米国はシリアの「穏健な反体制派」に月250~400米ドルの給与を支給(2015年6月23日)

米国防総省はインターネットを通じて声明を出し、米軍がトルコ、ヨルダン領内で軍事教練を施しているシリアの「穏健な反体制派」に対して、技能や地位に応じて250~400米ドルの月収を支払っていると発表した。

ARA News(6月23日付)などが伝えた。

AFP, June 23, 2015、AP, June 23, 2015、ARA News, June 23, 2015、Champress, June 23, 2015、al-Hayat, June 24, 2015、Iraqi News, June 23, 2015、Kull-na Shuraka’, June 23, 2015、al-Mada Press, June 23, 2015、Naharnet, June 23, 2015、NNA, June 23, 2015、Reuters, June 23, 2015、SANA, June 23, 2015、UPI, June 23, 2015などをもとに作成。

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シリアでの人権侵害を調査するため国連人権理事会調査委員会のピネイロ委員長が、シリア軍、反体制武装集団、ダーイシュ(イスラーム国)による都市部の包囲や「無差別攻撃」を非難(2015年6月23日)

シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員長(ブラジル)は、国連人権理事会でシリア情勢について報告を行い、シリア軍、反体制武装集団、ダーイシュ(イスラーム国)による都市部などの包囲や、シリア軍による「樽爆弾」の使用を厳しく非難した。

ピネイロ委員長は「シリア軍、政権に敵対する武装集団、ダーイシュは、都市部を包囲し、悲惨な結果が生じている…。包囲、そして人道支援物資配給への断続的阻止は、栄養失調や飢餓をもたらしている」と述べた。

ピネイロ委員長は具体的に、ダーイシュとシャームの民のヌスラ戦線が占拠するヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯や、ヌスラ戦線などのジハード主義者の支配下にあるダマスカス郊外県東グータ地方、ザバダーニー市一帯に対するシリア軍の包囲、アレッポ県のザフラー町、ヌッブル市、イドリブ県フーア市、カラフヤー町に対する反体制武装集団の包囲を挙げ、厳しく非難した。

ピネイロ委員長はまた、すべての紛争当事者による「無差別攻撃」を非難、とりわけシリア政府による「樽爆弾」使用については、「今年初め以降、シリア軍の戦闘機、ヘリコプターがアレッポ市北部の町々に、ミサイルや「樽爆弾」で攻撃を加え、アレッポ県東部でも砲撃を行っている」と追求した。

『ハヤート』(6月24日付)が伝えた。


AFP, June 23, 2015、AP, June 23, 2015、ARA News, June 23, 2015、Champress, June 23, 2015、al-Hayat, June 24, 2015、Iraqi News, June 23, 2015、Kull-na Shuraka’, June 23, 2015、al-Mada Press, June 23, 2015、Naharnet, June 23, 2015、NNA, June 23, 2015、Reuters, June 23, 2015、SANA, June 23, 2015、UPI, June 23, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)が男性5人を溺死させ処刑(2015年6月23日)

『ナハール』(6月23日付)などは、ダーイシュ(イスラーム国)ニナワ州が、イラクのモスル市で男性5人を溺死させ、処刑する映像をインターネットを通じて公開したと伝えた。

映像には、「スパイ罪」で有罪となったとされる男性5人は、オレンジ色の囚人服を着せられ、牢獄に入れられたまま、池に沈められる様子が撮影されている。

ARA News, June 23, 2015
ARA News, June 23, 2015

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月23日付)、ARA News(6月23日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団が、ハサカ市タッル・ハジャル地区の西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ拠点近くと、同市南部入り口のシリア軍・国防隊検問所で、爆弾を仕掛けた車2台を相次いで爆発させた。

スマート・ニュース(6月24日付)によると、この連続テロにより5人が死亡、19人が負傷した。

一方、SANA(6月23日付)によると、バールード丘、ミールビーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(6月23日付)によると、タフハ村、ウンク・ハワー村、ムシャイリファ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ジャズル・ガス採掘所一帯、タドムル市を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月23日付)によると、ダイル・ザウル航空基地一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月23日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(6月23日付)によると、有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるダービク村、スーラーン・アアザーズ町を空爆した。

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『ハヤート』(6月24日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市(ヒムス県)で活動するという活動家たちが「タドムル、人間は石よりも高価だ」と銘打った運動を開始し、シリア軍によって行為されている同市への「人道回廊」の設置を国際社会に対して呼びかけている、と伝えた。

「石」とは、タドムル市南西部にあるUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡のこと。

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ルダウ・チャンネル(6月23日付)は、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュは、治安維持・警察活動のため、小型無人航空機ドローン80機を入手したと伝えた。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月23日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して9回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回におよび、タッル・アブヤド市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 23, 2015、AP, June 23, 2015、ARA News, June 23, 2015、Champress, June 23, 2015、al-Hayat, June 24, 2015、Iraqi News, June 23, 2015、Kull-na Shuraka’, June 23, 2015、al-Mada Press, June 23, 2015、al-Nahar, June 23, 2015、Naharnet, June 23, 2015、NNA, June 23, 2015、Reuters, June 23, 2015、Rudaw, June 23, 2015、SANA, June 23, 2015、SMART News, June 24, 2015、UPI, June 23, 2015などをもとに作成。

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イスラエル占領下のゴラン高原でのドゥルーズ派住民による反体制武装集団戦闘員負傷者襲撃に対するイスラエル、シリア、レバノンの反応(2015年6月23日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエル占領下のゴラン高原にあるハラフィーシュ村で、ドゥルーズ派住民が、シリアの反体制武装集団戦闘員の負傷者を搬送しているイスラエル軍救急車両を襲撃した事件に関して、「きわめて危険なこの事件を見るがいい。我々は事件を起こした者たちを探し出し、法廷に送る…。我々は法治国家であり、我々の国の周りで起きている混乱とは何の関係もない」と述べた。

またモシェ・ヤアロン国防大臣も事件を「殺人罪」と断じ、「無視できない。治安当局は断固としてこの問題に対処する」と述べた。

一方、イスラエルのドゥルーズ派のシャイフ・アクルのムワッファク・タリーフ氏は、イスラエル国内のドゥルーズ派シャイフや一般信徒との緊急会合後に、「こうした行為を強く非難する…。これは我々のやり方ではない…。ドゥルーズ派の宗教、価値観、伝統は負傷者に危害を加えることを禁じている」と述べた。

『ハヤート』(6月24日付)が伝えた。

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SANA(6月23日付)は、イスラエル軍救急車両が搬送していた負傷者2人に関して「シャームの民のヌスラ戦線のテロリスト」だったと断じた。

イスラエル軍ラジオ局報道官は、「我々がヌスラ戦線を支援しているという主張は正しくない」と否定した。

これに対して、ドゥルーズ派のシャイフ、ワヒード・バルアース氏ら反体制派が「尊厳の男たちとスワイダー県ジャバル・アラブ自由人の共同声明」(22日付)を出し、占領地ゴラン高原での事件に先立って、親政権のドゥルーズ派民兵が、スワイダー市近郊在住の若者3人に、「スワイダー市を砲撃しようとしていた」との嫌疑をかけて殺害したと非難、スワイダー県の軍事情報局がドゥルーズ派とベドウィンの間の対立を煽動していると指弾した。

Kull-na Shuraka', June 23, 2015
Kull-na Shuraka’, June 23, 2015

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レバノンの進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首(ドゥルーズ派)は、事件に関してツイッターで「シリアとイスラエルによる合同の内乱計画」だとしたうえで、「ジャバル・アラブの賢者(ドゥルーズ派シャイフ)たちは、スワイダーで、彼ら(ドゥルーズ派)とハウラーン地方住民、そしてアラブ・ベドウィンスンナ派を分断しようとしている陰謀の大きさを理解すべきだ」とつぶやいた。

AFP, June 23, 2015、AP, June 23, 2015、ARA News, June 23, 2015、Champress, June 23, 2015、al-Hayat, June 24, 2015、Iraqi News, June 23, 2015、Kull-na Shuraka’, June 23, 2015、al-Mada Press, June 23, 2015、Naharnet, June 23, 2015、NNA, June 23, 2015、Reuters, June 23, 2015、SANA, June 23, 2015、UPI, June 23, 2015などをもとに作成。

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ヨルダン国家治安裁判所が「武装テロ組織への参加を企てた」としてシリア人ら4人に禁固3年の実刑判決(2015年6月22日)

AFP(6月22日付)は、ヨルダンの国家治安裁判所が、「武装テロ組織への参加を企てた」としてヨルダン人4人とシリア人1人に禁固3年の実刑判決を下したと伝えた。

AFP, June 22, 2015、AP, June 22, 2015、ARA News, June 22, 2015、Champress, June 22, 2015、al-Hayat, June 23, 2015、Iraqi News, June 22, 2015、Kull-na Shuraka’, June 22, 2015、al-Mada Press, June 22, 2015、Naharnet, June 22, 2015、NNA, June 22, 2015、Reuters, June 22, 2015、SANA, June 22, 2015、UPI, June 22, 2015などをもとに作成。

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イスラエル占領下のドゥルーズ教徒が、シリアの反体制派へのイスラエルの支援に反対(2015年6月22日)

『ハヤート』(6月23日付)などは、イスラエル警察報道官の話として、占領下のゴラン高原(停戦ライン西部)にあるハラフィーシュ村で、住民たち(ドゥルーズ派)が早朝、イスラエル軍の救急車両が搬送しているシリアの反体制武装集団の負傷者の取り調べを求めて詰め寄り、投石を行った、と報じた。

イスラエル警察の報道官によると、これにより搬送されていた負傷者2人のうち1人は死亡、別の負傷者は重傷を負い、救急車両に乗っていたイスラエル軍兵士2人も負傷した。

ハラフィーシュ村の住民の一人、ファラフ・サービク氏によると、救急車両に詰め寄った住民は「シリアの状況に憤りを感じている」という。

クナイトラ県では、停戦ラインに近いゴラン高原では、最近になって、自由シリア軍南部戦線、シャーム自由人イスラーム運動などとシリア軍との戦闘が激化する一方、スワイダー県サアラ航空基地に対する自由シリア軍南部戦線などジハード主義武装集団の攻勢を受け、シリア国内のドゥルーズ派が国防隊隊員として戦闘に本格参加するなどしており、こうした事態がイスラエル占領下の地域で暮らすドゥルーズ派の間で緊張を高めていたという。

SANA(6月22日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線の傘下で活動するタクフィール主義武装集団の預言者末裔旅団は、イスラエル領内への負傷者搬送、武器供与など、イスラエルからの支援を受けている組織と目されている。

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なお、クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ハドル村一帯、ジャバーター・ハシャブ村近郊で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団(シャーム自由人イスラーム運動など)と交戦した。

シリア軍はまた、ハムル丘一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月22日付)によると、マムティナ村、ブザーク丘、マスハラ村、タルジャナ村で、シリア軍が反体制武装集団への攻撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、預言者末裔旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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自由シリア軍南部戦線は声明を出し、ダルアー県などで活動するシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線などのジハード主義武装集団が20日に結成を発表した南部地域ファトフ軍に関して、協力を拒否するとの姿勢を示した。

AFP, June 22, 2015、AP, June 22, 2015、ARA News, June 22, 2015、Champress, June 22, 2015、al-Hayat, June 23, 2015、June 24, 2015、Iraqi News, June 22, 2015、Kull-na Shuraka’, June 22, 2015、al-Mada Press, June 22, 2015、Naharnet, June 22, 2015、NNA, June 22, 2015、Reuters, June 22, 2015、SANA, June 22, 2015、UPI, June 22, 2015などをもとに作成。

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YPG主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続け、タッル・アブヤド市南部の要衝第93旅団基地を制圧(2015年6月22日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室が、有志連合の援護空爆を受け、タッル・アブヤド市南方、アイン・イーサー市の南西部に位置する第93旅団基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(6月22日付)、ARA News(6月22日付)は、ユーフラテスの火山合同作戦司令室が第93旅団基地を制圧した、と報じた。

Kull-na Shuraka', June 22, 2015
Kull-na Shuraka’, June 22, 2015

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ヒムス県では、『ワタン』(6月22日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市西部の柑橘農園西部一帯で、シリア軍歩兵部隊が「具体的な進軍」を遂げる一方、タドムル市一帯を空爆した。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍が過去2日間で、同地への潜入を試みるダーイシュを撃退し、タドムル市10キロの地点まで接近したと発表した。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表がAFP(6月22日付)に述べたところによると、シリア軍は、同地を掌握することで、ジャズル・ガス採掘所からの石油・ガスの供給を確保しようとしており、タドムル市そのもの攻略は検討してない模様だという。

なおシリア人権監視団によると、シリア軍とダーイシュはウンム・ジャーミア村一帯でも交戦し、双方に死傷者が出たという。

一方、SANA(6月22日付)によると、マクサル・ヒサーン村、ジャズル・ガス採掘所一帯、ナスラーニー山一帯、タドムル市一帯、タフハ村などをシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ウンム・フーシュ村、ウンム・クラー村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)がジハード主義武装集団と交戦した。

またダービク村一帯への有志連合の空爆により、ダーイシュ戦闘員1人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(6月23日付)によると、ブーカマール市で、ウンム・アブドゥッラフマーン・マグリビーヤ女史率いるダーイシュ(イスラーム国)宗教警察(ヒスバ)が、マグリブの礼拝後にシャリーアに則った衣服を身につけていなかったとして、女性複数を逮捕した。

マグリビーヤ女史が率いるヒスバはそのほとんどがモロッコ人女性から構成されているという。

また、マヤーディーン市では、ヒスバがイフタールを行わなかったとして男性2人を絞首刑に処したという。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月22日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回におよび、タッル・アブヤド市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 22, 2015、AP, June 22, 2015、ARA News, June 22, 2015、June 23, 2015、Champress, June 22, 2015、al-Hayat, June 23, 2015、Iraqi News, June 22, 2015、Kull-na Shuraka’, June 22, 2015、al-Mada Press, June 22, 2015、Naharnet, June 22, 2015、NNA, June 22, 2015、Reuters, June 22, 2015、SANA, June 22, 2015、UPI, June 22, 2015、al-Watan, June 22, 2015などをもとに作成。

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シリア外務省は、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダなど70カ国がシリア軍の「樽爆弾」による「無差別」攻撃を批判する書簡を提出したことに対し、「シリア政府によるテロ撲滅の権利を否定する内政干渉」と抗議(2015年6月22日)

外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送り、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダなど70カ国が19日に安保理議長宛に提出した、シリア軍による「樽爆弾」での「無差別」攻撃を非難する書簡について、一部の国が「挑発的な決議」の採択を目論んでいるとしたうえで、シリア政府によるテロ撲滅の権利を否定する内政干渉だと非難、シリア軍が国際法に基づき、民間人の犠牲を回避しつつ作戦を行っていると主張した。

SANA(6月22日付)が伝えた。

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ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣はイランを訪問し、テヘランでアブドゥルリザー・ラフマーニー内務大臣と会談、テロ犯罪撲滅、資金供与根絶での協力などを骨子とした治安協力覚書に調印した。

SANA(6月22日付)が伝えた。

AFP, June 22, 2015、AP, June 22, 2015、ARA News, June 22, 2015、Champress, June 22, 2015、al-Hayat, June 23, 2015、Iraqi News, June 22, 2015、Kull-na Shuraka’, June 22, 2015、al-Mada Press, June 22, 2015、Naharnet, June 22, 2015、NNA, June 22, 2015、Reuters, June 22, 2015、SANA, June 22, 2015、UPI, June 22, 2015などをもとに作成。

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YPGがラッカ県タッル・アブヤド市南部でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年6月21日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がタッル・アブヤド市南部および南西部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦を続け、同市の南部16キロの地点に位置するアリー・バージリーヤ村を制圧した。

またクッルナー・シュラカー(6月21日付)は、人民防衛隊主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室のアイン・イーサー市への接近を受け、同地に駐留するダーイシュ戦闘員は、物資を住民に分配し、撤退の準備を開始したと伝えた。

またアイン・イーサー市の南方に位置するダーイシュの「首都」ラッカ市では、厳戒態勢が強化され、「自由シリア軍」の元メンバーやクルド系住民への逮捕が激化している、という。

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アレッポ県では、マサール・プレス(6月21日付)によると、自由シリア軍スルターン・ムラード旅団がウンム・フーシュ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を砲撃した。

一方、SANA(6月21日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村、カースィミーヤ町、サービリーヤ村、ザーヒリーヤ村で強制捜査を行い、ダーイシュ(イスラーム国)協力者40人以上を逮捕した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町一帯で、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦、双方に14人の負傷者が出た。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯で、シリア軍、PFLP-GC民兵が、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(6月21日付)によると、ウンム・ジャーミア村一帯、シューマリーヤ山一帯、スルターニーヤ村、ジバーブ・ハマド村、ウンム・タバービール村、ジャズル・ガス採掘所一帯、マヌーフ、タドムル市周辺で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月21日付)によると、アブー・ファシャーフィーシュ村、ハルダーナー村、ハッス・アルバーウィー村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(6月21日付)によると、ハジーン市で、住民から没収した金品の分配をめぐってダーイシュ(イスラーム国)メンバーどうしが対立し、複数名が逮捕された。

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また、クッルナー・シュラカー(6月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村、カースィミーヤ町、サービリーヤ村、ザーヒリーヤ村で強制捜査を行い、ダーイシュ(イスラーム国)協力者40人以上を逮捕した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月21日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して29回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、ハサカ市近郊(1回)、アレッポ市近郊(1回)、タッル・アブヤド市近郊(5回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 21, 2015、AP, June 21, 2015、ARA News, June 21, 2015、June 22, 2015、Champress, June 21, 2015、al-Hayat, June 22, 2015、Iraqi News, June 21, 2015、Kull-na Shuraka’, June 21, 2015、June 22, 2015、al-Mada Press, June 21, 2015、Masar Press Agency, June 21, 2015、Naharnet, June 21, 2015、NNA, June 21, 2015、Reuters, June 21, 2015、SANA, June 21, 2015、UPI, June 21, 2015などをもとに作成。

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米国女優が世界難民の日に合わせてトルコのシリア人避難民を慰問(2015年6月21日)

UNHCR特使を務める米国女優のアンジェリーナ・ジョリー氏が世界難民の日に合わせ、アントニオ・グテーレス難民高等弁務官とともにトルコのマルディン県を訪れ、シリア人避難民を慰問した。

ジョリー氏ら一行はまた、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を表敬訪問した。

AFP(6月21日付)が伝えた。

AFP, June 21, 2015、AP, June 21, 2015、ARA News, June 21, 2015、Champress, June 21, 2015、al-Hayat, June 22, 2015、Iraqi News, June 21, 2015、Kull-na Shuraka’, June 21, 2015、al-Mada Press, June 21, 2015、Naharnet, June 21, 2015、NNA, June 21, 2015、Reuters, June 21, 2015、SANA, June 21, 2015、UPI, June 21, 2015などをもとに作成。

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トルコ当局、シリアで取材を終え、トルコ領内に戻った西欧の記者4人を逮捕(2015年6月21日)

国境なき記者団は、シリアでの取材を終え、同国からトルコに再入国しようとしたイタリア人記者3人とフランス人記者1人が、トルコの治安当局に逮捕された、と発表した。

アナトリア通信(6月20日付)によると、4人はアイン・アラブ市(アレッポ県)に面するミュルシトプナル国境通行所で逮捕され、その後、強制退去処分を受け、本国に送還されたという。

イタリア人記者3人はイタリア国営放送局RAIの、フランス人記者は『ル・フィガロ』紙の取材で、シリアに入国していたという。

AFP, June 21, 2015、AP, June 21, 2015、Anadolu Ajansı, June 21, 2015、ARA News, June 21, 2015、Champress, June 21, 2015、al-Hayat, June 22, 2015、Iraqi News, June 21, 2015、Kull-na Shuraka’, June 21, 2015、al-Mada Press, June 21, 2015、Naharnet, June 21, 2015、NNA, June 21, 2015、Reuters, June 21, 2015、SANA, June 21, 2015、UPI, June 21, 2015などをもとに作成。

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シリアの「穏健な反体制派」数十人が「シリア政府との戦闘を行わない」旨誓約を求められ米国の軍事教練プログラムへの参加をとり止める(2015年6月20日)

『ハヤート』(6月20日付)は、複数の西側外交筋の話として、米国防総省の監督のもと、トルコとヨルダン領内で米軍が行っているシリアの「穏健な反体制派」の軍事教練に関して、戦闘員数十人が教練プログラムへの参加をとりやめた、と伝えた。

参加取りやめは、米国側がこれらの戦闘員に「シリア政府との戦闘を行わない」旨記載された文書への署名を求めたためだという。

米議会は、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘、「穏健派」支配地域の防衛を目的とした「穏健な反体制派」教練のための予算(5億米ドル)を承認、3年間で合わせて1万5,000人(1年間で5,000人)の戦闘員に教練を施す予定で、トルコとヨルダン領内の4つの軍事基地で教練を実施することを両国と合意している。

またこれとは別に、CIAによる戦闘員教練のための「極秘プログラム」実施の予算が承認されている。

しかし、スティーブ・ウォーレン国防総省報道官は18日、AFP(6月19日付)に対して、現在までに教練を受けた戦闘員の数が100~200人しかいないことを明らかにしていた。

AFP, June 19, 2015、AP, June 19, 2015、ARA News, June 19, 2015、Champress, June 19, 2015、al-Hayat, June 20, 2015、Iraqi News, June 19, 2015、Kull-na Shuraka’, June 19, 2015、al-Mada Press, June 19, 2015、Naharnet, June 19, 2015、NNA, June 19, 2015、Reuters, June 19, 2015、SANA, June 19, 2015、UPI, June 19, 2015などをもとに作成。

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シリアの部族代表者が、シリアとイラクの部族への武器供与を示唆したヨルダン国王の発言を拒否(2015年6月19日)

シリアの部族代表者は、シリアとヨルダンの部族への武器供与を示唆したヨルダンのアブドゥッラー2世国王の発言を批判・拒否する声明を発表した。

ペトラ通信(6月15日付)は、ヨルダンのアブドゥッラー2世国王が「シリア東部、イラク西部の部族を支援することはヨルダンの義務」だと述べたと報じていた。

SANA, June 19, 2015
SANA, June 19, 2015

 

AFP, June 19, 2015、AP, June 19, 2015、ARA News, June 19, 2015、Champress, June 19, 2015、al-Hayat, June 20, 2015、Iraqi News, June 19, 2015、Kull-na Shuraka’, June 19, 2015、al-Mada Press, June 19, 2015、Naharnet, June 19, 2015、NNA, June 19, 2015、Petra, June 19, 2015、Reuters, June 19, 2015、SANA, June 19, 2015、UPI, June 19, 2015などをもとに作成。

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プーチン露大統領「力による外国の干渉ではシリアの政治改革は実現できない」(2015年6月19日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで行った演説のなかでシリア情勢に触れ、アサド政権を力で退陣させようとする欧米諸国の姿勢がシリアにさらなる混乱をもたらすと警鐘を鳴らした。

プーチン大統領は「モスクワはアサド大統領とともに、軍事的衝突を終わらせるため…政治改革の道を進む用意ができている。これは、力による外国の干渉を通じては実現できない」と述べた。

AFP, June 19, 2015、AP, June 19, 2015、ARA News, June 19, 2015、Champress, June 19, 2015、al-Hayat, June 20, 2015、Iraqi News, June 19, 2015、Kull-na Shuraka’, June 19, 2015、al-Mada Press, June 19, 2015、Naharnet, June 19, 2015、NNA, June 19, 2015、Reuters, June 19, 2015、SANA, June 19, 2015、UPI, June 19, 2015などをもとに作成。

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ベルギー、ルクセンブルグ、オランダなど70カ国がシリア政府の「樽爆弾」による「無差別」攻撃を批判、停止を求める書簡を国連安保理議長に提出(2015年6月19日)

ベルギー、ルクセンブルグ、オランダの3カ国は、シリア政府による「樽爆弾」での「無差別」攻撃を非難した書簡を国連安保理議長に提出した。

3カ国を含む70カ国の連名で提出された書簡は、シリア軍ヘリコプターによる住宅地域への「樽爆弾」による空爆について、「樽爆弾などの兵器の無差別の使用は国際法がこれを禁じている」と指摘、安保理にその尊重を求めるとともに、シリア政府に対しても「無差別な空爆」を停止するよう求めた。

AFP(6月19日付)などが伝えた。

AFP, June 19, 2015、AP, June 19, 2015、ARA News, June 19, 2015、Champress, June 19, 2015、al-Hayat, June 20, 2015、Iraqi News, June 19, 2015、Kull-na Shuraka’, June 19, 2015、al-Mada Press, June 19, 2015、Naharnet, June 19, 2015、NNA, June 19, 2015、Reuters, June 19, 2015、SANA, June 19, 2015、UPI, June 19, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線は、アレッポ県北部でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の最前線から多数の外国人戦闘員を撤退、理由はシリア軍の「樽爆弾」による「無差別」爆撃(2015年6月19日)

ARA News(6月19日付)は、シャーム戦線の前線司令官の話として、シャームの民のヌスラ戦線が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘が続くスーラーン・アアザーズ町、ウンム・フーシュ村一帯の前線から「多数のムハージリーン(外国人)戦闘員」を撤退させた、と伝えた。

同地一帯に対するシリア軍の「樽爆弾」などによる「無差別」空爆の激化が撤退の理由だという。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、スルーク町とラッカ市を結ぶ街道一帯を有志連合が空爆、また同地で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)に攻勢をかけた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市西部および南西部の郊外で、地雷が爆発し、子供1人を含む6人が死亡した。

地雷は、ダーイシュ(イスラーム国)が敷設したものだという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハトラ村、ダイル・ザウル市アルディー地区を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(6月19日付)によると、シリア軍がジャズル・ガス採掘所一帯、柑橘農園一帯、タドムル市、スフナ市を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月19日付)によると、シリア軍がムウダミーヤ村を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(6月19日付)によると、シリア軍がカスル村、バナート・バイール丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月19日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回におよび、ラッカ市近郊(1回)、ハサカ市近郊(1回)、ラッカ市近郊(2回)、タッル・アブヤド市近郊(3回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 19, 2015、AP, June 19, 2015、ARA News, June 19, 2015、Champress, June 19, 2015、al-Hayat, June 20, 2015、Iraqi News, June 19, 2015、Kull-na Shuraka’, June 19, 2015、al-Mada Press, June 19, 2015、Naharnet, June 19, 2015、NNA, June 19, 2015、Reuters, June 19, 2015、SANA, June 19, 2015、UPI, June 19, 2015などをもとに作成。

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化学兵器禁止機関(OPCWは)米国船籍MVケープ・レイで行われていた危険度の高いシリアの化学兵器関連物質約600トンの廃棄作業が完了したと発表(2015年6月18日)

化学兵器禁止機関(OPCW)は声明を出し、シリア国内から搬出され、米国船籍MVケープ・レイで行われていた危険度の高い化学兵器関連物質約600トンの廃棄作業が完了したと発表し、歓迎の意を示した。

AFP, June 18, 2015、AP, June 18, 2015、ARA News, June 18, 2015、Champress, June 18, 2015、al-Hayat, June 19, 2015、Iraqi News, June 18, 2015、Kull-na Shuraka’, June 18, 2015、al-Mada Press, June 18, 2015、Naharnet, June 18, 2015、NNA, June 18, 2015、Reuters, June 18, 2015、SANA, June 18, 2015、UPI, June 18, 2015などをもとに作成。

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クナイトラ県で、シリア軍が自由シリア軍南部戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦(2015年6月18日)

クナイトラ県では、ロイター通信(6月18日付)などによると、シャアル丘、ブザーク丘などの丘陵地帯からクナイトラ市北部にいたる一帯(シリア政府支配下)で、シリア軍は自由シリア軍南部戦線などジハード主義武装集団の攻撃を撃退、反体制武装集団戦闘員200人以上を死傷させた。

自由シリア軍南部戦線のイサーム・ライイス報道官のツイッターでの書き込みによると、この攻撃は、シャームの民のヌスラ戦線を除く武装集団によるもので、バアス市、ハーン・アルナバ市、第90旅団基地などのシリア政府支配地域の攻略をめざしているという。

一方、SANA(6月18日付)によると、クルーム丘周辺、ジャバーター・ハシャブ村、ティーハ村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県、SANA(6月18日付)によると、ダルアー市難民キャンプ地区、バジャービジャ地区などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市西部のティシュリーン通り(シリア政府支配地域)のビルにロケット弾が直撃し、住民8人が死亡した。

同監視団によると、アシュラフィーヤ地区を占拠している反体制武装集団が15日以降、アレッポ市西部(シリア政府支配地域)への砲撃を強めており、すでに63人の民間人が犠牲となっているという。

一方、アレッポ市ラーシディーン地区では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ人からなるクドス旅団がジハード主義武装集団と交戦した。

他方、SANA(6月18日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、シャイフ・ルトフィー村、マアーッラト・アルティーク村、マンスーラ村、カフルハムラ村、ブラート村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、シャーム戦線のシューラー評議会は声明を出し、アブドゥルアズィーズ・サラーマ総司令官の辞表を受理するとともに、ムハンマド・アリー・ハルクーシュ氏を新司令官に任命したと発表した。

またアレッポ市などで活動するアブー・アマーラ特殊任務中隊は声明を出し、イラク人民兵組織アブー・ファドル・アッバース旅団のマダル・ジャアファリー司令官(レバノン人)を17日に殺害したと発表した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、子供1人が死亡した。

一方、SANA(6月18日付)によると、タルビーサ市郊外一帯をシリア軍が空爆し、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月18日付)によると、ナシャービーヤ町、ダクワ丘、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月18日付)によると、ザーヒヤ山、カトフ・ルンマーン村、ヌーバ村、カビール村、ワーディー・アズラク、ダッラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月18日付)によると、アブー・ズフール航空基地一帯、タッル・サラムー村、マジャース村、バズィート村、ジャンナト・クラー村、サフン村などをシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月18日付)によると、ラターミナ町、タマーニア町、マンスーラ村、マアルカバ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月18日付)によると、ジャフラ村、マリーイーヤ村、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月17日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は16回におよび、ハサカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、タッル・アブヤド市近郊(4回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 18, 2015、AP, June 18, 2015、ARA News, June 18, 2015、Champress, June 18, 2015、al-Hayat, June 19, 2015、Iraqi News, June 18, 2015、Kull-na Shuraka’, June 18, 2015、al-Mada Press, June 18, 2015、Naharnet, June 18, 2015、NNA, June 18, 2015、Reuters, June 18, 2015、SANA, June 18, 2015、UPI, June 18, 2015などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表「シリア政府はいかなる状況下にあろうとすべての民間人を保護する責任がある」(2015年6月18日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、4日にわたるシリア滞在を終えるにあたって声明を出し、「シリア政府はいかなる状況下にあろうとすべての民間人を保護する責任がある」と述べ、反体制武装集団が支配する地域、とりわけ住宅地区への「樽爆弾」の使用停止を呼びかけた。

デミストゥラ共同特別代表は、15日にシリアのダマスカスに入り、アサド大統領、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らと会談していた。

ARA News(6月18日付)が伝えた。

AFP, June 18, 2015、AP, June 18, 2015、ARA News, June 18, 2015、Champress, June 18, 2015、al-Hayat, June 19, 2015、Iraqi News, June 18, 2015、Kull-na Shuraka’, June 18, 2015、al-Mada Press, June 18, 2015、Naharnet, June 18, 2015、NNA, June 18, 2015、Reuters, June 18, 2015、SANA, June 18, 2015、UPI, June 18, 2015などをもとに作成。

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シリアでの塩素ガス攻撃現場で医療活動にあたっていたという医師らが米下院外交委員会で証言(2015年6月17日)

米下院外交委員会が、シリア情勢に関する公聴会を開き、現地で医療活動にあたったというアニー・スパロー医師、ムハンマド・ティンナーリー医師ロバート・フォード前駐シリア米大使が証言した。

スパロー医師は「私は医師であり、人の死を多く見てきたが、このようなせい惨なかたちで子供が殺され、また残酷なかたちでの苦しみを見たことはない」と証言した。

フォード前米大使は「シリア政府は塩素ガスを使用しているが、何のおとがめもない…。彼(アサド大統領)の軍はマンパワーを使い切ってしまおり、シリア政府はこの不足をカバーするために、これまで以上に化学兵器が必要になっている」と証言した。

一方、3月16日のサルミーン市(イドリブ県)での塩素ガス攻撃の現場にいあわせていたというティンナーリー医師は、シリア軍のヘリコプターが投下した「樽爆弾」を投下した直後の状況について「何十人もの人が呼吸困難に陥り、目やのどに痛みを訴えた」と通訳を介して証言した。

AFP(6月17日付)が伝えた。

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一方、アシュトン・カーター米国防長官は、下院軍事委員会で「我々はバッシャール・アサドがいない政権への移行を目にしたいと思っている」と証言した。

カーター国防長官は「アサド自身が退任し、穏健な反体制派による新たな政府が発足することがシリア国民とって良い」としたうえで、「彼(アサド大統領の)軍が見舞われている弱さと絶望ゆえにそれは可能だ」との見方を示した。

ARA News(6月18日付)が伝えた。

AFP, June 17, 2015, June 18, 2015、AP, June 18, 2015、ARA News, June 18, 2015、Champress, June 18, 2015、al-Hayat, June 19, 2015、Iraqi News, June 18, 2015、Kull-na Shuraka’, June 18, 2015、al-Mada Press, June 18, 2015、Naharnet, June 18, 2015、NNA, June 18, 2015、Reuters, June 18, 2015、SANA, June 18, 2015、UPI, June 18, 2015などをもとに作成。

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レバノン進歩社会主義党のジュンブラート党首がヨルダンを訪問、アブー・ファーウール公共保健大臣がトルコを訪問し、シリアのドゥルーズ派の保護を求める(2015年6月17日)

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、ヨルダンを訪問し、アブドゥッラー2世国王と会談した。

ペトラ通信(6月17日付)によると、両者は、「ヨルダンとドゥルーズ派の歴史的つながりの深さ」を強調し、テロの脅威への対処方法などについて意見を交わしたという。

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進歩社会主義党のワーイル・アブー・ファーウール公共保健大臣(ドゥルーズ派)がトルコのイスタンブールを訪問し、シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ議長や反体制武装集団の代表らと会談し、イドリブ県カルブ・ルーズ村でのシャームの民のヌスラ戦線による住民処刑などについて意見を交わした。

会談後、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、武装部隊と地元評議会からなる合同委員会を設置し、同様の事件の再発を防ぐため、カルブ・ルーズ村などを保護することが合意された、と発表した。

一方、進歩社会主義党のラーミー・ライイス報道官は『ムスタクバル』(6月17日付)に、シリア領内のドゥルーズ派宗徒保護のための「何らかの措置」を講じるため、シリアの反体制派(シリア革命反体制勢力国民連立)だけでなくトルコ高官とも協議を行っていると述べた。

AFP, June 17, 2015、AP, June 17, 2015、ARA News, June 17, 2015、Champress, June 17, 2015、al-Hayat, June 18, 2015、Iraqi News, June 17, 2015、Kull-na Shuraka’, June 17, 2015、al-Mada Press, June 17, 2015、al-Mustaqbal, June 17, 2015、Naharnet, June 17, 2015、NNA, June 17, 2015、Petra, June 17, 2015、Reuters, June 17, 2015、SANA, June 17, 2015、UPI, June 17, 2015などをもとに作成。

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ケリー米国務長官「化学兵器による攻撃のほとんどがアサド政権によって実行されていることを強く確信する」(2015年6月17日)

ジョン・ケリー米国務長官は、シリア国内での一連の化学兵器使用疑惑に関して、国務省で記者団にアサド政権が「圧倒的多数」の使用に関与していることを確信しているとしたうえで、「みなの忍耐も切れかかっている」と述べた。

ケリー国務長官は「これらの攻撃のほとんどが政権によって実行されていることを強く確信する」としたうえ、政府がそのことを示す証拠を持っているの強調した。

ロイター通信(6月17日付)などが伝えた。

AFP, June 17, 2015、AP, June 17, 2015、ARA News, June 17, 2015、Champress, June 17, 2015、al-Hayat, June 18, 2015、Iraqi News, June 17, 2015、Kull-na Shuraka’, June 17, 2015、al-Mada Press, June 17, 2015、Naharnet, June 17, 2015、NNA, June 17, 2015、Reuters, June 17, 2015、SANA, June 17, 2015、UPI, June 17, 2015などをもとに作成。

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ムスリム民主統一党党首「事態が収束し、恐怖がなくなれば、YPGはタッル・アブヤドから撤退し、行政を地元の住民に移譲するだろう」(2015年6月17日)

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、トルコ日刊紙『ヒュッリイェト』(6月17日付)のインタビューに応じ、そのなかで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によるタッル・アブヤド市(クルド語名ギレ・スピー)に関して、「事態が収束し、恐怖がなくなれば、人民防衛隊と関連する部隊は同地から撤退し、行政を地元の住民に移譲するだろう」と述べた。

またダーイシュ(イスラーム国)との戦闘でトルコ領内に避難した住民の帰宅に関しては「トルコ高官と国境通行所にかかる問題について協議、協力する用意がある。我々は通行所を人民防衛隊の掌握下に置くことに固執しておらず、この問題に関しては自由シリア軍と協力したいと考えている」と述べた。

一方、アラブ人、トルクメン人を強制移住させているとするトルコ側の批判に関しては「トルコは冷静であるべきだ。もし冷静であれば、我々も冷静でいよう」としたうえで、「人民防衛隊がギレ・スピーのアラブ人、トルクメン人を排除しているとの主張に関して言うと、人々を家や国から追い出すことができる者などいない。こうした批判、言説、そして嘘には何の根拠もない」と否定した。

AFP, June 17, 2015、AP, June 17, 2015、ARA News, June 17, 2015、Champress, June 17, 2015、al-Hayat, June 18, 2015、Hurriyet, June 17, 2015、Iraqi News, June 17, 2015、Kull-na Shuraka’, June 17, 2015、al-Mada Press, June 17, 2015、Naharnet, June 17, 2015、NNA, June 17, 2015、Reuters, June 17, 2015、SANA, June 17, 2015、UPI, June 17, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合のハティーブ氏「ラッカ県で強制移住や民族浄化が行われているという主張は根拠がない」(2015年6月17日)

シリア革命反体制勢力国民連立のカースィム・ハティーブ氏は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室によって制圧されたラッカ県タッル・アブヤド市に(トルコから)入国し、「ラッカ県で強制移住や民族浄化が行われているという主張は根拠がない」と述べ、トルコ政府やジハード主義武装集団らの主張を否定した。

クッルナー・シュラカー(6月17日付)が伝えた。

またシリア革命反体制勢力国民連立副議長でクルド人活動家のムスタファー・ウースー氏もARA News(6月17日付)に対し、「人民保護部隊に対する敵対的姿勢はとっていない…。(イスタンブールで14日に開催された)総合委員会ではタッル・アブヤド市制圧の是非について審議はされなかった」と述べた。

AFP, June 17, 2015、AP, June 17, 2015、ARA News, June 17, 2015、Champress, June 17, 2015、al-Hayat, June 18, 2015、Iraqi News, June 17, 2015、Kull-na Shuraka’, June 17, 2015、al-Mada Press, June 17, 2015、Naharnet, June 17, 2015、NNA, June 17, 2015、Reuters, June 17, 2015、SANA, June 17, 2015、UPI, June 17, 2015などをもとに作成。

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アカイディー・アレッポ革命軍事評議会(自由シリア軍)前議長「YPGが民族浄化を行っている確たる証拠があれば、私は彼らとの戦闘の最前線に立つ」(2015年6月16日)

アレッポ革命軍事評議会(自由シリア軍)前議長で独自の武装部隊を率いるアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐はフェイスブックを通じて声明を出し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がタッル・アブヤド市一帯などで「民族浄化」を行っているとするトルコ政府、ジハード主義武装集団・アル=カーイダ系武装集団、シリア革命反体制勢力国民連立などの批判に関して、「民主統一党(西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党)と人民防衛隊が組織として民族浄化に関与しているとの証拠があれば…、私は自由シリア人とともに、彼らとの戦闘の最前線に立つだろう」と発表した。

アカイディー大佐は、2014年10月、トルコのミュルシトプナル市からアイン・アラブ市に進軍、人民防衛隊と連携して、ダーイシュと交戦、その後、2015年4月にミュルシトプナル国境通行所を経由して、トルコに撤退したと報じられていた。

AFP, June 16, 2015、AP, June 16, 2015、ARA News, June 16, 2015、Champress, June 16, 2015、al-Hayat, June 17, 2015、Iraqi News, June 16, 2015、Kull-na Shuraka’, June 16, 2015、al-Mada Press, June 16, 2015、Naharnet, June 16, 2015、NNA, June 16, 2015、Reuters, June 16, 2015、SANA, June 16, 2015、UPI, June 16, 2015などをもとに作成。

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トルコ外相「シリア政府、ダーイシュ、YPG…、彼らはいずれも民間人を弾圧している」(2015年6月16日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、トルコ国境に位置するダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つタッル・アブヤド市(ラッカ県)を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が有志連合の航空支援を受けて制圧したことに関して、「人民防衛隊は民間人を弾圧している」と述べた。

チャヴシュオール外務大臣は、サウジアラビアに向かう途上、TRT(6月16日付)に対して以下のように述べた。

「ダーイシュは、攻撃を行い、逮捕した人々を殺している。クルド人戦闘員は一部の地域を制圧し、そこで暮らしていた人々を避難生活へと追いやった…。誰が来ようと関係ない。シリア政府、ダーイシュ、人民保護部隊…、彼らはいずれも民間人を弾圧している」。

また、ブレント・アリンジュ内閣報道官は「砲撃を受けている地域の住民は、ダーイシュから受けていたのと同じく、民主統一党と人民保護部隊からの民族浄化に曝されている」と発言した。

同様の発言は、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍など15のジハード主義組織・アル=カイーダ系組織が共同声明(15日)を通じて行っているほか、シリア革命反体制勢力国民連立のサリーム・イドリース暫定政府国防大臣もラジオ番組でのインタビュー(13日)で述べている。

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米国防総省報道官は、「クルド人部隊がもしトルクメン人とシリア人を強制移住させているのであれば、それは受け入れられない」と述べ、事態を注視していくとの意思を示した。

また、駐シリア米大使館はツイッターで、強制移住や民族浄化に関するトルコ政府やジハード主義武装集団の発言について、ダーイシュとの戦闘で避難民が生じた(だけ)との見方を示した。

AFP, June 16, 2015、AP, June 16, 2015、ARA News, June 16, 2015、June 17, 2015、Champress, June 16, 2015、al-Hayat, June 17, 2015、Iraqi News, June 16, 2015、Kull-na Shuraka’, June 16, 2015、al-Mada Press, June 16, 2015、Naharnet, June 16, 2015、NNA, June 16, 2015、Reuters, June 16, 2015、SANA, June 16, 2015、UPI, June 16, 2015などをもとに作成。

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シリア・レバノン国境でシリア軍、ヒズブッラー戦闘員がダーイシュ(イスラーム国)との交戦(2015年6月16日)

ダマスカス郊外県では、SANA(6月16日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)の支援を受け、カラムーン地方ジャラージール町無人地帯のラアス・クーシュ丘、カルナト・ラアス・サアバ一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるシャーイル・ガス採掘所一帯、タドムル市各所をシリア軍が空爆した。

またウンム・タバービール村近郊を通りガス・パイプラインを武装集団が爆破した。

一方、複数のメディアは、「虎」の愛称で知られるシリア軍のスハイル・ハサン大佐の「右腕」とされるムハンマド・クルスーム氏が死亡したと伝えた。

クルスーム氏は、10日ほど前にジャズル・ガス採掘所一帯でのダーイシュとの戦闘中に頭を撃たれ、重傷を負っていた。

Kull-na Shuraka', June 16, 2015
Kull-na Shuraka’, June 16, 2015

他方、SANA(6月16日付)によると、シャーイル・ガス採掘所一帯、ワーディー・ダッラージュ、ナスラーニー山、フナイフィース村、ジバーブ・ハマド村、タドムリーヤ村、ウンム・タバービール村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 16, 2015、AP, June 16, 2015、ARA News, June 16, 2015、Champress, June 16, 2015、al-Hayat, June 17, 2015、Iraqi News, June 16, 2015、Kull-na Shuraka’, June 16, 2015、al-Mada Press, June 16, 2015、Naharnet, June 16, 2015、NNA, June 16, 2015、Reuters, June 16, 2015、SANA, June 16, 2015、UPI, June 16, 2015などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がアレッポ市での反体制派による「無差別」攻撃(15日)を非難、アサド大統領と協議継続で合意(2015年6月16日)

シリアを訪問中のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、アサド大統領と会談し、SANA(6月16日付)によると、ジュネーブ3会議に向けた個別折衝の進捗などについて協議し、シリアの危機を政治的に解決するための協議を継続することで合意した。

会談ではまた、15日にアレッポ市で発生した反体制武装集団による「無差別」砲撃についても意見が交わされたという。

SANAによると、アサド大統領は会談で、テロリストが行う犯罪に沈黙することは、テロの継続を奨励することにつながると指摘、世界全体がテロの脅威を意識し、テロリストへの資金・武器援助、戦闘員の移動、そして関連する国連安保理決議への違反に反対する明確な姿勢を示す必要があると強調したという。

会談には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、アフマド・アルヌース外務在外居住者省次官が同席した。

SANA, June 16, 2015
SANA, June 16, 2015

 

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表の事務局は、代表とアサド大統領の会談に先立って声明を出し、15日に反体制武装集団がアレッポ市各所に対して行った砲撃を「無差別攻撃」としたうえで、「反体制武装集団による民間人へ攻撃は…、いかなる状況であっても正当化され得ない。すなわち、住宅地へのシリア政府による「樽爆弾」での報復を招くだろう…。いかなる政府であっても、民間人殺害という代償を回避することを期待している」と非難した。

AFP, June 16, 2015、AP, June 16, 2015、ARA News, June 16, 2015、Champress, June 16, 2015、al-Hayat, June 17, 2015、Iraqi News, June 16, 2015、Kull-na Shuraka’, June 16, 2015、al-Mada Press, June 16, 2015、Naharnet, June 16, 2015、NNA, June 16, 2015、Reuters, June 16, 2015、SANA, June 16, 2015、UPI, June 16, 2015などをもとに作成。

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YPG主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室がトルコ国境のダーイシュ(イスラーム国)の拠点タッル・アブヤド市を完全制圧(2015年6月15日)

ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、トルコ国境のダーイシュの主要拠点タッル・アブヤド市を完全制圧し、ダーイシュはトルコとラッカ市を結ぶ主要な兵站路を喪失した。

ARA News, June 15, 2015
ARA News, June 15, 2015

シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市東部郊外の上マシュフール地区一帯では依然として戦闘が続いているという。

またARA News(6月15日付)は、ユーフラテスの火山合同作戦司令室は、タッル・アブヤド国境通行所も制圧し、「シリア革命」の旗(委任統治領シリアの旗)を掲揚したと伝え、その写真を公開した。

ARA News, June 15, 2015
ARA News, June 15, 2015

ユーフラテスの火山合同作戦司令室は、人民防衛隊、女性防衛部隊(YPJ)、「自由シリア軍」のタウヒード旅団(東部地区)、ラッカ革命家旅団、自由の暁旅団所属北の太陽大隊、ジャラーブルス中隊、クルド人戦線旅団、ラッカ忠実な革命家、カッサース軍、アッラーのためのジハード旅団からなる。

ユーフラテスの火山合同作戦司令室によるタッル・アブヤド市攻略に際しては、有志連合がダーイシュ拠点などを空爆し、その進軍を援護する一方、トルコ当局も、一端は入国を阻止していたシリア人避難民のアクチャカレ国境通行所経由での入国を14日に認めた。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月15日付)によると、有志連合の空爆は過去48時間で40回以上に及んだという。

シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市での戦闘では、ダーイシュ戦闘員11人、人民防衛隊隊員3人が死亡したという。

またAFP(6月15日付)によると、トルコ領内には約1万6,000人にシリア人(クルド人)がアクチャカレ国境通行所開放後に避難した(UNHCRによると、タッル・アブヤド市での戦闘で、2万3,000人以上がトルコ領内に避難、そのなかにはイラク人2,183人もいるという)。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月15日付)によると、タッル・アブヤド市制圧と合わせて、ユーフラテスの火山合同作戦司令室は、同市西部の20カ村(タイバ村、ジャフジャーフ村、カッラト・シャラフ・ファーティマ村など)を制圧した。

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ユーフラテスの火山合同作戦司令室によるタッル・アブヤド市制圧により、シリアの国境通行所の管理・支配状況は以下の通りとなった。

1. 対ヨルダン国境

ナスィーブ・ジャービル国境通行所(ダルアー県):ヌスラ戦線、「自由シリア軍」南部戦線などが2015年4月に制圧。

ダルアー(旧税関局)・ラムサー国境通行所(ダルアー県):ジハード主義武装集団が2013年11月に制圧。

2. 対イラク国境

ヤアルビーヤ・ラビーア国境通行所(ハサカ県):2012年7月に「自由シリア軍」が制圧、その後シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が争奪戦を繰り広げ、2014年10月以降は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが管理。

ブーカマール・カーイム国境通行所(ハサカ県):2012年11月に「自由シリア軍」が制圧、その後2014年7月にダーイシュ(イスラーム国)が掌握。

タンフ・ワリード国境通行所(ヒムス県):ダーイシュ(イスラーム国)が2015年5月22日に制圧。またイラク側のワリード国境通行所はダーイシュの攻撃を受け閉鎖。

3. 対トルコ国境

カサブ・ヤイラダーウ国境通行所(ラタキア県):シリア側のカサブ国境通行所はシリア政府が掌握しているが、トルコ側のヤイラダーウ国境通行所は閉鎖。

バーブ・ハワー・ジルヴェギョズ国境通行所(イドリブ県):反体制勢力(親アル=カーイダ系)が管理。

バーブ・サラーマ・オンジュプナル(アレッポ県):反体制勢力(親アル=カーイダ系)が管理。

ジャラーブルス・カルカムシュ国境通行所(アレッポ県):シリア側のジャラーブルス国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

アイン・アラブ・ミュルシトプナル国境通行所(アレッポ県):シリア側のアイン・アラブ国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

タッル・アブヤド・アクチャカレ国境通行所(ラッカ県):シリア側のタッル・アブヤド国境通行所はユーフラテスの火山合同作戦司令室(西クルディスタン移行期部民局および反体制武装集団(反アル=カーイダ系)が管理。

ラアス・アイン・ジェイランプナル国境通行所(ハサカ県):シリア側のラアス・アイン国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

カーミシュリー・ヌサイビン国境通行所(ハサカ県):シリア側のカーミシュリー国境通行所はシリア政府が管理し、国連の人道支援物資を搬入するために使用。

アイン・ディーワール・ジズレ国境通行所(ハサカ県):シリア側のアイン・ディーワール国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

4. イスラエル占領下のゴラン高原

クナイトラ通行所:2014年8月にシャームの民のヌスラ戦線が制圧。

5. 対レバノン国境

ジュダイダト・ヤーブース・マスナア国境通行所(ダマスカス郊外県):シリア政府が管理。

ジュースィーヤ・カーラ国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

タッルカラフ国境通行所(ヒムス県):反体制武装集団(親アル=カーイダ系)がタッルカラフ市一帯を制圧。

ジスル・カマール・ワーディー・ハーリド国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

ダブースィーヤ・ウブーディヤ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

タルトゥース・アリーダ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

AFP, June 15, 2015、AP, June 15, 2015、ARA News, June 15, 2015、June 16, 2015、Champress, June 15, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2015、al-Hayat, June 16, 2015、Iraqi News, June 15, 2015、Kull-na Shuraka’, June 15, 2015、al-Mada Press, June 15, 2015、Naharnet, June 15, 2015、NNA, June 15, 2015、Reuters, June 15, 2015、SANA, June 15, 2015、UPI, June 15, 2015などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がシリアでムアッリム外務在外居住者大臣と会談(2015年6月15日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がシリアを訪問し、ダマスカスでワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(6月15日付)などによると、会談では、デミストゥラ共同特別代表は、ジュネーブで自身が進めている反体制派代表らとの個別折衝の進捗をムアッリム外務在居住者大臣に報告した。

これに対して、ムアッリム外務在外居住者大臣は、デミストゥラ共同特別代表による努力への支持を表明、モスクワ2会議での成果の重要性を強調するとともに、ジュネーブ3会議開催の必要を訴えたという。

『ワタン』(6月15日付)によると、デミストゥラ共同特別代表は17日までシリアに滞在する予定。

AFP, June 15, 2015、AP, June 15, 2015、ARA News, June 15, 2015、Champress, June 15, 2015、al-Hayat, June 16, 2015、Iraqi News, June 15, 2015、Kull-na Shuraka’, June 15, 2015、al-Mada Press, June 15, 2015、Naharnet, June 15, 2015、NNA, June 15, 2015、Reuters, June 15, 2015、SANA, June 15, 2015、UPI, June 15, 2015、al-Watan, June 15, 2015などをもとに作成。

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