ISSGに参加する「シリアの友連絡グループ」諸国がパリで外相級会合し、シリア軍の爆撃を停止させるようロシアを求める(2016年5月9日)

ISSG(国際シリア支援グループ)に参加する「シリアの友連絡グループ」諸国がフランスの首都パリで外相級会合を開き、シリア情勢への対応について協議した。

会合に参加したのは、米英仏、サウジアラビア、トルコ、カタール、UAEの外相らで、リヤド最高交渉委員会委員長のリヤード・ヒジャーブ元首相も出席した。

外相級会合を主催したフランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は会合に先立ってRTL(5月9日付)に対して「ジュネーブでの交渉はシリア政府が停戦違反を続ける限り再開できない…。アサド政権は病院や避難民キャンプを空爆し続けている…。アレッポ市で彼らが攻撃しているのはダーイシュ(イスラーム国)ではなく、「穏健な反体制派」が標的となっている。こうした反体制派を我々はこの会合に招聘している」と述べた。

またサウジアラビアとカタールがこの「穏健な反体制派」を支援しているのかとの質問に対して、「もちろんだ…。両国だけでなく、フランス、ドイツ、イタリア、米国など…も支援している」と述べた。

そのうえで「我々はこの会合で、ダマスカスの政権に圧力をかけ、空爆を停止させるようモスクワに求めるつもりだ」と付言した。

一方、サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、外相級会合に先立って行われたエロー外務大臣との会談後、シリア情勢に関して「我々はシリアの兄弟たちを支援し続ける。なぜなら、彼らにはバッシャール・アサドを排除したかたちで、平等の原則に基づく新生国家を樹立する権利があるからだ」と述べた。

『ハヤート』(5月10日付)などが伝えた。

アレッポ市および同市一帯での戦闘は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、アル=カーイダとの関係を否定するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、ダーイシュとの関係がとりざたされるジュンド・アクサー機構、トルコが積極支援するトルキスターン・イスラーム党やシャーム軍団(シリア・ムスリム同胞団系)が反体制派を主導し、シリア軍、国防隊、外国人(イラン人、イラク人、アフガン人)民兵と交戦している。

このうち、シャーム自由人イスラーム運動は、イスラーム軍とともにリヤド最高交渉委員会に所属していたが、ジュネーブ3会議第3ラウンド中に脱会、最近になってヌスラ戦線などとともにファトフ軍を再編し、アレッポ市南部郊外で攻勢を強めていた。

AFP, May 9, 2016、AP, May 9, 2016、ARA News, May 9, 2016、Champress, May 9, 2016、al-Hayat, May 10, 2016、Iraqi News, May 9, 2016、Kull-na Shuraka’, May 9, 2016、al-Mada Press, May 9, 2016、Naharnet, May 9, 2016、NNA, May 9, 2016、Reuters, May 9, 2016、SANA, May 9, 2016、UPI, May 9, 2016などをもとに作成。

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米・ロシア共同声明:ロシアは航空作戦の極小化を、米国は同盟国経由でのテロ支援抑止を約束(2016年5月9日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は米国のジョン・ケリー米国務長官と電話会談を行い、シリア情勢への対応について協議した。

ロシア外務省の声明によると、電話会談で米国側の要請によるもので、ラブロフ外務大臣は、ケリー国務長官に対して、トルコ領を経由したシリアの「過激派」への兵站支援を阻止するよう要請した。

ロシア外務省の声明ではまた、ラブロフ外務大臣とケリー国務長官がシリアの紛争を政治的に解決するための努力を増幅させることを計画していると付言した。

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この電話会談を受け、米・ロシアは共同声明を出し、シリア国内での戦闘停止への取り組みを再確認し、全国規模でのその実施に向けた努力を集中させることを決定したと発表した。

そのうえで「ロシアはシリア当局とともに、民間人や停戦に応じた当事者が主に居住する地域での航空作戦を極小化する」、「米国は地域の同盟国に対して集中的な支援を行い、これらの国の国境を経由してテロ組織に対して行われる戦闘員、武器、資金援助を阻止させる」と明言した。

AFP, May 9, 2016、AP, May 9, 2016、ARA News, May 9, 2016、Champress, May 9, 2016、al-Hayat, May 10, 2016、Iraqi News, May 9, 2016、Kull-na Shuraka’, May 9, 2016、al-Mada Press, May 9, 2016、Naharnet, May 9, 2016、NNA, May 9, 2016、Reuters, May 9, 2016、SANA, May 9, 2016、UPI, May 9, 2016などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領が「ダーイシュと戦っているのはトルコ軍だけだ」と主張するなか、有志連合はアレッポ県北西部のダーイシュの攻勢に対して爆撃で対抗(2016年5月9日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイスタンブールで演説を行い、そのなかでトルコ軍がアレッポ県北西部のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して行う越境砲撃とダーイシュによるキリス市への砲撃に関して、「米国主導の有志連合はトルコだけをこの組織(ダーイシュ)に対峙させている…。シリアでは、ダーイシュと戦っていると言う者のなかで我々ほどダーイシュに損害を与えているものはいない。我々ほどの代償を払っている者もいない」と不満を述べた。

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アレッポ県では、ARA News(5月9日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県北西部の撮る国境に近いヤフムール村、カッラ・マズラア町、ニヤーラ村、カフルシューシュ村一帯などを激しく攻撃し、シャーム軍団などからなるハワール・キリス作戦司令室と交戦した。

戦闘を受け、ハワール・キリス作戦司令室を支援するため、有志連合がジャカー村、ラーイー村一帯のダーイシュ拠点を空爆した。

AFP, May 9, 2016、AP, May 9, 2016、ARA News, May 9, 2016、Champress, May 9, 2016、al-Hayat, May 10, 2016、Iraqi News, May 9, 2016、Kull-na Shuraka’, May 9, 2016、al-Mada Press, May 9, 2016、Naharnet, May 9, 2016、NNA, May 9, 2016、Reuters, May 9, 2016、SANA, May 9, 2016、UPI, May 9, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県、ヒムス県、イドリブ県などで、シリア軍と反体制派の戦闘続く(2016年5月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン村一帯で、シリア軍、国防隊、外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍と交戦、戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。

一方、SANA(5月8日付)によると、アレッポ市マイダーン地区、ムジャイリーヤ地区、ザフラー協会地区、ラームーサ地区、ダーヒヤト・アサド地区、カルム・ジャバル地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、4人が死亡、約20人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサアン・アスワド村、ガジャル村を砲撃した。

シリア軍はまたヒムス市ワアル地区各所を狙撃した。

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イドリブ県では、ARA News(5月8日付)によると、ファトフ軍はフーア市、カファルヤー町を砲撃した。

一方、シリア軍戦闘機がビンニシュ市を空爆し、女性2人と子供1人が死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがカーミシュリー市アンタリーヤ地区にある拘置所に拘束中の囚人・逮捕者約90人を釈放した。

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ダルアー県では、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がダルアー市アッバースィーヤ地区、ハリーフ丘、シャイフ・フサイン丘一帯でシャームの民のヌスラ戦線、南部タウヒード旅団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月7日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、アレッポ県アレッポ市(ザフラー協会地区、ハーリディーヤ地区)で発生、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

AFP, May 8, 2016、AP, May 8, 2016、ARA News, May 8, 2016、Champress, May 8, 2016、al-Hayat, May 9, 2016、Iraqi News, May 8, 2016、Kull-na Shuraka’, May 8, 2016、al-Mada Press, May 8, 2016、Naharnet, May 8, 2016、NNA, May 8, 2016、Reuters, May 8, 2016、SANA, May 8, 2016、UPI, May 8, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線によって拘束されていたスペイン人記者3人が釈放され、マドリード郊外の空軍基地に到着:スペイン政府はヌスラ戦線を支援支援国のトルコとカタールに謝意(2016年5月8日)

スペイン政府は声明を出し、シリア北部のアレッポ市で2015年7月にアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線によって拉致されていたスペイン人記者3人ホセ・マヌエル・ロペス(Jose Manuel Lopez)氏、アントニオ・パンプリエガ(Antonio Pampliega)氏、アンヘル・サストレ(Angel Sastre)氏がトルコ経由で、マドリード郊外の空軍基地に到着した、と発表した。

スペイン政府はまた声明で、3人の釈放が「多くの職員の努力と同盟諸国、友好諸国、とりわけ(交渉の)最終段階におけるトルコとカタールの協力のおかげ」だと付言した。

3人の釈放に際して、スペイン政府が身代金を支払ったかどうかは不明。

シリア人権監視団によると、3人は2015年7月13日に、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市マアーディー地区で目撃されたのを最後に消息を絶っていた。

その後2015年7月21日、3人が拉致されたことが報じられたが、家族らは3人の身の安全を確保するために報道を制限するよう要請していたという。

なお、スペインの日刊紙『エル・ムンド』(5月8日付)は、3人が拘束中に、2015年6月末からシリアで行方不明となっている日本人の安田純平氏と一緒にいたことを明らかにしたと伝えた。

安田氏は、3人を拘束していたグループ、ないしはこのグループと関係のあるブループに拉致されていると見られ、2016年3月にその映像が公開されている。

AFP, May 8, 2016、AP, May 8, 2016、ARA News, May 8, 2016、Champress, May 8, 2016、El Mundo, May 8, 2016、al-Hayat, May 9, 2016、Iraqi News, May 8, 2016、Kull-na Shuraka’, May 8, 2016、al-Mada Press, May 8, 2016、Naharnet, May 8, 2016、NNA, May 8, 2016、Reuters, May 8, 2016、SANA, May 8, 2016、UPI, May 8, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県、イドリブ県などでシリア軍と反体制派の戦闘続く(2016年5月7日)

アレッポ県では、ARA News(5月8日付)によると、シリア軍がアナダーン市を砲撃した。

これに対して、ファトフ軍作戦司令室はヌッブル市、ザフラー町を砲撃した。

また、アレッポ市では、シリア軍がラーシディーン地区への進軍を試みようとしたのに対して、第16師団は、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるシャイフ・マクスード地区への潜入を試み、人民防衛隊主導と交戦した。

一方、SANA(5月7日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ザフラー協会地区、マイサルーン地区、ラームーサ地区、イザーア地区、ビンヤーミーン村を砲撃し、1人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(5月7日付)によると、ファトフ軍がフーア市、カファルヤー町を砲撃した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月7日付)によると、シリア軍がダルアー市郊外のガラズ刑務所一帯などを「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(5月7日付)によると、ロシア軍の人道支援チームが県内の複数の町・村に食糧900箱、パン900袋、児童へのプレゼント100点を配給した。

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ヒムス県で活動するヒムス解放運動は声明を出し、タルトゥース県内のウンム・カルトゥー大隊基地を砲撃したと発表した。

ウンム・カルトゥー大隊基地はスカッド・ミサイルなどが配備されている基地で、クッルナー・シュラカー(5月7日付)によると、反体制武装集団が撃った砲弾がタルトゥース県内に着弾したのはこれが初めてだという。

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スワイダー県では、ARA News(5月8日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線と共闘する自由シリア軍南部戦線が、サアラ航空基地(サアラ村)を攻撃した。

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ハサカ県では、ARA News(5月8日付)が、シリア政府に近い消息筋の話として、タラール・アリー准将が軍事情報局のカーミシュリー市分所の所長に、ムハンナー・マフムード准将が、総合情報部のカーミシュリー市分所の所長に任命されたと伝えた。

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ハマー県では、SANA(5月7日付)によると、反体制武装集団がアイン・クルーム村、ナフル・バーリド村を砲撃した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月6日に5件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はアレッポ県で3件、ラタキア県で2件発生し、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍が砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は495件。

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ロシア外務省は声明を出し、シリア軍によるアレッポ市での「停戦規定」適用が72時間延長されたと発表した。

AFP, May 7, 2016、AP, May 7, 2016、ARA News, May 7, 2016、Champress, May 7, 2016、al-Hayat, May 8, 2016、Iraqi News, May 7, 2016、Kull-na Shuraka’, May 7, 2016、al-Mada Press, May 7, 2016、Naharnet, May 7, 2016、NNA, May 7, 2016、Reuters, May 7, 2016、SANA, May 7, 2016、UPI, May 7, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北西部のトルコ国境地帯で、トルコ軍の越境砲撃と反体制武装集団の攻勢でダーイシュ戦闘員多数死亡(2016年5月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北西部のトルコ国境に近いフール村一帯で、反体制武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員12人が死亡、またハルジャラ村、ダフラ村を制圧した。

また、クッルナー・シュラカー(5月8日付)によると、県北西部のトルコ国境に近いダフラ村、ハルジャラ村、ハワール・キリス村、アキダ村に進軍したダーイシュ(イスラーム国)とハワール・キリス作戦司令室が交戦し、ダーイシュ戦闘員25人を殲滅した。

一方、アナトリア通信(5月8日付)は、県北西部国境地帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点(ロケット弾発射台、車輌など)に対するトルコ軍の越境砲撃し、ダーイシュ戦闘員55人が死亡したと伝えた。

シリア人権監視団によると、有志連合と思われる戦闘機も、バラーギーダ村一帯を空爆したという(ARA News(5月8日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室はその後8日、バラーギーダ村を制圧)。

他方、クッルナー・シュラカー(5月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はドゥーディヤーン村を制圧した。

AFP, May 7, 2016、AP, May 7, 2016、Anadolu Ajansı, May 8, 2016、ARA News, May 7, 2016、May 8, 2016、Champress, May 7, 2016、al-Hayat, May 8, 2016、Iraqi News, May 7, 2016、Kull-na Shuraka’, May 7, 2016、May 8, 2016、al-Mada Press, May 7, 2016、Naharnet, May 7, 2016、NNA, May 7, 2016、Reuters, May 7, 2016、SANA, May 7, 2016、UPI, May 7, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領はイランのヴェラーヤティー最高指導者顧問と会談(2016年5月7日)

シリアを訪問中のイランのアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者顧問がダマスカスでアサド大統領と会談し、シリア・イランの戦略的関係や「テロとの戦い」における協力協調態勢について意見を交わした。

SANA(5月7日付)が伝えた。

SANA, May 7, 2016
SANA, May 7, 2016

AFP, May 7, 2016、AP, May 7, 2016、ARA News, May 7, 2016、Champress, May 7, 2016、al-Hayat, May 8, 2016、Iraqi News, May 7, 2016、Kull-na Shuraka’, May 7, 2016、al-Mada Press, May 7, 2016、Naharnet, May 7, 2016、NNA, May 7, 2016、Reuters, May 7, 2016、SANA, May 7, 2016、UPI, May 7, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市南部のハーン・トゥーマーン市でのファトフ軍との戦闘でイランの「軍事顧問」13人が死亡、21人が負傷(2016年5月7日)

イランのIRNA通信(5月7日付)は、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン市での戦闘で、イラン・イスラーム革命防衛隊の軍事顧問13人が死亡、21人が負傷したと伝えた。

ハーン・トゥーマーン市は5月6日にシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍が進攻し、制圧している。

AFP, May 7, 2016、AP, May 7, 2016、ARA News, May 7, 2016、Champress, May 7, 2016、al-Hayat, May 8, 2016、Iraqi News, May 7, 2016、IRNA, May 7, 2016、Kull-na Shuraka’, May 7, 2016、al-Mada Press, May 7, 2016、Naharnet, May 7, 2016、NNA, May 7, 2016、Reuters, May 7, 2016、SANA, May 7, 2016、UPI, May 7, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県サルマダー市郊外の避難民キャンプへの攻撃に関して、シリア軍は関与を否定、ロシア国防省はヌスラ戦線の「自作自演」と指摘(2016年5月6日)

シリア軍総司令部は声明を出し、5日のイドリブ県サルマダー市郊外の避難民キャンプに対する攻撃(『ハヤート』(5月7日付)によると28人が死亡)に関して、シリア空軍による空爆だとする一部報道を「根拠がない」と否定した。

また「一部のテロ集団が最近になって、周知の外国諸勢力の指示を受け、民間の標的を意図的に攻撃し、民間人に多くの犠牲を出し、シリア・アラブ軍に嫌疑をかけようとしている」と付言した。

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ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、5日のイドリブ県サルマダー市郊外の避難民キャンプに対する攻撃に関して、同地一帯を支配下に置くシャームの民のヌスラ戦線が地上から攻撃を加えたものだと述べ、シリア空軍による空爆だとする一部報道を否定した。

スプートニク・ニュース(5月6日付)が伝えた。

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また、ザイド・ビン・ラアド・フサイン国連人権高等弁務官は、この攻撃に関して「意図的なものである可能性が高く、戦争犯罪に値する」と非難したうえで、「一時情報はシリア政府による攻撃だとされているが…これらの情報については現在も確認中である」と述べた。

『ハヤート』(5月7日付)などが伝えた。

AFP, May 6, 2016、AP, May 6, 2016、ARA News, May 6, 2016、Champress, May 6, 2016、al-Hayat, May 7, 2016、Iraqi News, May 6, 2016、Kull-na Shuraka’, May 6, 2016、al-Mada Press, May 6, 2016、Naharnet, May 6, 2016、NNA, May 6, 2016、Reuters, May 6, 2016、SANA, May 6, 2016、Sputnik News, May 6, 2016、UPI, May 6, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で2回の爆撃を実施(2016年5月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月5日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回で、シャッダーディー市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 6, 2016などをもとに作成。

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ハワール・キリス作戦司令室がアレッポ県北西部のドゥーディヤーン村をダーイシュから奪還(2016年5月5日)

アレッポ県では、ARA News(5月5日付)によると、トルコ軍による越境砲撃支援を受けたハワール・キリス作戦司令室が、県北西部国境地帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ドゥーディヤーン村を奪還した。

AFP, May 5, 2016、AP, May 5, 2016、ARA News, May 5, 2016、Champress, May 5, 2016、al-Hayat, May 6, 2016、Iraqi News, May 5, 2016、Kull-na Shuraka’, May 5, 2016、al-Mada Press, May 5, 2016、Naharnet, May 5, 2016、NNA, May 5, 2016、Reuters, May 5, 2016、SANA, May 5, 2016、UPI, May 5, 2016などをもとに作成。

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シリア政府の支配下にとどまる上ムハッラム町(ヒムス県)で連続爆破テロが発生し、住民10人が死亡(2016年5月5日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にとどまる上ムハッラム町で爆弾テロが相次いで発生し、住民10人が死亡、40人が負傷した。

爆発は2度発生、1度目は爆弾が仕掛けられた車が爆発、1度目は自爆ベルトを身につけた男性が自爆した。

ARA News, May 5, 2016
ARA News, May 5, 2016

実行犯の所属・身元は今のところ不明だが、4日にはダーイシュ(イスラーム国)がシャーイル石油ガス採掘所一帯で攻勢を強めていた。

一方、SANA(5月5日付)によると、シリア軍がタドムル市北西部のシャーイル石油ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

これに対して、ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門アアマーク通信は、ダーイシュがシャーイル石油ガス採掘所を完全制圧したと発表した。

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ハマー県では、SANA(5月5日付)によると、シリア軍がハナースィル市・イスリヤー村街道で、迫撃砲などを持ち込もうとした車輌を取り押さえ、武器・弾薬を押収した。

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スワイダー県では、SANA(5月5日付)によると、シリア軍が県東部の砂漠地帯で、車で輸送されていた武器弾薬を押収した。

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アレッポ県では、ARA News(5月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市内にあるダーイシュの拠点で爆発が起こり、司令官1人を含む20人以上の戦闘員が死亡した。

爆発が起きた拠点は、ダーイシュが爆弾製造施設として使用していたという。

AFP, May 5, 2016、AP, May 5, 2016、ARA News, May 5, 2016、Champress, May 5, 2016、al-Hayat, May 6, 2016、Iraqi News, May 5, 2016、Kull-na Shuraka’, May 5, 2016、al-Mada Press, May 5, 2016、Naharnet, May 5, 2016、NNA, May 5, 2016、Reuters, May 5, 2016、SANA, May 5, 2016、UPI, May 5, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で3回の爆撃を実施(2016年5月4日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月4日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回でマーリア市近郊に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 5, 2016などをもとに作成。

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国連安保理議長を務めるエジプトは、米英仏によるアサド政権バッシングに対して、「穏健な反体制派」にヌスラ戦線との断交を求めるロシアの姿勢に同調(2016年5月4日)

国連安保理では、英仏の要請を受けるかたちでシリア情勢、とりわけアレッポ市での戦闘への対応を協議するための会合が開かれた。

会合で、英国は、シリア軍によるアレッポ市への攻撃を非難する報道声明案を示し、米英仏の国連大使は、シリア政府がアレッポ市での戦闘、民間人への攻撃、人道支援物資搬入を阻止していると批判した。

しかし、ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、安保理での審議を提案した英仏の姿勢を「プロパガンダを通じたクーデタ」と非難、安保理での審議を要請する前に、米国とロシアが共同議長を務めるISSG(国際シリア支援グループ)に問題を提起すべきだったと指摘し、報道声明案を廃案に追い込んだ。

また、「シリア軍はアレッポ市で、ジハード主義集団の大規模な攻撃に対峙している…。我々は、「穏健な反体制派」を自認する武装集団がシャームの民のヌスラ戦線との関係を絶ち、その支配地域から撤退するとの確約を得ていた。しかし今のところ、そうしたことは実際には起こっておらず、これらの勢力に影響力を持っている国々の政治的意思への疑問が残る」と述べた。

また議長国であるエジプトのアムル・アブー・アター国連大使は、ロシアの主張に同調し、「アレッポ市でヌスラ戦線を、テロのブラックリストに記載されていないその他の武装集団を取り込むことは受け入れられるものではない…。テロ組織の停戦対象からの除外が理解しがたい政治的理由で受け入れられているが、ヌスラ戦線は停戦に乗じるかたちでアレッポ市などでの支配地域を拡大している…。ヌスラ戦線とその同盟者は、ダーイシュと同じく危険な存在であり、シリア国民は彼らを受け入れておらず、この地域の諸国民も受け入れていない」と主張した。

『ハヤート』(5月6日付)などが伝えた。

AFP, May 5, 2016、AP, May 5, 2016、ARA News, May 5, 2016、Champress, May 5, 2016、al-Hayat, May 6, 2016、Iraqi News, May 5, 2016、Kull-na Shuraka’, May 5, 2016、al-Mada Press, May 5, 2016、Naharnet, May 5, 2016、NNA, May 5, 2016、Reuters, May 5, 2016、SANA, May 5, 2016、UPI, May 5, 2016などをもとに作成。

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米・ロシアの合意を受け、シリア軍は5月5日からアレッポ市に「講和状態」を適用すると発表(2016年5月4日)

シリア軍総司令部は声明を出し、5月5日午前1時から48時間の期限付きで、アレッポ市に「講和規定」を適用すると発表した。

また、米国務省は声明を出し、米国とロシアがアレッポ市に停戦地域(「講和規定」適用地域)を拡大することに合意したと発表、また両国が停戦を監視するためのしくみを強化するため調整を行っていくことを明らかにした。

AFP, May 4, 2016、AP, May 4, 2016、ARA News, May 4, 2016、Champress, May 4, 2016、al-Hayat, May 5, 2016、Iraqi News, May 4, 2016、Kull-na Shuraka’, May 4, 2016、al-Mada Press, May 4, 2016、Naharnet, May 4, 2016、NNA, May 4, 2016、Reuters, May 4, 2016、SANA, May 4, 2016、UPI, May 4, 2016などをもとに作成。

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英仏がアレッポ市の情勢に対処するため国連安保理会合の開催を要請(2016年5月4日)

英国とフランスは、国連安保理議長(エジプト)に対して、アレッポ市の情勢に対処するための緊急公開会合を召集するよう要請した。

AFP, May 4, 2016、AP, May 4, 2016、ARA News, May 4, 2016、Champress, May 4, 2016、al-Hayat, May 5, 2016、Iraqi News, May 4, 2016、Kull-na Shuraka’, May 4, 2016、al-Mada Press, May 4, 2016、Naharnet, May 4, 2016、NNA, May 4, 2016、Reuters, May 4, 2016、SANA, May 4, 2016、UPI, May 4, 2016などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「米国はアル=カーイダ系のヌスラ戦線を停戦の対象に含めようとしている」(2016年5月4日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はスプートニク・ニュース(5月4日付)のインタビューに応じ、米国とロシアが「アレッポを停戦対象地域(「講和規定」適用地域)に含めるために行動している」としつつ、米国がアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線を停戦の対象に含めようとしていると批判した。

そのうえで、米国に対して、トルコをはじめとする同盟国に対して「テロリストと「穏健な反体制派」を区別」し、シリアのすべての社会勢力をジュネーブでの交渉に参加させるため圧力をかけるよう呼びかけた。

一方、シリア国内で戦闘を続ける反体制武装集団について、「穏健な反体制派」を自認する組織は…ヌスラ戦線の支配地域にとどまり、空爆を回避したり、停戦を反故にしようとしているように感じる…。ロシアは力でシリアの危機を解決しようとはしていない…。しかし、ヌスラ戦線を支援して、停戦を反故にし、事態を力で解決するためにでき得ることなら何でもしようとする者がいる。しかしそうした者は完全に拒絶されることになろう」と厳しく非難、「多くの当事者」が停戦を妨害しようとしているとしたうえで、トルコを批判した。

他方、今月中に再開が予定されているシリア政府と反体制派の和平協議(ジュネーブ3会議第4ラウンド)に関して、リヤド最高交渉委員会の「無責任な振る舞い」ゆえに引き続き間接交渉となるだろうと述べた。

アサド大統領については「ところで、アサド氏は我々の同盟者ではない。我々は「テロとの戦い」とシリアという国家維持のために支援しているが、トルコが米国の同盟国であるようには、彼は我々の同盟者ではない」と述べた。

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ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、ラタキア県フマイミーム航空基地に駐留するロシア空軍のSu-25戦闘機30機を撤退させると発表した。

しかしコナシェンコフ報道官によると、この撤退はロシア軍のシリア領内での「テロとの戦い」には影響はないとしたうえで、過去4日間でラッカ県、ダイル・ザウル県、ヒムス県(アーラーク油田一帯)のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して87回の空爆を実施したことを明らかにした。

AFP, May 4, 2016、AP, May 4, 2016、ARA News, May 4, 2016、Champress, May 4, 2016、al-Hayat, May 5, 2016、Iraqi News, May 4, 2016、Kull-na Shuraka’, May 4, 2016、al-Mada Press, May 4, 2016、Naharnet, May 4, 2016、NNA, May 4, 2016、Reuters, May 4, 2016、SANA, May 4, 2016、Sputnik News, May 4, 2016、UPI, May 4, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で爆撃を実施せず(2016年5月3日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月3日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

シリア領内での空爆は実施されなかった。

CENTCOM, May 4, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市でヌスラ戦線と共闘する反体制派が産婦人科病院などを砲撃し17人が死亡(2016年5月3日)

アレッポ県では、AFP(5月3日付)によると、シリア軍戦闘機が、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部のシャッアール地区、サーフール地区、ハラク地区を空爆した。

しかし、SANA(5月3日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市内の県庁舎に近いダビート産婦人科病院一帯のほか、マイダーン地区、フルカーン地区、ナイル通り地区、ムーカンブー地区、ハーリディーヤ地区、ザフラー協会地区、アーミリーヤ地区、ラームーサ地区、マシャーリカ地区、旧メリディアン・ホテル一帯、スィルヤーン地区、サビール地区、ジュマイリーヤ地区、アアザミーヤ地区、ザーリー地区への砲撃による死者総数が17人、負傷者数は68人となった。

シリア軍司令部の声明によると、砲撃を行ったのはヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍などの組織。

これに関して、シリア人権監視団は、ダビート産婦人科病院のほか、アズィーズィーヤ地区、スィルヤーン地区、ジュマイリーヤ地区、ムーカンブー地区、マシャーリカ地区、ハーリディヤ地区、マサーキン・サビール地区、ザフラー協会地区、県知事公邸一帯、ラフマーン・モスク一帯、ダーヒヤト・アサド地区、サアドッラー・ジャービリー広場一帯、アラブ医療病院、ナイル通り、ティシュリーン通りなどに対して反体制武装集団が砲撃し、子供3人を含む少なくとも19人が死亡、80人近くが負傷したと発表した。

ただし、反体制派系のハラブ・ヤウム・チャンネル(5月3日付)は、砲弾がシリア政府支配地域側から飛来したと伝え、シリア政府支配地域への砲撃がシリア軍の自作自演だと喧伝した。

一方、ARA News(5月3日付)などによると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、タフリール軍などからなる反体制武装集団がシリア軍、パレスチナ人からなるクドス旅団と交戦の末、アレッポ市西部のファミリー・ハウス地区一帯を制圧した。

また、ヌスラ戦線、イスラーム軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合からなる反体制武装集団はザフラー協会地区内の空軍情報部にまで掘削した地下トンネルを爆破、破壊した。

ARA News(5月8日付)によると、クドス旅団は8日に声明を出し、この爆破攻撃でメンバー46人が死亡したと発表した。

対するシリア軍は、アレッポ市南部郊外のブワイダ村、アイス村一帯を空爆し、複数の民間人が死傷したという。

このほか、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアナダーン市を複数回空爆する一方、ジハード主義武装集団はザフラー町を砲撃した。

また、ARA News(5月3日付)によると、反体制武装集団が西クルディスタン移行期民政局支配下のジンディールス町を砲撃した。

SANA, May 3, 2016
SANA, May 3, 2016

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ダマスカス郊外県では、イスラーム軍の声明によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯を制圧した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月4日付)によると、シリア軍がダルアー市内各所(アッバースィーヤ地区など)を砲撃した。

砲撃は2日から続いているという。

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ラタキア県では、イスラーム軍が声明を出し、シリア軍・ロシア軍によるアレッポ市への空爆・攻撃への報復として、イスラーム軍がフマイミーム航空基地に対してロケット弾攻撃を行ったと発表した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月3日付)によると、トルコ国境に近いザーウィヤ山地方のジューズィフ村で、トルコが後援するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の司令官の一人ガディール・ハラビー氏(アブー・ナスル)の遺体が発見された。

一方、SANA(5月3日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにフワイン村でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(5月3日付)によると、ヒムス市ワアル地区で、アレッポ市に対する攻撃を求めるデモが反体制活動家によって行われた。

AFP, May 3, 2016、AP, May 3, 2016、ARA News, May 3, 2016、May 8, 2016、Champress, May 3, 2016、Halab al-Yawm, May 3, 2016、al-Hayat, May 4, 2016、Iraqi News, May 3, 2016、Kull-na Shuraka’, May 3, 2016、May 4, 2016、al-Mada Press, May 3, 2016、Naharnet, May 3, 2016、NNA, May 3, 2016、Reuters, May 3, 2016、SANA, May 3, 2016、UPI, May 3, 2016などをもとに作成。

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所属不明の戦闘機がダーイシュの中心都市ラッカ市に対して過去最大規模の爆撃を実施(2016年5月3日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、ダーイシュ(イスラーム国)の中心都市のラッカ市を空爆し、民間人19人が死亡した。

35回以上にわたって行われた空爆がロシア軍・シリア軍によるものか、有志連合によるものかは不明だという。

しかし、 クッルナー・シュラカー(5月3日付)は、地元活動家のアスヤド・ムーサーなる人物の話として、空爆がロシア軍によるものだと伝えた。

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ヒムス県では、SANA(5月3日付)によると、シリア軍がタドムル市北方、シャーイル石油ガス採掘所一帯、第106油田一帯、第110油田東部、フラート地区などでダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

シリア軍はまた、シャーイル石油ガス採掘所北部および東部一帯でダーイシュと交戦し、サウジ人戦闘員らを殺害した。

さらにシリア軍は「支援部隊」とともにアーラーク油田一帯、ヒヤーン・ガス社東部でダーイシュと交戦した。

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スワイダー県では、SANA(5月3日付)によると、シリア軍がマフタラ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

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ハマー県では、SANA(5月3日付)によると、シリア軍がアリーヤ村、イスリヤー村・ハナースィル市街道東部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月3日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市工業地区、カナーマート地区、ハスーラート村などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, May 3, 2016、AP, May 3, 2016、ARA News, May 3, 2016、Champress, May 3, 2016、al-Hayat, May 4, 2016、Iraqi News, May 3, 2016、Kull-na Shuraka’, May 3, 2016、al-Mada Press, May 3, 2016、Naharnet, May 3, 2016、NNA, May 3, 2016、Reuters, May 3, 2016、SANA, May 3, 2016、UPI, May 3, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県北西部を越境砲撃し、ダーイシュ戦闘員13人を殺害(2016年5月3日)

アレッポ県では、ロイター通信(5月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県北西部から撃った迫撃砲弾がトルコ領内のキリス市に着弾、これを受けトルコ軍が報復として越境砲撃を行った。

ARA News(5月3日付)によると、トルコ軍の越境砲撃でダーイシュ戦闘員13人が死亡、車輌、迫撃砲発射台などが破壊されたという。

また、ハワール・キリス作戦司令室がマーリア市西方のタラーリー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ドゥーディヤーン村、タッル・シャイール村を奪還した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東カラムーン地方でダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団が交戦した。

AFP, May 3, 2016、AP, May 3, 2016、ARA News, May 3, 2016、Champress, May 3, 2016、al-Hayat, May 4, 2016、Iraqi News, May 3, 2016、Kull-na Shuraka’, May 3, 2016、al-Mada Press, May 3, 2016、Naharnet, May 3, 2016、NNA, May 3, 2016、Reuters, May 3, 2016、SANA, May 3, 2016、UPI, May 3, 2016などをもとに作成。

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マセ仏外務・国際開発省事務次官がイランを訪問し、アブドゥッラフヤーン外務副大臣とシリア情勢への対応について協議(2016年5月3日)

クリスチャン・マセ仏外務・国際開発省次官はイランを訪問し、首都テヘランでホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)と会談、シリア情勢への対応などについて意見を交わした。

『ハヤート』(5月4日付)が伝えた。

AFP, May 3, 2016、AP, May 3, 2016、ARA News, May 3, 2016、Champress, May 3, 2016、al-Hayat, May 4, 2016、Iraqi News, May 3, 2016、Kull-na Shuraka’, May 3, 2016、al-Mada Press, May 3, 2016、Naharnet, May 3, 2016、NNA, May 3, 2016、Reuters, May 3, 2016、SANA, May 3, 2016、UPI, May 3, 2016などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣はデミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談「「穏健な反体制派」を自認する者はヌスラ戦線支配地域から撤退し、テロとの関係を絶たねばならない」(2016年5月3日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はロシアを訪問し、首都モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、シリア情勢への対応について協議した。

ラブロフ外務大臣は会談後、米国・ロシアがスイスの首都ジュネーブにアレッポ市での停戦違反を監視するための合同センター設置の設置に向けて最終協議を行っていることを明らかにする一方、デミストゥラ国連特別代表は、シリア国内の停戦が危機的状況にあると述べ、その再構築や人道状況改善の必要を強調した。

ラブロフ外務大臣によると、米国とロシアの軍幹部はアレッポ市での停戦違反監視を目的とする合同センターをジュネーブに設置することで合意に近づいており、「おそらく数時間内に」合意に達するだろうと述べた。

しかし、ラブロフ外務大臣はアレッポ市での戦闘停止に関して「停戦は、国連安保理決議に従い、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そして両組織と関係を持つ者を含むべきでない」と述べ、米国側に対して、「穏健な反体制派」がヌスラ戦線との完全絶縁を宣言する必要がある旨警告してきたことを明らかにした。

これに関して、ラブロフ外務大臣は「いまだに実施されていないそのこと(ヌスラ戦線との絶縁)の保証を我々は得た。「穏健な反体制派」を自認する者は…ヌスラ戦線が支配する地域から撤退し、テロとの関係を絶たねばならない」と述べた。

一方、ラブロフ外務大臣は、リヤド最高交渉委員会に関して「非建設的な態度をとっている…。すべての当事者は、前提条件を課し、国連安保理決議に違反するこうした姿勢に異議を唱えるべき」と述べた。

Naharnet, May 3, 2016
Naharnet, May 3, 2016

AFP, May 3, 2016、AP, May 3, 2016、ARA News, May 3, 2016、Champress, May 3, 2016、al-Hayat, May 4, 2016、Iraqi News, May 3, 2016、Kull-na Shuraka’, May 3, 2016、al-Mada Press, May 3, 2016、Naharnet, May 3, 2016、NNA, May 3, 2016、Reuters, May 3, 2016、SANA, May 3, 2016、UPI, May 3, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で4回の爆撃を実施(2016年5月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月2日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して29回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回で、シャッダーディー市(1回)、ラッカ市(2回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 3, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市でシリア軍が爆撃を続ける一方、ヌスラ戦線と共闘する反体制派は砲撃で対抗し、住民3人が死亡(2016年5月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域(ブスターン・カスル地区、サラーフッディーン地区、ハラク地区)を空爆したが、死傷者はなかった。

これに対して、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団もアレッポ市西部のハーリディーヤ地区、ナイル通り一帯、アズィーズィーヤ地区、シャイフ・ターハー地区、ザフラー協会地区、アレッポ大学病院一帯を砲撃し、子供1人を含む3人が死亡した。

一方、シリア軍がカフルハムラ村、カフルナーハー村を「樽爆弾」などで空爆し、住民3人が死亡した。

また、ARA News(5月2日付)によると、アレッポ市北部郊外のタームーラ村一帯でシリア軍がシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム覚醒大隊と交戦した。

他方、ARA News(5月2日付)によると、反体制武装集団が西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃し、子供5人が負傷した。

これに対して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、同地区西部に展開する反体制武装集団に反撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月2日付)によると、ダイル・ザウル市ワーディー地区およびクスール地区で、国防隊の後援を受けるブー・サラーヤー部族の民兵が、シュアイタート部族の民兵と交戦した。

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ハマー県では、SANA(5月2日付)によると、反体制武装集団がアイン・クルーム村、ムハルダ市を砲撃し、3人が負傷した。

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シリア軍総司令部は声明を出し、ダマスカス県およびダマスカス郊外県東グータ地方で4月30日に発効した「講和規定」をさらに48時間延長すると発表した。

シリア軍は1日にも同地の「講和規定」を24時間延長すると発表している。

AFP, May 2, 2016、AP, May 2, 2016、ARA News, May 2, 2016、Champress, May 2, 2016、al-Hayat, May 3, 2016、Iraqi News, May 2, 2016、Kull-na Shuraka’, May 2, 2016、al-Mada Press, May 2, 2016、Naharnet, May 2, 2016、NNA, May 2, 2016、Reuters, May 2, 2016、SANA, May 2, 2016、UPI, May 2, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がシャーイル石油ガス田一帯(ヒムス県)でダーイシュと交戦(2016年5月2日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル石油ガス採掘所一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

これに関して、ARA News(5月2日付)は、ダーイシュがシャーイル石油ガス採掘所に近いシリア軍の検問所4カ所を制圧したと報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またジーア村一帯を空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が「穏健な反体制派」の拠点の一つマーリア市を砲撃した。

またARA News(5月2日付)によると、シャーム軍団がダーイシュとの戦闘の末シャアバーニーヤ村を制圧した。

AFP, May 2, 2016、AP, May 2, 2016、ARA News, May 2, 2016、Champress, May 2, 2016、al-Hayat, May 3, 2016、Iraqi News, May 2, 2016、Kull-na Shuraka’, May 2, 2016、al-Mada Press, May 2, 2016、Naharnet, May 2, 2016、NNA, May 2, 2016、Reuters, May 2, 2016、SANA, May 2, 2016、UPI, May 2, 2016などをもとに作成。

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ケリー米国務長官はジュネーブでサウジアラビアのジュバイル外相らと会談(2016年5月2日)

ジョン・ケリー米国務長官はスイスの首都ジュネーブでサウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談し、シリア情勢への対応などについて協議した。

AFP, May 2, 2016、AP, May 2, 2016、ARA News, May 2, 2016、Champress, May 2, 2016、al-Hayat, May 3, 2016、Iraqi News, May 2, 2016、Kull-na Shuraka’, May 2, 2016、al-Mada Press, May 2, 2016、Naharnet, May 2, 2016、NNA, May 2, 2016、Reuters, May 2, 2016、SANA, May 2, 2016、UPI, May 2, 2016などをもとに作成。

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ノルウェーのソルベルグ首相は「穏健な反体制派」に教練を施すため、軍専門家60人をシリア領内に派遣すると発表(2016年5月2日)

ノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相は、ダーイシュ(イスラーム国)と戦う「穏健な反体制派」に教練を施すため、ノルウェー軍専門家60人をシリア領内に派遣すると発表した。

AFP, May 2, 2016、AP, May 2, 2016、ARA News, May 2, 2016、Champress, May 2, 2016、al-Hayat, May 3, 2016、Iraqi News, May 2, 2016、Kull-na Shuraka’, May 2, 2016、al-Mada Press, May 2, 2016、Naharnet, May 2, 2016、NNA, May 2, 2016、Reuters, May 2, 2016、SANA, May 2, 2016、UPI, May 2, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で7回の爆撃を実施(2016年5月1日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月1日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回で、フール町(1回)、シャッダーディー市(2回)、ラッカ市(1回)、マーリア市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 2, 2016などをもとに作成。

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