2014年2月10日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

SANA(2月11日付)は、外務在外居住者省筋の話として、EU外相会議が、対シリア制裁の一環として凍結していたシリアの資産の凍結を解除し、化学兵器廃棄プロセス、とりわけ化学兵器禁止機関による活動資金に充てることを承認したと伝え、この動きを国連憲章など国際法に反する動きだと批判した。

SANA, February 11, 2014をもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:諸外国の動き

シリアで化学兵器の廃棄作業を進めている国連・化学兵器禁止機関の合同派遣団は声明を出し、化学物質を積んだノルウェー籍の貨物船が、中国、デンマーク、ノルウェー、ロシアの巡視船とともにラタキア港を出港した、と発表した。

シリア国内から公海上に化学物質が搬出されたのはこれが3度目。

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バレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア政府と国連がヒムス旧市街での停戦を72時間延長することに合意したことに関して、歓迎の意を示した。

ロイター通信(2月10日付)が伝えた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、RTL(2月10日付)に、シリアの都市部に医薬品や食糧物資を搬入するための「人道回廊」を設置するための決議案を国連安保理に提出すると述べた。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、RTL, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:ジュネーブ2会議第2ラウンド

スイスのジュネーブにある国連本部で、ジュネーブ2会議の第2ラウンドが始まった。

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、第2ラウンドの開始にあたって、政府、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団に覚書(『ハヤート』2月11日付が全文を掲載)を回付した。

この覚書において、ブラーヒーミー共同特別代表は、ジュネーブ合意の趣旨が改めて箇条書きしたうえで、以下の議題を提案した。

1. 暴力停止、テロとの戦い

2. 移行期統治機関の設置

3. 継続性と変化を考慮した国家機関

4. 国民対話と国民和解

ブラーヒーミー共同特別代表また、第2ラウンドの議事を政府代表団、反体制勢力代表団との個別交渉を通じて進め、前向きな成果が得られた段階で直接交渉を実施するとの方針を示した。

この覚書に従い、ブラーヒーミー共同特別代表はまず、ハーディー・バフラ氏が率いる連立代表団と会談し、次いでバッシャール・ジャアファリー国連代表大使が率いる政府代表団と会談した。

国連消息筋などによると、連立代表団との会談では、移行期統治機関の設置、「樽爆弾」などによる政権の「戦争犯罪」、「人道犯罪」について意見が交わされた。

会談で連立代表団は、国連宛文書(後述)に基づき、アサド政権による殺戮の被害を報告するとともに、アレッポ市、ダーライヤー市などへの軍の「樽爆弾」での空爆、ムウダミーヤト・シャーム市、ダマスカス県バルザ区などでの軍包囲の実態を報告、人道支援物資の配給を求めた。

そのうえで政権による暴力の停止と、移行期統治機関に必要を改めて強調したという。

一方、政府代表団との会談では、「テロとの戦い」に焦点が当てられ、SANA(2月10日付)によると、政府代表団はハマー県マアーン村での「虐殺」に対する非難声明案を文書で提出し、国連およびブラーヒーミー共同特別代表に声明の発表を求めた。

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は記者団に対し「殺戮とテロが止まなければ、真の平和的プロセスについて話すことはできない」としたと強調したうえで、「我々はジュネーブ合意に示されている議題を1項目ずつ議論しなければならないと言ってきた。議題に沿って、移行期統治機関の議論にふさわしい時が来るまで、議論を繰り返すことはないだろう。一部の参加者が押しつけようとしているねつ造された幻想の優先事項として議論することはない」と述べた。

 

SANA, February 10, 2014
SANA, February 10, 2014

 

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ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣は、ロシアが、米国、国連、シリア政府、反体制政府の各高官による会談を、ジュネーブ2会議の枠組みの中で開催することを提案したと述べた。

RIAノーヴォスチ通信(2月10日付)などが伝えた。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、RIA Novosti, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月9日のシリア情勢:諸外国の動き

イラン外務省報道官は声明を出し、ヒムス市旧市街からの住民の退去に関して「この退去は、シリアの人道状況の改善に資する措置だと考える」と支持を表明した。

AFP(2月9日付)が伝えた。

AFP, February 9, 2014、AP, February 9, 2014、Champress, February 9, 2014、al-Hayat, February 10, 2014、Iraqinews.com, February 9, 2014、Kull-na Shuraka’, February 9, 2014、Naharnet, February 9, 2014、NNA, February 9, 2014、Reuters, February 9, 2014、Rihab News, February 9, 2014、SANA, February 9, 2014、UPI, February 9, 2014などをもとに作成。

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2014年2月7日のシリア情勢:諸外国の動き

ジェイ・ジョンソン米国土安全保障長官は、ポーランドで開かれていた英仏独伊・スペイン・ポーランド内相との会談を終え、米国に帰国した。

ジョンソン長官はシリア情勢を「国家安全保障上の問題」と位置づけたうえで、シリア情勢、とりわけ「シリアに向かう外国人戦闘員の問題を中心に協議した」が会談の主要な議題となったことを明らかにした。

ジョンソン長官はまた「我々および国際社会のパートナーの活動から、我々は米国、カナダ、欧州からシリアに人が向かい、戦闘に参加していることを認知している」と述べるとともに、「懸念しているのは我々だけでない。欧州の同盟国も大いに懸念している。我々は集団的に行わねばならないことを考えている」と付言した。

AFP(2月7日付)が伝えた。

AFP, February 7, 2014、AP, February 7, 2014、Champress, February 7, 2014、al-Hayat, February 8, 2014、Iraqinews.com, February 7, 2014、Kull-na Shuraka’, February 7, 2014、Naharnet, February 7, 2014、NNA, February 7, 2014、Reuters, February 7, 2014、Rihab News, February 7, 2014、SANA, February 7, 2014、UPI, February 7, 2014などをもとに作成。

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2014年2月6日のシリア情勢:諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官はCNN(2月6日付)に「アサドが若干事態を改善したことは確かだが、まだ勝利はしていない。硬直状態だ」と述べた。

また米国の対シリア政策に関しては「大きな挑戦」「大きな困難」に直面しているとしつつ、その失敗を認めることはなかった。

ケリー国務長官は「とにかく言い訳したくはないが…、この事態が早く進展して欲しいと思っているし、よりよいかたちで進めてきたいと思っている…。つまり私が今言いたいのは、外交は困難で、時間をかけて行われるものだということだ」と述べた。

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潘基文国連事務総長は、シリアの化学兵器廃棄プロセスに関して「我々の目標(廃棄完了の期限)は今年の6月30日だ。これは困難な目標だが、シリア政府からの充分な支援があれば実行可能だと考えている」と述べた。

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OPCW・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は国連安保理で「シリアでの化学兵器廃棄の遅れは克服が困難な問題ではないが、シリアはプロセスを加速する必要がある」と述べた。

ロイター通信(2月6日付)が伝えた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連代表大使は、米英仏、オーストラリア、ルクセンブルグ、ヨルダンが作成を進めていたシリアへの人道支援に関する安保理決議案に関して「時期が全く不適切だ」と述べ、「事を政治化すべきでない」と反対の意思を示した。

『ハヤート』(2月7日付)が伝えた。

AFP, February 6, 2014、AP, February 6, 2014、Champress, February 6, 2014、CNN, February 6, 2014、al-Hayat, February 7, 2014、Iraqinews.com, February 6, 2014、Kull-na Shuraka’, February 6, 2014、Naharnet, February 6, 2014、NNA, February 6, 2014、Reuters, February 6, 2014、Rihab News, February 6, 2014、SANA, February 6, 2014、UPI, February 6, 2014などをもとに作成。

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2014年2月5日のシリア情勢:諸外国の動き

シリアの化学兵器廃棄プロセスをめぐる2013年9月の米露合意および国連安保理決議2118号が定めた危険度の低い化学物質の国外搬出作業完了の期限(2月5日付)が終了した。

2013年12月31日が期限だった危険度の高い化学物質の国外搬出作業と同様、作業未完了のまま期限を迎えたことになる。

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ジェニファー・サキ米国務省報道官は、ミュンヘン安保会議でイランのムハンマド・ホセイン・ザリーフ外務大臣がジョン・ケリー米国務長官に対して、シリアの紛争をめぐる協議にイランは何らの「権威もない」ことを了承した、と発表した。

サキ報道官によると、ケリー国務長官が、シリア国外への化学物質搬出や同国内での人道状況に対して懸念を表明したのに対して、ザリーフ外務大臣は、シリアをめぐる協議や交渉に対して何らの権威もないと明言した」という。

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ロイター通信(2月5日付)は、バラク・オバマ米政権が、シリア人避難民の受け入れを制限すると発表したと報じた。

米国がこれまでに受け入れたシリア人避難民の数は31人だという。

AFP, February 5, 2014、AP, February 5, 2014、Champress, February 5, 2014、al-Hayat, February 6, 2014、Iraqinews.com, February 5, 2014、Kull-na Shuraka’, February 5, 2014、Naharnet, February 5, 2014、NNA, February 5, 2014、Reuters, February 5, 2014、Rihab News, February 5, 2014、SANA, February 5, 2014、UPI, February 5, 2014などをもとに作成。

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最新論考「せめぎ合いのなか友好的敵対に軟着陸したシリア和平会議」(Synodos)

せめぎ合いのなか友好的敵対に軟着陸したシリア和平会議
青山弘之 / アラブ地域研究

http://synodos.jp/international/6953
1月22日からスイスのモントルーとジュネーブで、シリアでの紛争の解決に向けた国際和平会議「ジュネーブ2会議」が始まり、シリア政府と在外反体制組織のシリア国民連合(正式名シリア革命反体制勢力国民連立)が3年余りに及ぶ紛争の政治解決に向けて初の直接交渉に臨んだ。

2014年2月4日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

国連の潘基文事務総長は、「シリアにおける子供と武力紛争」と題した報告書を安保理に提出、その内容が公表された。

報告書は、2011年3月から2013年11月中旬までの死者数が10万人以上に達したとしたうえで、うち1万人以上が子供だったと推測した。

また犠牲となった子供のうち、「最初の2年間は政府軍の攻撃によるものが大半」だったが、2013年は「重火器やテロ戦術」を使う反体制武装集団による殺害が増えたと指摘した。

Kull-na Shuraka’, February 5, 2014などをもとに作成。

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2014年2月4日のシリア情勢:諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が、モスクワを訪問したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と会談した。

『ハヤート』(2月5日付)によると、会談でラブロフ外務大臣は、連立のジュネーブ2会議への出席を高く評価するとともに、シリア政府代表団との交渉を継続し、「平和的な政治的正常化を選択」するよう求めた。

またロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は会談に関して、インテルファクス(2月4日付)に「ロシアが、シリア政府と反体制勢力に対して、ジュネーブ2会議の枠内で政治的関係正常化について話し合うための特別作業チームを設置することを提案した」ことを明らかにした。

ガティロフ外務次官は、交渉の難しさを認めつつ「次回の交渉ラウンドが最後にならないようにしたい」と述べ、両者が合意に至った場合は、国連安保理に付託し、拘束力を持つ決議を採択したいとの意思を示した。

ガティロフ外務次官はまた、米国がロシアの提案の実施に向けて、反体制勢力の代表団の拡大などで協力することを誓約したことを明らかにしたが、「国内外の反体制勢力が、シリアで活動するテロ集団に影響力を行使する仕組みを持っていない」と問題点を指摘した。

一方、ラブロフ外務大臣との会談後、ジャルバー議長は記者会見を開き、ジュネーブ2会議における反体制代表団の拡大が主な争点だったことを認めたうえで、「連立は反体制勢力側のより広範な参加をめざしている」と述べた。

ジャルバー議長はしかし「連立は個人で埋め合わせることを認めない」と述べ、反体制勢力の代表団の拡大を誇示レベルではなく、組織単位で行う方針を示しつつ、「連立に対する個人的理由などで会議に参加できなかった何人かと連絡をとりあっている」と付言した。

またジャルバー議長は、アレッポ県などの現状や「樽爆弾」の問題などについても協議し、ロシア側にシリアの人道状況に対して明確な姿勢を示すよう求めたことを明らかにした。

ジャルバー議長は他方、ロシアが提案した特別作業グループについては「議論し得る問題」だと理解を示しつつ、「委員会が何かのための墓場になってはならない」と警戒感を表明した。

しかしジャルバー議長は「我々は今、ロシアと良い関係にあり、この関係はさらに発展するだろう。我々はきっと、再訪するだろう…。ロシアは連立の姿勢を良く理解するようになっている。つまり、ロシアは人道状況や我々の立場に関してゆがんだデータを持っていたということだ」と評価した。

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ロシア日刊紙『コメルサント』(2月4日付)は、米国がロシアに対して、シリアの紛争和解をめぐる新たな交渉形態を提案したと報じた。

同紙によると、新提案は、シリア人どうしの交渉を原則とするジュネーブ2会議の交渉に代えて、サウジアラビア、トルコ、イラン、ロシア、米国が交渉プロセスに参加し、シリアでの政治的関係正常化をめざすことを骨子としており、ロシアはこれに支持を表明したという。

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AFP(2月4日付)は、国連WFP(世界食糧計画)がイラク北部からハサカ県カーミシュリー市への食糧物資の空輸を再開したと報じた。

これにより3万人の1ヶ月分の食糧が搬入される。

WFPは2013年12月にも6万2,000人分の食糧を空輸していた。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と会談し、シリア情勢への対応などについて協議した。

会談後の共同記者会見で、メルケル首相は「約3年におよぶシリアの紛争を逃れてきた人々を支援するため、ロシア、中国、さらにはイランと対話しなければならない…。我々は国際社会が一つになることを望んでいる…。先月のジュネーブでの和平会合は、必要とされる人道支援に対応していない」と述べた。

これに対し、エルドアン首相は「常任理事国が必要な行動を阻まれないような安保理改革」が必要だと述べた。

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AFP(2月4日付)によると、イランの首都テヘランで、シリア、イラン、スイスの高官らがシリアへの人道支援状況の改善に向けた協議を行った。

al-Hayat, February 5, 2014
al-Hayat, February 5, 2014

 

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AFP(2月4日付)は、反体制武装集団が包囲するヒムス市旧市街にとどまるイエズス会のオランダ人修道士、フランス・ヴァン・デル・ルフト(Frans van der Lugt)氏(75歳)にスカイプで電話取材を行い、その近況を報じた(http://www.youtube.com/watch?v=MEo43I6F6D4&feature=player_embeddedなどを参照)。

 

AFP, February 4, 2014、AP, February 4, 2014、Champress, February 4, 2014、al-Hayat, February 5, 2014、Interfax, February 4, 2014、Iraqinews.com, February 4, 2014、Kommersant, February 4, 2014、Kull-na Shuraka’, February 4, 2014、Naharnet, February 4, 2014、NNA, February 4, 2014、Reuters, February 4, 2014、Rihab News, February 4, 2014、SANA, February 4, 2014、UPI, February 4, 2014などをもとに作成。

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2014年2月3日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

サウジアラビアのアブドゥッラー国王は、「国外での戦闘行為に参加した者、過激な宗教・思想集団や国内外でテロ組織に分類される組織に所属、あるいはその思想・方法を支持・採用、共鳴、物心面で支援、唱導した者」を3年から20年の禁固刑に処することを定めた国王令を発した。

サウジアラビア通信(2月3日付)が伝えた。

SPA, February 3, 2014、al-Hayat, February 4, 2014をもとに作成。

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2014年2月2日のシリア情勢:諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、ミュンヘン安保会議(1月31日~2月2日)で演説し、「国際社会は、ボスニア、ルワンダのときと同じように…シリアでその無力を露呈した…。国連事務総長は今すぐヒムス、ヤルムークに行って、許しを請うべきだ…。中国であれ、ロシアであれ、米英仏であれ、今こそ安保理で行動すべきだ」と述べ、シリア国内の被災地域への人道支援物資搬入を義務づける安保理決議の採択を呼びかけた。

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サウジアラビアの前総合情報庁長官のトゥルキー・ファイサル王子はミュンヘン安保会議で「私はバッシャール・アサド政権の集団虐殺や人道犯罪を非難する。アサドがこうした犯罪を犯すことをイランが支援していることを非難する。ロシアがバッシャールに武器供与を続けていることを非難する。中国が安保理でロシアに追随し、シリアでの戦闘をとめる努力に反対していることを非難する…。フランス以外の西側諸国がシリア国民への支援に慎重であることを非難する」と述べた。

しかし、シリア国内でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線などのジハード主義勢力については何ら批判しなかった。

AFP, February 2, 2014、AP, February 2, 2014、Champress, February 2, 2014、al-Hayat, February 3, 2014、Iraqinews.com, February 2, 2014、Kull-na Shuraka’, February 2, 2014、Naharnet, February 2, 2014、NNA, February 2, 2014、Reuters, February 2, 2014、Rihab News, February 2, 2014、SANA, February 2, 2014、UPI, February 2, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

ミュンヘン安保会議に出席するためドイツを訪問中のジョン・ケリー米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、国連の潘基文事務総長、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が会談し、ジュネーブ2会議第2ラウンドなどシリア情勢などについて協議した。

会談後に米国務省は声明を出し、ジュネーブ2会議第2ラウンドに関してシリアの反体制勢力の代表団を拡大する必要があると発表した。

『ハヤート』(2月3日付)によると、会談では、民主的変革諸勢力国民調整委員会、イスラーム戦線メンバーのシリア革命反体制勢力国民連立代表団への参加の可否について協議がなされたという。

また同紙は、クルド消息筋の話として、ロシアが、民主的変革諸勢力国民調整委員会とクルド最高委員会に、反体制勢力(シリア革命反体制勢力国民連立)の代表団に参加するよう求めていると伝えた。

al-Hayat, February 3, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:諸外国の動き

ドイツで開催中のミュンヘン安保会議(1月31日~2月2日)で、西側諸国、ロシアなどの安全保障当局者がシリア情勢、ウクライナ情勢などに関して意見を交換した。

またジョン・ケリー米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、国連の潘基文事務総長、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は安保会議とは別に会談し、シリア情勢などについて協議した。

なおこの会談に先立って、ケリー米国務長官はラブロフ外務大臣と個別に会談した。

これに関して『ハヤート』(2月2日付)は、米高官の話として、ケリー国務長官が、化学兵器廃棄プロセスに関して、ラブロフ外務大臣にラタキア港からの化学物質搬出の作業の遅れを指摘し、シリア政府に搬出作業を進展させるようを急がせるよう求めたと報じた。

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ジェニファー・サキ米国務省報道官は、ジュネーブ2会議期間中に米国の複数の外交官がワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らシリア政府代表団に直接交渉を要請していたとの一部情報を否定した。

ロイター通信(2月1日付)が伝えた。

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『ハヤート』(2月2日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、フォバート・フォード駐シリア米大使がジョン・ケリー米国務長官に辞意を伝えたと報じた。

AFP, February 1, 2014、AP, February 1, 2014、Champress, February 1, 2014、al-Hayat, February 2, 2014、Iraqinews.com, February 1, 2014、Kull-na Shuraka’, February 1, 2014、Naharnet, February 1, 2014、NNA, February 1, 2014、Reuters, February 1, 2014、Rihab News, February 1, 2014、SANA, February 1, 2014、UPI, February 1, 2014などをもとに作成。

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2014年1月31日のシリア情勢:諸外国の動き

フランスのフランソワ・オランド大統領とデヴィッド・キャメロン英首相は英ブライズノートン空軍基地で会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後、オランド大統領は、シリアへ渡航し、ジハード主義武装集団とともに戦闘に参加している英国人やフランス人の若者の動向を両国が共同で追跡することで合意したと述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者会見で、ジュネーブ2会議の会合を振り返り、「困難な始まりだったが、両当事者は一つの部屋で席をともにすることに慣れてきた…。非常にゆっくり前進してはいるが…、控え目な始まりだった。しかし、(今後の会合で)よって立つことができる始まりだ」と述べた。

そのうえで政府代表団、シリア革命反体制勢力国民連立代表団双方が以下10点を確認し合うという成果が達成されたと自己評価した。

1. 政治的解決に向けてジュネーブ合意を完全履行するため議論に専念すること。

2. ジュネーブ合意を完全実施するために、移行期統治機関の設置が必要であること。

3. 暴力を停止させることが火急に必要であること。

4. 外国が干渉することなく、シリア国民がシリアの将来を決しなければならないこと。

5. シリアの主権、独立の維持、領土保全。

6. 多様性、調和、寛容を特徴とするシリアの文化遺産、歴史を繁栄した未来を建設すること。

7. 民主的シリアの建設。

8. 人道支援問題への早急な対処、逮捕者、失踪者問題への取り組み。

9. 国家機関、公共サービスの改善を通じた国民の安全・治安の確保。

10. 過激主義、暴力の拒否。

また直接会合を2月10日に再開し、具体的な論点を議論する旨、両当事者に提案し、政府代表団からは「ダマスカスとまず協議する」との回答を得たことを明らかにした。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は記者会見で、ジュネーブ2会議の会合を振り返り「ジュネーブ合意への原則合意以外に、アサド政権の代表が真摯な誓約の発言はなかった」としたうえで、「我々の革命を自衛するため、質量両面でさらなる武装化を進め、我々の要求と尊厳を守り、バッシャール・アサドの権限を剥奪するため、ジュネーブ合意を文言通り遵守するよう政権に迫る」と強調した。

またシリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は記者会見で、ジュネーブ2会議の交渉を振り返り、「唯一の進展があるとすれば、ジュネーブ合意の枠組みのなかで政権が交渉に応じたこと」だと述べた。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議の交渉を振り返り、「残念ながら、今週の対話で具体的な結果に至ることはなかった…。なぜなら第1に、先方が何度も退席すると協約するなど、真剣さと成熟度を欠いていたからだ…。第2に、米国がジュネーブ2大会を緊張した雰囲気に陥れようと…、先方に武装を促すなど、あからさまに内政干渉したからだ」と述べた。

SANA, January 31, 2014
SANA, January 31, 2014

SANA(1月31日付)などによると、ジュネーブ2会議の会場となった国連本部前ではシリア人数百人が集まり、アサド大統領の写真、シリア国旗などを掲げ、シリア国民、シリア軍への支持を表明、またテロ反対を訴えた。

 

SANA, January 31, 2014
SANA, January 31, 2014

 

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UNRWA報道官は、前日に引き続き、ダマスカス県ヤルムーク区に人道支援物資が搬入され、配給作業を行ったと発表した。

AFP, January 31, 2014、AP, January 31, 2014、Champress, January 31, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 31, 2014、Kull-na Shuraka’, January 31, 2014、Naharnet, January 31, 2014、NNA, January 31, 2014、Reuters, January 31, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 31, 2014、UPI, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

化学兵器禁止機関(OPCW)は執行理事会を開き、シリア情勢を協議した。

執行理事会では、化学兵器関連物質の搬出が遅れた現状の評価をめぐって米露などが対立し、報告書がまとまらなかった。

AFP(1月31日付)などが伝えた。

AFP, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:諸外国の動き

PFLP-GCのアンワル・ジャラー報道官は、PFLP-GCがシリア政府の支援のもと、ダマスカス県ヤルムーク区に人道支援物資を搬入した、と発表した。

 

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

SANA, January 30, 2014
SANA, January 30, 2014

 

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

SANA(1月30日付)は、会合で政府代表団が、テロとの戦いに関する声明案を提示し、国連安保理決議第1267号(1999年)、第1373号(2001年)などに準じた国際社会によるテロ撲滅支援の必要性を訴えたと報じ、声明案のコピーを転載した。

声明案では、テロ行為を行う組織・個人への物心面での支援阻止、煽動活動阻止、タクフィール主義思想など宗教過激主義の普及阻止などを求めるとともに、シリア全土における治安と平和を回復するための支援、シリアの主権、独立の尊重、領土保全、内政不干渉をジュネーブ2会議参加各国に求めた。

ジュネーブ報道チームによると、対するシリア革命反体制勢力国民連立は「テロ国家を自由シリアへと転換することで殺戮停止をめざしているが、政権はテロについて云々することを望んでいる」と主張、「樽爆弾」こそがテロだ、住民を餓死させることがテロだ、拷問と逮捕もテロだ」と主張し、政府代表団が提出した声明案の審議を拒否した。

そのうえで、連立代表団は、アサド政権の人道犯罪、戦争犯罪に関する国際機関の報告書(ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書など)や情報を開示するとともに、レバノン、イラク、イエメンなどの「宗派的アイデンティティを有する」民兵による政権支援の実態を報告した。

連立はさらにイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアサド政権とつながりを持っていることを示す情報を開示したという。

しかし、これに関して、SANA(1月31日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団がいかなる文書も提出していないとのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の談話を速報で伝え、これを否定した。

SANA, January 30, 2014
SANA, January 30, 2014

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は会談後の記者会見で「今日の会合後もシリアの両代表団の姿勢に変化はない…。我々はテロがシリアで広まっている点で意見が一致している…。最後の会合は明日(31日)朝に開かれる…。これまで行ったことから教訓を得ることになろう」と述べた。

また「両代表団の協議では、困難な瞬間もあれば、期待ができる瞬間もあった…。引き続き次回の会合に向けた準備が行われるだろう」と付言した。

一方、人道支援物資の配給に関しては「今日、ヤルムーク区に600箱の人道支援物資を搬入することに成功した」ことを明らかにした。

なお31日で一旦閉会となる両者の会合は、『ハヤート』(1月31日付)によると、2月11日に再会される予定。

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SANA(1月30日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立代表団がテロとの戦いに関する政府代表団の声明案を拒否したことに関して「連立がテロを支援していることの明らかな証拠」だと批判的に伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官はテロとの戦いの審議を求める政府代表団の姿勢に関して「移行期統治機関のしくみについての審議を交渉の最後に延期し、ジュネーブ合意のすべての項目から免れようとしている。しかし、移行期統治機関の結成は、国際社会が合意したすべての項目を実施に移す唯一の手段だ。この点に関して我々と政権の意見の相違は大きい」と述べた。

また「政権は暴力の問題…から始めたいと考えている。我々は今日、暴力の問題について話したが、この方法は本末転倒で、馬の前に馬車を置くようなものだ。馬車はジュネーブ合意に記された発砲停止、逮捕者釈放、包囲解除で、これらは重要な項目だが、その実現には馬が必要だ。この馬こそが移行期統治機関だ。移行期統治機関がなければこれらの項目は進展し得ない」と述べた。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「アサド政権が化学物質の国外への搬出に責任を負っている。我々は政権が自らの義務を履行することを期待する」と述べた。

化学兵器禁止機関の米国代表を務めるロバート・ミクラーク氏は、シリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「シリアは、これらの化学物質の搬出の遅れが治安上の問題によると述べ、コンテナ車輌、電気機器、爆発物発見装置など、さらなる機器が必要だと主張している。この要求は留意するに値しない。交渉の意思が見え見えだ」と述べた。

『ハヤート』(1月31日付)が伝えた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣はシリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「動きが鈍化しているようだ。国際社会は目を覚ましてシリアに制約を守らせるため真剣に迫るべきだ」と述べた。

AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014, SANA, January 31, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。

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2014年1月29日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ報道チームによると、ブラーヒーミー共同特別代表は、移行期統治機関をめぐる議題をとりまとめたペーパーを提出した。

このペーパーには、①移行期統治機関の規模、構成、設置方法、②権限、③意思決定方法、④軍、治安機関、文民機関との関係、④メンバー選出方法といった議題が列記されているという。

またElaph(1月29日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官の話として、連立がジュネーブ2大会に参加しているシリア政府代表団に、移行期統治機関樹立、民主主義、政治的多元性実現に向けた詳細行程表を文書で回付したと報じた。

『ハヤート』(1月30日付)によると、この行程表は「自由への道」と題され、「現行憲法に代わる憲法の準備、移行期統治機関の樹立、治安機関の再編、民主的諸機関の設置」などを骨子としているという。

一方、SANA(1月29日付)によると、政府代表団は会合で、政府が移行期統治機関設置に向けた審議を拒否していると非難するシリア革命反体制勢力国民連立に対して、シリア政府がジュネーブ合意のいくつかの項目に態度を留保しているが、同合意に同意していると反論した。

また政府代表団は、連立が移行期統治機関設置に関わる状況以外に目を通していないようだと批判、シリア人のみが自らの将来を決する権利を有していることを改めて強調した、という。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、記者会見でジュネーブ2会議でのシリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立の直接交渉を31日(金曜日)でいったん打ち切ることを発表したうえで、「正直言うと、私は具体的な何かが達成されるとは期待していない…。氷河はゆっくりとしか溶けてははいないが、溶けている…。両当事者はとどまり、会合を継続する用意があると思うが、両者の亀裂は非常に大きい…。彼らは一度も…席を共にしたことはなかったからだ。魔法の杖があるなどと期待してはいけない…。一歩でも踏み出せれば、それは良いことだ」と述べた。

また「金曜日(31日)、我々は会合再開の日程に合意するだろう。おそらく来週になると思う」と付言した。

さらに「米国とロシアと接触している。両国が両当事者に影響力を行使することを願っている…。両国がその影響力をよりよく行使して欲しいと思っている」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、記者団に「今日は前向きな進展があった。なぜなら初めて移行期政府について話をしたからである…。政府は移行期統治機関について話すことを避け、テロの問題に集中したいと考えている」と述べたうえで、「政府はしかし、最低限の議論にとどめようとはしているが、この問題について検討する用意はあるようだ」と述べた。

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ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官は記者団に関して、「テロについて話すことができ、対話は前向きだった…。私たちと彼らの唯一の違いは…、私たちがジュネーブ合意を第1項目から順番に議論したいと考えているのに対して、彼らは…移行期政府についての項目に跳躍しようとしていることです。彼らは政府に入ることだけに関心があって、恐るべきテロを止めることには関心がないのです」と述べた。

そのうえで連立が「自らが権力につくにはどうしたらいいかということ以外の問題を議論しようとしない…。これこそが連立の背後にいる勢力が望んでいることです」と批判した。

またブラーヒーミー共同特別代表に対して、「ジュネーブ合意を優先順位に沿って審議しなければならない」ことを伝え、「ジュネーブ合意の優先事項は、政治プロセスを開始する雰囲気を醸成するための暴力とテロの停止」だと強調した。

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『ハヤート』(1月30日付)は、複数の西側消息筋の話として、欧米諸国がロシアやアサド政権に圧力をかけ、ヒムス市旧市街への人道支援物資配給を受け入れさせるよう求めている、と報じた。

同報道によると、これに関して米高官は、アサド政権が、人道支援物資配給を許可する見返りとして、同地の反体制勢力に去と武装解除を求めているとしつつ、「受け入れられないオファーだ。包囲されている地区の住民が人道支援物資を得るために政権の支配に屈服を強いられることなどあり得ない」と述べたという。

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ジェームズ・クラッパー国家情報長官は、米上院情報委員会に出席し、アサド政権が限定的ではあるが、生物兵器を生産する能力を現在持つに至っている可能性があると証言した。

クラッパー長官は「我々は、シリアの生物兵器プログラムが…研究開発段階を越えて、限定的に生産が可能になったと思われる」と証言した。

米政府高官がシリアの生物兵器開発の危機について言及するのはこれが初めてだという。

AP(1月29日付)が伝えた。

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AFP(1月29日付)は、化学兵器禁止機関に近い複数の消息筋の話として、2013年12月末までに搬出される予定だった危険度の高い化学物質(700トン)のうち実際に搬出されたのは5%にも達していない、と報じた。

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トルコ軍参謀本部は声明を出し、キリス市東部でトルコ軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のピックアップ・トラックとバスに対して発砲、破壊したと発表した。

UPI(1月29日付)が伝えた。

AFP, January 29, 2014、AP, January 29, 2014、Champress, January 29, 2014、Elaph, January 29, 2014、al-Hayat, January 30, 2014、Iraqinews.com, January 29, 2014、Kull-na Shuraka’, January 29, 2014、Naharnet, January 29, 2014、NNA, January 29, 2014、Reuters, January 29, 2014、Rihab News, January 30, 2014、SANA, January 29, 2014、UPI, January 29, 2014などをもとに作成。

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2014年1月28日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

SANA(1月28日付)によると、4日目となる直接交渉では、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言をめぐって、政府代表団がこの動きに抗議する声明を文書で提出するとともに、シリア領内のテロ集団に武器供与を行う米国以外の国々を、国際テロの撲滅を謳った国連安保理決議第1373号に反しており、またジュネーブ2会議を頓挫させるものだと非難、こうした「無責任な行為から直ちに手を引く」よう求めた。

シリア革命反体制勢力国民連立はこれを拒否した、という。

『ハヤート』(1月29日付)によると、シリア政府代表団による二つ目の声明提出を受けて、議事は再び停滞し、直接交渉が始まって以降、初めて会合が午前中だけで打ち切られた。

午後に会合が再開されなかったのはこれが初めて。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は会合後、記者会見で「この交渉が困難だと繰り返し述べてきた。今日も容易ではなかった。ここ数日容易だったこともなかった。今後も容易ではない」としたうえで、「誰も去ったり、逃げようとはしていない」と強調、会合継続の意思を改めて示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のリーマー・フライハーン氏はAFP(1月28日付)に、会合でブラーヒーミー共同特別代表が、政治プロセスについての審議に入ることと、ヒムス市の包囲解除など、人道問題への対応について議事の一部を割くことを提案したが、「政府側が何の回答もしていないため、ブラーヒーミー氏が会合を中止した」ことを明らかにした。

そして「ヒムス市の包囲解除に関して、政府は何もしていない。移行期統治機関に関しても何もしていない。何のイメージを示していない」と批判した。

フライハーン氏はまた、4日目の直接会談で、連立が「今後のシリア、新生シリア、多元的民主的文民国家シリアに関するヴィジョン…の詳細を示した。政府代表団にシリア国民の合法的な意思に応じるよう求めた…。しかし政府代表団はこの問題の審議を拒否した」と述べた。

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、記者団に対し「自由シリア軍の戦闘員は、アレッポ市北部のヌッブル市、ザフラー町、イドリブ市郊外のフーア市への圧力を弱める用意がある」と述べ、政権支持者が多く住む村への包囲解除の可能性を示唆した。

サーフィー報道官は「反体制勢力は政府にすべての都市の包囲解除を要求した。そして反体制勢力は自由シリア軍がシリアのどの町・都市であっても包囲解除すると同意した」うえで、これらの村がアレッポ市に対する軍の攻撃拠点となっているがゆえに包囲していると自己弁護した。

SANA, January 28, 2014
SANA, January 28, 2014

 

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言に関して、ジュネーブで記者団に対して「ジュネーブ2会議を支援し、政治的解決を求めてきた…米国が同時にどうして、テロ、暴力、軍事的解決を支援できるのか?」と非難した。

またブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官も、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言に関して、ジュネーブで記者団に対して「国際社会の努力に背く動き」と非難した。

さらにファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言に関して、「もっとも悪い知らせ」としたうえで「ジュネーブ2大会を失敗に追い込もうとする米国からのプレゼント」だと酷評した。

ミクダード副大臣はまた、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団について「無責任で、嘘つきで、武装集団、すなわちイラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線を養う以外何もしていない」と非難した。

SANA(1月28日付)が伝えた。

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米国務省のエドガー・ヴァスケーズ報道官は、シリア政府代表団の声明に関して「我々がテロリストを支援しているとするシリア政府高官の発言はとるに足らず、論理を逸脱している。アサド政権こそがテロリストを惹き付けたのだ。体制の野蛮さこそがシリアでの過激化の原因だ」と非難した。

そのうえで「我々は穏健な反体制政治・軍事勢力を支援しており、彼らはシリア国民の自由と尊厳のために戦っている。一方、シリア政府は国民に樽爆弾を投下し、飢えた人々に食糧を届けることを拒否している。米国がシリア国民の苦しみを終わらせるために行動する。それゆえ、我々はジュネーブ2会議を前進させる可能なすべてを行う」と強調した。

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フランス外務省報道官は定例記者会見で、ヒムス市旧市街からの女性・子供の退去と人道支援物資配給に関して「一部の地区の住民は政権による事実上の兵糧攻めに直面している」と非難した。

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世界食糧計画(WFP)の報道官は、ヒムス市旧市街への人道支援に関して、2,500人が1ヶ月必要な物資を配給する準備ができており、すべての当事者からの青信号待ちの状態だと述べた。

『ハヤート』(1月28日付)などが伝えた。

AFP, January 28, 2014、AP, January 28, 2014、Champress, January 28, 2014、al-Hayat, January 29, 2014、Iraqinews.com, January 28, 2014、Kull-na Shuraka’, January 28, 2014、Naharnet, January 28, 2014、NNA, January 28, 2014、Reuters, January 28, 2014、Rihab News, January 28, 2014、SANA, January 28, 2014、UPI, January 28, 2014などをもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:諸外国の動き

米政府高官は『ハヤート』(1月28日付)に、ジハード主義者による対トルコ国境の自由シリア軍参謀委員会武器庫制圧(2013年12月末)を受けて凍結していたシリアの反体制勢力への非殺傷兵器などの支援再開を米国が決定したことを明らかにした。

これに関して、ロイター通信(1月28日付)は、米議会がシリアの反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を「秘密裏」に承認したと報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の直接会合を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

3日目となる会合では、移行期統治機関(移行期政府)の樹立についての審議が行われる予定だったが、『ハヤート』(1月28日付)などによると、「テロとの戦い」を最優先議題にするよう求める政府代表団と、アサド政権の退陣を前提として移行期統治機関を審議するよう主張する連立代表団の対立は解消せず、ブラーヒーミー共同特別代表は議事を打ち切った。

会合で政府代表団は5項目からなる政治声明を文書で提出した。

SANA(1月27日付)によると、声明では、「主権尊重、領土保全、侵略された領土に対する譲歩拒否と回復のための行動」、「シリア内政への直接、間接的なあらゆる外国の干渉の拒否」、「シリア・アラブ共和国は政治的多元主義、法の支配、司法の独立、市民権尊重、国民統合維持、文化的多元性尊重を基礎とする民主国家である」、「テロを拒否し、テロと戦い、あらゆる過激主義、ワッハーブ主義的タクフィール思想を拒否し、武器供与、軍事教練…、煽動放送を阻止する」といった点が訴えられていた。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立はこの政治声明を聞くやただちに拒否し、会場から退出、会談は打ち切りとなった。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は3日目の直接会合に関して、記者会見で「残念ながら、発砲停止にも、暴力を軽減することにも合意できなかった」と述べた。

しかしブラーヒーミー共同特別代表は「我々は、戦争終結と新生シリアの建設に向けたジュネーブの計画を実行しようとしているが…、奇跡が起きるとは期待しておらず…、前進の可能性を探って活動を続ける…。ここでの交渉で何かがもたらされるよう試みる」と付言し、会合継続の意思を示した。

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マフムード・ズウビー情報大臣は3日目の直接会談に関して、記者団に対して、反体制勢力を名乗るシリア革命反体制勢力国民連立が、国民主権、政治的多元主義、民主主義を謳った政治声明を拒否したと述べたうえで、「ジュネーブ合意へのあからさまな拒否だ」と批判した。

ズウビー情報大臣は「シリア・アラブ共和国の主権、領土保全に関してシリア人と意見を異にすることが想像できようか? 意見を異にするのがシリア人でなく、例えばイスラエル人ならともかく」と述べた。

ズウビー情報大臣はまた「テロ根絶やテロとの戦いを拒否し…、周辺諸国がテロの温床になることを拒否する人間がシリアにいるなどと想像できるのか? サウジ人、トルコ人、カタール人、イスラエル人、ないしはシリアに陰謀を働こうとする人間ならともかく」と述べた。

そのうえで「シリア政府代表団は胸襟を開いて政治問題を議論し、新しい発想や方法、深淵な解釈を提示することで政治プロセスを成功裏に開始したいとの意思を持っているが、彼らはこのプロセスをそもそも欲していない」と非難した。

一方、ヒムス市旧市街への人道支援物資配給に関しては、「我々がジュネーブ2会議に出席していること、ないしは出席しないこととは無関係だ」と述べ、シリア政府が一貫して人道支援を行っていると主張した。

またヒムス市旧市街からの女性、子供の退去に関して「国家は、子供や女性を逮捕はしない…。女性が武器を手に取ったり、戦闘・虐殺に参加していなければ」と述べた。

最後にズウビー情報大臣は「ジュネーブに滞在する代表団は今後も滞在し、愛国心とシリアへの信仰心に基づき行動する」と締めくくった。

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣も「交渉のテーブルから決して去ることはない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立の代表団を率いるハーディー・バフラ氏は「シリア政府の声明は、移行期政府樹立を中心に据えているジュネーブの枠組を外れている。それゆえ主要な議題を審議できなかった」と述べた。

一方、リーマー・フライハーン氏は「交渉は、議事を改悪しようとする政府代表団の論理ゆえに建設的に進まなかった。会合ではジュネーブ合意の実施、すなわち全権を有する移行期統治機関樹立を検討することが決まっていたのに、政府代表団はテロを審議するため議事を変えようとした…。彼らはバッシャール・アサドの存在を確かなものにしようとするためにだけここに来ており、大会開催の直接の理由とは無関係の問題を審議しようとしている」と非難した。

しかし「私たちは前向きで、移行期統治機関樹立という目標を実現するまでここにとどまるでしょう」と強調した。

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官もアサド政権の代表団との交渉は、何らの進展がないもの続いている。しかし、政府代表団はジュネーブ合意に関する交渉から逸脱しようと試みている」と批判した。

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赤十字国際委員会のロバート・マールディーニー氏(中東担当)はAFP(1月27日付)に、1月27日正午段階で、ヒムス市旧市街の女性・子供の退去に関するいかなる具体的な措置もとられていないとしたうえで、シリア政府が同地への人道支援の配給を遅らせていると非難した。

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『ハアレツ』(1月28日付)などは、イスラエル軍がラタキア県の航空基地を26日に爆撃したとレバノンのメディアなどが報じていると伝えた。

イスラエル政府および軍は、攻撃の有無について何らの発表も出しておらず、また米政府によるリークもなされていない。

また『ハヤート』(1月28日付)によると、シリア消息筋は、ラタキア県で爆撃があったとされるいかなる爆発音も聞こえなかったと述べ、イスラエル軍による爆撃を否定している、という。

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シリアで化学兵器の廃棄作業を進めている化学兵器禁止機関と国連の合同派遣団は声明を出し、化学物質が積み込まれたデンマークとノルウェーの貨物船がラタキア港を出港し、シリア国内から公海上への化学物質の搬出作業第二弾が完了したと発表した。

AFP(1月27日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、Haaretz, January 28, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014, January 28, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年1月26日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は前日に引き続き、ジュネーブの国連本部でシリア革命反体制勢力国民連立代表団、シリア政府代表団と早朝に個別会合を開き、また午前中に直接会合を開催し、逮捕者釈放、人道支援物資搬入、拉致による失踪者の捜索などが議論された。

直接会談は前日に引き続き、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使がシリア政府代表団を、ハーディー・バフラ氏がシリア革命反体制勢力国民連立代表団を率い、約2時間にわたって行われた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者会見で、ヒムス市での部分停戦と人道支援物資搬入をめぐる協議に関して「シリア政府は女性と子供であれば直ちに退去できる旨伝えてきた…。部分停戦が明日開始され、女性と子供がヒムス市旧市街から退去できる見込みだ」と述べた。

また「明日、人道支援物資を積んだ車輌がヒムスに入ることを希望している…。ヒムス市の武装集団が車輌を攻撃しないと我々や複数の当事者に伝えてきた」と付言した。

そのうえで直接会談に関して「互いを尊重する」姿勢が見受けられたと高く評価した。

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『ハヤート』(1月27日付)などによると、連立代表団は、シリア政府の刑務所に収監されている女性および子供の逮捕者2,300人の名簿をブラーヒーミー共同特別代表に提出、それ以外の逮捕者に先立って「即時釈放」するよう求めた。

これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立のウバイダ・ナッハース氏は、『ハヤート』(1月27日付)に、連立代表団が女性、子供を含む数万人の釈放を要求したことを明らかにしたうえで、「政府がこの問題に「敵意」をもって対処し、「テロとの戦い」に集中しようとしている」と非難、「交渉の会場の外で国際社会が圧力をかけ、シリア政府に人道的な問題に対処するよう」呼びかけた。

また「政府代表団には決定を下す十分な権限がないことを理解している。それゆえ、この要求をダマスカスに持ち帰り、答えを持ってくるよう求めた」ことを明らかにした。

一方、拉致をめぐる問題に関して「政府使節団は、拉致された人々を捜索準備ができており、拉致犯と理解し合う可能性があるなら…可能だと言っている」ことを明らかにした。

さらに、ヒムス市での人道支援配給に関して、「ダマスカスで物資を積んだトラック12輌が待機しているが、ヒムスには今のところ人道支援物資は入っていない…。しかし、ブラーヒーミー共同特別代表は、今日か明日には搬入したいとの希望を伝えてきた」と述べた。

他方、移行期統治機関(移行期政府)に関しては、27日から協議が始まることを明らかにした。

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SANA(1月26日付)によると、これに対して、シリア政府代表団は、人道支援物資搬入をめぐる問題がジュネーブ2会議の議事とは無関係で、国家(シリア政府)と国連との合意に関わる問題だと指摘し、シリア政府が、人道支援に関していかなる差別も行わず、ヒムス市だけでなく、アドラー市ウンマーリーヤ地区(ダマスカス郊外県)、ファウワ村(イドリブ県)、ヌッブル市(アレッポ県)、ザフラー町(アレッポ県)などに対しても支援物資を配給する用意があると伝えたという。

そのうえで、政府代表団が、部分停戦、人道支援をめぐる協議で、連立使節団に、シリア各地を支配しているどの武装集団に対して連立の権威が及んでいるのかを明らかにするよう求めたが、連立代表団は何も示すことができず、「武装集団に対して何らの権威も有さず、連絡経路があるだけだ」と答えたという。

またブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はAFP(1月26日付)に「すべてがその日その日に行われている。日程は存在しない」としたうえで、「問題は先方が昨日(25日)の会合で、些細なことばかりに議論を集中させようとしたことにある。シリア政府には、すべての県でいつでもこのテロでの被災者を救済するための完全な装置がある…。支援物資の搬入は重要だが、このことに終始すると、大会そのものも、そしてその目的の重要性が失われてしまう…。テロ停止、深刻な人道状況への対処、支援搬入、治安状況改善、政治プロセス開始(という順で進められねばならない)」と述べた。

移行期統治機関(移行期政府)については、「この表現だけでなく、シリアが卑劣なテロに苦しんでいる…なかでこの問題が提起されていることに慎重な姿勢を示している…。ジュネーブ合意には、暴力停止について言及されているが、今日行われているのは、暴力ではなくテロです」と述べた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立代表団との交渉に関して「緊張はない…。バッシャール・ジャアファリー駐国連大使が、テロ停止を求める国民の意思に沿うよう建設的な雰囲気作りに尽力している」と述べた。

またウムラーン・ズウビー情報大臣は、ジュネーブで記者団に対して、移行期統治機関(移行期政府)の審議について、「困惑してはいない」としたうえで、すべての問題に「胸襟を開いている」ことを強調しつつ、「人道支援問題はシリア政府の優先事項の一つだが、我々は搬入方法に関して現実的でなければならない…。この問題は治安措置によって可能になる第2の措置だからだ」と強調した。

他方、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は記者会見で、ヒムス市での部分停戦に関して、反体制武装集団が道を開放すれば、女性と子供がヒムス市を去ることを認める、と述べた。

また「過去2年間、私は女性と子供を退去させることに直接関心があった。しかし武装集団が我々を阻止し、いかなる人が退去することも認めてこなかった…。シリア政府は必要なすべての場所に支援物資を届けてきた。しかし、二つの要素に阻まれてきた。第1にテロリスト、第2に人道支援の搬入を許すような雰囲気の欠如…。我々は先月だけで、各地に400万箱の支援を届けた」と述べた。

しかし、ミクダード副大臣は「ジュネーブ2会議で議論しなければならない最初の問題はテロに関する問題であり…、シリア国民がテロの危険に曝されている限り、シリアの現在そして未来に関わる人道的問題の審議は継続できない」と強調した。

SANA(1月26日付)などが伝えた。

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UNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)は、予定していたダマスカス県ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)への脱脂粉乳、ポリオワクチンなどの人道支援物資の搬入ができなかったと発表し、シリア政府への「失望」を表明した。

『ハヤート』(1月27日付)などが伝えた。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月25日のシリア情勢:諸外国の動き

スイスのジュネーブにある国連本部で、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の仲介のもと、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団が1日遅れで直接会談を行った。

会談には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らシリア政府閣僚、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら幹部は出席せず、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使が、連立代表団ハーディー・バフラ氏らが会談に参加した。

『ハヤート』(1月26日付)などによると、会談はジュネーブの国連ビル第16ホールで行われ、シリア国旗、反体制派の旗のいずれも形容されずに議事が進められたという。

午前と午後に分けた行われた直接会談では、交渉の原則、議事についての確認がなされ、『ハヤート』(1月26日付)によると、ブラーヒーミー共同特別代表がジュネーブ合意を交渉の原則とする旨伝えると、両代表団はこれを了承したという。

議題に関しても、ヒムス市などシリア中部での部分停戦と人道支援物資の搬入を第1の議題とすることが確認され、シリア政府はヒムス市郊外への人道支援物資の搬入を、連立はヒムス市への支援を強く求めたという。

ヒムス県での部分停戦と人道支援物資の搬入に次いで、26日には逮捕者・捕虜の交換が協議されるという。

ブラーヒーミー共同特別代表は会談に関して「交渉に関する自分のイメージについてのみ話した…。詳細の議論にはまだ入っていない。何も合意はなされていないが、それは合意を望んでいないからではなく、対話がまだ始まっていないからだと述べた」。

ジャアファリー国連大使は「感情的に話すためにここに来たのではない…。シリアの至上なる国益に沿って、開放的な知性と積極的な精神をもって、国を現状から脱却させるためにここに来たのだ」と述べた。

一方連立のアナス・アブダ氏は「我々が、ダマスカスの殺人者を代表する代表団と席をともにするのは容易ではない。しかし、シリア国民の国益のためにそうした」と述べた。

またヒムス市などでの部分停戦に関するブラーヒーミー共同特別代表の提案に関して「この枠組みのなかで我々には提案があり、ジュネーブ2会議前から検討してきた…。今日中に結果に達することを希望している。つまり、我々は人道支援チームが入るためのヒムス市旧市街での停戦発表の期限を求めることになろう」と述べた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は『ハヤート』(1月25日付)に、シリアの紛争の政治的解決をめざすための移行期統治機関(移行期政府)樹立を「100%支持する」と述べる一方、ジュネーブ2会議に政府、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団が一同に介したことを「互いを承認した」と高く評価した。

AFP, January 25, 2014、AP, January 25, 2014、Champress, January 25, 2014、al-Hayat, January 25, 2014, January 26, 2014、Iraqinews.com, January 25, 2014、Kull-na Shuraka’, January 25, 2014、Naharnet, January 25, 2014、NNA, January 25, 2014、Reuters, January 25, 2014、Rihab News, January 25, 2014、SANA, January 25, 2014、UPI, January 25, 2014などをもとに作成。

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2014年1月24日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と個別に会談し、24日にジュネーブの国連本部で予定されていた直接会談を25日午前に行うと発表した。

シリア革命反体制勢力国民連立代表団が政府代表団との同席を拒否したのが延期の理由。

ブラーヒーミー特別代表の駐ダマスカス代表を務め、現在ジュネーブに滞在中のムフタール・ラマーニー氏は『ハヤート』(1月25日付)に対して、連立の代表団が同じ部屋で席をともにすることを拒否している旨、シリア政府代表団に伝えたことを明らかにした。

またラマーニー氏によると、連立の代表団は「和平締結」を望んでいないとしたうえで、「彼らはジュネーブ合意にまったく合致しない前提条件を示しており、それはシリア国民の意思、さらにはブラーヒーミー氏のプロジェクトにも反している」と批判した。

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『ハヤート』(1月26日付)は、複数のアラブ筋の話として、22日のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の演説において、ジュネーブ合意を軽視したことに対して、ロシアが介入し、態度を軟化させることを求めたと報じた。

これを受け、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が「ジュネーブ合意をパッケージで交渉する」と述べる一方、ウムラーン・ズウビー情報大臣も「胸襟を開いて、建設的に議論するためにジュネーブに来た」と述べたのだという。

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『ハヤート』(1月25日付)は、22日から25日の予定でスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のいわゆる「IGWEL 」(Informal Gathering of World Economic Leaders (World Economic Forum)などでシリア情勢への対応が審議されたと報じた。

同報道によると、会合にはコフィ・アナン前国連事務総長主催のもと、イラン、エジプト、ヨルダン、トルコ、EUの外相が参加、複数の消息筋によると、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が、ジュネーブ合意へのイランの姿勢の転換に関して、シリアにおいて「敗者も勝者もないことが決定的になる」ことが姿勢転換の起点になると述べたという。

またザリーフ外務大臣は、ヒズブッラーに関して「自分自身、そしてシリアのシーア派巡礼地を自衛するために自ら戦闘に参加すると決定した」と擁護しつつも、「非シリア人の戦闘員はシリアを去るべきだ」とも述べたという。

一方、ジョン・ケリー米国務長官はダボス会議で、「国民に対して罪を犯したアサドは正統性を回復できないし、シリアの未来を担うこともできない」と述べる一方、「反体制勢力はアサドが権力にとどまる限り、戦闘を止めないだろう…。アサドの残留にコンセンサスが得られることは決してないだろう…。ジュネーブ合意は、反体制勢力がアサドの残留を認めることを意味しない」と述べた。

また「アサドは世界のテロを引きつける材台の要因」と批判した。

他方、サウジアラビアの前総合情報庁長官のトゥルキー・ファイサル王子は、シリアにおけるレバノンのイラクのシーア派民兵の撤退を求める決議を国連が採択しようとしないと非難した。

このほか、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は「モントルーの会議は、シリアのための政治プロセスを国際的に承認するものだ」と述べた。

AFP, January 24, 2014、AP, January 24, 2014、Champress, January 24, 2014、al-Hayat, January 25, 2014、Iraqinews.com, January 24, 2014、Kull-na Shuraka’, January 24, 2014、Naharnet, January 24, 2014、NNA, January 24, 2014、Reuters, January 24, 2014、Rihab News, January 24, 2014, January 25, 2014、SANA, January 24, 2014、UPI, January 24, 2014などをもとに作成。

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2014年1月23日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、スイスのジュネーブで、シリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立双方の代表団と個別に会談し、24日に行われる交渉に向けた最終調整を行った。

AFP(1月24日付)によると、ブラーヒーミー共同特別代表は双方に、直接交渉を行うよう説得しした、という。

SANA, January 23, 2014
SANA, January 23, 2014

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国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長はロイター通信(1月23日付)に、アブ樽…ブラーヒーミー共同特別代表が、シリア政府と反体制勢力の双方に人道問題で協力するよう圧力かけるだろうと述べ、部分停戦をめざしていることを明らかにした。

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ジョン・ケリー米国務長官はアラビーヤ(1月23日付)に対して「バッシャール・アサドは戦争犯罪を犯した。彼こそがシリアの和平の前に立ちはだかる障害を代表している」と述べた。

ケリー国務長官はまたシリアの国家崩壊を回避したいとの意思を示しつつ、「アサドだけが守ってくれると思っているアラウィー派に言いたい。それは正しくない。アサドは彼らを危険に曝している。彼はシリアすべてを危険に曝している」と述べた。

また「イランは(ジュネーブ2会議に)現実的、そして誠実に関与しなければならない。イランはジュネーブ合意が、双方の合意のもとに全権を有する移行期政府を設置するよう求めていることを知っているはずだ…。イランが革命防衛隊をシリア国内に派遣し、軍事的活動を行っていることは明らかだ」と批判した。

AFP, January 23, 2014、Alarabia.net, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014などをもとに作成。

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シリア政府、シリア革命反体制勢力国民連立に加え45の国・機関の参加のもとでジュネーブ2会議が開かれる、両者は移行期統治機関への権力移譲をめぐって真っ向から対立(2014年1月22日)

反体制勢力の動き

イスラーム戦線のイスラーム・アッルーシュ大尉は、ダマスカス郊外県ドゥーマー市のイスラーム軍の武器庫が襲撃されたとの情報に関して、クッルナー・シュラカー(1月22日付)に関与を否定した。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議開催に先立って、潘基文国連事務総長、中国の王毅外交部長と会談し、ジュネーブ2会議に関して協議した。

SANA(1月22日付)によると、これらの会談で、ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議が、シリア国内でのテロとの戦いを最優先課題として審議することで、シリア領内でのシリア人どうしの対話開始の第1歩になることを望むと伝えたという。

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法務省は声明を出し、アナトリア通信などが報道・公開したシリア軍による逮捕者15,000人の拷問殺害に関する英カーター・ラック社の報告書および写真に関して、遺体写真の身元が不明で、その多くがテロリスト、外国人、そしてテロ集団に拷問殺害された民間人と軍人であると発表した。

国内の暴力

アレッポ県では、リハーブ・ニュース(1月22日付)によると、軍と反体制武装集団の戦闘激化を受けて約1年にわたり閉鎖されていたアレッポ国際空港が再開された。

一方、SANA(1月22日付)によると、マアーッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月22日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、同旧市街、アッブ農場、ハラスター市、ダーライヤー市、マダーヤー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥーマー市では、住民数百人が武装テロ集団に反対するデモを行い、宗教関係局を占拠して設置されていたシャリーア委員会本部を破壊、また反体制武装集団が略奪した大量の食糧物資が貯蔵されていた慈善協会やフサイバ・モスク近くの施設を開放、物資を住民に配給したという。

このほか、サイドナーヤー町に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、住居複数棟が被害を受けた。

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ダマスカス県では、SANA(1月22日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月22日付)によると、ガースィビーヤト・ナイーム村、ダール・カビーラ村、アイン・フサイン村、サアン村、ザアフラーナ村・ダイル・フール村間の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月22日付)によると、ブスラー・シャーム市、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハウラーンの鷹大隊司令官ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA, January 22, 2014
SANA, January 22, 2014

ハサカ県では、SANA(1月22日付)によると、ハサカ県各所で、シリア軍による「テロとの戦い」を支持するデモ行進が行われ、住民数百人が参加した。

レバノンの動き

NNA(1月22日付)によると、北部県アッカール郡ダンカ村など対シリア国境の複数の村に、シリア領から発射された迫撃砲弾が着弾し、2人が負傷した。

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ナハールネット(1月22日付)によると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で続く武装集団どうしの戦闘で、レバノン軍兵士1人が死亡、8人が新たに負傷した。

諸外国の動き

スイスのモントルーで、シリアの紛争の解決に向けたジュネーブ2会議が開催され、シリア政府、シリア革命反体制勢力国民連立、45の国や機関が参加した。

大会に参加した45国・機関は、オマーン、バーレーン、イラク、モロッコ、UAE、クウェート、ヨルダン、レバノン、エジプト、カタール、アルジェリア、サウジアラビア、トルコ、米国、英国、スペイン、ヴァチカン、スウェーデン、ベルギー、フランス、スイス、ルクセンブルグ、ドイツ、カナダ、オランダ、イタリア、デンマーク、ロシア、ノルウェー、ギリシャ、日本、中国、インドネシア、ブラジル、韓国、オーストラリア、インド、メキシコ、南アフリカ、国連、アラブ連盟、EU、イスラーム協力機構。

シリア政府側の代表団は以下の通り:

公式代表団:ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ウムラーン・ズウビー情報大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、フサームッディーン・アーラー外務在外居住者次官、バッシャール・ジャアファリー駐国連シリア代表、アフマド・アルヌース外務在外居住者省顧問、ルーナー・シブル大統領府報道局長、ウサーマ・アリー外務在外居住者大臣執務官。

技術代表団:アフマド・クズバリー人民議会議員、ムハンマド・ハイイル・アッカーム・ダマスカス大学教授、ヒシャーム・カーディー外務在外居住者大臣執務官、アブドゥルカリーム・ハウンダ外務在外居住者大臣執務官、アジュマド・イーサー大統領府広報官、タミーム・マダニー駐ジュネーブ国連常駐代表、ムハンマド・ムハンマド駐ジュネーブ国連代理大使。

一方、クッルナー・シュラカー(1月21日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立の公式代表団は以下の通り:

アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー、ハイサム・マーリフ、ナズィール・ハキーム(シリア・ムスリム同胞団)、アブドゥルハミード・ダルウィーシュ、ミシェル・キールー、バドル・ジャームース、アナス・アブダ、スハイル・アタースィー、ムハンマド・フサーム・ハーフィズ、ハーディー・バフラ、ムハンマド・サブラ、リーマー・フライハーン、アフマド・ジャクル、イブラーヒーム・バッルー、ウバイダ・ナッハース、アブドゥルアハド・アスティーフー、ヌール・アミール、アブドゥルハキーム・バッシャール。

『ハヤート』(1月23日付)によると、このうち初日の会合には10人が参加、また上記18人のほか、15人からなる技術代表団メンバーと国内の武装集団代表4人も参加するという。

武装集団代表4人のうち1人はシリア革命家戦線代表、1人がムジャーヒディーン軍代表、残る2人は離反士官になるという。

なお、シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、ジュネーブ2会議への参加を拒否してきたと改めて主張、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団のなかに同胞団には含まれていないことを明らかにした。

**Rihab News, January 22, 2014

Rihab News, January 22, 2014シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長の演説の骨子は以下の通り:

「我々がシリアのテロについて語るとき、シリア人は誰がテロリストなのかをよく知っている。シリア人は1年間にわたってテロリストの餌食となり、自分自身、財産、そして家族を守ることを強いられた…。シリア人は何年間耐えなければならないのか? 数十万、数百万のシリア人が…平和的に…自由を求め、殺人装置の餌食にしなってきたが…世界はそれを傍観しているだけだ」。

「我々は国民と国家を代表するためにシリアの代表団として出席した…。不正と不正者に対する平和的革命を行った国民を代表するために」。

「武器による自衛は我々の選択しではなく、バッシャール・アサド体制がシリア人に押しつけた選択肢だ」。

「シリアは、アサドとその傭兵のテロ行為によって、一部のテロリストの温床となったが、このテロリストはアサドのもう一つの顔であり、地域と世界の平和と安全を脅かしている」。

「我らが自由軍は終始…、ヒズブッラー…イラン・イスラーム革命防衛隊を筆頭とする国際テロ傭兵に勇敢に立ち向かってきた」。

「イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に関して言うと…、革命はこの組織との対決において功績をあげている…。しかしアサドの戦闘機は今日も樽爆弾を自由シリア軍に投下し、ダーイシュと戦う同軍の進軍を阻止している。にもかかわらず、自由軍は…サウジアラビアを初めとする友好国の支援のもと、イドリブ、アレッポ郊外、ハマーでダーイシュを浄化した…。革命はアサドと彼がもたらしたテロリストのテロに対抗しているのだ」。

「出席者全員で今、ジュネーブ合意にただちに合意し、行政権、治安、軍、ムハーバラートに関するアサドの権限を完全に移行期統治機関に移譲することを呼びかける…。我々は、ジュネーブ合意、そしてこの大会の唯一の主題である移行期統治機関の設置を…呼びかけた潘基文国連事務総長の呼びかけに全面同意して、ジュネーブ2会議に出席した」。

「我々は、バッシャール・アサドの解任とその裁判を、罪を犯した政権幹部全員とともに行うことが前提になると考えている。アサドがいかなるかたちであれ政権に残留することを話題にすることは、ジュネーブ2会議の逸脱だ」。

なお、国営のシリア・アラブ・テレビは、ジャルバー議長の演説と合わせて、「シリアにおけるテロ犯罪」と題した映像集を放映した。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の会合での演説の骨子は以下の通り:

「私、そしてシリア代表団の肩に、3年にわたる我が国の痛みのすべてがのし掛かっている。殉教者の血のすべて、遺族が流した涙のすべて、拉致され、失踪した人の家族が味わう苦しみのすべて、迫撃砲の攻撃に曝されている子供の叫びのすべてがである…。今日、真実を示す時が来た…。ねつ造…殺戮、そしてテロによって隠されてきた…真実は…ここで我々、すなわちシリア国民、政府、国家、軍、そしてバッシャール・アサド大統領を代表するシリア・アラブ共和国代表団によってのみ明らかにされる」。

「この会場にいる一部の国の代表者たちがシリア人の血でその手を染めたまま、我々と今日、席をともにすることを私は遺憾に感じ、またシリア国民も遺憾に感じている…。彼らはシリアの安定を揺るがし…テロという彼らにとってもっとも重要な産品を輸出し、オイルダラーを駆使して、武器を買い、傭兵を教練し、衛星メディアを嘘で埋め尽くしてきた…。しかしチェチェン、アフガン、サウジアラビア、トルコ、フランス、イギリスのテロリストにシリア国民の意思を実現する権限などあるのか?」。

「いわゆる「偉大なるシリア革命」の名のもと、老人、女性、子供といった民間人を殺し、街で爆破テロを起こしている…。学校で子供たちを殺し、大学で若者たちを殺し、女性は逸脱したワトワーで性的に貶められている」。

「エルドアンの政府は、自国の領土をテロリストの教練、武装の場として提供し、シリア国内にテロを輸出している…。一部の周辺諸国がシリア国内で火を煽り、世界中からテロリストを呼び込んでいる…。しかし、シリアは独立主権国家であり、自国を防衛するために必要なあらゆることを、ふさわしいと方法で行うだろう」。

「国民が殺戮に曝されているなか、彼ら(反体制勢力)は五つ星で暮らし…、外国で抗い、外国で会合を開き、外国でシリアを裏切り、自分たちを外国に売り渡し、シリア国民の名で話している。シリア国民の名で話したいという者が、国民を裏切ったり、国民の敵の手先であったりしてはならない…。キリスト教が攻撃されれば、シリア人すべてがキリスト教徒となり、モスクが標的となれば、すべてのシリア人はムスリムとなる…。宗教的、宗派主義的内乱をもたらそうとする彼らの試みは、シリア人の知性においてもっとも卑劣なのだ」。

「西側諸国はテロとの戦いを公言しているにもかかわらず、秘密裏にテロを支援している。この真実に目を向けない者は無知蒙昧か、あるいは自分がしていることをやり遂げるまで見たいことにしか目を向けない者だ」。

「我々はテロの攻撃に曝されてきた家々に、子供や母親を帰すためにここに来た。市民権を守るためにここに来た。地域へのタタール人やモンゴル人の襲来を止めるために出席しているのだ」。

「シリア自身以外に、シリアの大統領、政府、憲法、法律などの正統性を否定したり、解任したり、与えたりする権利を持つ者は世界にはいない…。我々はジュネーブ2会議がシリア国内でのシリア人どうしの対話開始の道筋を開き、我々が一方の手でテロに打撃を与えつつ、もう一方で復興に携わり続けるための第1歩となることを期待している」。

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潘基文事務総長は10分の持ち時間を大幅に延長して演説を続けるムアッリム外務在外居住者大臣を制止しようとしたが、同外相は「私はシリア人を代表している」と述べ押し返した。

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ジョン・ケリー米国務長官は演説で「我々はここで現実に対処しなければならない。移行期政府に関して我々みなが互いに至った総意とは、両当事者のいずれかが反対する個人が政府を発足できないということだ」と述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は演説で「我々がもし尊敬と協力の念に基づいて進めば、今日の会合は和平に向けた真のチャンスとなるだろう。そしてそれは、シリア国民、地域、そして世界に善をもたらすだろう…。ロシアはシリアで紛争が始まった当初から、力によって解決策を押しつけず、シリアの当事者間の総意を通じて解決にいたることを支持する姿勢をとり、それがジュネーブ合意の基礎となった…。我々はシリアを主権国家として維持すること、その領土の平和を維持すること、世俗国家であることを望んでいる。そしてこうして基礎のもとに、今日、シリアの当事者間の対話が始まる…。すべての外国の当事者は、シリア人が合意に至ることを励ます必要がある」と述べた。

またイランについては「ジュネーブ合意を一当事者だけのために解釈しようとすることなく、シリアの和平と安全を実現するための努力に参加すべきだ」と述べた。

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レバノンのアドナーン・マンスール暫定外務大臣は演説で「シリアで起きていることがヒズブッラーの関与によるものだと主張している者は、この地域に外国人テロ集団がいるという事実から注意を反らしたいと考えている…。この地域はテロリストがいることで戦場と化し、レバノンもこれから免れることはできない…。この地域にかつては存在しなかったタクフィール主義テロ・イデオロギーが蔓延していることは明らかだ。レバノンはこうした破壊的イデオロギー、組織、そして一連の爆破テロを生かしておくことはない」と述べた。

また「レバノンは数十万という避難民の流入に苦しんでいる…。レバノンはこうした重荷を担うにはあまりに小さな国である…我々はジュネーブ2会議がシリアのさまざまな集団の国民和解と対話に向けた道を切り開くことを求めている。シリア陣の英知と建設的対話に期待している」と強調した。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は演説で「我々はこの大会の行方を変え、政権のイメージを改善し、テロとの戦いを訴えようとするあらゆる試みに…我々は警鐘を鳴らす必要がある…。バッシャール・アサド、あるいはシリア人の血で手を染めた者が(ジュネーブ合意実施を)調整する役割を担わないのは当然だ」と述べた。

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岸田文雄外務大臣は演説で「暴力の即時停止」を求め、「今後の国造りに向けて対話を促進すること」が重要だと述べた。

また化学兵器廃棄で「最大限協力する」と強調、そのための財政支援として1,800万ドルを拠出すると表明した。

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会合後の記者会意見で、潘事務総長は、ジュネーブ合意と移行期統治機関を主要議題とすることを認めないとのシリア政府の姿勢に「失望感」を伝えたことを明らかにした。

また「双方(シリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立の代表団)が金曜日(24日)午後に同じ会場で席に着くことを望んでいる…。事態が容易に進むとの幻想を抱いてはいない…。しかし真剣に取り組む」と述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は会合後「今日、我々は困難な段階にいる…。我々は即座に成果が出るとは期待していない。しかし、両当事者がそれぞれの考えを説明することを期待している」と述べた。

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バッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、会合後記者団に対して「シリア国民こそが、自らの未来を決定する。これは議論の余地がなく、明白なことだ…。ジュネーブ合意を選択的に実施することなどあってはならない。完全なかたちで実施されねばならない。シリアは、テロと暴力を皆が終わらせるようにするため、ジュネーブ合意を誠実に実施することを必要としている。なぜなら政治的関係正常化は、テロと両立し得ないからだ」と述べた。

また潘事務総長が「失望感」を伝えたことに関して、「彼は、参加国にシリア政府に反対の姿勢をとらせようとしているかのようだ」と批判した。

ウムラーン・ズウビー情報大臣は記者団に対して「シリアに関しての言説が不正確で、現実、そして現場と異なったかたちで錯綜していることを世界は理解しなければならない」としたうえで、「シリア領内には、世界各地からやってきたテロ集団が教会、モスクを破壊し、女性、子供を殺戮している…。テロとの戦いはシリア政府だけでなく、世界のすべての政府の義務だ」と述べた。

一方、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はマヤーディーン・チャンネル(1月22日付)に、ジュネーブ2会議における優先議題に関して、すべての当事者による暴力停止と、武装集団の武装解除などが依然として重要だとしつつ、最優先議題を「治安回復とテロ集団の武力行使停止」を変更する必要があると述べた。

SANA(1月22日付)などが伝えた。

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Champress, January 22, 2014
Champress, January 22, 2014

ジョン・ケリー米国務長官は初日会合後の記者会見で「バッシャール・アサド以上にテロを引きつけることを行った者はいない…。アサドはシリアの国益ではなく私利を求めている…。自国民の殺戮を許した者に、シリアでの居場所などあり得ない…。アサドが権力の座にとどまれば、シリアでの和平実現はあり得ない」と述べた。

またイランに関して「イランはシリア危機の解決…のために協力しないと決定した…。しかしイランが役立つ存在となり、シリア危機の解決に実質的に寄与することは依然として可能だ…。建設的な役割を担うことを希望している」と述べた。

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SANA(1月22日付)などによると、ジュネーブ2会議の会場となるスイスのモントルーに設置された国連の広報事務所本部前で、在留シリア人ら数百人がデモを行い、欧米諸国によるシリア内政干渉拒否を訴えた。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ首相は、アナトリア通信などが報道・公開したシリア軍による逮捕者15,000人の拷問殺害に関する英カーター・ラック社の報告書および写真に関してCNN(1月22日付)に「確実に犯罪だ」としつつ「だれが関与したのかが明確ではなく、誰が犯人かを司法の場で特定すべきである」と述べた。

AFP, January 22, 2014、AP, January 22, 2014、Champress, January 22, 2014、CNN, January 22, 2014、al-Hayat, January 23, 2014、Iraqinews.com, January 22, 2014、Kull-na Shuraka’, January 14, 2014、January 21, 2014、January 22, 2014、Naharnet, January 22, 2014、NNA, January 22, 2014、Qanat al-Mayadin, January 22, 2014、Reuters, January 22, 2014、Rihab News, January 22, 2014、SANA, January 22, 2014、UPI, January 22, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン移行期民政局評議会が執行評議会(暫定政府)の発足を宣言、ムアッリム外相はジュネーブ2会議参加のためにスイスに向かう、その際「大統領の地位への接触はシリア国民にとってのレッドライン」(2014年1月21日)

反体制勢力の動き

西クルディスタン移行期民政局評議会の立法評議会(ディーワーン)は、ジュネーブ2会議開催に先立って、ハサカ県アームーダー市で執行評議会(暫定政府)の発足を宣言し、閣僚の氏名を発表した。

Kull-na Shuraka', January 21, 2014
Kull-na Shuraka’, January 21, 2014

執行評議会は、議長(首相)1人、副議長(副首相)2人、各委員会代表(閣僚)20人から構成され、各自が母語(クルド語、アラビア語、シリア語(アラム語)で就任宣誓を行った。

閣僚は以下の通り:

アクラム・ハッスー議長(首相)
イリーザービース・クーリーヤ副議長(副首相)
フサイン・アッザーム副議長(副首相)
サーリフ・カッドゥー渉外関係委員長(外務大臣、シリア・クルド左派党書記長)
アブドゥルカリーム・サールーハーン防衛自衛委員長(国防大臣)
カナアーン・バラカート内務委員長(内務大臣)
アブドゥルマスィーフ・ジューグー地方自治委員長(地方自治大臣、スィルヤーニー連合)
ラムズィーヤ・ムハンマド財務委員長(財務大臣)
ダジュワール・アフマド・アーガー労働社会問題委員長(労働社会問題大臣)
ムハンマド・サーリフ・アブドゥー教育養育委員長(教育養育大臣、シリア・クルド左派党)
サーリフ・ズーバア農業委員長(農業大臣)
アブドゥルマジード・サブリー保健委員長(保健大臣)
スィハーム・カリユー通商経済委員長(通商経済大臣、スィルヤーニー連合)
ライザーン・カッルー殉教者遺族委員長(殉教者遺族大臣)
ナハーワンド・ムハンマド・ハサン文化委員長(文化大臣)
ムハンマド・ハサン・アッブード通信運輸委員長(通信運輸大臣、ハルブ族)
ムハンマド・イーサー・ファーティマ青年スポーツ委員長(青年スポーツ大臣)
ルクマーン・アフミー環境観光遺跡委員長(環境観光遺跡大臣)
ムハンマド・カーディリー宗教問題委員長(宗教問題大臣)
アミーナ・ウマル女性家族問題委員長(女性家族問題大臣)
サンハリーブ・バルスーム人権委員長(人権大臣、スィルヤーニー連合)
ファナル・ハサン・カイート投資委員長(投資大臣)
タラール・ムハンマド通信委員長(通信大臣、平和民主党)
アブドゥルハミード・バクル法務委員長(法務大臣)
スライマーン・ハリールエネルギー委員長(エネルギー大臣)

クッルナー・シュラカー(1月21日付)が伝えた。

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クッルナー・シュラカー(1月21日付)は、民主統一党党員・支持者がハサカ県カーミシュリー市で、執行評議会(暫定政府)発足宣言を祝砲で祝ったと報じた。

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民政局発足を支持するTEV-DEM(民主社会運動)は、西クルディスタン移行期民政局暫定政府樹立に関して声明を出し、「これをもって、我々はすべての寛大なるクルド人に、この政治的関係正常化(ジュネーブ2会議)への反対の意を示すことを呼びかける。シリア・クルド国民評議会は、ローザンヌ条約をクルド人に再び押しつける手段になりさがり、歴史に何度ももてあそばれるようなことがあってはならない」と表明した。

また「クルド人の権利が保障されないまま、ジュネーブ2会議への出席を主張するのは、クルド人民、シリア国民全体への反逆である」と非難した。

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シリア革命総合委員会のアーミル・カラムーニー報道官は、反体制武装集団(シャームの民のヌスラ戦線と思われる集団)が2013年12月に誘拐したダマスカス郊外県マアルーラー市の聖タクラー修道院の修道女らを解放する条件として、5,000万ドルの身代金支払いと逮捕者約500人の釈放をアサド政権に要求している、と報じた。

クッルナー・シュラカー(1月21日付)が伝えた。

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アレッポ県で活動するダーウド旅団は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)からの脱退を宣言した。

声明によると、ダーウド旅団は、ダーイシュとそれ以外の武装集団の戦闘が激化した当初から、交渉を通じた事態の打開を望み、不関与の姿勢をとってきたという。

また、ダーイシュ脱退後は、いかなる武装集団にも属さない独立の部隊として、反体制武装集団どうしの内乱から身を遠ざけると表明するとともに、すべての武装集団に対して対立をやめるよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立はジュネーブ2会議開始にあたって声明を出し、移行プロセスにおけるアサド大統領および政権幹部の排除と、シリア人殺害に関与したすべての犯罪者の処罰を主唱した。

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ハマー県で活動する「自由シリア軍」のハマー市民旅団、ガーブの鷹連合、ハック中隊連合、第111連隊、カーディスィーヤ連合が共同声明(ビデオ声明)を出し、「革命の原則の遵守」を条件にシリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議への参加を支持すると表明した。

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イスラーム殉教者旅団、ミクダーム・ブン・ウマル旅団、アジュナード・シャーム大隊サアド・ブン・アビー・ワッカース旅団が共同声明を出し、ダマスカス郊外県ダーライヤー市で1月13日に開始した「耐え忍ぶ者には吉報を伝えよ」の戦いで、共和国護衛隊士官7人を含むシリア軍兵士70人以上を殺害した、と発表した。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議参加のためにスイスに向かう途中の機内で記者団に対して、ジュネーブ2会議を成功させ、シリア人どうしによるシリア国内での対話開始の第1歩を踏み出し、いかなる外国の介入も排除しかたちでシリア国民の意思を実現したいと語った。

SANA, January 21, 2014
SANA, January 21, 2014

また移行プロセスからのアサド政権幹部の排除を主唱するシリア革命反体制勢力国民連立などの姿勢に関して「大統領や体制に関する問題は、我々、そしてシリア国民にとってレッドラインであり…、大統領の地位について触れられることはないだろう」と述べた。

そのうえで「ジュネーブ2会議への招待状の内容は、我々の法的・政治的立場にも、シリア国民の意思にも合致しないが、我々はジュネーブに向かい、シリアと国際社会が一つになってテロと戦う基礎がもたらされることを希望している」と強調した。

SANA(1月21日付)が伝えた。

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ダマスカス県およびダマスカス郊外県のイスラーム教ウラマーとイスラーム法学校の代表らがダマスカス県旧市街にあるウマイヤ大モスクで会合を開き、ジュネーブ2会議への対応などを協議した。

「ダマスカス県・ダマスカス郊外県ウラマー会合」と銘打たれた会合の出席者は共同声明を出し、シリア国民の災難を終わらせ、テロを根絶し、国際法に反した諸外国のテロ支援を停止することをジュネーブ2会議の参加各国に呼びかけた。

またアレッポ県アレッポ市、ハサカ県ハサカ市でも「国民会合」などと銘打った会合が開かれ、バアス党や野党シリア民主党の代表など、市民団体代表者、宗教関係者らが参加、同様の呼びかけを行った。

SANA(1月21日付)が伝えた。

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ダマスカス県では、旧市街のバーブ・シャルキー地区からウマイヤ大モスクに向けて市民がろうそくを掲げてデモ行進を行い、ジュネーブ2会議の参加各国に、シリア国民に対するテロの根絶と、テロ組織への資金武器支援、戦闘員派遣を停止するよう呼びかけた。

SANA(1月21日付)が伝えた。

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FIDES通信(1月21日付)は、ギリシャ・カトリック教会アンチオキア(アンタキア)総大司教のグレゴリウス3世ラッハームの呼びかけのもと、シリアのキリスト教各派の指導者がジュネーブ2会議の成功と国民和解を祈るミサを呼びかけたと報じた。

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アサド大統領は2014年政令大5号を発し、公務員住宅の家賃滞納などに対する処罰を3ヶ月以内の納付を条件に猶予・免除することを決定した。

SANA, January 21, 2014
SANA, January 21, 2014

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シリア政府(内閣)は声明を出し、ベイルート県南部郊外(ダーヒヤ)で発生した自爆テロを非難「世界の国々は、各国を標的とするこうした卑劣なテロ行為に立ち向かわねばならない」と発表した。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がアレッポ市東部のジスル・ハッジ地区のマイクロバス発着場を爆撃し、10人が死亡、11人が負傷した。

またクッルナー・シュラカー(1月21日付)によると、アレッポ市郊外のシャイフ・ナッジャール市にあるアナトリア通信支局事務所をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃し、機材を強奪した。

一方、SANA(1月21日付)によると、アルバイド村、クワイリス村、アーミリーヤ村、アレッポ中央刑務所周辺、マーイル町東部、ダイル・ハーフィル市、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、フライターン市、ワディーヒー村、ラスム・アッブード航空基地周辺、ブラート村、ヒーラーン村、バービース村、ヤーキド・アダス村、ダイル・ジャマール村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サイイド・アリー地区、サラーフッディーン地区、ブスターン・カスル地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月21日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ドゥーマー市、ハラスター市、ダーライヤー市および郊外、ザバダーニー市、ジャイルード市、アッブ農場、キスワ市郊外、ルハイバ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(1月21日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月21日付)によると、ザーラ村、カルアト・ヒスン市、バルグースィーヤ村、クサイル市南部郊外、シャーイル山(ハマー県)西部一帯、サラーム・ガルビー村、サラーム・シャルキー村、シャンダーヒーヤ村、ウンム・リーシュ村、マスアダ村、ラッフーム村、ガースィビーヤト・ナイーム村、カフルズィーター市、ヒムス市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月21日付)によると、ナビー・アイユーブ丘で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、トルコ人、チェチェン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月21日付)によると、ダルアー市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(1月22日付)によると、第17師団基地にシリア軍ヘリコプター多数が着陸する一方、ヒムス県タドムル郡スフナ区から地上部隊がラッカ市方面に移動した。

同報道によると、軍はラッカ県制圧の準備を進めているという。

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ハサカ県では、リハーブ・ニュース(1月22日付)によると、ダイリーク市で、シリア・クルド国民評議会メンバーが所有する車2台が何者かに放火され、全焼した。


また同市にあるシリア・クルド民主党(パールティー)の事務所が何者かの発砲を受けたという。

レバノンの動き

NNA(1月21日付)などによると、ベイルート南部郊外(ダーヒヤのハーラト・フライク地区で爆弾を積んだ自動車による自爆テロが発生し、少なくとも4人が死亡、約50人が負傷した。

Naharnet, January 21, 2014
Naharnet, January 21, 2014

この自爆テロに関して、シャームの民のヌスラ戦線がツイッターを通じて声明を出し、犯行を認めた。

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ジャディード・チャンネル(1月21日付)によると、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で続く武装集団どうしの戦闘で、新たに1人が死亡、複数が負傷した。

イラクの動き

イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領は訪問先のブリュッセルで、「ジュネーブ2会議はシリア国民が自ら決定をくだす機会だが、個人的にはあまり楽観視していない」と述べた。

またシリア情勢についてバールザーニー大統領は「イラク、とくにクルディスタン地域にとって大いに懸念されている。なぜならシリアで起きることすべての影響が直接及ぶからだ…。いかなる状況であっても、武装集団がシリアで力を得られることはない…。自由シリア軍を構成する集団は…アサド政権にとって代わる準備ができていない」と付言した。

リハーブ・ニュース(1月21日付)などが伝えた。

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イラク覚醒大会のアフマド・アブー・リーシャ議長は声明を出し、アンバール県での軍・治安部隊によるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の掃討作戦に関して「ファッルージャ市への軍事攻撃は今後は行われないだろう。いわゆるダーイシュのテロリストはほとんど殲滅された…。イラク軍はファッルージャ市をほとんど攻撃しなかった。なぜなら部族の民兵が警察部隊に協力し、市民を守ったからだ」と述べた。

諸外国の動き

ジュネーブ2会議への招待を撤回されたイランのアッバース・アラークジー外務副大臣は、イラン国営テレビに対し「シリア(の紛争)の実質的解決の機会はイラン抜きでは大きくないことを皆が知っている…。すべての当事者が参加しない限り、シリアの問題の包括的解決は不可能であることは明白だ」と述べた。

アラークジー副大臣はまた「解決策が制限されるような前提条件を受け入れることはない」と強調、「参加者がどのように一方的な合意に到達しようとするかに注目する」と付言した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、イランのジュネーブ2会議への招待が撤回されたことに関して記者団に「明らかに間違えだ」と非難した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、訪問先のブリュッセルで記者団に対して「人道主義は動かねばならない。人道主義はもはや待つことはできない…。我々が消極的なままでいれば、この会合(ジュネーブ2会議)の結果は失望以外の何ものでもなくなってしまう」と述べた。

そのうえで、「誰がバッシャール・アサドにとってかわることができるかを十分自問してきた。しかし現政府より悪いものはない、この惨状より悪いものはない…。アサドが去れば、国民の意思がシリアを治めることになろう…。国民の選択こそがアサドにとって代わるものだ」と強調した。

AFP(1月21日付)が伝えた。

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マリー・ハーム米国務省副報道官は、アサド政権下で11,000人が拷問殺害されたとのアナトリア通信の報道に関して「おそらくは政権側によって広範かつ体系的な違反行為が行われたことを示している」と非難した。

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ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は、国連安保理会合で、シリア情勢に関して「政治的解決こそが唯一の解決策だ」としたうえで、ジュネーブ2会議を「シリア国民の意思に沿った政治的解決に迷わず到達せねばならない機会」と述べた。

また移行プロセスについては、ジュネーブ合意の文言にもっとも忠実な姿勢を示し、「すべての当事者の総意を通じた政治的移行の実現」の必要を強調した。

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イラン抵抗国民評議会(モジャーヘディーネ・ハルグ)はパリで声明を出し、イラン政府によるシリアへの内政干渉を非難すると表明した。

AFP, January 21, 2014、AP, January 21, 2014、Champress, January 21, 2014、FIDES, January 21, 2014、al-Hayat, January 22, 2014、Iraqinews.com, January 21, 2014、Kull-na Shuraka’, January 21, 2014、al-Jadid TV, January 21, 2014、Naharnet, January 21, 2014、NNA, January 21, 2014、Reuters, January 21, 2014、Rihab News, January 21, 2014, January 22, 2014、SANA, January 21, 2014、UPI, January 21, 2014などをもとに作成。

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シリア国民評議会がジュネーブ2会議への参加を決定したシリア革命反体制勢力国民連立からの脱会を発表するなか、国連事務総長がイランに同会議への正式な招待状を送付したと発表(2014年1月20日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(1月20日付)は、「自由シリア軍」の複数の消息筋の話として、シャームの民のヌスラ戦線の外国人戦闘員がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)への共感を強めていると報じた。

Kull-na Shuraka', January 20, 2014
Kull-na Shuraka’, January 20, 2014

ヌスラ戦線の外国人戦闘員は、ダーイシュと反体制武装集団の交戦を、ダーイシュによるシリア人への裏切りだと感じる一方、将来、自分たちも排斥されることを懸念しているという。

また、同消息筋によると、ダーイシュからヌスラ戦線へと所属変更した外国人戦闘員の存在が、ヌスラ戦線内のシリア人との対立を助長し、ヌスラ戦線の分裂を招く危険があると指摘したという。

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アラビーヤ・チャンネル(1月20日付)は、「自由シリア軍」によって捕捉されたイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の複数の戦闘員の証言映像を放映した。

映像のなかで、戦闘員の一人は「シリアで自由軍となぜ戦っているのか分からないが、組織の命令に従ってそうした」と証言した。

また別の戦闘員は、ダーイシュの別の武装集団から「離反士官や兵士を政権に引き渡すよう命令を受けた」と証言した。

映像は、ダーイシュへの資金援助者から入手したという。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)ラッカ州(ウィラーヤト・ラッカ)は声明を出し、商店での音楽、歌、男女の写真を禁じるとしたうえで、違反者はシャリーアに基づき処罰する発表した。

イスラーム教はこれらの行為を禁じているのだという。

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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長は声明を出し、12月11~12日の執行部会号での決定に従い、ジュネーブ2会議への参加を決定したシリア革命反体制勢力国民連立から脱会すると発表した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は声明を出し、潘基文国連事務総長に、委員会、クルド最高会議に、シリア革命反体制勢力国民連立とともに、民主的で、バランスがとれ、納得がいくようなかたちですべての当事者を代表する代表団を結成するよう書面で要請するよう求めた。

そのうえで、適切な状況が整うまで、ジュネーブ2会議の開催を延期するよう呼びかけるとともに、逮捕者釈放を求め、クルド最高委員会、連立などとの統合的な「愛国的民主的同盟」の結成をめざすと表明した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シリア領からレバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村一帯へのロケット弾・迫撃砲弾による攻撃を批判、アサド政権によるものだと断じた。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカスでAFPの単独インタビューに応じ、SANAが映像(http://youtu.be/Z0LZPJK1lJAなど)を公開した。

SANA, January 20, 2014
SANA, January 20, 2014

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り(英語版はhttp://sana.sy/eng/21/2014/01/20/523329.htm):

「我々が常に述べてきた自明のことは、ジュネーブ2会議がシリアでのテロとの戦いに関する明白な結果を導くこと(への期待)だ。とりわけテロリストを送り込み、テロ組織に資金や武器を送ってきたサウジアラビア、トルコといったテロ輸出国に圧力をかけることだ。もちろん、こうしたテロ組織を政治的に隠蔽してきた西側諸国に対してもだ…。テロとの戦いを欠いたいかなる政治的結果も価値はなく、政治的行動も不可能となろう。テロはシリアだけでなく、近隣諸国などあらゆる場所に拡がっている。政治的側面について言うと、ジュネーブ2会議がシリア人の対話プロセスを支える要素になり得よう。しかし、シリアで行われるシリア人のプロセスがなければならなず…、ジュネーブ2はシリア国内の…政治プロセスの代わりにはなり得ない」。

「国民が願望し、国民全体が志向し、世論が私の立候補を望むのなら、私は1秒たりともためらわず、このステップ(大統領選挙への立候補)を踏む」。

「自分の国を守るとき、勝利の可能性のみが唯一の可能性であることは自明だ。なぜなら、シリアがこの戦いで敗北することは、中東地域全体の混乱を意味するからだ…。西側メディアには、この戦いが国民を弾圧する体制に対する民衆革命、民主主義と自由のための革命であるとのイメージがあった。しかしこうした嘘は今や人々の間で明らかになった。3年も続く革命が失敗することはあり得ない。革命が祖国に関わる争点ではなく、外国の争点を担うことも当然あり得ない」。

「この戦争は、私が勝つためにやっている私だけの戦争ではない。シリア人である我々の戦争だ。この戦争には…二つの段階がある。第1の段階は、当初に計画されていたもので、シリア国家の崩壊をめざすものだ…。我々は3年を経て、この段階が頓挫したと言える。すなわちシリア国民はこの段階において勝利した…。もう一つの段階はテロとの戦いという段階だ。我々が身を置いているのはこの段階であり…、まだ終わってはいない。テロリストを殲滅するまで、この段階での勝利について語ることはできない…この手の戦いは複雑で用意でない。長い時間を要する。しかし我々は前進していると繰り返し明言したい」。

(ヒズブッラーの戦闘員のシリアからの撤退などを求める姿勢を支持するか否かに関して)「外国人戦闘員の退去について話すのであれば、彼らの退去、シリア人を含む武装集団の武装解除、安定実現といったパッケージの一部としてなされてしかるべきだ。そして私の答えは当然、シリア人以外のすべての戦闘員のシリア国外への退去に賛成する、というものだ」。

「我々は(ジュネーブ2会議に)誰が来るのかまだ知らない。分かっているのは、カタールであれ、サウジアラビアであれ、フランスであれ、米国であれ、外国の諜報機関が作り出した当事者と席をともにするということだ…。こうした勢力と交渉するとき、我々はその背後にいて、テロを支援する国と交渉することになる。むろん、祖国に関わる争点を担っている反体制勢力もいる。我々はこうした勢力とシリアの将来のヴィジョンをめぐって交渉できる。こうした勢力は我々とともにシリア国家の運営に参加できるだろう…。しかしいかなる当事者とであれ、あらゆる合意は…国民の合意を受けねばならない。これはシリア国民が参加する信任投票を通じてなされるだろう」。

(反体制勢力が首班を輩出するかたちでの移行期政府を認めるか否かに関して)「反体制勢力が多数を代表し、国会で多数派をなすなら、首班を勤めるのは当然だ…。しかし多数派を占めないのに、反体制勢力が首班を得るのは政治的論理に反する…。(シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長らは)去年、シリア国内の70%を制圧したと言っていた。しかし自分たちが解放したという70%の地域に来ようとはしなかった。ほんの30分ほど国境地帯に入り、その後シリアから逃げ去っただけだ。彼がどうして閣僚になれるのか?外国から来た人間が閣僚になれるのか?まったく現実的でない」。

「数ヶ月ほど前、シリアにいる過激なテロ集団が、西側が「穏健」とのイメージを与えようとしていた勢力…、いわゆる自由シリア軍の最後の拠点を破壊したことを、我々皆が知っている。自由シリア軍などもはや存在しない。我々は過激派勢力に対峙している…。西側メディアでどのような名前で呼ばれているかはともかく、我々が今戦っているのは過激なテロ集団という一つの当事者なのだ」。

(反体制武装集団とシリア軍との共闘に関して)「軍に加わりテロリストと戦いたいといういかなる当事者とも協力する…。多くの武装集団がテロ組織を離れ、軍に加わり、戦うという事例は多くある…。しかしこれは個人レベルでの話だ。テロ組織と戦うために穏健な勢力と軍が同盟すると言うことはできない」。

(サウジアラビア、カタール、トルコとの和解は可能かとの問いに)「これらの国はテロを支援している。これらの国はシリアでの殺戮に参加している…。シリア国民はこれらの国と利益を共有することを受け入れるだろうか?…シリア国民の代わりに答えたくはない」。

(化学兵器廃棄プロセスがいつ完了するかに関して)「行程は…自国領内で化学物質の無力化を一部諸国が受け入れるかどうか…にかかっている。それゆえシリアがこの問題の行程を特定することはできない」。

(レバノン特別法廷の開廷に関して)「我々は9年間この法廷について公正なのか、と述べてきた。あるときは政治的な理由である当事者に嫌疑をかけてきた。最近になっても、この事件に誰が関与したかを示す具体的な証拠を見てはいない。しかし別の問いもある。このタイミングで開廷したことの秘密とは何かというものだ…。これまで起きていることのすべては政治化されたものであり、その目的がレバノンのヒズブッラーに圧力をかけることにあると考えている。ラフィーク・ハリーリー元首相暗殺直後、その目的がシリアに圧力をかけることにあったようにだ」。

(西側の諜報機関がシリアとの関係改善を望んでいるとの報道に関して)「多くの国の多くの諜報機関と複数にわたって会合を持った。だが我々は、治安協力が政治的支援を切り離すことができないと答えてきた。政治的支援は、これらの国がシリアへの敵対的な姿勢をやめなければ可能ではない」。

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アサド大統領は前日に引き続き、ダマスカスを訪問中のロシアの国会議員、宗教関係者などからなる使節団(セルゲイ・ガヴリロフ連邦議会下院資産委員会委員長が団長)と会談し、ジュネーブ2会議への対応について集中的に協議した。

SANA(1月20日付)によると、アサド大統領は会談で「大会で合意されるいかなるものも、シリア国民に受諾されない限りは成功したと記録されることはない」としつつ、いかなる政治的解決も何よりもまず、テロの完全停止、テロ支援国家による国際法の遵守が求められると強調した。

会合には、ウムラーン・ズウビー情報大臣、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣らが同席した。

国内の暴力

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(1月20日付)によると、対トルコ国境に位置するバーブ・ハワー国境通行所などで、爆弾を積んだ自動車2台が自爆し、数十人が負傷し、トルコ領内に搬送された。

2台の車のうち、1台目は検問所入り口を、2台目はバビスカー村にあるイスラーム旅団の検問所を標的としていたという。

AFP(1月20日付)によると、この連続自爆テロで反体制武装集団戦闘員6人を含む16人が死亡した。

これに関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の犯行である可能性が高いと述べた。

一方、SANA(1月20日付)によると、ガッサーニーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の指導者の一人ズィヤード・アブー・カアカーア氏ら複数の外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月20日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ドゥーマー市、アッブ農場、ヒジャーリーヤ農場、ハラスター市、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市周辺、ザバダーニー市、マダーヤー町、ランクース市郊外、ヤブルード市、スィルガーヤー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装集団は前日に引き続き、サイドナーヤー町のシールービーム修道院に対して迫撃砲などで攻撃した。

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ダマスカス県では、SANA(1月20日付)によると、ジャウバル区東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月20日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ヒルバト・ブルグラーン村、ヒルバト・バイト・アーガー村、タッル・ビンシュ村、ワーディー・ヒワーラで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(1月20日付)によると、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、フライターン市、ブザーア村、ラスム・アッブード村、発電所地区周辺、ダイル・ハーフィル市、アレッポ市カースティールー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ではサイイド・アリー地区、ハミーディーヤ地区、サーフール地区、アンサーリー地区、ハイダリーヤ地区、ブスターン・カスル地区、マルジャ地区、ダウワール・トゥルカーウィー地区、バニー・ザイド地区、ダイル・ジャマール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月20日付)によると、ダルアー市旧税関地区など各所、サルミーン市、サイダー町、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダルアー市空港地区、サビール地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供1人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月20日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ウルフィー地区、工業地区、ジーマ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(1月20日付)によると、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で続く戦闘での死者が6人に達した。

イラクの動き

イラキー・ニュース(1月20日付)は、アンバール県ラマーディー市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の掃討を行う治安部隊に従軍していたファッルージャ・チャンネルのフィラース・ムハンマド・アティーヤ記者が戦闘に巻き込まれて死亡したと報じた。

また、ラマーディー市東部のハーリディーヤ地区で治安部隊がダーイシュと交戦した。

さらに、対テロ部隊はラマーディー市のブー・バーリー地区で拉致された兵士4人の遺体を発見した。

このほか、ラキー・ニュース(1月20日付)は、アンバール県カルターン地方で、治安部隊がダーイシュの指導者の一人イスマーイール・ラティーフ氏を殺害したと報じた。

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アドナーン・アサディー内務大臣代理は、バグダード県で開催された部族代表らの大会で「ファッルージャのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、現下の政治プロセスを覆し、バグダードを支配するに十分な高度の武器を持っている」と警鐘を鳴らした。

イラキー・ニュース(1月20日付)が伝えた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、「参加を表明するイランは…シリアの危機解決の一部を構成すべき」と述べ、ジュネーブ2会議への正式な招待状をイランに送付したと発表した。

これを受け、イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は声明を出し、イランがジュネーブ2会議への正式な招待状を国連の潘基文事務総長から受け取ったことを明らかにした。

またアブドゥッラフヤーン副大臣は、「ジュネーブ合意(2012年6月)の拒否が受け入れられた」と強調した。

IRNA(1月20日付)が伝えた。

一方、ジェニファー・サキ米国務省報道官は、潘基文国連事務総長がイランをジュネーブ2会議への正式に招待したことに関して、「アサド政権のシリア国民に対する蛮行にイランが与していることに深い懸念」を改めて表明し、「ジュネーブ合意(2012年6月)を完全かつ公に受諾」していないと述べ、難色を示した。

またフランスのフランソワ・オランド大統領は、ハーグの化学兵器禁止機関本部で演説し、ジュネーブ2会議での対話に参加するすべての国、政治勢力は、政治的移行期に関する考えを受け入ればならない、と述べ、2012年のジュネーブ合意を受諾していないイランの参加に暗に難色を示した。

ローラン・ファビウス外務大臣も、潘基文国連事務総長がイランをジュネーブ2会議への正式に招待したことに関して、「潘事務総長の招待状には、シリアでの移行期政府の自立が目的だと明記されている…。ジュネーブ2会議への参加は、このことを承認すると明確に同意することが条件となる」と難色を示した。

さらに、イギリスのウィリアム・ヘイグ外務大臣は、潘基文国連事務総長がイランをジュネーブ2会議への正式に招待したことに関して「ジュネーブ合意に同意すると述べた場合に限り、参加できるだろう」と述べた。

他方、シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、潘基文国連事務総長がイランをジュネーブ2会議に正式に招待したことを受け、連立政治委員会がこの招待を撤回するまで大会への参加を凍結する、と発表した。

またシリア革命反体制勢力国民連立は、潘基文国連事務総長がイランをジュネーブ2会議への正式に招待したことに関して声明を出し、「グリニッジ標準時19時00分までに国連がイランへの招待を撤回しなければ、今週のスイスでの和平会談に出席しない」と発表した。

これに対し、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、イランのジュネーブ2会議参加に西側諸国が難色を示していることに関して「イランの欠席は許されない過ちとなる」と警鐘を鳴らした。

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イラン側によるジュネーブ合意受諾拒否を受け、国連のマーティン・ニスルキー報道官は声明を出し、「潘事務総長は、ジュネーブ合意に関する世界の総意に加わるようイランに求めている…。潘事務総長は、イランが参加しないかたちでモンテローで初日の会合を開催することを決定した」と発表した。

またニルスキー報道官は「潘事務総長はイランがシリアの移行プロセスへの支援を拒否したことに失望を感じている」と付言した。

これを受け、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、潘国連事務総長がジュネーブ2会議へのイランの招待を撤回したことに歓迎の意を示し、大会に参加することを確認した。

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イタリアのエマ・ボニーノ外務大臣は、ジュネーブ2会議開催を控え、シリア情勢に関して「シリア国内で支援を必要とする人のために人道的停戦」を呼びかけた。

『ハヤート』(1月21日付)が伝えた。

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トルコのアナトリア通信(1月20日付)は、シリア軍として13年間勤務していた元憲兵が、アサド政権のもとで体系的に拷問を受けて死亡した約11,000人の写真約55,000枚(英カーター・ラック社報告書)を持ち出したと報じ、その一部を掲載した。

この元憲兵は仲間とともに2年間かけてこれらの写真を持ち出したという。

AFP, January 20, 2014、Alarabia.net, January 20, 2014、Anadolu Ajansı, January 20, 2014、AP, January 20, 2014、Champress, January 20, 2014、al-Hayat, January 21, 2014、Iraqinews.com, January 20, 2014、Kull-na Shuraka’, January 20, 2014、Naharnet, January 20, 2014、NNA, January 20, 2014、Reuters, January 20, 2014、Rihab News, January 20, 2014、SANA, January 20, 2014、UPI, January 20, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民評議会のサブラー事務局長が「無条件、無保障のもとで強いられた」ジュネーブ2会議への不参加を貫徹すると発表、イスラーム国指導者は反体制武装集団に対して和解およびアサド政権との戦闘への専念を呼びかけ(2014年1月19日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立を主導するシリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長は声明を出し、国際社会が連立に「無条件、無保障」でのジュネーブ2会議参加を強いたと批判し、従来の執行部の方針に従い、ジュネーブ2会議への不参加を貫徹すると発表した。

Kull-na Shuraka', January 19, 2014
Kull-na Shuraka’, January 19, 2014

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イスラーム戦線のアブー・ウマル・アドウ氏はツイッターに、「シリアの未来は英雄の地において、戦線で流される血によって作られるのであって、自分たちさえも代表していない者たちが出席する「空っぽども」の大会においてでない」と綴り、ジュネーブ2会議への参加を改めて拒否した。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏は音声声明を出し、反体制武装集団に対して和解と、アサド政権との戦闘に専念するよう呼びかけた。

声明のなかでバクダーディー氏は「ダーイシュはあなた方に手を差し伸べ、互いに自制し、ヌサイリー派(アラウィー派)に専念しよう。これは、シャームの国においてアッラーのためにジハードをするすべてのムジャーヒディーンへの呼びかけである。戦いは、イスラームのウンマの戦いである」と述べた。

また、バグダーディー氏はイラク情勢に関して、イラクのスンナ派に対して、アンバール県でイラク軍と戦うよう呼びかけた。

バクダーディー氏は「機は熟した。これはあなた方が失ってはならない機会だ…。サファヴィー主義者たち(イラク軍)との戦いの戦陣を切り、戦列にとどまり…、バグダード、南部に進軍し、ラーフィディーンたちを…追い込もう。あなた方の家族、部族を引き渡さないようにしよう」と述べた。

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イスラーム戦線、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、ムジャーヒディーン軍が共同声明を出し、国民の権利を侵害するシリアのいかなる勢力との交渉しないことを改めて確認した。

声明で3組織は、「トルコ、カタール、友好諸国による革命支援」に謝意を示すとともに、以下の条件を満たさないいかなる政治的解決も拒否すると表明した。

1. 逮捕者の即時釈放、包囲されている地域の包囲解除、砲撃注視、人道支援の搬入促進。
2. 政権退陣、治安機関解体と政権幹部の処罰。
3. 宗派主義的民兵のシリア国外からの退去。
4. 将来の国家像確定への不干渉、イスラーム的アイデンティティー否定の押しつけ拒否。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカスを訪問したロシアの国会議員、宗教関係者などからなる使節団(セルゲイ・ガヴリロフ連邦議会下院資産委員会委員長が団長)と会談し、シリア情勢などについて協議した。

SANA, January 19, 2014
SANA, January 19, 2014

使節団は、「テロに勇敢に立ち向かうシリア国民」との連帯の意を示す一方、アサド大統領は、「国際法や諸国民の利益に根ざしたロシアのシリアに対する姿勢」を高く評価した。

SANA(1月19日付)が伝えた。

この会談に関連して、インテルファクス通信(1月19日付)は、アサド大統領が使節団との会談で、自身の大統領任期終了(2014年7月)前に大統領選挙を実施するための「拡大挙国一致内閣」の発足などを骨子とする提案を行ったと報じた。

しかしシリア大統領府は声明を出し、インテルファクス通信の報道内容を「不正確」だと否定した。

国内の暴力

ダマスカス県では、PLO駐シリア代表部のアンワル・アブドゥルハーディー大使によると、ヤルムーク区への人道支援物資の搬入と並行して、「深刻な人道状況に曝されていた」妊婦や幼児など約50人が治療のためにキャンプの外に搬送された。

アブドゥルハーディー大使によると現在約100人が治療などのために同地区で待機しているという。

またアブドゥルハーディー大使は19日に行われた人道支援物資第1陣(300箱)の搬入に続き、第2陣(400箱)の搬入が20日に行われることを明らかにした。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、フライタ村、タルフィーター村、カラムーン地方のシールービーム修道院周辺を軍が砲撃・爆撃、また同修道院周辺で、軍、国防隊が、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(1月19日付)によると、サイドナーヤー町のシールービーム修道院を襲撃しようとした反体制武装集団を軍が撃退、外国人戦闘員を殺傷し、イスラエル製の武器、米国製の危機などを押収した。

しかし、シリア革命総合委員会は、「自由シリア軍」とシャームの民のヌスラ戦線からなる「革命家」がサイドナーヤー町一帯における戦略的要衝であるシールービーム修道院を制圧したと発表した。

また、SANAによると、ハラスター市、ヒジャーリーヤ農場、ダーライヤー市および同市郊外、ジャイルード市、ムライハ市、ザバディーン市、ダイル・アサーフィール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のマサーキン・ハナーヌー地区、アシュラフィーヤ地区、フライターン市、バラダ村、ジュダイダ地区に対して軍が「樽爆弾」を投下した。

またマアーッラト・アルティーク村で、軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団はナイラブ航空基地を砲撃した。

このほか、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がマンビジュ市近郊の私立イッティハード大学を制圧し、同市北部で反体制武装集団と交戦した。

また、アアザーズ市に近いバーブ・サラーマ国境通行所で反体制武装集団によって頭を切断された死亡した女性1人の遺体が発見された。

シリア革命総合委員会によると、この女性は、ダーイシュによって送り込まれたチュニジア人で、自爆ベルトを着用して自爆未遂を起こして処刑されたのだという。

一方、SANA(1月19日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、バーブ市、ハンダラート・キャンプ、アルバイド村、マアーッラト・アルティーク村、カフルナーハー村、ラスム・ウカイリシュ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、サーリヒーン地区、ジャズマーティー地区、ダウワール・ハルワーニーヤ地区、バニー・ザイド地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(1月19日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が撤退したサフラビーヤ村で、民間人や反体制武装集団戦闘員の遺体41体が発見された。

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ヒムス県では、SANA(1月19日付)によると、レバノン領内からクサイル市郊外各所に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またヒムス市ワアル地区、ダール・カビーラ村、スルターニーヤ村、ウンク・ハワー村、タルビーサ市、ヒルバ村、ヌアイマ村・ハスワーニー農場・タラール・ウブーディーヤ一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月19日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、ハウィーカ地区、ブーライル村、マヤーディーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(1月19日付)によると、タワーリージュ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月19日付)によると、ダルアー市旧税関地区周辺、カスル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また通信公社職員2人が反体制武装集団に襲撃され、負傷した。

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クナイトラ県では、SANA(1月19日付)によると、マジュダル・シャムス村で19歳の青年が反体制武装集団に狙撃され、負傷した。

レバノンの動き

NNA(1月19日付)によると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区での前日からの武装集団どうしの交戦で、1人が死亡、24人が負傷した。

イラクの動き

イラキー・ニュース(1月18日付)によると、イラク軍はアンバール県ラマーディー市のブー・バーリー地区で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員を殲滅、同地区を奪還した。

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イラキー・ニュース(1月19日付)は、治安筋の話として、キルクーク県リヤード地方で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の指導者1人イブラヒーム・アサーフィー氏が逮捕されたと報じた。

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ヌーリー・マーリキー首相はジョー・バイデン米副大統領と電話会談し、軍によるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)掃討作戦への米国の協力などについて協議した。

ホワイトハウスが発表した声明によると、両者は会談で、アンバール県の部族長らとの連絡継続の重要性を確認したという。

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イラク国民議会議員のアーリヤ・ヌサイフ女史(自由イラク・ブロック)はイラキー・ニュース(1月19日付)に対し、「シリアとイラク両国のテロ問題は、同じ政治的・地理的理由によるもので、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)はこの二国があたかも一つの国であるように考えて、犯罪行為を行っている」としたうえで「イラク政府はジュネーブ2会議を開催する国々に、イラクでのテロとの戦いを支援し、この問題とシリア人とともに議論することを求めるべきだ」と述べた。

諸外国の動き

CNN Turk(1月19日付)は、トルコ警察はシリア南東部の街道で、貨物トラック複数台の積荷の取り調べを行い、武器密輸容疑で運転手3人を逮捕したと報じた。

同報道によると、この3人はシリアへの戦闘員の潜入支援、資金援助、アル=カーイダへの武器供与などの疑いをかけられているという。

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フランスのマヌエル・ヴァルス内務大臣は、約12人のフランス人青年が「ジハード」に参加するためにシリアに向おうとし、その一部がシリアに入国したと述べたうえで、「こうした現象が過去数週間、そして2013年末に増加している」ことを明らかにした。

『ハヤート』(1月19日付)が伝えた。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣はUAEのアブダビでアブドゥッラー・ビン・ザーイド外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

両外相は「シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定を歓迎する」と発表した。

『ハヤート』(1月20日付)が伝えた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定を「困難な決断」だったと評価した。

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国連の潘基文事務総長は、シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定を「交渉による政治的解決のための勇敢で歴史的ステップ」と評価、女性を含むシリアの多元的な反体制勢力を広く代表した代表団の結成を注視していると述べた。

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ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣はシリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定に関して、「正しい決定だ。我々は常に、この会議に参加し、政府と対話を始めねばならないと行ってきた」と述べた。

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パレスチナのファタハの駐カイロ事務所は声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区のパレスチナ難民を救済するための寄付を20日から3日間にわたって募ると発表した。

UPI(1月19日付)が伝えた。

AFP, January 19, 2014、AP, January 19, 2014、Champress, January 19, 2014、CNN Türk, January 19, 2014、al-Hayat, January 19, 2014, January 20, 2014、Interfax, January 19, 2014、Iraqinews.com, January 19, 2014、Kull-na Shuraka’, January 19, 2014, January 20, 2014、Naharnet, January 19, 2014、NNA, January 19, 2014、Reuters, January 19, 2014、Rihab News, January 19, 2014、SANA, January 19, 2014、UPI, January 19, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立が総合委員会における「賛成多数」でジュネーブ2会議への参加を承認、米仏独はこの動きを歓迎(2014年1月18日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会は17日からのマラソン協議での採決の結果、賛成多数でジュネーブ2会議への参加を承認した。

Kull-na Shuraka', January 18, 2014
Kull-na Shuraka’, January 18, 2014

しかし、クッルナー・シュラカー(1月18日付)によると、代表メンバー121人(定数は122人)のうち出席したのは73人(44人が脱会、4人が欠席)のみで、うち賛成は58人、反対は14人、白票は1人だった。

これに関して、ロイター通信(1月17日付)は、アナス・アブダ氏の話として、総合委員会での採決には定数の3分の2以上の賛成を必要とするが、会合では、出席への賛成票が反対票を僅差で上回り、出席が承認されただけだった、と報じていた。

アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はシリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定に関して「ジュネーブ2会議は、最低限の(路線の)修正をも行うことなく、シリア大統領の退陣とその処罰をはじめとする革命家たちの要求を完全に実行するために向かう進路である」と自賛した。

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シリア革命反体制勢力国民連立総合委員会でのジュネーブ2会議参加決定に関して、法務委員会が会合を開き、その採決の有効性を審査した。

クッルナー・シュラカー(1月18日付)などによると、審査では、ジュネーブ2会議参加決定と設立合意(2012年11月11日)第5条の「連立は体制とのいかなる対話、交渉をも行わない旨遵守する」との文言との齟齬の有無に議論が集中した。

6人の委員のうち、ヒシャーム・ムルーワ氏、マルワーン・ハッジュー氏、フサイン・サイイド氏(電話で参加)、ジャマール・ワルド氏(電話で参加)が設立合意の改正の必要を主張する一方、ハイサム・マーリフ委員長とムナー・ムスタファー氏は、ジュネーブ2会議参加の準備を行うとした2013年11月10日付の総合委員会決定に沿った動きであるため、設立合意の改正は不要との立場をとった。

委員会は最終的な判断を下さず、設立合意修正をめぐって意見が割れたことを総合委員会に報告することを決定し、閉会した。

Kull-na Shuraka', January 18m 2014
Kull-na Shuraka’, January 18m 2014

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シリア革命民主的変革諸勢力に残留する人民自由潮流のハーリド・ナースィル代表は声明を出し、シリア国民評議会の決定に同調し、ジュネーブ2会議への参加に反対すると表明した。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はユーチューブを通じてビデオ声明を出し、「シリア革命は平和的に始まり、武装を余儀なくされた。我々は今日、政権の政治的移行を保障し、勇敢なシリア国民の革命の目的を実現するあらゆる解決策を支持する」と表明した。

また「ジュネーブに行く同胞たちに、犯罪者バッシャールとその取り巻きの退陣をはじめとする…革命の諸目的を誇示するよう求める…。シリアの将来において彼には何の役割はない…。またシリア人殺戮と国の破壊に関与した軍治安機関幹部の退陣、軍、治安機関を含むあらゆる権限を持った移行期統治機関の設置(を求める)…。逮捕者、とりわけ女性と子供の釈放…、包囲されているダーライヤー、ムウダミーヤト・シャーム、ヒムス、ヤルムークなどの地域への人道支援を保障するための人道回廊の即時開設…を求める」と強調した。

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しかし、自由シリア軍参謀委員会のイヤード・ジュムア氏は声明を出し、パリでのシリアの友連絡グループ外相会議がアサド大統領の退陣を明言しなかったとして、ジュネーブ2会議への参加を拒否すると述べた。

シリア革命総合委員会が伝えた。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカスで、米国、スウェーデン、スイス、レバノン、シリアのキリスト教福音教会(米長老派教会中東支部長のアムジャド・ビブラーウィー氏が団長)の使節団と会談した。

SANA, January 18, 2014
SANA, January 18, 2014

会談でアサド大統領は、「数世紀にわたり統合、慈愛、友愛によって特徴づけられてきたシリア社会は、決してワッハーブ・タクフィール主義思想を受け入れることはない…。この危険思想は、シリアだけでなく、地域全体を脅かしている」と述べた。

また「我々の地域への米国や西側諸国の対応が抱える根本的な問題の一つは、その指導者のほとんどが地域の実態や本質、諸国民の利益への真の理解からほど遠く、自分たちの狭量な利益に従って行動していることだ」と批判した。

SANA(1月18日付)が伝えた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市、サーフール地区、バーブ街道地区、カルム・ジャバル地区を軍が爆撃し、子供を含む10人が死亡した。

またバーブ市では、軍が「樽爆弾」を投下し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員5人と男性1人が死亡した。

このほか、軍はジュマイマ村、バルダ村にも「樽爆弾」を投下した。

一方、ラトヤーン村、マンビジュ市では、反体制武装集団がダーイシュとの交戦の末、同村を制圧した。

しかし、シリア革命総合委員会によると、ラトヤーン村では、ダーイシュが撤退したもの、軍が「樽爆弾」などで爆撃したという。

またアアザーズ市郊外のジャースィル村では、ダーイシュが爆弾を積んだ車でイスラーム戦線タウヒード旅団の検問所に自爆攻撃を行い、旅団戦闘員9人が死亡した。

他方、SANA(1月18日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市では、シャイフ・ナッジャール地区、旧市街、サイイド・アリー地区、サーリヒーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マルジュ村一帯、ダーライヤー市を軍が爆撃・砲撃、またダーライヤー市では軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(1月18日付)によると、アドラー市旧市街、同ウンマーリーヤ地区、マディーラー市、ハムーリーヤ市、アイン・タルマー村、アーリヤ農場、ダーライヤー市、ザバダーニー市、ジャイルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア人権監視団によると、アレッポ県、ダマスカス郊外県以外でも、ラタキア県、ダルアー県、ハマー県で、軍が爆撃を行った。

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ダマスカス県では、リハーブ・ニュース(1月18日付)によると、ヤルムーク区に国連の人道物資が搬入された。

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ヒムス県では、SANA(1月18日付)によると、レバノン領内からクサイル市南部郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またアイン・フサイン村、ハーリディーヤ村、サラーム・シャルキー村、ラッフーム村、ウンム・サフリージュ村、サアン村、ダール・カビーラ村、南マシュジャル村、シャーイル山(ハマー県)西部、アブー・アラーヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月18日付)によると、ヨルダンから潜入を試みた反体制武装集団を軍が撃退した。

またアーイブ村、ダルアー市各所、インヒル市、アトマーン村・ヤードゥーダ村間の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月18日付)によると、バドリーヤ村、ムナイズィラ村、フサイニーヤ村、サラーキブ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(1月18日付)によると、タッル・ハミース市および同市周辺などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ナハールネット(1月18日付)によると、ベカーア県バアルベック郡のアルサール村、ラアス・バアルベック村に、シリア領から発射されたロケット弾多数が着弾し、3人が負傷した。

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NNA(1月18日付)によると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で、武装集団が交戦し、2人が狙撃され、負傷した。

イラクの動き

イラキー・ニュース(1月18日付)は、治安筋の話として、治安部隊がアンバール県アーミリーヤ・ファッルージャとバービル県ジュルフ・シャーキルで、指名手配中の「テロリスト」7人を逮捕、またアンバール県での軍の爆撃を逃れ、ジュルフ・シャーキルに潜伏していたイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の隠れ家を発見したと報じた。

また、アンバール県北部でも、ダーイシュの戦闘員3人を逮捕した。

さらに、イラク軍・治安部隊合同作戦司令部によると、県西部のカーイム地方で、軍・治安部隊はダーイシュのシリア人戦闘員1人を逮捕し、ダーイシュのボート3隻を破壊した。

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イラク軍対テロ部隊のファーディル・バルワーリー司令官はフェイスブック(1月18日付)で、一部の住民がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の非イラク人をかくまっている、と批判した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は、シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定を「勇敢な採決」と評価、「交渉を通じて政治的移行プロセスにいたる最善の道を選んだシリアの反体制勢力を支持し続けるだろう」と述べた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定を「勇敢な選択」と評価した。

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ドイツのフランク・ヴァルター・シュタインマイアー外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ2会議参加決定を「シリアの人々にとってかすかな望みがつながれた」と評価した。

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駐国連ノルウェー代表部はニューヨークで、シリアのダマスカス郊外県での化学兵器攻撃を逃れたというシリア人3人との懇談会を主催した。

懇談会に出席したシリア人は、アサド政権の民兵による犯罪を非難、国際社会、とりわけ米国に介入を求めた。

AFP, January 18, 2014、AP, January 18, 2014、Champress, January 18, 2014、al-Hayat, January 19, 2014、Iraqinews.com, January 18, 2014、Kull-na Shuraka’, January 18, 2014、Naharnet, January 18, 2014、NNA, January 18, 2014、Reuters, January 18, 2014、Rihab News, January 18, 2014、SANA, January 18, 2014、UPI, January 18, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立が民主的変革諸勢力国民調整委員会に対しジュネーブ2会議参加拒否を撤回するよう説得を試みる、イスラーム国がアレッポ県ジャラーブルス市を再制圧し「自由シリア軍」兵士6人を処刑(2014年1月17日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(1月17日付)は、アレッポ県、イドリブ県からの報道として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)以外のムハージルーン(外国人戦闘員)が困難な状況を強いられるようになっていると報じた。

ダーイシュが住民を標的とした自爆テロを続けることで、住民の反感が高まっていることが主因だという。

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シリア革命反体制勢力国民連立はトルコのイスタンブールで総合委員会会合を開き、ジュネーブ2会議への参加の是非を審議した。

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『ハヤート』(1月18日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立が、ジュネーブ2会議参加拒否を発表した民主的変革諸勢力国民調整委員会に連絡し、参加拒否の決定を撤回し、連立の枠内で合同代表団を構成し、会議に参加するよう説得したと報じた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長は、委員会がロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣にジュネーブ2会議への参加の意思を伝えたことはない、と述べた。

UPI(1月17日付)が伝えた。

シリア政府の動き

ロシアを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と前日に続き会談し、ジュネーブ2会議への対応などについて協議した。

SANA, January 17, 2014
SANA, January 17, 2014

ラブロフ外務大臣は会談後、「シリア革命反体制勢力国民連立がジュネーブ2会議への参加決定を拒否することは論理的でない…。その背景にある主な原因は、シリアの国家と国民の行方を決定する大会への参加を準備したくないことにある」と批判した。

また、連立以外の反体制組織に大会に招待されていないことに関しては、「招待をめぐる問題をもてあそんでいる…。一部の国は、連立をシリア国民の唯一の代表としたいと考え、シリア国内の愛国的な反体制勢力を無視している…。しかし連立が在外活動家のみからなっていることは明白だ…。ほかの反体制勢力を無視して、連立にジュネーブ2会議への出席を説得することに終始した我々のパートナー(西側諸国)の対応に深刻な懸念を感じる」と述べた。

さらにヤルムーク難民キャンプなどの人道状況の悪化などに関して「民間人は戦争では常に被害者になる」と懸念を表明しつつ、「人道状況が人道回廊の設置や飛行禁止空域設定要求を正当化するために利用される試み」を拒否すると述べた。

一方、ムアッリム外務大臣は「ラブロフ外務大臣に今日、アレッポ市に関する治安調整計画を明示し、その実施と、軍事作戦を停止する0時0分の決定を保障するために必要な(西側諸国などとの)連絡調整を求めた…。またシリア国内の刑務所に収監されている逮捕者と武装集団が拉致した人々との交換に原則合意したことをロシア側に伝えた」ことを明らかにした。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員300人以上が早朝、サラーキブ市から撤退し、サルミーン市方面に向かった。

また、クッルナー・シュラカー(1月17日付)によると、ダーイシュはまた、シーア派住民が多いフーア市からも撤退したという。

一方、SANA(1月17日付)によると、ナリラヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア革命総合委員会によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がジャラーブルス市を再制圧し、「自由シリア軍」兵士2人を斬首、また4人を処刑した。

一方、SANA(1月17日付)によると、アレッポ市カールトン・ホテル周辺、サラーフッディーン地区、アレッポ中央刑務所周辺、バービース村、マアーッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月17日付)によると、アドラー市旧市街、アーリヤ農場、ムライハ市、ザバディーン市、ダイル・アサーフィール市、ヤルダー市、ダーライヤー市、ザバダーニー市、ルハイバ市、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市周辺、ジャイルード市、タッル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(1月17日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(1月17日付)によると、タランジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月17日付)によると、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガースィビーヤト・ナイーム村、スナイド村、ハスヤー市西部一帯、サアン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(1月17日付)によると、ジャルマ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月17日付)によると、ナバア村、アトマーン村周辺、ジャースィム市、ダルアー市旧税関地区など各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(1月17日付)によると、バイト・アーラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

フランスのエマヌエル・ボーン大統領顧問(中東北アフリカ担当)がベイルートを訪れ、ナビーフ・ビッリー国民議会議長、タマーム・サラーム首相、アミーン・ジュマイイル元大統領らと会談、サウジアラビアによるレバノン軍への30億ドル相当のフランス製兵器の供与案などについて協議した。

ナハールネット(1月17日付)が伝えた。

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NNA(1月17日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村にシリア領内から発射された迫撃砲弾複数発が着弾し、子供5人を含む7人が死亡、15人が負傷した。

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レバノンの声(1月17日付)によると、ベカーア県ラーシャイヤー郡のラーフィド村で、軍が爆発物を所持していたシリア人6人を逮捕した。

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NNA(1月17日付)によると、北部県トリポリ市クッバ地区で、ジャバル・ムフスィン地区の住民が何者かに射殺されたのを受け、ジャバル・ムフスィン地区とバーブ・タッバーナ地区で武装集団どうしが交戦した。

イラクの動き

イラキー・ニュース(1月17日付)は、治安筋の話として、治安部隊がクルディスタン地域に闘争しようとしていたイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の幹部2人を逮捕したと報じた。

諸外国の動き

ロイター通信(1月17日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、ロシアが装甲車、無人偵察機、誘導爆弾などを新たに供与したと報じた。

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ジョン・ケリー米国務長官はワシントンDCで「我々はジュネーブに行き、このプロセス(紛争解決に向けたプロセス)に入る準備ができている。アサドが(政治的)移行について議論せず、自分がシリアの将来の一部であり続けると考える限り、政治的解決はないということが明らかになったと思う。こうしたことは起こらないだろう…。我々の選択肢は、圧力を強め、(パワー・)バランスを変えるためにできることをやり通すことだ…。世界はジュネーブ2会議でのアサド政権の欺きを許さないだろう」と述べた。

ロイター通信(1月17日付)が伝えた。

AFP, January 17, 2014、AP, January 17, 2014、Champress, January 17, 2014、al-Hayat, January 17, 2014、Iraqinews.com, January 17, 2014、Kull-na Shuraka’, January 17, 2014、Naharnet, January 17, 2014、NNA, January 17, 2014、Reuters, January 17, 2014、Rihab News, January 17, 2014、SANA, January 17, 2014、UPI, January 17, 2014、Voice of Lebanon, January 17, 2014などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.