諸外国の動き(2014年8月11日)

AFP(8月11日付)によると、コソボ共和国警察は、シリアで「テロ組織」(ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線など)に加わり、戦闘に参加したとの容疑で、アルバニア系ジハード主義者40人を逮捕した。

AFP, August 11, 2014、AP, August 11, 2014、ARA News, August 11, 2014、Champress, August 11, 2014、al-Hayat, August 12, 2014、Kull-na Shuraka’, August 11, 2014、al-Mada Press, August 11, 2014、Naharnet, August 11, 2014、NNA, August 11, 2014、Reuters, August 11, 2014、SANA, August 11, 2014、UPI, August 11, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月10日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)に占拠されているラッカ市のマシュラブ地区、バドウ地区を空爆し、子供5人を含む12人が死亡、23人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシュアイアート部族が住むアブー・ハマーム市、キシュキーヤ町、ガラーニージュ市を、数日にわたる戦闘の末に制圧した。

またシャアファ村にあるダーイシュの検問所近くで爆発が起こり、子供1人を含む2人が死亡した。

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ハサカ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊総司令部によると、ハサカ県グワイラーン地区をパトロール中の人民防衛隊が「テロ集団」の襲撃を受け、隊員7人が死亡した。

またARA News(8月10日付)によると、ハサカ市ヌシューワ地区では、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、5人が死亡したほか、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠する同市南部郊外からタッル・ハジャル地区、ムフティー地区などに迫撃砲が打ち込まれ、4人が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(8月10日付)によると、バーブ市で、軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ARA News(8月10日付)は、イラクのニナワ県スィンジャール郡へのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻を逃れ、シリア領内に入ったイラク人(ヤズィーディー派など)数百人が、ハサカ県ダイリーク市、マーリキーヤ市、マアバダ市、カフターニーヤ市に避難し、地元NGOの保護を受けていると報じた。

しかし、ARA Newsによると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュは、シリア・クルディスタン民主党がカフターニーヤ市のイラク人避難民に対して行おうとした人道支援を阻止したという。

イラク国内の動き

イラク軍サーマッラー作戦司令室は、サラーフッディーン県サーマッラー郡のバグダード・ティクリート街道でダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バクダーディー氏に近いとされる司令官ムハンマド・ハルダーン・ムハンマド氏を逮捕した、と発表した。

また治安筋によると、ダルーイーヤ郡での軍・警察部隊とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で3人が死傷した。

マダー・プレス(8月10日付)が伝えた。

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米国中央司令部は、アルビール市近郊のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して再び空爆を行ったと発表した。

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イラク軍情報局は、サラーフッディーン県、キルクーク県に対する空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員多数を殺害した、と発表した。

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ディヤラ県では、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガ第2師団司令部によると、ヤアクーバ市北東部での戦闘で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員20人を殺害した。

マダー・プレス(8月10日付)が伝えた。

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アンバール県では、県警察によると、軍、警察部隊、部族民兵からなる合同部隊がハディーサ郡バルワーナ地方入り口でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュの外国人戦闘員17人を殺害した。

AFP, August 10, 2014、AP, August 10, 2014、ARA News, August 10, 2014、Champress, August 10, 2014、al-Hayat, August 11, 2014、Kull-na Shuraka’, August 10, 2014、al-Mada Press, August 10, 2014、Naharnet, August 10, 2014、NNA, August 10, 2014、Reuters, August 10, 2014、SANA, August 10, 2014、UPI, August 10, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月9日)

トルコ政府は、大統領選挙に合わせて、8月9、10日にイドリブ県バーブ・ハワー通行所に面するハタイ県のジルヴェギョズ国境通行所を閉鎖すると発表した。

クッルナー・シュラカー(8月9日付)が伝えた。

AFP, August 9, 2014、AP, August 9, 2014、ARA News, August 9, 2014、Champress, August 9, 2014、al-Hayat, August 10, 2014、Kull-na Shuraka’, August 9, 2014、al-Mada Press, August 9, 2014、Naharnet, August 9, 2014、NNA, August 9, 2014、Reuters, August 9, 2014、SANA, August 9, 2014、UPI, August 9, 2014などをもとに作成。

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米国の動き(2014年8月8日)

バラク・オバマ米大統領は『ニューヨーク・タイムズ』(8月8日付)に掲載されたインタビュー(http://www.nytimes.com/2014/08/09/opinion/president-obama-thomas-l-friedman-iraq-and-world-affairs.html?_r=0)で、シリア情勢に関して、反体制勢力への武器供与で変化が生じると考えることが「常に幻想だった」と改めて述べた。

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米国防総省は、イラク・クルディスタン地域の主都アルビル市近郊で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して空爆を行ったと発表した。

攻撃はイラク時間の8日午後1時45分に、FA18戦闘機2機(空母ジョージ・H・W・ブッシュ艦載機)によって行われたという。

ルダーウ・チャンネル(8月8日付)によると、米軍機が空爆を行ったのは、グウェルとマフムールで、ダーイシュ戦闘員数百人が死傷したという。

米国防総省はまた、現地時間で午後5時、6時20分にもダーイシュ拠点に対して空爆を行ったと発表した。

The New York Times, Ausut 8, 2014、Rudaw, August 8, 2014などをもとに作成。

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米国の動き(2014年8月7日)

バラク・オバマ米大統領は、ホワイトハウスで声明を読み上げ、イラク国内でダーイシュ(イスラーム国)に対する限定的空爆と、スィンジャール山地で孤立する避難住民を救援するための救援物資投下を承認したと発表した。

声明でオバマ大統領は、孤立するイラク住民の保護に必要な場合や、米領事館のあるアルビル市(イラク・クルディスタン地域の主都)やバグダード県にダーイシュが迫った場合、「必要ならば、限定的な空爆を行う」と説明した。

AFP, August 8, 2014、AP, August 8, 2014、ARA News, August 8, 2014、Reuters, August 8, 2014、UPI, August 8, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月7日)

米財務省は、クウェート人2人がシャームの民のヌスラ戦線に、またアルバニア人1人がダーイシュ(イスラーム国)に資金援助を行ったとして、制裁リストに加えたと発表した。

AFP(8月7日付)が伝えた。

AFP, August 7, 2014、AP, August 7, 2014、ARA News, August 7, 2014、Champress, August 7, 2014、al-Hayat, August 8, 2014、Kull-na Shuraka’, August 7, 2014、al-Mada Press, August 7, 2014、Naharnet, August 7, 2014、NNA, August 7, 2014、Reuters, August 7, 2014、SANA, August 7, 2014、UPI, August 7, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月6日追記)

ARA News(8月6日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府の要請を受け、トルコ政府は、ハサカ県ダルバースィーヤ市に面するシェンユルト国境通行所(マルディン県)を開放し、トルコへの入国を希望するシリア人の受け入れたと報じた。

ARA News, August 6, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月6日)

イタリア外務省は声明を出し、アレッポ市で人道支援活動を行っていたイタリア人2人が数日前から消息を絶ったと発表した。詳細は不明。

AFP, August 6, 2014、AP, August 6, 2014、ARA News, August 6, 2014、Champress, August 6, 2014、al-Hayat, August 7, 2014、Kull-na Shuraka’, August 6, 2014、al-Mada Press, August 6, 2014、Naharnet, August 6, 2014、NNA, August 6, 2014、Reuters, August 6, 2014、SANA, August 6, 2014、UPI, August 6, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月5日)

AFP(8月5日付)は、インドネシアの急進的イマーム、アブ・バカル・バシル氏(現在収監中)が、ダーイシュ(イスラーム国)への忠誠を誓ったと報じた。

バカル氏が結成したアンサール・タウヒード団が発表したという。

AFPによると、インドネシア政府は、ダーイシュに対するあらゆる支援を阻止するとの姿勢を示しているという。

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ロシア外務省は声明を出し、イラク、シリア、レバノン情勢に関して「共通の危険」と懸念を示すとともに、「二重基準を非難し、事態収拾とは逆の結果をもたらし、混乱する中東にテロと過激派の脅威を助長するような措置を阻止する必要がある」と表明した。

AFP, August 5, 2014、AP, August 5, 2014、ARA News, August 5, 2014、Champress, August 5, 2014、al-Hayat, August 6, 2014、Kull-na Shuraka’, August 5, 2014、al-Mada Press, August 5, 2014、Naharnet, August 5, 2014、NNA, August 5, 2014、Reuters, August 5, 2014、SANA, August 5, 2014、UPI, August 5, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月3日)

、のままだという。

戦闘は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったイスラームの暁大隊のイマード・アフマド・ジュムア司令官をレバノン当局が2日に逮捕したことを発端として発生していた。

MTV(8月3日付)、NNA(8月3日付)によると、武装集団は、第83大隊の兵舎、アルサール専門学校検問所などを一時制圧したが、レバノン軍により奪還されたという。

武装集団に関して、LBCIは「そのほとんどがシリア人避難民キャンプからやって来た」と報じた。

Naharnet, August 3, 2014
Naharnet, August 3, 2014

その後、ウラマー委員会の仲介のもと、午後9時に人道停戦が発効し、負傷者や遺体の搬出作業が行われた。

一方、レバノンの声(8月3日付)によると、シリア軍戦闘機がアルサール村近郊を空爆し、武装集団戦闘員複数が死傷したという。

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LBCI(8月3日付)によると、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)によって、拉致された内務治安郡総局の隊員20人がユーチューブを通じてビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=G8lbArRkI3c)を出し、「レバノン軍によるアルサール村攻撃によって民間人の被害が出ることを回避するために、離反した」と発表した。

隊員らはまた、ヒズブッラーがシリア国内でテロ活動を行っていると非難した。

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ヒズブッラーは、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)に関して声明を出し、「組織されたテロ集団によるこうした犯罪の継続は、外国の保護や国内の事情によって支えられている」との見方を示したうえで、「こうしたテロ集団を正当化する口実を排除して…レバノン人はみなで立ち向かうべきだ」と主唱した。

**

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首はレバノン山地県の遊説先で、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)に関して、「ヒズブッラーがシリアで戦っていることがレバノンにテロの脅威をもたらしたのではない」との見方を示すとともに、国内の不和を解消し、軍、治安部隊を支援し、タクフィール主義者に対抗する必要があると強調した。

ナハールネット(8月3日付)が伝えた。

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米国務省は声明を出し、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)に関して、犠牲者に哀悼の意を示すとともに、過激派を含むすべての当事者にレバノン政府を尊重するよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シリア人武装集団によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃を非難、レバノンの主権、独立、安定を尊重する必要を強調するとともに、レバノンのシリア人避難民の保護を求めた。

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NNA(8月3日付)によると、北部県トリポリ市のシリア街道、スタルコ地区、ブラード・ビーサール地区、グラバー地区、タラアト・ウマリー地区、クッバ地区で深夜、武装集団が発砲し、軍と交戦した。

AFP, August 3, 2014、AP, August 3, 2014、ARA News, August 3, 2014、Champress, August 3, 2014、al-Hayat, August 4, 2014、Kull-na Shuraka’, August 3, 2014、al-Mada Press, August 3, 2014、MTV, August 3, 2014、Naharnet, August 3, 2014、NNA, August 3, 2014、Reuters, August 3, 2014、SANA, August 3, 2014、UPI, August 3, 2014、Voice of Lebanon, August 3, 2014などをもとに作成。

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最新論考「アサド政権を利する「イスラム国」の台頭:欧米の無力、さらに露呈」(e-World Premium)

青山弘之「アサド政権を利する「イスラム国」台頭:欧米の無力、さらに露呈」

e-World Premium, Vol. 7, 2014年8月、pp. 28-32

■対アサドでアルカイダを黙認した欧米
■既存武装集団の離合集散促す
■欧米諸国に軍事解決認めさせるメッセージ
アルカイダ系過激組織「イスラム国」の攻勢は、イラクの民主政治が宗派主義的プロパガンダにもろいことを白日の下にさらしたが、シリアにおいては、民主化や人道保護の名の下にテロを黙認してきた欧米諸国の干渉政策の失敗を象徴する出来事として捉えることができる。・・・

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月1日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アブー・ハルドゥーブ村でダーイシュ(イスラーム国)が部族の民兵と交戦し、女性1人を含む住民・民兵7人が死亡、ダーイシュ戦闘員多数が負傷した。

またティヤーナ村で何者かがダーイシュの広報活動家に手榴弾を投げ込んだ。

一方、ダイル・ザウル市では、ダーイシュがタキーヤト・ナクシュバンディー・モスク、タキーヤト・シャイフ・アブドゥッラー・モスクを閉鎖した。シリア人権監視団によると、ダーイシュは両モスクの爆破を計画しているという。

他方、クッルナー・シュラカー(8月1日付)は、ダーイシュの広報活動家の一人がツイッターで、ダーイシュのアミールの一人でアブー・アリー・シュアイティーを名乗る活動家が「ダイル・ザウルの覚醒評議会」(部族民兵のこと)の要撃を受けて死亡したと綴っている、と報じた。

シュアイティー氏は、本名がアブドゥッラッザーク・イーサーで、シリア革命総合委員会メンバーとして活動したのち、アスラ軍を創設し、ヒムス県クサイル市での戦闘に参加し、敗走後はダーイシュに忠誠を誓い、活動を続けていた。

このほか、ダーイシュの司令官らが報道関係者と会談し、カリフ国家の承認、イスラーム国家の承認、「いわゆるイスラーム国」、「ダーイシュ」といった呼称の使用禁止などを現地での報道活動の条件として告知した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ県南東部にシリア軍と国防隊が進軍し、ハムル村、サラーリーヤ村、ファッラーハ村、マアルーフ村、マクバラ村からダーイシュ(イスラーム国)が撤退、シャッダーディー市方面に後退した。

レバノン国内の動き

7月29日に死亡が捧持されたヒズブッラー司令官のイブラーヒーム・ハーッジ氏の葬儀が生地のベカーア県バアルベック郡カルヤー村で行われ、住民ら多数が参列した。

ハーッジ氏の死に関して、ジャディード(8月1日付)は、同氏がシリアのダマスカス郊外県カラムーン地方での反体制武装集団との戦闘ではなく、イラクでの「聖地防衛」の任務中に戦死したと伝えた。

Naharnet, August 2, 2014
Naharnet, August 2, 2014

イラク国内の動き

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(8月1日付)によると、ティクリート市南部のバラド郡ヤスリブ地方をイラク軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員27人を殲滅、車輌6両を破壊した。

またダルーイーヤ軍北部では、軍、警察、部族民兵がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員6人を殺害した。

**

ニナワ県では、マダー・プレス(8月1日付)によると、モスル市北部のカンディー軍事基地のダーイシュ(イスラーム国)拠点をイラク軍が空爆し、ダーイシュ戦闘員40人を殺害、車輌20両を破壊した。

**

アンバール県では、マダー・プレス(8月1日付)によると、ラマーディー市西部のハスファ地方(ハディーサ郡・カーイム郡間)をイラク軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員60人を殺害した。

**

バービル県では、マダー・プレス(8月1日付)によると、ヒッラ市北部のジュルフ・サフル地方をイラク軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員30人を殺害した。

諸外国の動き

『ハヤート』(8月2日付)によると、エジプトの宗教関係省は声明を出し、1日に各地で行われた反体制デモに関して、ダーイシュ(イスラーム国)とムスリム同胞団が結託していると断じた。

AFP, August 1, 2014、AP, August 1, 2014、ARA News, August 1, 2014、Champress, August 1, 2014、al-Hayat, August 2, 2014、Kull-na Shuraka’, August 1, 2014、al-Mada Press, August 1, 2014、Naharnet, August 1, 2014、NNA, August 1, 2014、Reuters, August 1, 2014、SANA, August 1, 2014、UPI, August 1, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月31日)

アレッポ県の対シリア国境に位置するバーブ・ハワー国境通行所運営局はフェイスブックを通じて声明を出し、トルコ当局が同国境通行所に面するトルコ側のキリス国境通行所を7月31日付で開放し、シリア人のシリアへの帰国を許可することを決定したと発表した。

ARA News(7月31日付)によると、これにより、武器以外の物資などの搬入も可能になるという。

しかし、複数の活動家によると、トルコ当局は西クルディスタン移行期民政局やシリア政府が実効支配するシリア領内と接する国境通行所(ラアス・アイン・ジェイランプナル間、カーミシュリー・ヌサイビン間、ダルバースィーヤ・シェンユルト間、アイン・アラブ・ミュルシトプナル間)の開放は行わないという。

AFP, July 31, 2014、AP, July 31, 2014、ARA News, July 31, 2014、Champress, July 31, 2014、al-Hayat, August 1, 2014、Kull-na Shuraka’, July 31, 2014、al-Mada Press, July 31, 2014、Naharnet, July 31, 2014、NNA, July 31, 2014、Reuters, July 31, 2014、SANA, July 31, 2014、UPI, July 31, 2014などをもとに作成。

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最新論考「宗派対立」では読み解けないイラクの混乱:シリア紛争との連続線」(『外交』)

青山弘之「宗派対立」では読み解けないイラクの混乱:シリア紛争との連続線」(一点視界・一天四海)『外交』第26号、2014年7月、pp. 86-90

http://book.jiji.com/gaiko/

イスラム過激派の武装勢力が「イスラム国家」の樹立を宣言、首都バグダッドへの侵攻を続けるなどイラク情勢が緊迫の度を強めている。情勢悪化の本質的要因に何があるのか。「アラブの春」以降混乱が激化するアラブ世界の現状を、青山弘之・東京外国語大学教授に分析してもらった。・・・

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月29日)

シリア国内の動き

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアフタリーン市北部のダーイシュ(イスラーム国)拠点などを砲撃、これに対してダーイシュも同村南部を迫撃した。

またシリア軍はカフルハムラ村を戦闘機で攻撃した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアイヤーシュ村、ハワーイジュ村、ハリータ村を空爆、住民が避難する一方、ダイル・ザウル航空基地周辺でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ダーイシュはまたシリア軍が駐留するジャヒーフ放送施設、第137旅団基地武器庫を砲撃した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、シリア軍兵士2人が死亡した。

イラク国内の動き

マダー・プレス(7月29日付)は、イラク軍アンバール県作成司令室筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がイラク国内で捕獲した武器・装備(車輌、装甲車、重火器、ロケット弾など)、発電機をカーイム郡経由でシリア領内(ダイル・ザウル県ブーカマール市一帯)に密輸していると報じた。

**

アンバール県では、マダー・プレス(7月29日付)によると、イラク軍がカルマ郡でダーイシュ(イスラーム国)残党を追撃し、ダーイシュ戦闘員40人を殺害した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月29日付)によると、イラク軍戦闘機がジュルフ・サフル地方のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員25人を殺害した。

**

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月29日付)によると、ダルーイーヤ郡東部にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点をイラク軍ヘリコプターが空爆し、ダーイシュ戦闘員10人を殺害した。

**

マダー・プレス(7月29日付)は、内務省筋の話として、イラク軍兵士9人がバグダード県南部のユースフィーヤ地区およびガザーリーヤ地区でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で死傷したと伝えた。

諸外国の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)がイード・アル=フィトル初日(27日)だけで「自由シリア軍」兵士41人を処刑したと非難した。

AFP, July 29, 2014、AP, July 29, 2014、ARA News, July 29, 2014、Champress, July 29, 2014、al-Hayat, July 30, 2014、Kull-na Shuraka’, July 29, 2014、al-Mada Press, July 29, 2014、Naharnet, July 29, 2014、NNA, July 29, 2014、Reuters, July 29, 2014、SANA, July 29, 2014、UPI, July 29, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月28日)

国連の動き

国連安保理は、ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線との石油取引が、「テロ組織」に対する制裁を定めた国連の決議に反すると警鐘を鳴らす議長声明(ロシア提案、S/PRST/1014/14、http://www.un.org/News/Press/docs//2014/sc11495.doc.htm)を満場一致で可決した。

安保理議長声明(S/PRST/1014/14)全文は以下の通り:

“The Security Council recalls its resolutions 1267 (1999), 1373 (2001), 1989 (2011), 2129 (2013), 2133 (2014), and 2161 (2014), stresses the obligation of the Member States to prevent and suppress the financing of terrorist acts, and expresses grave concern over the reports of the access to and seizure of oilfields and pipelines in Syria and Iraq by terrorist groups listed by the Security Council 1267/1989 Committee, namely ‘Islamic State in Iraq and the Levant’ and ‘Jabhat Al-Nusra’, and underscores in this regard that any trade of oil with these entities would be inconsistent with the Council’s resolutions and that all States are required to ensure that their nationals and any persons within their territory do not trade in oil with these entities.

“The Security Council reaffirms its strong commitment to the sovereignty, independence and territorial integrity of Syria and Iraq, and in this regard, strongly condemns any engagement in direct or indirect trade of oil from Syria and Iraq involving terrorist groups.  The Security Council also emphasizes that such engagement constitutes financial support for terrorists and may lead to further sanctions listings if those groups are listed by the Security Council 1267/1989 Sanctions Committee as associated with Al-Qaida.

“The Security Council notes with concern that any oilfields and related infrastructure controlled by terrorist organizations could generate material income for terrorists, which would support their recruitment efforts, including of foreign terrorist fighters, and strengthen their operational capability to organize and carry out terrorist attacks.

“The Security Council reminds all States that they are required to ensure that their nationals and any persons within their territory not engage in any commercial or financial transactions with or for the benefit, directly or indirectly, of the Islamic State in Iraq and the Levant and Jabhat Al-Nusra, notably with respect to oil in Syria and Iraq.

“The Security Council also emphasizes the importance of all Member States upholding their obligation to ensure that their nationals and persons within their territory do not make donations to individuals and entities designated by the Security Council 1267/1989 Committee.

“The Security Council calls upon all Member States, should any information on such activities be available to them, to bring it to the notice of the 1267/1989 Sanctions Committee and cooperate closely with the Security Council in this regard.”

シリア国内の動き

ハサカ県では、ARA News(7月28日付)によると、ハムル村を拠点とするダーイシュが、同村からハサカ市に向けて迫撃砲を撃ち込み、サーリヒーヤ地区、ムフティー地区などに着弾、女性1人が負傷した。

スマート・ニュース(7月28日付)によると、ダーイシュによるハサカ市への侵攻に備え、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の増援部隊がアームーダー市、ダルバースィーヤ市、ラアス・アイン市に向かった。

人民防衛隊は、ハサカ市のシリア軍拠点複数カ所を引き継ぎ、同市の守備にあたっているという。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に制圧されたミールビーヤ連隊基地(第121連隊基地)周辺をシリア軍が砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハサン・ターハー通りをシリア軍が砲撃した。

また、ダイル・ザウル航空基地近くに集結するシリア軍部隊が、ダイル・ザウル市・マヤーディーン市街道で旅客バスを攻撃、女児1人を含む3人が死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)による第17師団基地攻撃・占拠で消息不明となっていたシリア軍将兵数十人がタブカ航空基地に到着した。

またアイン・イーサー市近郊の第93旅団基地にも多数のシリア軍将兵が逃げ延びたという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市西部郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点を攻撃、両者が交戦した。

また同監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠しているバーブ市の市議会議事堂近くに、ダーイシュ戦闘員との結婚を望む女性を登録するための「結婚相談所」を設置した。

一方、SANA(7月28日付)によると、バーブ市の「テロリスト」拠点をシリア軍が攻撃した。

イラク国内の動き

ニナワ県では、イラク軍諜報機関によると、モスル市北部のナッジャール地区で、ダーイシュ(イスラーム国)が拠点として使用していたサブアーウィー・イブラーヒーム・ハサン氏(サッダーム・フサイン大統領の弟)の邸宅をイラク軍が空爆、中にいたダーイシュ全員を殺害した。

また同諜報機関によると、モスル市北部のガーバート地区でのイード・アル=フィトルの祝典会場をイラク軍が空爆し、ダーイシュ戦闘員約150人を殺害した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月28日付)によると、カルマ郡で、治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員7人を殺害した。

またダルーイーヤ郡では、イラク軍がダーイシュの車列を空爆し、ダーイシュ戦闘員25人を殺害した。

さらに、ダルーイーヤ郡のブー・フラージュ族民兵がダーイシュを要撃し、ダーイシュ戦闘員5人を死傷させた。

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バービル県では、マダー・プレス(7月28日付)によると、イラク軍戦闘機がイスカンダリーヤ地方のダーイシュ(イスラーム国)拠点複数カ所を空爆し、ダーイシュ戦闘員12人を殺害した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月28日付)によると、カーイム郡周辺でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)拠点などを攻撃し、ダーイシュ戦闘員6人が死亡した。

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内務省筋によると、バグダード県南部のユースフーヤ地区で、イラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、双方合わせて7人が死傷した。

マダー・プレス(7月28日付)が伝えた。

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カルバラー県警察は、避難民を偽って県内に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)の「南部州アミール」を含む5人をナジャフ空港で逮捕したと発表した。

マダー・プレス(7月28日付)が伝えた。

AFP, July 28, 2014、AP, July 28, 2014、ARA News, July 28, 2014、Champress, July 28, 2014、al-Hayat, July 29, 2014、Kull-na Shuraka’, July 28, 2014、al-Mada Press, July 28, 2014、Naharnet, July 28, 2014、NNA, July 28, 2014、Reuters, July 28, 2014、SANA, July 28, 2014、UPI, July 28, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月27日)

シャームの暁運動はアレッポ県ナイラブ・キャンプ上空でのシリア軍ヘリコプター撃墜(26日)に関して声明を出し、「科学・軍事研究分野における多大な努力の結果…、(シャームの暁運動)司令官および専門家は、自家製の対空ミサイルの開発に成功し、実験を終え、ナイラブ航空基地空でシリア軍ヘリコプター1機を撃墜」したと発表した。

『ニューヨーク・タイムズ』(7月25日付、http://www.nytimes.com/2014/07/26/world/middleeast/a-syrian-rebel-advance-off-the-battlefield-a-longer-lasting-rechargeable-battery-for-the-sa-7b-a-shoulder-fired-missile-system.html?_r=0)は、離反士官が、携帯式の地対空ミサイルを発射するための充電式バッテリーを開発したと報じていた。

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

このバッテリーは、中国、北朝鮮、パキスタンなどで1960年代末に生産された旧ソ連製のSA-7B、ストレラ2に対応可能だという。

バッテリーを開発したというアブー・バッラー氏は、シリア空軍の元少佐で、カタールでの反体制武装集団の教練に2度参加、またこれまでに自家製のミサイル・システムを使用して、シリア軍航空機2機を撃墜しているという。

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

 

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

 

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

なお、この報道に先立ち、ハマー県ムーリク市一帯で活動するシャームの鷹旅団は7月21日にビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=ngC-GRSjikk)を出し、コンピュータ制御の無人狙撃装置を開発したと発表、その写真を公開していた。

しかし『ハヤート』(7月28日付)は、こうした発表の一方で、米国が使用に同意していない対空ミサイル20基がシリア国内に持ち込まれ、うち15基はシリア北部に配備されたと複数の消息筋が指摘していると報じた。

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アレッポ県で活動するイスラーム戦線は声明を出し、戦線所属の全武装集団を解体し、アブドゥルアズィーズ・サラーマ司令官の指揮下に統一組織として再編すると発表した。

同声明によると、イスラーム戦線に所属するシャームの鷹旅団(アフマド・イーサー・シャイフ氏)、シャーム自由人イスラーム運動(ハッサーン・アッブード氏)、タウヒード旅団、イスラーム軍(ザフラーン・アッルーシュ氏)は、これまでの組織名を名乗ることを止め、イスラーム戦線として活動するのだという。

AFP, July 27, 2014、AP, July 27, 2014、ARA News, July 27, 2014、Champress, July 27, 2014、al-Hayat, July 28, 2014、Kull-na Shuraka’, July 27, 2014、al-Mada Press, July 27, 2014、Naharnet, July 27, 2014、The New York Times, July 25, 2014、NNA, July 27, 2014、Reuters, July 27, 2014、SANA, July 27, 2014、UPI, July 27, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月25日)

『ハヤート』(7月26日付)は、ヨルダン軍消息筋の話として、シリア人避難民キャンプがある対シリア国境に近いザアタリー・キャンプ上空を飛行していた無人偵察機を、ズグラト・ジュブ基地に駐留するヨルダン軍部隊が撃墜した、と報じた。

無人偵察機の国籍は調査中だという。

AFP, July 25, 2014、AP, July 25, 2014、ARA News, July 25, 2014、Champress, July 25, 2014、al-Hayat, July 26, 2014、Kull-na Shuraka’, July 25, 2014、al-Mada Press, July 25, 2014、Naharnet, July 25, 2014、NNA, July 25, 2014、Reuters, July 25, 2014、SANA, July 25, 2014、UPI, July 25, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月25日)

ナハールネット(7月25日付)は、レバノン軍が声明を出し、ベカーア県ラーシャイヤー郡バイト・ラフヤー村郊外からイスラエル領に向けてロケット弾が深夜に発射されたが、イスラエル領には届かず、ラーシャイヤー・フハール村に着弾したと発表した、と報じた。

レバノンの声(7月25日付)によると、このロケット弾発射を受け、イスラエル軍戦闘機が領空侵犯し、同地一帯を空爆した、という。

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LBCI(7月25日付)によると、対レバノン国境の無人地帯(ダマスカス郊外カラムーン地方)で反体制武装集団の掃討を続けるシリア軍戦闘機が、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外のワーディー・ザムラーニー、アジュラム、ラフワを空爆した。

一方、OTV(7月25日付)によると、ヒズブッラー戦闘員が対シリア国境に位置するアルサール村郊外の高地を制圧した。

このほか、NNA(7月25日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村東部の軍検問所が武装集団の発砲を受けた。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、ベイルート南部郊外(ダーヒヤ)のサイイド・シュハダー複合施設で開催されたエルサレムの日の記念式典に姿を現し演説、パレスチナのガザ地区との連帯を訴える一方、イランとシリアがパレスチナのレジスタンスを長年にわたり支援してきたと賞賛、他のアラブ・イスラーム諸国に対してもガザ封鎖解除などを通じて支援を行うよう呼びかけた。

Naharnet, July 25, 2014
Naharnet, July 25, 2014
Naharnet, July 25, 2014
Naharnet, July 25, 2014

AFP, July 25, 2014、AP, July 25, 2014、ARA News, July 25, 2014、Champress, July 25, 2014、al-Hayat, July 26, 2014、Kull-na Shuraka’, July 25, 2014、LBCI, July 25, 2014、al-Mada Press, July 25, 2014、Naharnet, July 25, 2014、NNA, July 25, 2014、OTV, July 26, 2016、Reuters, July 25, 2014、SANA, July 25, 2014、UPI, July 25, 2014、Voice of Lebanon, July 25, 2014などをもとに作成。

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最新論考「アサド政権を利する「イスラム国」の台頭:欧米の無力、さらに露呈」(e-World)

青山弘之「アサド政権を利する「イスラム国」台頭:欧米の無力、さらに露呈」
e-World、2014/07/24-14:46

■対アサドでアルカイダを黙認した欧米
■既存武装集団の離合集散促す
■欧米諸国に軍事解決認めさせるメッセージ
アルカイダ系過激組織「イスラム国」の攻勢は、イラクの民主政治が宗派主義的プロパガンダにもろいことを白日の下にさらしたが、シリアにおいては、民主化や人道保護の名の下にテロを黙認してきた欧米諸国の干渉政策の失敗を象徴する出来事として捉えることができる。・・・

化学兵器破棄をめぐる動き(2014年7月24日)

化学兵器禁止機関は声明を出し、シリアから搬出された化学兵器関連物質のうち危険度が低い化学物質約1,300トンが、フィンランド、英国、米国の工場に搬送され、廃棄作業が開始され、これまで31.8%が廃棄されたと発表した。

またシリア国内でも化学兵器生産工場12カ所が破壊され、2ヶ月以内に残りの施設の破壊も開始されると付言した。

AFP(7月24日付)が伝えた。

AFP, July 24, 2014、AP, July 24, 2014、ARA News, July 24, 2014、Champress, July 24, 2014、al-Hayat, July 25, 2014、Kull-na Shuraka’, July 24, 2014、al-Mada Press, July 24, 2014、Naharnet, July 24, 2014、NNA, July 24, 2014、Reuters, July 24, 2014、SANA, July 24, 2014、UPI, July 24, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月24日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団やARA News(7月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍が駐留する第17師団基地を攻撃し、軍と交戦した。

戦闘は、サウジ人1人を含むダーイシュ戦闘員2人が、師団基地入り口の化学大隊拠点と基地周辺の2カ所で自爆攻撃を行ったことをきっかけに発生し、シリア軍のサミール・アスラーン准将が戦死したという。

これに対し、シリア軍ヘリコプターが師団基地周辺に対し14回にわたり「樽爆弾」を投下するなどして応戦した。

なおダーイシュ・ラッカ州はツイッターで「第17師団に対する祝福されし作戦」を開始したと発表し、アブー・スハイブ・ジャズラーウィー氏とハッターブ・ジャズラーウィー氏の2人が「殉教作戦」を行ったことを明らかにした。

ARA News, July 24, 2014
ARA News, July 24, 2014
ARA News, July 24, 2014
ARA News, July 24, 2014

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ハサカ県では、シリア人権監視団やARA News(7月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ市マサーキン地区のバアス党ハサカ支部指導部ビルを襲撃、複数の目撃者によると、ビルの屋上にイスラーム国の黒旗が掲げられたという。

また、ARA Newsによると、支部指導部ビル襲撃は、爆弾を積んだ自動車による自爆攻撃をもって始められ、民間人7人が死亡、多数が負傷したという。

さらに、ARA News(7月26日付)によると、ダーイシュは、パノラマ検問所近くの電力関連施設、アフダース刑務所に進軍した。

このほか、ダーイシュはハサカ市南部のミールビーヤ地方の連隊基地を襲撃し、シリア軍兵士11人を殺害した。

これに対してシリア軍はヘリコプターで同地一帯を空爆、砲撃した。

またカーミシュリー市では何者かが仕掛けた爆弾が爆発し、シリア軍兵士3人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団やARA News(7月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ市郊外のクワイリス航空基地を攻撃した。

これに対し、シリア軍はダーイシュの拠点であるバーブ市を空爆した。

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なおシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府・軍に対して三つの戦線で同時に大規模攻勢をかけたのはこれが初めてだという。

イラク国内の動き

モスル県では、マダー・プレス(7月24日付)によると、モスル市中心部にあるアウンッディーン・ブン・ハサン廟と、同市東部のナビー・ユーヌス地区にあるナビー・ユーヌス廟をダーイシュ(イスラーム国)が爆破、破壊した。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月24日付)によると、ダークーク郡のタッル・ハンマ村とハフタ・ハール村の間に位置するスーフィー教団シャイフサーリフ廟をダーイシュ(イスラーム国)が爆破、破壊した。

またキルクーク市南部のターザ地方シャムスィーヤ村・バシール村間のダーイシュ拠点を軍が空爆し、司令官1人を含むダーイシュ戦闘員多数を殺害した。

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バービル県では、サーディク・マドルール・スルターニー県知事が、ジュルフ・サフル地方での軍事作戦でイラク軍・治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)戦闘員100人以上を殲滅したと発表した。

マダー・プレス(7月24日付)が伝えた。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月24日付)によると、イラク軍機がカーイム郡でダーイシュ(イスラーム国)の車列を空爆し、ダーイシュ戦闘員7人を殺害した。

ヨルダン国内の動き

ヨルダンのジハード主義潮流のムハンマド・シャラビー氏(アブー・サヤーフ)は『ハヤート』(7月25日付)に対し、ヨルダンの一部のジハード主義者がダーイシュ(イスラーム国)への忠誠を表明したことについて、「ヨルダンのジハード主義潮流を代表していない無知なグループ」と批判、自身と収監中のジハード主義潮流の指導者イサーム・バルカーウィー氏(アブー・ムハンマド・マクディスィー)がダーイシュによるカリフ制樹立を拒否したことを批判する姿勢に反論した。

AFP, July 24, 2014、AP, July 24, 2014、ARA News, July 24, 2014、July 26, 2014、Champress, July 24, 2014、al-Hayat, July 25, 2014、Kull-na Shuraka’, July 24, 2014、al-Mada Press, July 24, 2014、Naharnet, July 24, 2014、NNA, July 24, 2014、Reuters, July 24, 2014、SANA, July 24, 2014、UPI, July 24, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月23日)

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ハーディー・バフラ議長がトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣とアンカラで会談したと発表した。

声明によると、ダウトオール外務大臣は会談で、連立への支持を改めて表明するとともに、シリア人避難民キャンプを新設する意思を示したという。

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ヨルダン軍総司令部高官によると、7月22日にヨルダン国境警備隊が、シリアから大量の武器弾薬を密輸しようとした集団の侵入を阻止したと発表した。

AFP(7月23日付)が伝えた。

AFP, July 23, 2014、AP, July 23, 2014、ARA News, July 23, 2014、Champress, July 23, 2014、al-Hayat, July 24, 2014、Kull-na Shuraka’, July 23, 2014、al-Mada Press, July 23, 2014、Naharnet, July 23, 2014、NNA, July 23, 2014、Reuters, July 23, 2014、SANA, July 23, 2014、UPI, July 23, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年7月23日)

外務在外居住者省は国連の潘基文事務総長に宛てて書簡を送付、そのなかでスタファン・デミストゥラ共同特別代表就任への歓迎の意を示すとともに、同代表が「客観性と公正性」に基づき紛争解決に向けて活動するよう求めた。

SANA(7月23日付)が伝えた。

AFP, July 23, 2014、AP, July 23, 2014、ARA News, July 23, 2014、Champress, July 23, 2014、al-Hayat, July 24, 2014、Kull-na Shuraka’, July 23, 2014、al-Mada Press, July 23, 2014、Naharnet, July 23, 2014、NNA, July 23, 2014、Reuters, July 23, 2014、SANA, July 23, 2014、UPI, July 23, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月22日)

ロイター通信(7月22日付)によると、トルコのウルファ県知事は21日晩に、シリアのアレッポ県ラアス・アイン市に面する国境の町ジェイァンプナル市で、トルコ軍偵察部隊がトルコ領内に潜入しようとした密輸業者の一団と交戦し、トルコ軍兵士2人が死亡した、と発表した。

AFP, July 22, 2014、AP, July 22, 2014、ARA News, July 22, 2014、Champress, July 22, 2014、al-Hayat, July 23, 2014、Kull-na Shuraka’, July 22, 2014、al-Mada Press, July 22, 2014、Naharnet, July 22, 2014、NNA, July 22, 2014、Reuters, July 22, 2014、SANA, July 22, 2014、UPI, July 22, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月19日)

アレッポ県アイン・アラブ市(コバネ市)に面するトルコのガズィアンテプ県シュリュジュ市では、平和民主党(BDP、クルド人政党)、クルディスタン労働者党(PKK)支持者ら「数万人」が集まり、ダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市侵攻に反対、同市との連帯を訴えた。

ARA News(7月19日付)が伝えた。

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『ハヤート』(7月20日付)によると、トルコ南東部のクルド人居住地域で、青年民主愛国運動と民主青国女性運動が100人の男女戦闘員からなる義勇部隊「ユーフラテス殉教者旅団」を結成した。

同旅団は、アレッポ市アイン・アラブ市に派遣され、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘に参加するという。

AFP, July 19, 2014、AP, July 19, 2014、ARA News, July 19, 2014、Champress, July 19, 2014、al-Hayat, July 20, 2014、Kull-na Shuraka’, July 19, 2014、al-Mada Press, July 19, 2014、Naharnet, July 19, 2014、NNA, July 19, 2014、Reuters, July 19, 2014、SANA, July 19, 2014、UPI, July 19, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月19日)

『サフィール』(7月19日付)は、レバノンの内務治安郡総局が米国からの情報をもとに、シリア人反体制武装集団がレバノン国内で計画していた大規模な「軍事作戦」を阻止したと報じた。

同報道によると、この「軍事作戦」はベカーア県バアルベック郡ナフラ村で18日に計画されており、少なくとも2,000人の戦闘員が参加を予定、「レバノン国内の宗派対立を助長するための虐殺」、「ルーミヤ刑務所に収監中のジハード主義者との交換を目的としたナフラ村などの住民数十人の拉致」が企図されていたのだという。

AFP, July 19, 2014、AP, July 19, 2014、ARA News, July 19, 2014、Champress, July 19, 2014、al-Hayat, July 20, 2014、Kull-na Shuraka’, July 19, 2014、al-Mada Press, July 19, 2014、Naharnet, July 19, 2014、NNA, July 19, 2014、Reuters, July 19, 2014、SANA, July 19, 2014、
al-Safir, July 19, 2014、UPI, July 19, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月18日)

国連の世界食糧計画(WFP)報道官は、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市に7月14日から国連の人道支援物資(1万4,500人分の物資2,900箱)が搬入されていると発表した。

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国連の潘基文事務総長は記者団に対し、スタファン・デミストゥラ共同特別代表が近くシリアを訪問するだろう、と述べた。

AP(7月18日付)が伝えた。

AFP, July 18, 2014、AP, July 18, 2014、ARA News, July 18, 2014、Champress, July 18, 2014、al-Hayat, July 19, 2014、Kull-na Shuraka’, July 18, 2014、al-Mada Press, July 18, 2014、Naharnet, July 18, 2014、NNA, July 18, 2014、Reuters, July 18, 2014、SANA, July 18, 2014、UPI, July 18, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月16日)

トルコのイスタンブール県知事は、推計で6万7,000人に及ぶとされる同県のシリア人避難民に対して、「近く抜本的な措置」を講じると述べ、避難民キャンプに退去させるための新法を制定する意思を示した。

AFP(7月16日付)が伝えた。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014などをもとに作成。

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米国による「穏健な反体制派」支援(2014年7月16日)

『ハヤート』(7月17日付)によると、米上院の歳出委員会は、国防総省によるシリアの反体制派への教練、支援などのための5億米ドルの支出を認める2015年度補正予算案を審議、了承した。

同報道によると、補正予算案は17日に委員会で採決されたのち、上院本会議で審議されるという。

これに関して『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月16日付)は、補正予算が承認されれば、シリア国外で反体制武装集団戦闘員約2,300人の教練が手始めとして行われることになる、と伝えた。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014、The Wall Street Journal, July 16, 2014などをもとに作成。

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