を下したが、我々はもちろん彼らに対して背教宣告を下していない…。彼らは組織のメンバーを斬首刑、磔刑に処している」。

「ダーイシュは、市場、シーア派の聖地を爆破するなとするザワーヒリー師の命に従わなかった…。私は、アブー・バクル・バグダーディーがアイマン・ザワーヒリー師に忠誠を誓うと名言したので、彼に忠誠を誓った…。ヌスラ戦線とダーイシュの間に意見の相違が生じると、バグダーディーはこの忠誠を退け、誓約を破った」。

「我々と彼らの間には今のところ和解はない。期待されるような和解はない。我々は彼らがアッラーに改悛を求め、正気に戻ることを望んでいる…。我々が彼らに力を与え、彼らが我々を力づけることを望んでいる。もしそうならなければ、我々と彼らの間にあるのは戦いのみだ」。

「アサド政権は、ヌスラ戦線とダーイシュとの間で戦闘が乗じたことで、勢力を盛り返した」。

「ダーイシュは北部の街道、そして南部と北部を結ぶ街道を寸断している。もちろん、彼らは我々とダマスカスの間に立ちはだかっている」。

(ダーイシュ(イスラーム国)が樹立を宣言したカリフ制は)「違法で、ウラマーらによって拒否されている。なぜなら、法(シャリーア)的根拠に基づいて樹立されたのではなく、彼らが一方的に宣言し、人々に押しつけたからだ…。彼らはこの名(カリフ制)を用いることで、ムジャーヒディーンの戦列を分裂させてしまった」。

「国外にいる(シリアの)反体制政治組織は、メディアとホテル以外に居場所はない」。

Youtube, June4, 2015
Youtube, June4, 2015

 

AFP, June 4, 2015、Aljazeera.net, June 4, 2015、AP, June 4, 2015、ARA News, June 4, 2015、Champress, June 4, 2015、al-Hayat, June 5, 2015、Iraqi News, June 4, 2015、Kull-na Shuraka’, June 4, 2015、al-Mada Press, June 4, 2015、Naharnet, June 4, 2015、NNA, June 4, 2015、Reuters, June 4, 2015、SANA, June 4, 2015、UPI, June 4, 2015などをもとに作成。

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国連安保理でシリアの化学兵器廃棄に関する非公開会合が開催(2015年6月3日)

国連安保理で、シリアの化学兵器廃棄に関する非公式会合が開催された。

会合では、化学兵器禁止機関が化学兵器関連施設解体の進捗状況を報告する一方、米国がシリア国内での塩素ガス使用者の特定を求める安保理決議の採択をめざしたが、ロシアの反対によって阻止された。
『ハヤート』(6月5日付)が伝えた。

AFP, June 4, 2015、AP, June 4, 2015、ARA News, June 4, 2015、Champress, June 4, 2015、al-Hayat, June 5, 2015、Iraqi News, June 4, 2015、Kull-na Shuraka’, June 4, 2015、al-Mada Press, June 4, 2015、Naharnet, June 4, 2015、NNA, June 4, 2015、Reuters, June 4, 2015、SANA, June 4, 2015、UPI, June 4, 2015などをもとに作成。

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論考(PDF版公開)「シリア反体制武装勢力の同質性と異質性:アル=カーイダ系組織、ジハード主義者、「穏健な反体制派」(『国際情勢紀要』)

青山弘之「シリア反体制武装勢力の同質性と異質性:アル=カーイダ系組織、ジハード主義者、「穏健な反体制派」
『国際情勢紀要』第85号(http://www.sekaiseikei.or.jp/kokujo2014.pdf)、2015年3月、125~133ページ

Ⅰ はじめに

シリアで紛争が発生してから2015年3月半ばで4年が経とうとしている。「アラブの春」の一環として始まったはずのこの紛争が「独裁政権」対「民主化運動」といったイメージとはほど遠く、混沌と暴力の応酬によって特徴づけられていることは今や周知の事実である。そこでは、シリア軍、国防隊、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(Yekîneyên Parastina Gel、略称YPG)、反体制武装勢力が入り乱れて戦いを続けるなか、米国が主導する有志連合が、一方でイスラーム国壊滅に向けて空爆を行いつつ、他方でバッシャール・アサド政権退陣をめざして「穏健な反体制派」を支援している。
本論では、現下の武力紛争における主要な当事者のうち、アル=カーイダ系組織、ジハード主義組織、「穏健な反体制派」といった言葉(カテゴリー)で分類されることが多い反体制武装勢力の組織間の関係に着目することで、その異質性と同質性を明らかにする。そのうえで、反体制武装勢力への支援や共鳴が持つ意味を考察する。なお2011年以降のシリア国内情勢の詳細な推移については「シリア・アラブの春顛末記――最新シリア情勢――」(https://syriaarabspring.info/)を参照されたい。・・・

有志連合を指揮するアレン米退役大将「アサド大統領を排除したかたちでシリアでの政治的移行をどのように実現するかについて非常に活発な議論が行われている」(2015年6月3日)

イラクとシリアでイスラーム国(ダーイシュ)殲滅に向けた有志連合を指揮するジョン・アレン米退役大将は、カタールで開催された「アメリカ・イスラーム世界フォーラム」(ブルッキングス研究所)での記者会見で、イラク、シリア情勢について語った。

シリア情勢に関して、アレン退役大将は、トルコ・シリア・イラク間の国境がダーイシュの外国人戦闘員に対する「最後の防衛戦」だと位置づけ、国境警備の必要を強調する一方、3カ国以外の国々も外国人戦闘員の流入を食い止めるための支援を行わねばならないと強調した。

また、シリアの紛争へのいかなる「長期的解決策」においてもアサド大統領が役割を担うべきでないと主張、諸外国とともに、アサド大統領を排除したかたちでシリアでの政治的移行をどのように実現するかについて「非常に活発な議論」が行われていることを明らかにした。

『ハヤート』(6月4日付)が伝えた。


AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県各所を爆撃(2015年6月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルサジュナ村をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、女性5人を含む一家8人が死亡した。

一方、SANA(6月3日付)によると、ジスル・シュグール市一帯、アウラム・ジャウズ村、バサーミス村、サルミーン市をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(6月3日付)は、トルコ赤新月社がイドリブ市郊外に野戦病院を設営したと伝えた。

この野戦病院はベッド50台が「完備」されているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北東部のブライジュ村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)、イラン人・アフガン人戦闘員が、アル=カーイダ系組織のムハージリーン・ワ・アンサール軍、アンサール・ディーン戦線などと交戦した。

またシリア軍は、タッル・リフアト市各所を「樽爆弾」で空爆し、シリア人権監視団によると、子供8人を含む16人が死亡した(クッルナー・シュラカー(6月3日付)によると死者数は34人)。

さらにシリア軍は、ハーン・トゥーマーン村一帯を砲撃した。

一方、SANA(6月3日付)によると、ティヤーラ村、ワディーヒー村、ナイラブ航空基地周辺、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ザフラー協会地区、ジャンドゥール地区、ライラムーン地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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一方、ダーイシュが包囲するアレッポ市東部のダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、レバノンとの国境に近いカラムーン地方無人地帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地一帯を砲撃した。

一方、SANA(6月3日付)によると、バーラー村農場、ダイル・サルマーン町、タッル・クルディー町、リーハーン農場、ドゥーマー市郊外、ナシャービーヤ町、ダイル・アサーフィール市、マハッサ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルシャムス町一帯、サイダー町、ヌアイマ村をシリア軍が砲撃、ムライハ市、フラーク市、カラク村、スーラ村などを「樽爆弾」で空爆した。

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ヒムス県では、SANA(6月3日付)によると、タルビーサ市、西サラーム村、ムシャイリファ村、ハッターブ村、ラスタン市郊外、タッル・ザハブ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ヒムス軍団、ファールーク大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(6月3日付)によると、ヒムス市ザフラー地区(シリア政府支配地域)で、旅客用マイクロバス内で爆弾が爆発した。
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ダマスカス県では、SANA(6月3日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月3日付)によると、サイダー町一帯、ダルアー市カラク地区、カタキート工場で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が激戦(2015年6月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部郊外のアフダース刑務所一帯にダーイシュ(イスラーム国)が再び進軍、爆弾を積んだ自動車を自爆させるなどして、シリア軍、国防隊と交戦した。

これに対して、シリア軍は同地一帯、ダーウディーヤ村一帯を「樽爆弾」で空爆、またダーイシュの主要拠点であるシャッダーディー市一帯に対しても空爆を実施した。

ダーイシュとシリア軍、国防隊の戦闘で、数十人が死亡したと見られる。

シリア人権監視団によると、ダーイシュはダイル・ザウル県各所に展開していた戦闘員400人以上をハサカ市南部に派遣し、攻勢をかけているという。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)は、ダーイシュが戦闘の末、アフダース刑務所を制圧したと伝える一方、シリア・アラブ・テレビ(6月3日付)は、「ダーイシュが爆弾を仕掛けた車5台を突入させた後、刑務所内の建設中の建物に突入しようとした」との速報を流した。

また、SANA(6月3日付)によると、ダーイシュはアレッポ市南部の発電所近くでも爆弾を仕掛けた車を爆発させたほか、同発電所一帯およびサフル村でシリア軍、国防隊と交戦した。

シリア軍はさらに、ダーウディーヤ村、マジュバル・ザフティー村、アブー・サイード農場、アフダース刑務所、ラッド・シャクラー村、カブル・シャーミーヤ村、東ナハーブ村、西ナサーブ村一帯のダーイシュ拠点を空爆したほか、ダーイシュの主要拠点の一つシャッダーディー市各所に対しても空爆を行った。

シリア人権監視団によると、ダーイシュはこのほかにも、タッル・タムル市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点を砲撃した。

一方、人民防衛隊は、ラアス・アイン市一帯で交戦を続けた。

クッルナー・シュラカー(6月4日付)によると、ダーイシュはラアス・アイン市近郊のタッル・ニハーブ村の人民防衛隊拠点に対して2度にわたり自爆攻撃を行い、隊員10人以上が死亡、またウンム・ディブス村でもダーイシュは4回の自爆攻撃を行い、隊員2人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(6月3日付)によると、タドムル市一帯、スフナ市、サワーナ町、フナイフィース村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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AKI(6月3日付)は、ラッカ市で活動するスブヒー・ハッラークを名乗る活動家の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア領内の支配地域で200以上の刑務所・拘置所を設置、運営している、と伝えた。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の2日8時から3日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回におよび、ハサカ市近郊、ダイル・ザウル市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 3, 2015、Anadolu Ajansı, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、June 4, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

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