シリア軍はダマスカス郊外県マルジュ・スルターン村一帯でヌスラ戦線、イスラーム軍などへの攻勢を強める(2016年3月10日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス県東部のサラーム高速道路一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と激しく交戦した。

またマルジュ・スルターン村に近いバーラー村一帯でも、シリア軍、国防隊が、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、シリア軍は9日深夜から10日未明にかけて、東グータ地方に戦車、装甲車などを展開させ、バーラー村一帯への攻撃を激化させ、「革命家」はシリア軍の進軍を食い止め、多数の兵士を殺傷したという。

マルジュ・スルターン村一帯は、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍などが合同作戦司令室を設置し、シリア軍に対して抵抗を続けている。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、サカン・シャバービー地区一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がシャームの民音ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、シャイフ・マクスード地区ではヌスラ戦線側の砲撃で10人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がムーリク市一帯を砲撃し、またトルキスタン人戦闘員などからなるジハード主義武装集団と交戦し、シリア人・非シリア人戦闘員20人以上が死亡した。

これに関して、SANA(3月10日付)は、シリア軍がマアーン村、タイバト・イスム村、シャアタ村、カッラーフ村、ラーイ山一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦交戦し、戦闘員70人以上を殲滅した、と伝えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、シリア人・アラブ系・アジア系民兵がロシア軍の指揮のもと、クルド山一帯で、第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦を続けた。

AFP, March 10, 2016、AP, March 10, 2016、ARA News, March 10, 2016、Champress, March 10, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2016、al-Hayat, March 11, 2016、Iraqi News, March 10, 2016、Kull-na Shuraka’, March 10, 2016、al-Mada Press, March 10, 2016、Naharnet, March 10, 2016、NNA, March 10, 2016、Reuters, March 10, 2016、SANA, March 10, 2016、UPI, March 10, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュとの戦闘の末、アレッポ市・ハナースィル市街道一帯の8カ村を制圧(2016年3月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市・ハナースィル市街道一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続け、ハナースィル市近郊のアアラー村、小ハヤート村、大ハヤート村を制圧した。

また戦闘機(所属明示せず)が、ダーイシュの拠点都市の一つマンビジュ市近郊のマフドゥーム村、ザーキヤ村に対して空爆を行った。

一方、SANA(3月10日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともにハナースィル市東部一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、8カ村を制圧した。

シリア軍が制圧したのは大ハヤート村、小ハヤート村、ズブド村、タウィーラ村、クライア村、ハッラ村、フカイル村、ヒルバト・ムーサ村の8カ村のほか、ドゥライヒム平原、ブフース丘。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市およびその一帯、カルヤタイン市およびその一帯を空爆、またシリア軍がカルヤタイン市一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯でダーイシュと交戦した。

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ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、ハサカ県西部とラッカ県北部を結ぶ街道一帯からダーイシュ(イスラーム国)が撤退したのを受け、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が同地を掌握した。

ダーイシュが撤退したのは、ハサカ県西部のウンム・ダフア村、バラーキア村、シャッラーリーヤ村、ラッカ県北部のアイン・ジャルマー村、ラアス・タッル村。

AFP, March 10, 2016、AP, March 10, 2016、ARA News, March 10, 2016、Champress, March 10, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2016、al-Hayat, March 11, 2016、Iraqi News, March 10, 2016、Kull-na Shuraka’, March 10, 2016、al-Mada Press, March 10, 2016、Naharnet, March 10, 2016、NNA, March 10, 2016、Reuters, March 10, 2016、SANA, March 10, 2016、UPI, March 10, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は9日の停戦違反件数を8件と発表(2016年3月10日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月9日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

このうち5件がアレッポ県、1件がダルアー県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、イドリブ県で発生したという。

このうち、アレッポ県での停戦違反は、「穏健な反体制派」と目されるスルターン・ムラード旅団、第16師団、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動によるアレッポ市シャイフ・マクスード地区への砲撃だという。

またアフリーン市近郊のマルアナーズ村、アイン・ダクナ村の住宅街に対しても反体制武装集団が砲撃を行った。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

AFP, March 10, 2016、AP, March 10, 2016、ARA News, March 10, 2016、Champress, March 10, 2016、al-Hayat, March 11, 2016、Iraqi News, March 10, 2016、Kull-na Shuraka’, March 10, 2016、al-Mada Press, March 10, 2016、Naharnet, March 10, 2016、NNA, March 10, 2016、Reuters, March 10, 2016、SANA, March 10, 2016、UPI, March 10, 2016などをもとに作成。

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ヴォーテル次期米中央軍司令官「現時点でシリア領内に我々の同盟者はいない」(2016年3月10日)

米特殊作戦軍司令官のジョゼフ・ヴォーテル大将(次期中央軍司令官)は、有志連合によるシリア領内での対ダーイシュ(イスラーム国)戦に関して「シリアには現時点で地上に我々の同盟者はいない」と述べた。

ヴォーテル大将は「ダーイシュと戦う同盟者がシリア領内にいないことは、ダーイシュ支配下の地域における我々の進軍に影響を及ぼすことになろう」と付言した。

ARA News(3月10日付)が伝えた。

AFP, March 10, 2016、AP, March 10, 2016、ARA News, March 10, 2016、Champress, March 10, 2016、al-Hayat, March 11, 2016、Iraqi News, March 10, 2016、Kull-na Shuraka’, March 10, 2016、al-Mada Press, March 10, 2016、Naharnet, March 10, 2016、NNA, March 10, 2016、Reuters, March 10, 2016、SANA, March 10, 2016、UPI, March 10, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団のアブドゥッラフマーン代表「ダーイシュの幹部司令官アブー・ウマル・シーシャーニー氏は重傷を負ったが死んでいない」(2016年3月10日)

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(3月10日付)に対して、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部司令官の一人アブー・ウマル・シーシャーニー氏が死亡したとする米匿名高官の発言に関して、重傷を負っているが死んでいないとの情報を得たことを明らかにした。

アブドゥッラフマーン代表は、ダーイシュ内の複数の消息筋の話として、シーシャーニー氏はハサカ県南部で乗っていた車を有志連合に空爆され、重傷を負い、ラッカ県に搬送、外国人医師が治療のために呼び出されたと述べた。

AFP, March 10, 2016、AP, March 10, 2016、ARA News, March 10, 2016、Champress, March 10, 2016、al-Hayat, March 11, 2016、Iraqi News, March 10, 2016、Kull-na Shuraka’, March 10, 2016、al-Mada Press, March 10, 2016、Naharnet, March 10, 2016、NNA, March 10, 2016、Reuters, March 10, 2016、SANA, March 10, 2016、UPI, March 10, 2016などをもとに作成。

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米国主導の有志連合はシリア領内で5回の爆撃を実施(2016年3月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回で、ラッカ市近郊(2回)、フール町近郊(2回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 10, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はハサカ県におけるダーイシュ最後の拠点マルカダ町を包囲、シリア軍はアレッポ市・ハナースィル氏街道一帯で支配地域を拡大(2016年3月9日)

ハサカ県では、ザマーン・ワスル(3月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が有志連合の航空支援を受け、ハサカ県南部各所で進軍を続け、県内におけるダーイシュ(イスラーム国)最後の主要拠点であるマルカダ町を包囲した。

シリア民主軍はまた、ハサカ市南部のアブドゥルアズィーズ山一帯でダー種と交戦し、3カ村(ウンム・マドファア村、マクマーン村、サーリヒーヤ村)を新たに制圧した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカルヤタイン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦し、スード丘を制圧した。

また戦闘機(所属明示せず)はタドムル市を30回以上にわたり空爆した。

一方、SANA(3月9日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにマハッサ地区北西部の丘陵地帯(スナイヤト・ヒート)でダーイシュ(イスラーム国)を掃討、同地を制圧した。

シリア軍はまた、タドムル市西方のヒヤール山周辺、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、スード丘一帯でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者軍の司令官の一人ワーフィー・カーイド氏(ガバーギブ殉教者旅団司令官)が8日晩、サイダー町・キヒール村街道でシリア軍によると思われる発砲を受け、暗殺された。

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アレッポ県では、SANA(3月9日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともに、アレッポ市・ハナースィル街道一帯のアトシャーナ村、ウンム・マイヤール村、ジュッブ・アリー村、ハリーバ村、シャリーマ村、ラスム・アスカル村、スィルヤーフ村、ハナースィル市東部のSyriatel丘でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して集中攻撃を加え、同地を制圧、治安と安定を回復した。

一方、ARA News(3月9日付)によると、県北西部にある「穏健な反体制派」の拠点都市マーリア市に対し、ダーイシュ(イスラーム国)が砲撃を加え、民間人5人が負傷した。

AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016、Zaman al-Wasl, March 9, 2016などをもとに作成。

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米匿名高官「有志連合によるシャッダーディー市(ハサカ県)爆撃でダーイシュの幹部司令官アブー・ウマル・シーシャーニー氏が死亡」(2016年3月9日)

AFP(3月9日付)は、米匿名高官筋の話として、3月4日に米軍主導の有志連合がシリア北東部で実施した空爆によって、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員12人が死亡、一時情報によると、そのなかに同組織でもっとも著名な幹部司令官の一人アブー・ウマル・シーシャーニー氏が含まれていたと伝えた。

Kull-na Shuraka', March 9, 2016
Kull-na Shuraka’, March 9, 2016

これに関して、国防総省のピーター・クック報道官は、この空爆がシーシャーニー氏を狙ったものだったことを明らかにしたが、詳細についての言及は拒否した。

米高官によると、この空爆は、無人戦闘機によるもので、ハサカ県シャッダーディー市近郊で実施されたという。

アブー・ウマル・シーシャーニー氏、本名タルハン・タユムラゾヴィッチ・バティラシヴィリ(Tarkhan Tayumurazovich Batirashvili)は、1986年生まれで、「シーシャーニー」(チェチェン人)を名乗るが、出身はチェチェンではなくジョージア(グルジア)。

ジョージア軍の元軍曹で、2008年のロシア・ジョージア戦争への従軍したが、2010年に武器の不法所持で逮捕、禁固3年の有罪判決を受けた。

約1年半の服役を経て、2012年初めに釈放され、ジョージアを去り、トルコのイスタンブール、イエメン、エジプトなどを経て、2012年3月にシリアに潜入したとされる。

シリアに潜入後の2012年半ばにチェチェン人戦闘員らとともにムハーリジーン大隊を結成し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(イラク・イスラーム国のフロント組織)とともにアレッポ県での戦闘に参加した。

2013年3月、ムハージリーン大隊がシリア人からなるムハンマド軍、ハッターブ大隊を統合し、ムハージリーン・ワ・アンサール軍が結成されると、同組織の指導者を務め、アレッポ県北西部のマンナグ航空基地攻略戦やラタキア県北西部での戦闘に参加した。

2013年4年、イラク・イスラーム国がヌスラ戦線との完全統合を宣言し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)へと改称すると(ヌスラ戦線の一部はこれに応じず、また2014年6月にイラク・シャーム・イスラーム国はイスラーム国に改称)、シーシャーニー氏はこれに合流し、翌月5月には北部方面司令官となり、アレッポ県、ラッカ件、ラタキア県、イドリブ県北部での戦闘を指揮し、同年末に北部方面の「アミール」となった。また2014年にはラッカ市に拠点をもつダーイシュのシューラー評議会のメンバーに任命された。

なお、シーシャーニー氏のダーイシュへの合流に対して、ムハージリーン・ワ・アンサール軍内のチェチェン人戦闘員は同調せず、アレッポ県などでヌスラ戦線をはじめとする反体制武装集団と連携して活動を継続した。

AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外務大臣「アサドは退任か、国民によって軍事的に倒されることを選ばねばならない」(2016年3月9日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、アブドゥッラティーフ・ズィヤーニーGCC事務局長との共同記者会見で「アサドは、権力の座から去るか、支配に抵抗するシリア国民が戦闘を続け、軍事的に倒されるかを選択しなければならない」と述べた。

ARA News(3月10日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、March 10, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「ジュネーブ3会議を3月14日から24日にかけて再開する」(2016年3月9日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は報道声明を出し、ジュネーブ3会議を3月14日から24日にかけて再開すると発表した。

デミストゥラ特別代表は声明で「(シリア政府と反体制派の)代表団は近日中に(ジュネーブに)到着し、月曜日(14日)から本質的な対話を開始する。対話は3月24日以降は続けられない…。その後は1週間から10日の中断期間を設け、再び対話を再開する」と発表した。

ジュネーブ3会議は当初、2月25日に再開が予定されていたが、その後3月9日、10日と延期となっていた。

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フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は、ジュネーブ3会議再開に先立ってパリで米英仏独伊の外相会議を開催し、シリア情勢への対応について協議すると発表した。

AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は反体制武装集団5組織が新たに停戦を受諾したと発表(2016年3月9日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターに対して、反体制武装集団5組織の指導者5人が新たに敵対行為停止合意の受諾を申し入れ、戦闘を停止したと発表した。

この5組織はダルアー県北部のマハッジャ町郊外で活動を続けてきた組織で、戦闘員の数は450人におよぶという。

これにより、ロシアの当事者和解調整センターに停戦受諾を申し出た反体制武装集団は42組織に達したという。

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SANA(3月9日付)は、ヒムス県の関係当局の話として、反体制活動を行っていたタルビーサ市、ラスタン市、およびヒムス市の住民97人が地元和解プロセスの一環で放免となり、市民生活に復帰したと伝えた。

AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、TASS, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は8日の停戦違反件数を7件と発表(2016年3月9日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月8日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

このうち3件がアレッポ県、1件がラタキア県、ヒムス県、イドリブ県で発生したという。

このうち、アレッポ県での停戦違反は、「穏健な反体制派」と目されるスルターン・ムラード旅団と第16師団によるアレッポ市シャイフ・マクスード地区への砲撃だという。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

AFP, March 9, 2016、AP, March 9, 2016、ARA News, March 9, 2016、Champress, March 9, 2016、al-Hayat, March 10, 2016、Iraqi News, March 9, 2016、Kull-na Shuraka’, March 9, 2016、al-Mada Press, March 9, 2016、Naharnet, March 9, 2016、NNA, March 9, 2016、Reuters, March 9, 2016、SANA, March 9, 2016、UPI, March 9, 2016などをもとに作成。

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『ハヤート』:トルコのダウトオール首相は、サウジ・イランの緊張緩和を仲介する見返りとして、トルコ・ロシアの緊張緩和の仲介をイランに求める(2016年3月9日)

『ハヤート』(3月9日付、ムハンマド・サーリフ・スィドキヤーン記者)は、12日のテヘランでのハサン・ロウハーニー大統領との会談で、トルコのアフメト・ダウトオール首相は、イランとの関係やシリア情勢への対応をめぐってこれまでとは異なる発言を行い、新たな姿勢を示そうとしていたと伝えた。

この変化に関して、中東情勢に詳しいイラン消息筋は、イラン政府が、地域の治安と安定の回復に資すると高く評価する一方、「隣国との関係だけを優先させるのではなく、すべての近隣諸国とのバランスのとれた関係を維持したいと考えている」と述べ、トルコ、ロシアの双方との関係維持に努めようとしているとの見方を示した。

同消息筋によると、ダウトオール首相はテヘランでの会談で、ロシアとの緊張緩和を仲介するよう求め、その見返りとして、トルコ政府がイラン・サウジ関係の緊張緩和をめざすとの意向を示し、「ロシアとトルコの関係の正常化はイランの国益に合致する」と主張したという。

また、シリアへの連邦制の導入や分割に関しては、トルコの国益に資さないとの立場を明示したという。

これに対して、イラン側は、イランとトルコの政治および安全保障分野での協力強化が経済関係の強化につながると伝えた。

また、シリア情勢をめぐっては、米国がトルコと距離を置き、ロシアに接近しつつあるとの念を抱くトルコ側の感情を踏まえ、路線変更を行うべきだとの意向を示したという。

AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。

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オースティン米中央軍司令官「オバマ政権に「穏健な反体制派」への軍事教練再開許可を求めた」(2016年3月8日)

米中央軍のロイド・オースティン司令官(陸軍大将)は、米上院の公聴会で、バラク・オバマ政権に対して、「穏健な反体制派」への軍事教練の再開許可を求めたと証言した。

オースティン司令官は「我々が戦線を退いた者たちを再動員すれば、彼らはより大規模なグループの一部をなすことができるようになろう」と述べたうえで、「さまざまなアプローチを通じて(「穏健な反体制派」教練の)取り組みを再開する許可を求めた」ことを明らかにした。

『ハヤート』(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県北西部からトルコのキリス市を越境砲撃する一方、「穏健な反体制派」はトルコ国境に近い2カ村を制圧(2016年3月8日)

『ハヤート』(3月9日付)は、トルコのキリス市がアレッポ県北西部のダーイシュ(イスラーム国)支配地域から砲撃を受け、2人が死亡、2人が負傷したと伝えた。

トルコの複数のメディアが、キリス市長の話として伝えたところによると、8発のカチューシャ砲弾がキリス市に撃ち込まれ、そのほとんどは空き地に着弾したが、1発は住民らを直撃し、女性1人、子供1人の合わせて2人が死亡したという。

トルコの複数の治安筋によると、シリア領内からの砲撃を受け、トルコ軍は「交戦規定」に従い、シリア領内に対して越境砲撃を行ったという。

これに関連して、クッルナー・シュラカー(3月8日付)は、アレッポ県北西部のトルコ国境に近いドゥーディヤーン村、タクリー村一帯で、ダーイシュと「穏健な反体制派」と目されるムウタスィム・ビッラー旅団、ハムザ旅団、スルターン・ムラード旅団、山地の鷹旅団、シャーム軍団などが交戦し、同2カ村を制圧した、と伝えた。

AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ市南部のアイス村近郊の丘からヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構を撃退(2016年3月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バニー・ザイド地区一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦する一方、シャイフ・マクスード地区、アイン・タッル地区、ハラク地区では、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と人民防衛隊が砲撃戦を行った。

また戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市のジャンドゥール交差点一帯、シュカイイフ地区を空爆した。

このほか、アレッポ市南部のアイス村一帯では、7日にヌスラ戦線とジュンド・アクサー機構が制圧した丘(アイス丘、Syriatel丘)に対して、ロシア軍の航空支援を受けたシリア軍とシーア派民兵が攻撃を加えて奪還した。

これに関して、SANA(3月8日付)は、国連安保理決議第2268号に違反するかたちでアレッポ市南部のアイス村近郊の丘に潜入した「タクフィール主義テロ組織」をシリア軍守備隊が撃退したと伝えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カッバーナ村一帯で、シリア軍、シリア人・アラブ系・アジア系民兵がロシア軍士官の指揮のもと、第1沿岸師団、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党などと交戦し、シリア軍側が同地を空爆・砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザーウィヤ山のアイン・ラールーズ村、アルバナ村、ジスル・シュグール市郊外のブダーマー村を砲撃、戦闘機(所属明示せず)がナージヤ村を空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がガーブ平原のカストゥーン村を砲撃する一方、戦闘機(所属明示せず)がハッダージュ村を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがハーン・シャイフ・キャンプ一帯に「樽爆弾」29発を投下する一方、ドゥーマー市に迫撃砲弾複数発が着弾した。

またマルジュ・スルターン村一帯では、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県、ダイル・ザウル県でダーイシュとの戦闘を続ける(2016年3月8日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャズル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(3月8日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにマハッサ地区、南西部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地(シリア・ガス社(SGC)のガス・パイプラインなど)を制圧した。

シリア軍はまた、タドムル市郊外採石場一帯、ジャズル・ガス採掘所、サワーナ町、カルヤタイン市郊外一帯でダーイシュ拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月8日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ジュバイラ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員40人を殲滅、拠点・武器弾薬庫を破壊した。


AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は7日の停戦違反件数を7件と発表(2016年3月8日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月7日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

このうち4件がアレッポ県(アレッポ市南部郊外、アレッポ市シャイフ・マクスード地区)、2件がイドリブ県(フーア市・カファルヤー町一帯)、1件がラタキア県で発生したという。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で7回の爆撃を実施(2016年3月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月7日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回で、アイン・イーサー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)、マーリア市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 8, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県北西部のタッル・リフアト市を越境砲撃(2016年3月7日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のライドゥール・ハリール報道官はロイター通信(3月7日付)に対して、トルコ軍がアアザーズ市南部に位置するタッル・リフアト市を砲撃し、隊員複数名が負傷したことを明らかにした。

AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線とジュンド・アクサー機構がアレッポ市南部アイス村に近い丘を制圧(2016年3月7日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(3月7日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線と、ダーイシュ(イスラーム国)との連携が取りざたされているジュンド・アクサー機構が、アレッポ市南部郊外のアイス村一帯でシリア軍と交戦し、同村に近い丘2カ所を制圧した。

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同じく、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区で活動するという「シャーム革命家大隊」を名乗る武装集団が、ビデオ声明を出し、手製の迫撃砲で攻撃を加えると脅迫した。

同地では、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、「穏健な反体制派」の第16師団、チェチェン人のサラーフッディーン・シーシャーニーを名乗る人物が指導するチェチェン人武装集団が砲撃を繰り返しており、同監視団によると、6日深夜から7日早朝にかけて23発の迫撃砲弾が、また7日の日中には15発の迫撃砲弾が着弾したという。

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イドリブ県では、ARA News(3月7日付)によると、ロシア軍戦闘機がアブー・ズフール町を空爆し、民間人11人が死亡した。

AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。

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ハサカ県、ヒムス県でYPG主体のシリア民主軍、シリア軍がダーイシュと交戦(2016年3月7日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が県南部のマルカダ町一帯、ハサカ市南西部のマクマン村、ヒルバト・マーリフ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(3月8日付)によると、カーミシュリー市中心街ウスター地区のクーワートリー通りで爆弾が爆発し、住民5人が負傷した。

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ヒムス県では、SANA(3月7日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、第946地点、第949地点、第1201地点を制圧した。

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アレッポ県では、SANA(3月7日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を「テロ組織」が迫撃砲で攻撃を加え、5人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市ジャウラ地区、クスール地区を迫撃砲で攻撃し、子供2人を含む8人が死亡した。

AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、March 8, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は7日に停戦違反が8件発生する一方、ダマスカス郊外県で反体制武装集団5組織が新たに停戦を受諾した発表(2016年3月7日)

ロシア国防省は、米・ロシアによる敵対行為停止合意発効から10日が経ったのに合わせて、シリアでの停戦および人道支援の状況について発表、「停戦は総じて遵守されている」としたうえで、「民間人の安全な帰宅と人道支援物資の配給が急務となっている」と強調した。

国防省によると、ロシアはハマー県、ヒムス県、ラタキア県、ダルアー県、ダイル・ザウル県、アレッポ県、ダマスカス県・ダマスカス郊外県に人道支援物資620トンを配給、また当事者和解調整センターが地元当局なロシアが独自に収集したデータをもとに緊急支援リストを作成し、国連に提出したという。

また、合意発効後、ロシア軍が空爆を実施しているのは、ラッカ県、ダイル・ザウル県、ヒムス県タドムル市近郊のダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線だけであることを改めて強調した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月6日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

このうち3件がアレッポ県、3件がイドリブ県、2件がハマー県で発生したという。

また、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員がハサカ県カーミシュリー市を攻撃するため、6日にトルコ領内に集結したことが確認されたという。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

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一方、ダマスカス郊外県で反体制武装集団5組織が米・ロシアによる敵対行為停止合意を受諾、ロシアの当事者和解調整センターに合意受諾を申し出た反体制武装集団の数は35組織となった。

AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。

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ドイツのシュタインマイヤー外務大臣はアブダビ皇太子と会談し、シリアでの停戦維持の必要を確認(2016年3月7日)

ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外務大臣はUAEを訪問し、アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子と会談し、シリア、イラク、リビア、イエメン情勢などについて意見を交わした。

会談後の記者会見で両氏は、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意の維持と、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表による和平協議(ジュネーブ3会議)再開・継続に向けた取り組みが重要だと述べた。

『ハヤート』(3月8日付)が伝えた。

AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。

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イランのアブドゥッラフヤーン外務副大臣は、クルド人の自治に前向きな姿勢を示す米・ロシア主導の敵対行為停止合意に不満を表明(2016年3月7日)

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣はイランを訪問し、イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)と会談し、シリアでの米・ロシアによる敵対行為停止合意の履行状況などについて意見を交わした。

『ハヤート』(3月8日付)によると、会談でアブドゥッラフヤーン外務副大臣は、米・ロシアが共同議長を務めるISSG(国際シリア支援グループ)の停戦作業チームに関して、イランの主張が考慮されていないように見受けられるとし、イラン政府が敵対行為停止合意に必ずしも「満足していない」と述べたという。

アブドゥッラフヤーン外務副大臣の発言は、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣が2月29日にシリアの将来の政治体制に関して、「連邦制のモデルに基づく体制は、シリアを統一的で世俗的な独立主権国家として維持することに資するだろう」と述べ、米国とともに支援を強化している西クルディスタン移行期民政局の存在に理解を示したことを受けたものと思われる。

なお、ハサン・ロウハーニー大統領は、トルコのアフメト・ダウトオール首相との会談(6日)で、「諸国の主権を尊重する必要があるとの点で、両国には意見の相違はない。各国国民が自らの国の行方を決定する」と述べ、「シリアの分割阻止」を訴え、西クルディスタン移行期民政局の台頭への警戒感をあらわにするダウトオール首相に一定の理解を示していた。

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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はエジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領と電話会談を行い、シリア情勢について協議し、シリア国内での停戦を維持する必要を確認した。

AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。

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バイデン米副大統領「我々は今、アサドと反体制派を再び交渉のテーブルに着かせるため行動している」(2016年3月7日)

中東諸国歴訪中のジョー・バイデン米副大統領は、UAEのアブダビで、シリアのアサド政権に関して「正統性を失っており、もはやシリアを統一することも、指導することもできない…。我々は今、アサドと反体制派を再び交渉のテーブルに着かせるために行動している…。すべての当事者間の政治的合意…という目的は変わっていない」と述べた。

まだダーイシュ(イスラーム国)との戦いに関しては「戦闘は時間を要するだろうが、我々はこの悪を殲滅するまで専念する」と述べた。

AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で4回の爆撃を実施(2016年3月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月6日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回で、ハサカ市近郊(3回)、アイン・イーサー市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 7, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県、ヒムス県、ハサカ県、ハマー県、ダイル・ザウル県でシリア軍、YPGがダーイシュと交戦(2016年3月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のダイル・ハーフィル市各所を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市西部郊外のドゥーワ地区、カルヤタイン市一帯、マヒーン町でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、また戦闘機(所属明示せず)がマヒーン町一帯を空爆した。

一方、SANA(3月6日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともにダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、カルヤタイン市近郊のスード丘方面の第912地点、第861地点を制圧した。

シリア軍はまたウンク・ハワー村、ムシャイリファ村でダーイシュと交戦した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部郊外のアブドゥルアズィーズ山一帯で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また米軍主導の有志連合と思われる戦闘機が県南部のマルカダ町南部に位置するジャナート村の学校一帯を複数回にわたり空爆した。

ARA News(3月7日付)によると、マルカダ町に対する有志連合の空爆で、ダーイシュの司令官の一人フサーム・シャッルーフ氏が死亡した。

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ハマー県では、SANA(3月6日付)によると、シリア軍がハマーディー・ウマル村・シャイフ・ハラール村間でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月6日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区などでダーイシュと交戦した。

AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、March 7, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。

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アレッポ、ラタキア県、ヒムス県、イドリブ県で、シリア軍、YPGとヌスラ戦線主導の反体制派の戦闘続く(2016年3月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊などが、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン村、森林地帯、タッル・マムー村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月6日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を「テロリスト」が迫撃砲で攻撃を加え、住民13人が死亡、40人以上が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がキンダ村、ハッダーダ村、トゥッファーヒーヤ山などを砲撃した。

一方、ARA News(3月6日付)によると、反体制武装集団がキンサッバー町近郊のカルズ村のシリア軍拠点を奇襲した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がキースィーン村一帯、ガルナータ村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、SANA(3月6日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール町、ジャルジャナーズ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、戦闘員18人を殲滅した。

また、対トルコ国境にアティマ村では、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の戦闘員複数が死亡した。

AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は6日に停戦違反が15件発生したと発表(2016年3月6日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月5日に15件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反が発生したのは、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県、ダルアー県、イドリブ県。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

AFP, March 6, 2016、AP, March 6, 2016、ARA News, March 6, 2016、Champress, March 6, 2016、al-Hayat, March 7, 2016、Iraqi News, March 6, 2016、Kull-na Shuraka’, March 6, 2016、al-Mada Press, March 6, 2016、Naharnet, March 6, 2016、NNA, March 6, 2016、Reuters, March 6, 2016、SANA, March 6, 2016、UPI, March 6, 2016などをもとに作成。

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