駐ヨルダン・シリア大使はアサド大統領が「(ジュネーブ2大会で発足が審議される)次期移行期政府の一部を構成しない」ことを明らかに、プーチン大統領がネタニヤフ首相と会談し「早急な武力紛争の停止と政治的解決に向けた移行プロセスの開始」の必要をめぐって意見を一致させる(2013年5月14日)

シリア政府の動き

ワフダ・イフバーリーヤ・ネット(5月14日付)によると、バフジャト・スライマーン駐ヨルダン・シリア大使は、「ジュネーブ2」大会でその発足が審議される予定の移行期政府に関して、「アサド大統領は次期移行期政府の一部を構成しない」と述べた。

その理由として、スライマーン大使は「アサド大統領は、閣僚でも首班でもなく、合法的に選ばれたシリア・アラブ共和国の大統領だ…。彼が移行期政府樹立の法を発し、閣僚候補がこの政府に入るか否かを承認する…。移行期政府の正統性と存在はアサド大統領から発するのであって、世界のそれ以外のいかなる勢力、個人からも発しない」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(5月14日付)によると、ダルーシャー村で軍が反体制武装集団(シャームの民のヌスラ戦線など)の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またドゥーマー市、ザマルカー町、ジャルバー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(5月14日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(5月14日付)によると、マンナグ村、ムスリミーヤ村、アレッポ市シャイフ・サイード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月14日付)は、シリア政府がアレッポ市突入に向けて、ミードゥー家(部族)など政権支持者約500人の教練を行っている、と報じ、彼らを「シャッビーハ」と断じた。

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ヒムス県では、SANA(5月14日付)によると、サラミーヤ・ラスタン街道、ラスタン市、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市アクラマ地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、子供1人が死亡、12人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月14日付)によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また軍は、トルコ領内に原油を密輸しようとしていたテロリスト15人を殲滅した。

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ダルアー県では、SANA(5月14日付)によると、ダルアー市、シャブラク村、ナースィリーヤ村、東カラク市、タファス市、ラジャート高原で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クウェート日刊紙『カバス』(5月14日付)は、ヒズブッラーに近い消息筋の話として、ヒズブッラーの戦闘員がダルアー県の対ヨルダン国境地帯に到達したと報じた。

同報道によると、ヒズブッラーの戦闘員は、ヒルバト・ガザーラ町奪還において主導的な役割を果たしたという。

反体制勢力の動き

ロンドンで活動する反体制組織のシリア人権監視団は、2011年3月以降の紛争で、94,000人以上が殺害され、うち約半数の41,000人が政権を支持するアラウィー派であると発表した。

同監視団は、紛争が続けば、2013年末には死者数は12万人に達するだろうと警鐘を鳴らした。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、殺害したシリア軍兵士の臓器を食べる映像をアップしたハーリド・ハマド(アブー・サッカール)を名のるヒムス県の活動家に関して、「蛮行」と非難した。

『タイムズ』(5月14日付)によると、ハマドは、自身が殺害した兵士の携帯電話に全裸の女性、子供が暴行を受ける映像があったと証言し、自らの行為を正当化している、という。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、レバノンによる国境管理を徹底させ、シリア領内からのヒズブッラー戦闘員の撤退を求めるための決議の採択を国連安保理に求めていると発表した。

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ヨルダンのサラフィー主義潮流のムハンマド・シャラビー(アブー・サイヤーフ)代表は声明を出し、「シャームの民のヌスラ戦線は、シリア各県でヒズブッラー戦闘員と対決するとの明確な決定を下した」ことを明らかにした。

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5月11、12日にカイロで反体制組織代表、活動家約200人が開いた「民主的局」会合は閉幕声明を発表した。

同声明によると、会合は、政治、組織、支援に関する三つのワークショップに分かれて議論を行い、その後全体での総括会合で、民主的政体の樹立、体制打倒をめざす国民の意思を実現し、体制転換を行うための政治的しくみの確立、犯罪者の制裁などを行うことで合意した。

また会合では、投票により「シリア民主主義者連合」という組織名を名のることが決定した。

レバノンの動き

NNA(5月14日付)によると、ベカーア県バアルベック郡カーア地方に、シリア領から発射されたロケット弾3発が着弾した。

また同報道によると、レバノン軍当局は同地方で、シリア人2人を身柄拘束した。

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とモスクワで会談した。

『ハヤート』(5月15日付)などによると、ロシア製のS-300ミサイル防空システムのシリアへの売却などが協議された。

プーチン大統領は、地域情勢の安定がイスラエルとの「共通の国益」になるとしたうえで、「否定的シナリオを阻止する唯一の方法が、武装紛争の即時停止と政治的解決への移行である。この段階において、事態のさらなる複雑化をもたらすような行動を避けることが重要だ」と述べた。

またRT(5月14日付)によると、プーチン大統領は会談後、シリア問題を政治的に解決するため、諜報レベルでネタニヤフ首相と個人的に連絡を取り続けることに同意したことを明らかにした。

そのうえで「シリアの武力紛争の継続がシリアだけでなく地域全体に悪影響をもたらすとの見方」をネタニヤフ首相と共有し、「早急な武力紛争の停止と政治的解決に向けた移行プロセスの開始」の必要がある点で意見が一致したと付言した。

一方、ネタニヤフ首相は、「地域情勢について詳細に協議し、ロシアとともに安定と安全保障を強化する方法を案出しようとしている」と述べた。

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サウジアラビア、ヨルダン、カタール、トルコ、UAEの外務大臣がアブダビで緊急外相会議を開き、「ジュネーブ2」大会で審議予定の移行期政府に関して、アサド大統領および政権幹部・支持者に参加の余地はないとの声明を発表した。

緊急外相会議はまた、トルコのレイハンル市での爆弾テロとシリア国内での化学兵器使用疑惑に関して、アサド政権の犯行だと断じ、非難した。

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ジョン・ケリー米国務長官は滞在先のストックホルムで記者団に対して、「この点(ジュネーブ2への参加)をめぐって、アサドが勘定を誤れば…、反体制勢力はさらなる支援を受け…残念ながら暴力は止まらないだろう」と述べた。

また「しかし、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣から、アサドが交渉に派遣するであろう者の名前を受け取った…。シリアの反体制勢力を支援する多くの国の外務大臣、反体制活動家の多くと話した。彼らはみな、とりわけ今朝電話会談したサリーム・イドリース将軍は、シリア政府との対話の準備ができている」と付言した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、「ジュネーブ2」大会構想に関して支持を表明しつつも、「開催はきわめて困難だ。なぜなら、紛争当事者である反体制派と、血で手を染めていない体制に近い一部の人々を一同に会さねばならないからだ。しかしこれはきわめて複雑だ」と述べた。

ファビウス外務大臣はまた「将来に向けた解決策がなければならない。すなわち、移行期政府が全権を委任されねばならない。これはジュネーブ1で定められたが、実施されなかった」と付言した。

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オーストリアのヴェルナー・ファイマン首相は、EU内でシリアの反体制勢力への武器禁輸緩和の解除をめざす米仏の動きに抵抗する意思を明示した。

ロイター通信(5月14日付)が報じた。

AFP, May 14, 2013、al-Hayat, May 15, 2013、Kull-na Shuraka’, May 14, 2013、Kurdonline, May 14, 2013、Naharnet,
May 14, 2013、NNA, May 14, 2013、al-Qabas, May 14, 2013、Reuters, May 14,
2013、SANA, May 14, 2013、Shabaka al-Waḥda al-Ikhbariya, May 15, 2013、The Times, May 14, 2013、UPI, May 14, 2013などをもとに作成。

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軍がダルアー県ヒルバト・ガザーラ町を2カ月ぶりに「完全制圧」するなか、シリア革命反体制勢力国民連立のサブラー暫定議長は「ジュネーブ2」への参加の是非をトルコ、サウジアラビア、トルコなどと協議のうえで決定すると発表(2013年5月13日)

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、軍がヒルバト・ガザーラ町での反体制武装集団との戦闘の末、同町を約2ヶ月ぶりに奪還、「完全制圧」した。反体制武装集団は同町を撤退した。

SANA, May 13, 2013
SANA, May 13, 2013

また軍はタスィール町、キヒール村を砲撃した。

一方、SANA(5月13日付)によると、スィースーン村、シャブラク村、ジャムラ村、ナーフィア村、サフム・ジャウラーン村、シャジャラ町、クワイヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、『ハヤート』(5月14日付)、SANA(5月14日付)によると、軍はダミーヤ・ガルビーヤ村、ハイダリーヤ村、アッシュ・ウルード村に対して早朝から攻撃を行い、3時間の戦闘の末、これらの村を制圧し、ヒムス市からクサイル市にいたる兵站路が確保された。

『ワタン』(5月13日付)は、軍がクサイル市を完全包囲したのを受け、同市に対する砲撃をいったん中断し、民間人の避難を促していると報じた。

しかし、同紙によると、反体制武装集団は市内に立てこもり、民間人を人間の盾としている、という。

一方、シリア人権監視団によると、ハウラ地方、タドムル市郊外の農場などが、軍の砲撃を受けた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市周辺、ダルアー市、ムウダミーヤト・シャーム市などが軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、SANA(5月13日付)によると、ダーライヤー市、ドゥーマー市、フジャイラ村などで、軍が特殊作戦を行い、反体制武装集団の戦闘員複数を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またナブク市、アドラー市などで、軍はシャームの民のヌスラ戦線メンバー複数を殲滅した。

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ダマスカス県では、SANA(5月13日付)によると、ジャウバル区で、軍が特殊作戦を行い、反体制武装集団の戦闘員複数を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町、ザカート市、ズラーキーヤート市などが軍の砲撃を受けた。

また軍はハマー市シャルキーヤ地区に突入し、逮捕摘発活動を行った。

これに対して、反体制武装集団は、サッブーラ、ハルサーン検問所を砲撃、またサラミーヤ市周辺で軍と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムーハサン市などが軍の空爆を受けた。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月12日付)によると、自由シリア軍を名のる武装集団がハサカ市近くのトゥワイナ分岐点で旅客バスを捕らえ、乗客らを誘拐した。

武装集団は数週間前から同分岐点を封鎖していた。

事件は、民主統一党人民防衛隊とシャッラービーン部族民兵の対立のなかで、一部の武装集団が後者に付いたことが遠因だという。

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イドリブ県では、SANA(5月13日付)によると、ジダール・ブカフルーン市で、軍が反体制武装集団を攻撃、タウヒード師団の「精神的指導者」と目されるズィヤード・サイイド・イーサー(アブー・タキー)を殺害した。

またウンム・ジャリーン村、トゥルア市、シャビーバ軍事基地周辺、カルミード軍事基地周辺、ナフリヤー市、カフルズィーター市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(5月13日付)によると、マンナグ村、ムスリミーヤ村、ハーン・アサル村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・カスル地区、シャイフ・マクスード地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(5月13日付)によると、サルマー町、バイト・ハリービーヤ村、トゥッファーヒーヤ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点・アジトを攻撃・破壊、サウジ人など外国人戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、クウェート日刊紙『ラアユ』(5月13日付)に対して、委員会とそれを支持する組織・活動家が、米露が準備を進める「ジュネーブ2」大会に参加するだろうと述べた。

また、アサド大統領の進退をめぐる米国の姿勢について、「退任を条件とすることをあきらめたのだろう」としたうえで、「米国は、決定がシリア人自身の交渉によってなされるということで納得したものと思われ、またそのようにロシア人と合意したようだ」と答えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長はイスタンブールで記者会見を開き、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、トルコ、サウジアラビア、トルコなどと協議して参加の是非を決めると述べた。

サブラー暫定議長は「出欠に関して決定を下すのは依然として時期尚早だ。なぜなら、現在のところ、大会の位置づけが不明であり、議題、日程、参加国・代表者のリストも発表されていないからだ」と述べた。

そのうえで「我々は現在、国内の革命諸勢力、トルコ、サウジアラビア、カタールなどのアラブ諸国の友人や同盟者と、ふさわしい決定を下すための協議段階にある」ことを明らかにした。

さらに「殺戮停止、シリア人への暴力行為停止のための…政治的解決をめざすすべてのイニシアチブを歓迎する」としつつ、「バッシャール・アサドとその政権が退任する必要があり、これによって政治プロセスのイニシアチブの余地が生じる」と強調した。

サブラー暫定議長は一方、レイハンル市での爆弾テロに関して、「(シリア)政府はレイハンル市で自らが犯したことを、自由シリア軍によって受けることになるだろう」と述べ、反体制武装集団による将来のテロを黙認するような姿勢を示した。

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クッルナー・シュラカー(5月13日付)によると、自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー報道官はパリで声明を出し、「民主主義のためのシリア人潮流」を脱会したと発表した。

理由は「潮流が民主的、集団的行動のイメージを体現しておらず、反体制組織の新たな寄り合い所帯」に成り下がったからだという。

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シリア国民団体ブロックは声明を出し、カイロで5月10~12日にかけて開かれていた「民主的局」会合からの脱会を宣言した。

出席者が他の反体制組織や国民に貢献するような政治組織を結成しようとしていないのが理由だという。

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シリア民主フォーラムのミシェル・キールー代表は、スーリーヤ・ガド・チャンネル(5月13日付)のインタビューで、4月下旬に発生したアレッポ県でのキリスト教司教2人の誘拐に関して、空軍情報部が拉致したと断じた。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は記者団に対して、ハタイ県レイハンル市での爆弾テロに関して「(シリア人)避難民の問題をめぐってさまざまな憶測や挑発がある。しかしこの爆破事件はシリアの反体制勢力とは無関係だ。シリアの反体制勢力と避難民を貶めようとしている悪党がいる」と述べた。

また「将来必要な措置を講じる。我々は偽らない。しかし、必要になったときに報復する。そうすることを恐れてはいない。みなはこのことを理解しなければならない」と付言した。

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バラク・オバマ米大統領とデヴィッド・キャメロン英首相がワシントンDCで会談し、シリア情勢などについて協議した。

オバマ米大統領は「アサドの退任…にいたる移行期プロセスで我々が合意できれば、それはみなの利益になるが…、その成功を約束はできない…。怒りが燃え上がったなかで、それを沈めるのは困難だ」と悲観的な姿勢を示した。

またシリア情勢に関して「イラン、ヒズブッラー、アル=カーイダとつながりのあるシャームの民のヌスラ戦線」が混在していると指摘、「彼らのアジェンダはアサド退任を越えている」と付言した。

そのうえで米英が「アサド大統領を退任させるための圧力を増加するとともに、穏健な反体制勢力を強化するために協力する」と述べ、「アサドの攻撃に抵抗する力を反体制勢力が持つまで政治的進展はないだろう」との見方を示した。

一方、英首相付報道官は、キャメロン首相が会談で「信頼できるより協力な反体制勢力をいかに作るかを議論するよう求めた」ことを明らかにし、アサド政権に対抗し得る反体制組織が不在であることを期せずして認めた。

キャメロン首相は同様の姿勢をジョン・ケリー米国務長官との電話会談でも示したという。

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米国務省報道官は米露が準備を進める「ジュネーブ2」大会に関して、「5月末に開催されるだろうが、延期されるかもしれない。おそらくは6月初めに。今のところ正確な期日はない」と述べた。

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ロシア複数のメディアが報じたところによると、ロシア大統領報道官は、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、「クレムリンは国際会議に関する詳細な情報を有していない…。ウラジーミル・プーチン大統領の出席について話すことは時期尚早だ」と述べた。

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赤十字国際委員会は、「深刻な人道上の大惨事」に苛まれているシリア国民を支援するため、6,230万スイス・フランの追加で拠出するよう支援団体などに呼びかけた。

これにより赤十字交際委員会による2013年の支援額は1億130万スイス・フランと約倍増する見込み。

AFP, May 13, 2013、al-Hayat, May 14, 2013、Kull-na Shuraka’, May 13, 2013、Kurdonline, May 13, 2013、Naharnet, May 13, 2013、al-Ra’y, May 13, 2013、Reuters, May 13, 2013、SANA, May 13, 2013、UPI, May 13, 2013、al-Watan, May 13, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド政権が「新戦略」を通じて反体制武装集団との闘争における優勢を回復したと報じられるなか、民主的変革諸勢力国民調整委員会は米露による「ジュネーブ2」イニシアチブに応える意思を示す(2013年5月12日)

国内の暴力

『ワシントン・ポスト』(5月12日付)は、アサド政権が、イラン、ロシア、ヒズブッラーの支援を通じた「新戦略」を通じて、反体制武装集団との闘争における優勢を回復した、と報じた。

http://www.washingtonpost.com/world/assad-forces-gaining-ground-in-syria/2013/05/11/79147c34-b99c-11e2-b568-6917f6ac6d9d_story.html

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(5月12日付)およびSANA(5月12日付)などによると、マッザ区(ヴィーラート・マッザ区)に迫撃砲弾4発が着弾し、女児1人を含む4人が負傷した。

一方、SANA(5月13日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダルーシャー村、ハーン・シャイフ・キャンプ、バイト・サフム市などに対して、軍が砲撃を加え、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月13日付)によると、ジャルバー市、バハーリーヤ市、ハラスター市、シャイフーニーヤ村、アドラー市、ナブク市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、カマル・ブン・ハーシム連隊メンバーら多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナーフタ町、アルマー町などに軍が砲撃を加えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市、カルミード軍事基地周辺、シャビーバ軍事基地周辺などに軍が砲撃・空爆を加えた。

一方、SANA(5月13日付)によると、サルミーン市、アルバイーン山、ナイラブ村南部などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハーリディーヤ地区などで、軍と反体制武装集団の交戦が続いた。

一方、SANA(5月13日付)によると、ムスリミーヤ村、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区、カルム・ジャバル地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市周辺が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月13日付)によると、ラッフーム村、ヒムス市バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月12日付)によると、ハサカ県内水利局近くで複数回の爆発があり、市民や民主統一党人民防衛隊隊員複数が死傷した。

またハヴァル通信(5月12日付)は、ハサカ市ムフティー地区の民主統一党人民防衛隊の検問所を「シャッビーハ」が襲撃したが、人民防衛隊の反撃を受けて、5人が死亡、軍の戦車が展開するアズィーズィーヤ地区に撤退した、と報じた。

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ハマー県では、SANA(5月13日付)によると、ムハルダ市に反体制武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、複数の市民が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月13日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ハウィーカ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヤルムーク殉教者旅団は、先週シリア領内で身柄拘束したUNDOF隊員4人(フィリピン軍兵士)を釈放した。

シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、レイハンル市での爆弾テロに関して、「シリアは、トルコと100年にわたって問題を抱えてきたが、政府、軍、諸機関がこうした行為を行ったことなどない。我々はそうしたことができないからではなく、我々の教育、道徳、振る舞い、価値観がそれを許さないからだ」と関与を否定したうえで、「誰にもでたらめな嫌疑をかける資格などない」と述べ、シリア政府に嫌疑をかけるレジェップ・タイイップ・エルドアン内閣の閣僚を非難した。

そのうえで「エルドアン首相がオバマ米大統領と会談する数日前」に事件が発生した点に着目、「彼(エルドアン首相)は、NATO加盟国である自分の国、さらには自分の存在がシリアからの攻撃に曝されていると米国に主張したいのだろうか?」と述べた。

反体制勢力の動き

ロンドンを拠点とする反体制組織のシリア人権監視団は、2011年3月以降のシリア国内での犠牲者数を発表した。

それによると、死者数は70,257人。うち民間人の死者数は34,000人以上、18歳以下の死者数は4,788人、女性の死者数は3,048人、反体制戦闘員の死者数は16,687人、身元不明者は2,368人だという。

なおこの死者数には、「シャッビーハ」、親政権の諜報員の死者数約12,000人は含まれていないという。

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国内で反体制活動を行う民主的変革諸勢力国民調整委員会はダマスカス県で執行部会合を開き、米露による「ジュネーブ2」構想への対応について協議した。

会合後、執行部は声明を出し、「ジュネーブ2会議に関する露米のコンセンサスを歓迎し、ほかの反体制組織とともに、同会議への参加要請に応える」との意思を示した。

しかし「複数の国、政権内の過激派、一部の反体制勢力が、それ(会議)を頓挫させようとしているので、その成功を楽観視することには慎重」な姿勢をとると付言した。

これに関連して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は『ハヤート』(5月13日付)に対して、委員会が現在、会議で提示するための移行期政府樹立に向けた「行程表」を作成中だと述べた。

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『ハヤート』(5月13日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の複数の消息筋の話として、連立が5月23日にイスタンブールで米露が準備を進める「ジュネーブ2」大会への参加の是非を決するための会合を開くと報じた。

これに関連して、シリア革命反体制勢力国民連立のリヤード・サイフ副議長らが共同声明を出し、2011年7月のカイロでのアラブ連盟主催によるシリア反体制勢力大会で採択された「国民誓約文書」と「暫定期間概要に関する共同政治ビジョン」の「内容に沿ったかたちで、政治的解決の機会に対して最大限の真剣さをもって対応」するよう呼びかけ、アサド政権の退陣が前提だとしていた米露の「ジュネーブ2」構想に対する消極姿勢を軟化させる意思を示した。

また「自由シリア軍および武装レジスタンス」に向けて、「政治指導部に従属する合法的な軍事指導部のもとでの統合」を呼びかけるとともに、「シリア革命の目的に矛盾した…外来の過激思想を拒否する」ことを明言した。

共同声明には、サイフ副議長のほか、タウフィーク・ドゥンヤー、ワリード・ブンニー、リーマー・フライハーン、ハーリス…ナッバハーン、ムワッファク・ニールビーヤ(市民権潮流代表)らが署名している。

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シリア革命反体制勢力国民連立議長を辞任したアフマド・ムアーッズ・ハティーブは、ジャズィーラ(5月12日付)のインタビューで、ジョルジュ・サブラー暫定議長、リヤード・サイフ副議長、スハイル・アタ-スィー副議長に対して「辞表を提出し、(反体制勢力の指導者の)選出に参加すべきでない」と非難した。

ハティーブは議長在任中に「シリア人に資さない決定を行う人間に成り下がったと感じ、連立を去ることを決心した…。シリアに資さない決定をさせようとする者がいた」と述べた。

http://www.youtube.com/watch?v=zJ2ysFsC9Zg&feature=player_embedded

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カイロで反体制活動家が行っていた「民主的局」会合(ミシェル・キールーが主導)が閉会した。

『ハヤート』(5月16日付)によると、11、12日のカイロでの「民主的局」会合(シリア民主主義者連合結成大会)に参加していたシリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長が、会合で「クルド人民をシリアの主要な民族として憲法で承認する」ことを求める声明を回付した。

ダルウィーシュ書記長はまた、国連に対して平和維持軍を派遣するための決議の採択を求めるとともに、すべての社会勢力が参加した「連邦」内閣を樹立し、外国の監視団のもとに国会選挙を実施することを提言した。

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シリア・クルド国民評議会は5月10日から2日にわたって開催された大会(開催場所不明)を、正副議長、渉外委員会メンバーなどを選出して閉幕した。

ユースフ・ファイサル議長(シリア・クルド進歩民主党)の後任には、ターヒル・サフーク(国民民主党書記長)が選出された。

また報道官にはナスルッディーン・イブラーヒーム(シリア・クルド民主党アル・パールティーイブラーヒーム派書記長)が、副議長にはニウマト・ダーウド(シリア・クルド平等党書記長)が、書記にはアースィム・ハサンが選出された。

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クッルナー・シュラカー(5月12日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で武装闘争を続ける武装集団が二つの師団に統合されたと報じた。

二つの師団に統合された武装集団は以下の通り:

イスラーム旅団
バッラー旅団
シャーム自由人運動旅団
コマンド部隊
ファールーク・ウマル旅団
アッラーの獅子
グータ革命家
ドゥーマー殉教者旅団
アブー・ムーサ-・アシュアリー・ワ・ラドワーン旅団
スユーフ・ハック旅団
首都の縦シャーム征服旅団
グータの獅子旅団
フィルカーン旅団
イマーム・フサイン旅団
タウヒード・イスラーム旅団
第1歩兵師団
スィッディーク大隊
特殊任務中隊
特殊部隊大隊
サイフ・ウマウィー大隊

レバノンの動き

NNA(5月12日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村郊外に、シリアから発射されたロケット弾2発が着弾し、2人が負傷した。

しかし、ナハルネット(5月12日付)によると、このロケット弾は、ベカーア県バアルベック郡マシャーリーウ・カーア村から発射されたものと思われるという。

なおカスル村には11日にもロケット弾が5発着弾している。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、レイハンル市での爆弾テロに関して、「シリア危機に対するトルコの政策を転換させることではなく、トルコの安定を揺るがし、トルコ国民の間に宗派対立を作り出そうとすることを狙っていた」と断じた。

そのうえで、「彼らは我々が悲劇的なシナリオに至ることを望んでいる」としたうえで、「シリアの泥沼にトルコを貶めようとする挑発に対抗し…、(宗派対立の)罠」に落ちない」ようトルコ国民に「自制」を求めた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、レイハンル市での爆弾テロに関して、「バーニヤースで民族浄化の罪を犯した者がレイハンル市での爆破を行った」と断じた。

ダウトオール外務大臣はまた、爆弾テロが「トルコのシリア人とは無関係で、シリア政府と関係がある。バーニヤースでの虐殺後、トルコとレバノンで宗派主義的な挑発が行われることに我々は警戒しなければならない」と述べ、事件へのアサド政権の関与を疑った。

そのうえで、トルコおよびシリア周辺諸国が安全保障上の危機にますます曝されるなかで、国際社会がシリア大統領に対する行動をとる時が来た、と付言した。

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トルコのバシル・アタライ副首相は、レイハンル市での爆弾テロに関して「シリアの諜報機関とつながりのあるテロ組織」に属すトルコ人9人を容疑者として逮捕し、その一部は事件への関与を「自供した」と発表した。

アタライ副首相はまた、実行犯に関して「我々の情報によると、彼らは国内からやって来た」としつつ、「我々は彼らの名前、活動、そしてシリア政府と親密なつながりがあることを知っている」と述べた。

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『ハヤート』(5月13日付)によると、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線を名のる組織が、ハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)のレイハンル市での爆弾テロがトルコ政府によるものだと非難した。

声明は、爆弾テロが「アレッポ、ダマスカスなどでの爆破によってその手を血で染めた者が行った」としたうえで、エルドアン首相が「最後の苦しみを味わった末に、無実の諸国民の死に基づく自らの政策による血のなかに沈むだろう」と述べ、エルドアン首相の関与を疑った。

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在ヨルダンEU代表部(アンマン)は声明を出し、シリア国内で避難生活を余儀なくされている約400万人の避難民を対象に、EUが6,500万ユーロ(8,400万米ドル)相当の追加の人道援助を行うことを決定したと発表した。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は『シュピーゲル』(5月12日付)に対して、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、「まだ招待は受けていないが、必ず出席するだろう」と述べた。

また化学兵器使用疑惑について、サーレヒー外務大臣は「あらゆる種類の大量破壊兵器の使用に断固として反対する」と強調した。

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ロバート・ゲイツ前米国防長官は、CBS(5月12日付)のインタビューで、シリアへの米国の軍事介入に関して「リビアへの介入は過ちになると思っていた。シリアの場合も過ちになると思う。昨年ないしは半年前により大規模な介入をしていたとしてもだ。我々は自分たちの結果予測力を課題評価している」と述べた。

AFP, May 12, 2013、Aljazeera.net, May 11, 2013、al-Hayat, May 13, 2013, May 16, 2013、Kull-na Shuraka’, May 12, 2013、Kurdonline,
May 12, 2013、Naharnet, May 12, 2013、NNA, May 12, 2013、Reuters, May 12,
2013、SANA, May 12, 2013、 Der Spiegel, May 12, 2013、UPI, May 12, 2013、The Washington Post, May 12, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ・ハタイ県で爆破テロが発生し51人が死亡、トルコ副首相やシリア革命反体制勢力国民連立はアサド政権の関与を疑う(2013年5月11日)

ハタイ県(アレキサンドレッタ地方)での爆破テロ

トルコのハタイ県レイハンル市(シリア領アレキサンドレッタ地方リーハーニーヤ市)で、爆発物を積んだ車2台が相次いで爆発し、40人(その後51人)が死亡、数十人が負傷した。

SANA, May 11, 2013
SANA, May 11, 2013

『ハヤート』(5月12日付)などによると、レイハンル市は、シリア人避難民の流入に対する住民の不満が高まっており、シリア人避難民などへの暴行事件などが発生していた。

これに関して、BBC(5月11日付、トルコ語放送)は、5月初めにバーニヤース市などで発生したとされる「虐殺」にトルコ出身のアレヴィ派(アラウィー派)が参加していたと報じた。

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レインヒル市での爆弾テロに関して、トルコのブレント・アリンジュ副首相は「シリア政府が当然容疑者だ」と述べ、アサド政権の関与を疑った。

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レインヒル市での爆弾テロに関して、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリアでの紛争、ないしはPKKとアンカラの和平プロセスに関係があると思われると述べた。

エルドアン首相は「我々はデリケートな時期におり、クルド問題解決に向けて、新たな時代に入ろうとしている。この新たな時代に入ることができない者たちが、大胆にもこうしたことを行うかもしれない」と述べた。

また「もう一つデリケートな問題がある。ハタイ県がシリア国境に位置しているということだ。こうした行為はおそらく、こうしたデリケートな状況を刺激するために行われた」と付言した。

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レインヒル市での爆弾テロに関して、トルコのムンメル・ギュレル内務大臣は、PKKとの間で数ヶ月前から行われている和平プロセスを妨害することを狙った「挑発」と断じ、クルド民族主義勢力の関与を疑った。

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一方、NTV-Turk(5月11日付)が伝えたところによると、トルコのバシル・アタライ副首相は、レインヒル市での爆弾テロに関して、「初動調査の結果…攻撃を行ったのはシリアのムハーバラートとつながりがある(ことが判明した)」と述べた。

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クルドオンライン(5月11日付)によると、レイハンル市での爆破テロの直後、ハタイ県アンタキア市にあるNPO「市民社会会議カーミシュローの家」本部に何者かが投石を行い、窓ガラスが割れるなどの被害が出た。

同報道によると、「シリア革命」に反対し、アサド政権を支持する複数のトルコ人の犯行だという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、反体制武装集団がアレッポ・ハマー街道の検問所2カ所(ウンム・アームード、カブタイン村)を占拠し、街道を封鎖したのを受け、軍が封鎖解除のために反体制武装集団に激しい攻撃を加えた。

また、ウンム・アームード村で反体制武装集団の司令官と兵士の2人が地雷の爆発によって死亡した。

一方、SANA(5月11日付)によると、ハンダラート・キャンプ、アルカミーヤ村、ハーン・アサル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市シャイフ・サイード地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市周辺で、軍・人民諸委員会・ヒズブッラーと反体制武装集団が交戦した。

また軍が奪還したアーバル市を反体制武装集団が攻撃した。

これに関して、自由シリア軍を名のる複数の武装集団が共同声明を出し、アーバル市一帯の地域を制圧したと発表した。

共同声明を出したのは、バーバー・アムル革命家大隊、ウマル・ファールーク独立大隊、ファールーク・バーバー・アムル大隊など。

一方、SANA(5月11日付)は、この声明を否定、アーバル市は「依然として安全だ」と報じた。

またSANA(5月11日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区で、略奪品の分配をめぐって反体制武装集団どうしが交戦、双方に複数の死傷者が出た。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区が軍の空爆を受けた。

一方、SANA(5月11日付)によると、ジャウバル区で軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市・アルバイン市間の軍の車両管理施設周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

またザマルカー町、バイト・サフム市、ムウダミーヤト・シャーム市なども軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月11日付)によると、イバーダ市周辺地域、ジャルバー市、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ダーライヤー市、ドゥーマー市、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カルミード軍事基地周辺で軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月11日付)によると、カフルラーター市、アリーハー市、アイン・カサブ町、ミシュミシャーン村、カトルーン市、ナージヤ村、アイン・バールーダ市、ブザイト市、ダルクーシュ町、ヒーシュ村、タッル・サラムー市、ウンム・ジャリーン村、トゥルア市、マスィービーン市、サラーキブ市、アブー・ズフール航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町で激しい銃声が聞こえた。

これに関して、クッルナー・シュラカー(5月11日付)は、イラク軍(国境警備隊)がイラク領内から国境通行所を占拠する反体制武装集団(自由シリア軍)に向けて発砲したと報じた。

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ダルアー県では、SANA(5月11日付)が、軍消息筋の話として、ダマスカス・ダルアー国際幹線街道、とりわけヒルバト・ガザーラ町一帯での軍による反体制武装集団の掃討が完了し、同街道の安全が回復、通行が再開された。

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ハマー県では、SANA(5月11日付)によると、ハッターブ村、カサービーヤ村、タッル・ハサン村、ザウル・ジャディード村、ザウル・マサ-リク村、ザウル・ナースィリーヤ村などで、軍が反体制武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)の掃討を完了し、治安を回復した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月11日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、カマーナート地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア国内の動き(シリア政府の動き)

連立与党の変革解放人民戦線(カドリー・ジャミール代表)は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想への支持を表明した。

反体制勢力の動き

反体制組織のシリア民主人民党(旧シリア共産党政治局派、ジョルジュ・サブラーを輩出)は、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、対話が「殺戮の停止」と「アサド大統領および政権幹部の退任」を条件とするとの姿勢を示し、事実上拒否した。

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シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで総合委員会会合を開催し、組織の拡大、政治委員会メンバー選出、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班の進退などについて協議した。

シリア革命反体制勢力国民連立はまた、レインヒル市での爆弾テロを「体制が犯す罪を逃れてきたシリア人避難民を受け入れた…トルコ国民への復讐」と評し、アサド政権の関与を疑った。

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カイロで、シリア革命反体制勢力国民連立に参加していない活動家、組織が会し、「民主的局」大会が開催された。

大会はシリア民主フォーラムのミシェル・キールー代表によって主導され、市民民主国家樹立に向けて協議を行い、反体制勢力や国民の統合の必要を改めて確認した。

なお大会には、自由シリア軍の幹部だというアブドゥルハミード・ザカリヤー大佐も出席し、大会の方針に支持を表明した。

諸外国の動き

パレスチナ解放人民戦線総司令部派(PFLP-GC、アフマド・ジブリ-ル書記長)は声明を出し、ゴラン高原解放のための武装部隊を発足すると発表した。

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チュニジアのウスマーン・ジュランディー外務大臣は、シリアの刑務所に収監中のチュニジア人をめぐる問題で、シリア当局と「さまざまなかたちで折衝を続ける」意思を明らかにした。

ジュランディー外務大臣によると、チュニジア当局は、反体制武装闘争に参加するためにシリアに向かおうとしたチュニジア人約1,000人の出国を阻止したことを明らかにしたうえで、現在シリアに「数百人」のチュニジア人戦闘員が潜伏していることを認めた。

一方、チュニジアのNPOなどによると、シリアでのチュニジア人戦闘員の数は3,500人に達するという。

AFP, May 11, 2013、al-Hayat, May 12, 2013、Kull-na Shuraka’, May 11, 2013、Kurdonline, May 11, 2013、Naharnet,
May 11, 2013、Reuters, May 11, 2013、SANA, May 11, 2013、UPI, May 11, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県クサイル市奪還を準備する軍が反体制武装集団に投降するよう求めつつ同市住民に対して避難勧告、フォード米大使がトルコ滞在中にシリアに密入国し自由シリア軍アレッポ軍事評議会議長と会談していたことが明らかに(2013年5月10日)

国内の暴力

ハサカ県では、クルドオンライン(5月10日付)が、住民からの情報として、「アッラー・アクバル」と書かれた旗を掲げる武装集団がトルコ国境に面したラアス・アイン市から20キロの地点にあるムッラー・ヌーリー村、サーリヒーヤ村を占拠し、ヒルバト・ディブス村に侵攻しようとしている、と報じた。

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ヒムス県では、AFP(5月10日付)によると、クサイル市奪還を準備する軍が、反体制武装集団が投降しない場合、同市を攻撃すると警告、同市住民に対して避難勧告を出した。

軍消息筋が明らかにした。

またヒムス市ワアル地区に、軍が砲撃を加え、反体制武装集団と交戦、市民3人が死亡した。

このほかハウラ地方なども軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月10日付)によると、クサイル市からフサイニーヤ町に逃走中の反体制武装集団を軍が追撃・殺傷、その拠点・装備を破壊した。

またヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、カフルラーハー市、タッルドゥー市、タッルダハブ市、ハイダリーヤ村、ハミーディーヤ市、クサイル市周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダルーシャー村、フサイニーヤ町、ムウダミーヤト・シャーム市、ズィヤービーヤ町、などで軍が反体制武装集団と交戦、軍が砲撃・空爆を行った。

またダマスカス国際空港街道沿いのザード・ハイイル・レストランの検問所を反体制武装集団が攻撃し、兵士4人を殺害した。

さらにスバイナ町では、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、兵士1人が死亡、4人が負傷した。

一方、SANA(5月10日付)によると、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、バービッラー市、シャイフーニーヤ村、ザマルカー町西部、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーらを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で軍・人民諸委員会と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地に近いジャブリーン村などを軍が空爆した。

アレッポ市ザフラー地区の空軍情報部周辺などで軍と反体制武装集団が交戦した。またシャイフ・サイード地区を軍が空爆した。

一方、SANA(5月10日付)によると、ムスリミーヤ村、ハーン・アサル村、マンナグ村、ヒーラーン村、バヤーヌーン町、ターティムーアース市、アイン・ダクナ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マサーキン・ハナーヌー地区などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ダルクーシュ町、クーリーン市、アブー・ズフール航空基地周辺、サラーキブ市、カフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市などを軍が砲撃した。

一方、SANA(5月10日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、トゥルア市、ハミーディーヤ市、ブワイダ市、カルン・ガザール市、ジャーヌーディーヤ町、タッル・ザハブ町、カトルーン市、タイイバート村、アルバイーン山、マアッラト・ヌウマーン市、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、ナハリヤー市、マジュダリヤー村、ヒーシュ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、タウヒード旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がタブカ航空基地を迫撃砲で攻撃した。

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ハマー県では、SANA(5月10日付)によると、ザウル・アブー・ザイド村、ザウル・アースィー村で軍が反体制武装集団の掃討を完了、両村の治安を回復した。

またカスル・アブ・サムラ村で、軍が反体制武装集団と交戦、使徒末裔旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(5月10日付)によると、ムライジュ村、上クーム村、下クーム村、カフリーヤ村、ガマーム村、バイト・ハリービーヤ村などで軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(5月10日付)によると、ジーザ町、タイバ町などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア国内の動き(シリア政府の動き)

ロイター通信(5月10日付)は、政府系石油企業職員の話として、ダイル・ザウル県内の油田の一部が「部族の武装集団」によって占拠され、数千バーレルが毎日トルコに向けて密輸されている、と報じた。

ダイル・ザウル県で密輸業者に近い消息筋によると、石油はイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を経由してトルコに持ち込まれているという。

また在外の反体制活動家らは、EUによる石油禁輸措置緩和の決定を受けて、シリア国内の石油の密売に関与しようとしているが、「伝統に固執するシリア東部の部族の保守性」に阻まれており、石油利権獲得が部族との武装衝突を招きかねないと慎重な姿勢を示す者もいるという。

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変化解放人民戦線(カドリー・ジャミール代表)は声明を出し、ゴラン高原の解放のためのレジスタンス組織「変化改革人民戦線旅団」を結成すると発表し、志願兵の公募を始めた。

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バッシャール・ジャアファリー国連代表は安保理会合で、テロ集団に武器供与、資金提供、教練、潜入支援を行う国々をシリアでのテロの協力者だと非難、安保理に対して、テロとの戦いに関する国連決議を真摯に実施するよう求めた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立(アフマド・ラマダーン)は5月12、13日に予定されていた総合委員会での新議長選挙を6月8日に延期すると発表した。

諸外国の動き

『ハヤート』(5月11日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、ロバート・フォード米大使がトルコ滞在中にバーブ・サラーマ国境通行所(アレッポ県)を経由して、シリア領内に密入国し、自由シリア軍アレッポ軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐らと会談した、と報じた。

会談では、移行期政府にアサド大統領およびその幹部が参加すべきでないとの米国の従来の姿勢に変化はないことを説明したという。

またフォード大使は、シリア革命反体制勢力国民連立の指導者多数と会談し、移行期政府にアサド大統領およびその幹部が参加すべきでないとの米国の従来の姿勢に変化がないとしつつ、「ジュネーブ2」への参加を求め、反体制勢力がアサド政権との対話に参加しない場合、「米国自身が損害を受ける」と述べたという。

その後、『ハヤート』(5月12日付)は、自由シリア軍アレッポ軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐が、シリア領内に潜入したロバート・フォード米大使との会談で、欧米諸国に対してシリアへの武器禁輸措置を緩和し、反体制勢力に高性能の武器を供与するよう求めた、と報じた。

これに対して、フォード米大使は、米政権、議会内で反体制勢力への武器供与は常に協議されていると答えたうえで、米国が紛争の政治的解決をめざしているとしつつ、「アサド政権が現地でパワー(軍事力)・バランスが明確に変化しなければ、この方向に向かわないことを米国は認識している」と述べたという。

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ジョー・バイデン米副大統領は『ローリング・ストーン』紙のインタビューで、「前政権がイラクで大量破壊兵器に言及することで行ったように、すべてを破壊したくはない」と述べ、化学兵器使用に関する嫌疑を通じてシリアへの過剰な干渉に踏み切ることに警鐘を鳴らした。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が英国のデヴィッド・キャメロン首相とソチで会談し、シリア危機などについて協議した。

会談後、プーチン大統領は、「早急な暴力停止、平和的正常化プロセス開始、主権国家としてのシリアの維持とその領土保全が両国共通の国益」だと述べた。

またキャメロン首相は、「シリア国民の利益に応えるため」、ロシア、米英が移行期政府樹立を支援するべきだと述べた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、ジョン・ケリー米国務長官との最近の電話会談で、「シリアの移行期政府は国民の意思を代表し、シリアでの流血に手を染めた者が存在する余地はない」と伝えたと述べた。

またダウトオール外務大臣は、記者団に対して、シリア人約12人の血液サンプルを検査し、シリアでの化学兵器の使用の有無を調査していると述べたうえで、「結果は衛生当局によって発表されるだろう」と付言した。

AFP(5月10日付)が報じた。

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イランのモハンマド・ジャヴァード・ムハンマディーザーダ外務副大臣は、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、「非常にうれしい」と述べ、アサド政権と反体制勢力の対話を支援する意思を示した。

AFP, May 10, 2013、al-Hayat, May 11, 2013, May 12, 2013、Kull-na Shuraka’, May 10, 2013、Kurdonline,
May 10, 2013、Naharnet, May 10, 2013、Reuters, May 10, 2013、SANA, May 10,
2013、UPI, May 10, 2013などをもとに作成。

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シリア当局とヒズブッラーが米露による「ジュネーブ2」構想を支持する意向を表明、米国は移行期統治機関発足のための交渉中にアサド政権が続投することを認める(2013年5月9日)

Naharnet, May 9, 2013
Naharnet, May 9, 2013

シリア政府の動き

『アフバール』(5月9日付)は、アサド大統領がレバノンの訪問団との会談で、「我々は彼ら(ヒズブッラー)にすべてを与えることを決心した」と述べたと報じた。

同紙によると、アサド大統領は「初めて、我々と彼ら(ヒズブッラー)は同じ状況に身を置いていると感じている。彼らは我々を助けてくれる同盟者以上の存在だ」としたうえで、ヒズブッラーに対して「信頼、満足、謝意」を示したという。

またアサド大統領は「イスラエルに複数発のミサイルを容易に撃ち込むことができる」としつつ、「我々はレジスタンスに門戸を開放し、シリア全土をレジスタンスの国にすることによって、戦略的な報復をめざしている」と強調したという。

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シリアの外務在外居住者省は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、国際法遵守と内政不干渉の原則に立脚したロシアの姿勢と、政治的解決をめざす米国の姿勢双方を高く評価、支持の姿勢を示した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、化学兵器使用に関する国際調査チームの受け入れに関して、「ハーン・アサル村での事件調査のために潘基文事務総長が行った決定に従い、我々は今もなお調査チーム受け入れの用意がある」と述べた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、ヌール・ラジオ設立25周年を記念して、テレビ演説を行い、そのなかで「シリアは(ヒズブッラーが)これまで保有していなかったような高性能の武器を提供するだろう」と述べた。

ナスルッラー書記長は「イスラエルはレジスタンスの能力が増長することを食い止めることが目的だと言う…。しかしシリアは(ヒズブッラーが)これまで保有していなかったような高性能の武器を提供するだろう」と述べた。

また「我々は高性能の武器を受け取る容易があると宣言する。我々はこうした武器を保有・保持することができるし、人民を防衛するためにそれらを使用するだろう」と強調した。

シリアからヒズブッラーへの武器供与に関して、ナスルッラー書記長は「これはシリアの戦略的報復だ…。占領下のパレスチナにロケット弾を撃ったり、空爆を行ったりすること以上に重要だ」と述べた。

イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、ナスルッラー書記長は「シリアがレジスタンス運動、とりわけパレスチナのレジスタンスを支援してきたことは誰もが知っている。イスラエルはレバノンとパレスチナのレジスタンスの力の源がシリアであることを知っている。それゆえイスラエルはシリアを(対レジスタンス政策の)方程式から取り除き、レバノンとパレスチナのレジスタンスを包囲したいと考えている」と断じた。

さらに「(シリアの)報復は(イスラエルの)攻撃の目的をくじくことであり、シリアの指導部は、友人がシリアに的への報復・空爆を望むなかで、それを行った」としたうえで、シリアが「ゴラン高原で人民レンジスタンスの戦線を開く」可能性があると指摘、「我々レバノンのレジスタンスは、シリア人民のレジスタンスとともにあり、シリアのゴラン解放のため、支援、調整、教練、協力を行う」と明言した。

一方、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、「米国をシリアの救い主とみなすことは恥ずべきことだ」としつつ、「さらなる破壊と殺戮は敵に資するだけだ」と述べ、支持する意向を示した。

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LBCI(5月9日付)は、北部県トリポリ市、ディンニーヤ郡出身のレバノン人2人がシリアのヒムス県クサイル市近くでの戦闘に参加し死亡、18人との連絡がとれないと報じた。

死亡した2人の名はフサーム・マンスール、ハーニー・バラカートで、両人を含むレバノン人は、サーリム・リファーイーと関係を持つサラフィー主義集団の戦闘員で、シリアでのジハードに参加するために、レバノンからシリアに潜入したと思われる。

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ナハールネット(5月9日付)は、北部県トリポリ市で、シャームの民のヌスラ戦線の旗を掲げた車列がクッバ地区で空砲を撃ちながら、市街地を暴走した、と報じた。

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NNA(5月9日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のシャワーギール地方にシリア領から発射されたロケット弾2発が着弾した。死傷者はなかった。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は、ツイッター(5月9日付)上で、アミールのアブー・ムハンマド・ジャウラーニーが負傷したとの情報に関して、「もし司令部が負傷、ないしは死亡したとしても、ジハードは最後の審判の日まで続く。しかしジャウラーニー師負傷の報道は正しくないと指摘せざるを得ない」とつぶやいた。

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国内の反体制組織、国民潮流(ムハンマド・サルマーン代表)は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、これまでの組織の主張と合致していると述べ、支持を表明した。

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シリア国民民主ブロックは声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆を非難、国際社会に対してイスラエルの「犯罪行為」を停止させるべく行動するよう求めた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区北部が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月9日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装集団がバーブ・トゥーマー地区の電気倉庫脇に仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が死亡、3人が負傷した。

さらにカッサーア地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が死亡、7人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市、ダルーシャー村、マルジュ・スルターン村などが空爆・砲撃を受け、サイイダ・ザイナブ町郊外、ジャルバー市、ムライハ市などでは、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月9日付)によると、軍がジャルバー市の大部分で反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

またシャイフーニーヤ村、アーリヤ市、ナブク市郊外、ヤブルード市、カーラ市、イバーダ市、フサイニーヤ町、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ジャルマーナー市では、住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾、市民2人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市のダム街道地区、ヒルバト・ガザーラ町、シャイフ・マスキーン市、マアルバ町、ナーフタ町などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月9日付)によると、タッル・フドル一帯、ダルアー市、ヒルバト・ガザーラ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ヒムス市周辺、クサイル市などが、軍の砲撃を受けた。

またクサイル市周辺、タドムル市などでは軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月9日付)によると、シューマリーヤ村、ラブラーウィー村、ラフムーニーヤ村、ズウビー農場、クルディー農場などで、軍が反体制武装集団の地下壕などを攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

またヒムス市ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区などが軍の砲撃を受け、工業地区では軍と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、サフィーラ市、バーブ市、マンナグ航空基地周辺などが、軍の砲撃を受け、ヌッブル市、ザフラー町周辺では軍と反体制武装集団が交戦した。

アレッポ市ブスターン・カスル地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。またシャイフ・サイード地区でも戦闘が発生した。

一方、SANA(5月9日付)によると、アレッポ市シャイフ・サイード地区の軍住宅工場一帯で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またアルカミーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市東部の煉瓦工場(軍の拠点)で、反体制武装集団が砲撃、戦車2輌を破壊した。

またビンニシュ市、フーア市(シーア派の村)などで、軍および人民諸委員会が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月9日付)によると、サラーキブ市などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ラタキア県では、SANA(5月9日付)によると、サーキヤ・カルト村、ラフマリーヤ村、カスブ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、外国人戦闘員を殺害した。

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ハサカ県では、SANA(5月9日付)によると、ハサカ・ダイル・ザウル街道で穀物を略奪しようとした武装集団と軍が交戦、複数の武装集団が死傷した。

またタッル・ブラーク町、タッル・ハミース村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は、ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣とローマで会談し、シリア情勢について協議した。

会談に先立って、ケリー国務長官は、「ジュネーブ2」構想で発足がめざされる移行期統治機関に関して、すべての当事者が「両当事者の相互理解のもとに移行期統治機関発足」を示すと述べる一方、「このことは我々の見解では、アサドがこの移行期統治機関に参加しないことを意味する」と述べた。

またケリー国務長官は、米国がシリア人避難民を対象に1億米ドルの追加支援を行うことを章にした。

なお『ハヤート』(5月10日付)は、西側外交筋の話として、米国がロシアとの「ジュネーブ2」構想の提案にあたって、移行期統治機関発足のための交渉開始の条件としてアサド大統領の退任を求める姿勢を「最後の譲歩」として断念し、交渉中にアサド大統領が続投することを認めたと報じた。

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『ウォールストリート・ジャーナル』(5月9日付)やロイター通信(5月9日付)は、米国およびイスラエルの高官の話として、シリア政府がロシア製のS-300ミサイル防空システム購入のためのロシアへの代金支払いを始めたとしたうえで、イスラエルがロシアに対して同システムの売却を行わないよう要請していると報じた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は『ル・モンド』(5月10日付)に対して「この紛争(シリアの紛争)を我々が止められなければ、この国の解体、当事者どうしの宗派対立、そして沸騰状態にある地域のすべての構成要素の不安定化の危機が生じるだろう」との見方を示した。

そのうえで「シリアの”釜”はイランの核問題と結びついており、両者は現在、平和にとって最大の脅威だ」と警鐘を鳴らした。

ファビウス外務大臣は、「この紛争は我々だけでは解決できない」としたうえで、政治的解決に向けた努力の継続、シリア革命反体制勢力国民連立における穏健派の支援と合わせて、「シャームの民のヌスラ戦線を国連においてテロ組織に指定することを提案する」と明言した。

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『ハアレツ』(5月9日付)は、負傷した反体制武装集団を領内に搬送するイスラエルの救急車を直接砲撃するとの脅迫をイスラエルがシリア側から受けたと報じた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、NBC News(5月9日付)のインタビューで「シリア政府が化学兵器とミサイルを使用したことは明白だ…。とっくの昔にレッド・ラインを越えている」と断じた。

エルドアン首相によると「トルコの病院で治療を受けるために越境してきたシリア人の複数の病人に、化学兵器に曝された症状が見られた」という。

AFP, May 9, 2013、al-Akhbar, May 9, 2013、Haaretz, May 9, 2013、al-Hayat, May 10, 2013、Kull-na Shuraka’, May 9, 2013、Kurdonline, May 9, 2013、LBCI, May 9, 2013、Naharnet, May 9, 2013、NBC News, May 9, 2013、NNA, May 9, 2013、Reuters, May 9, 2013、SANA, May 9, 2013、UPI, May 9, 2013、The Wall Street Journal, May 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県でヌスラ戦線のアミールを名のるアブー・ムハンマド・ジャウラーニーが負傷、シリア革命反体制勢力国民連立や自由シリア軍参謀委員会は米・露による「ジュネーブ2」イニシアチブを拒否(2013年5月8日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団(駐英)が、シャームの民のヌスラ戦線のアミールを名のるアブー・ムハンマド・ジャウラーニーが首都ダマスカスでの爆発で脚を負傷したと発表した。

ダマスカス郊外県南部の活動家の情報によると、軍の砲撃で、ジャウラーニーを含むメンバー多数が負傷したのだという。

また、シリア人権監視団によると、フジャイラ村で、政権を支持するアブー・ファドル・アッバース旅団の車輌を反体制武装集団が攻撃、司令官2人と含む複数名が死亡、多数が負傷したという。

このほか、ズィヤービーヤ町、ザマルカー町、ダーライヤー市などが、軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、SANA(5月8日付)によると、アドラー市、ナブク市、リーマー市、ランシュース市、アッサール・ワルド町、カラムーン山地一帯、ヤブルード市、フーシュ・アラブ村、ダーライヤー市などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線を追撃し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(5月9日付)などによると、反体制武装集団の援軍がヒルバト・ガザーラ町一帯に派遣され、再制圧をめざして軍と激しく交戦した。

また、ダーイル町、ヌアイマ村などに対して、軍が砲撃を行い、反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、トゥライスィーヤ村などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月8日付)によると、クサイル市南部のラフムーニーヤ村、ラブラーウィー村、ズウビー村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またヒムス市ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、タッル・ザハブ町、ウンム・シャルシューフ村、アルカム市、ダール・カビーラ村、アーミリーヤ市、ガッサーニーヤ村、ハイダリーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(5月8日付)は、ヒムス県クサイル市周辺一帯(タッル・ハンシュ村、ダイル・マール・イリヤース村近郊)で、ヒズブッラーの部隊が検問所を設置、民家を破壊、農地を焼き討ちにしている、と報じた。

またヒズブッラーの部隊は対レバノン国境のジュースィーヤ村のサファー・モスクに党旗を掲げている、と加えて報じた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ジュバイン村などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月8日付)によると、ハマー市北部のマイダーン・ガザール地方、カルカード地方で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルミーン市、ラーミー村、イフスィム町などが、軍の砲撃を受けた。

一方は、SANA(5月8日付)によると、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サラーキブ市、タフタナーズ市、ファイルーン市、ビダーマー町、マッルアンド市、ズルズール市、タッル・サラムー村、トゥルア村、アブー・ズフール航空基地周辺、ブワイティー村などで、軍が反体制武装集団の拠点・アジトを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィール市、マンナグ航空基地などが、軍の砲撃・空爆を受けた。

またアレッポ市旧市街、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月8日付)によると、ムスリミーヤ村、マンナグ村、ハーン・アサル村、タッラ・シャルファ市、カフルハムラ村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市、ムーハサン市などが軍の砲撃を受けた。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月8日付)によると、ハサカ市カッラーサ地区にある農学部を何者かが襲撃し、学生3人を殺害した。

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ラタキア県では、SANA(5月8日付)によると、ズワイク村、サーキヤ・カルト村、グナイミーヤ村、バイト・アワーン村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線のアジトを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

国内の動き

クッルナー・シュラカー(3月8日付)などによると、シリア全土でインターネット回線が約20時間にわたって不通となった。

イマード・サーブーニー通信技術大臣は、晩までにインターネット回線が復旧したと発表したうえで、回線不通が光ケーブルの切断が原因だったと明らかにした。

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クッルナー・シュラカー(5月15日付)によると、民事控訴裁判所は、内務大臣の申し立てに従い、野党のアンサール等の解党を決定した(2013年判決第810号)。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」に関して、2012年6月のジュネーブ合意における「曖昧な2つの点」を明確にする必要があると述べ、全権を有する移行期統治機関の発足、アサド大統領から移行期統治機関への権限移譲について具体的な行程を示す必要があるとの見解を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想に関して、「民主国家を求めるシリア国民の意思と希望を実現するための政治的解決」を呼びかける国際社会の努力を支持すると述べつつ、政治的解決が「バッシャール・アサドと政権幹部の退任をもって始められる」べきと強調し、両国の姿勢を事実上拒否した。

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シリア革命反体制勢力国民連立議長を辞任したアフマド・ムアーッズ・ハティーブはフェイスブック(5月8日付)で、「(政権との)交渉に先だって…16万人の逮捕者の釈放を条件として示したとき、複数の勢力が私を裏切り、私が提示したアイデアを破壊した」と述べ、政治的解決を拒否する連立内の勢力を暗に批判した。

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カイロを拠点とする反体制政治連合、シリア国民民主同盟はフェイスブック(5月8日付)で声明を出し、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想に関して、「アサド、彼の体制、その幹部の退任・退陣、そして移行期挙国一致政府への政権移譲を主要な議題、目標としないいかなる政権との対話も拒否する」との意思を示した。

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自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)のカースィム・サアドッディーン大佐は、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想を通じて政治的解決が強調されたことに「遺憾」の意を示し、「軍事評議会は対話を行うために政権と席をともにすることない」と拒否の姿勢を示した。

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アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、アルジェリア紙『シュルーク』(5月8日付)に対して、アサド政権との交渉は「国家反逆」にあたると述べ、政権との断行を主唱した。

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人民自由潮流(シリア国民評議会)は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、アサド政権との交渉を前提条件とすると批判、「失望」の意を示した。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は声明を出し、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」に関して、「モスクワでの発表は非常に重要な第一歩」と高く評価した。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長はケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想に関して、「EUは紛争の解決策が包括的な政治的関係正常化のなかにあると繰り返してきた」と述べ、歓迎の意を示した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、『ヒュッリイェト』(5月9日付)に対して、ジョン・ケリー米国務長官との最近の電話会談で、「バーニヤースで我々が懸念しているのは、(アサド)政権が国全体に対する支配を失うなかで、一部の地域で民族浄化の戦略へと移行しつつあることだ」と述べたことを明らかにした。

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ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相は『ハヤート』(5月9日付)のインタビューで、シリア情勢に関して「最近のイスラエルによるダマスカスへの攻撃によって、情勢はさらに複雑になった」としたうえで、シリアの紛争が国際問題化することを懸念するとともに、シリアに対する軍事的介入や、宗派に基づく小国家群への分裂に改めて反対の意を示した。

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オリエント・ネット(5月8日付)は、イスタンブールの反体制活動家が滞在するホテルでトルコの当局者がシリアのムハーバラート工作員と思われる男性1人を逮捕した、と報じた。

AFP, May 8, 2013、al-Hayat, May 9, 2013、Kull-na Shuraka’, May 8, 2013, May 9, 2013, May 15 2013、Kurdonline,
May 8, 2013、Naharnet, May 8, 2013、Orient Net, May 8, 2013、Reuters, May
8, 2013、SANA, May 8, 2013、al-Shuruq, May 8, 2013、Umbrella Security Lab, March 7, 2013、UPI, May 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務長官が露大統領との会談後の記者会見のなかで、シリア政府と反体制勢力双方に対して6月開催予定の「ジュネーブ2」会議に参加するよう圧力をかける意向を示す(2013年5月7日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカスを訪問したイランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣と会談した。

サーレヒー外務大臣はヨルダン訪問後、シリアを訪れた。

Damas Press, May 7, 2013
Damas Press, May 7, 2013

SANA(5月7日付)によると、アサド大統領は、会談でイスラエル軍のシリアへの越境攻撃に関して「イスラエルの最近のシリアに対する攻撃は、イスラエルによる占領と、それを支持する地域および西側諸国がシリアでの出来事にどれほど関与しているかを明らかにしている」と述べた。

またアサド大統領は「シリア国民と勇敢な軍は、日々シリアを標的として行われるこのテロの一側面をなすイスラエルの冒険に対抗することができる」と強調した。

一方、サーレヒー外務大臣は、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃を「レジスタンスの枢軸」の弱体化を狙った行為と非難した。

国内の暴力

『ハヤート』(5月8日付)などによると、反体制武装集団がUNDOF要員4人(フィリピン軍兵士)を拉致した。

UNDOF報道官によると、この4人は兵力引き離し地域に近いダルアー県ジャムラ村をパトロール中に拉致されたという。

これに関して、ヤルムーク殉教者大隊が、ビデオ声明を出し、「同地域が曝されている戦闘と砲撃から彼らを守るため」拉致したと発表した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエルとの兵力引き離し地域に向けて、反体制武装集団が砲撃を行った。

またゴラン高原のラフィード市、グダイル・ブスターン市で軍と反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、この戦闘により、反体制武装集団は、戦闘員18人を失いつつも、第2連隊、第23大隊、第29大隊、クワダナ村の治安機関拠点を制圧したという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がマッザ86地区に迫撃砲弾1発が着弾した。

同監視団によると、ダマスカス郊外県ジュダイダト・ファドル町やバーニヤース市での「虐殺」への報復だという。

一方、SANA(5月7日付)によると、カッサーア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発が着弾し、女性1人が負傷した。

ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がクドスィーヤー市西部の「アリーン・アサド地区」に迫撃砲弾2数が着弾した。

同監視団によると、ダマスカス郊外県ジュダイダト・ファドル町やバーニヤース市での「虐殺」への報復だという。

またシャーム自由人大隊は、ダルーシャー村からハーン・シャイフ・キャンプに侵入し、軍の戦車を破壊したと発表した。

このほか、バイト・サフム市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月7日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市、ドゥーマー市、アイン・タルマー村、アドラー市、アーリヤ市郊外、ハラスター市、タッル・クルディー町郊外、ザマルカー町、ジャルバー市、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、フダー青年大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市、シャイフ・マスキーン市などが軍の砲撃を受け、ヒルバト・ガザーラ町では軍と反体制武装集団が交戦、戦闘員1人が死亡した。

一方、ロイター通信(5月8日付)などによると、軍が晩、ヒルバト・ガザーラ町一帯の国際幹線道路を反体制武装集団から奪還した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルカート村、ドゥーマー市などに対して軍が空爆・砲撃を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ダブア市、ダール・カビーラ村などに対して、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月7日付)によると、クサイル市郊外のサッルーミーヤ市およびその周辺で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またダール・カビーラ村、ハイダリーヤ村、ハミーディーヤ市、ダブア市、東ブワイダ市、クサイル市、タルビーサ市、カフルラーハー市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ナビー・アイユーブ高地、バーラ村、バルユーン市、イブリーン村、アブー・ズフール市東部などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(5月7日付)によると、ジルス・シュグール市郊外およびアリーハー市郊外の農村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

またアブー・ズフール航空基地周辺、アルマナーズ市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、サルミーン市、マアッラトミスリーン市、ナイラブ村、カフルワヒーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

サルキーン市では、略奪品の分配をめぐって反体制武装集団どうしが交戦し、複数の戦闘員が死傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地、アレッポ国際空港周辺、アズィーザ市で軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ市シャイフ・サイード地区を軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(5月7日付)によると、ヒライビル村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

なおこれに先立って、6日には軍は、アレッポ国際空港街道沿いのアッサーン村、タッル・アッサーン村、ハーナート・アッサーン村、ハーン・アッザーン村、サクラーヤー村、ハディーディーン村の治安を回復した。

またムスリミーヤ村、カフル・アントワーン村、マンナグ村、ハーン・アサル村、カフルハムラ村、シャイフ・ナッジャール市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ブラーク町に対して軍が空爆・砲撃を行った。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月7日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シャルク・アウサト(5月7日付)は、複数の反体制消息筋の話として、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班に代えて、すべての反体制勢力によって受け入れられるような人物を首班に任命する動きが、11、12日にイスタンブールで予定されている連立の総合委員会会合で進められるだろうと報じた。

同消息筋によると、ヒートゥーの後任には、ダマスカス宣言国民評議会書記長を務めるアフマド・トゥウマが有力だという。

諸外国の動き

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣がヨルダンを訪問、国王アブドゥッラー2世と会談し、マフムード・アフマディーネジャード大統領の親書を手渡した。

ナースィル・ジャウダ外務大臣との会談後の記者会見で、サーレヒー外務大臣は、「シリア危機を平和的に解決し、解決はシリア人どうしによるものでなければならない」と強調した。

また「シリアでいかなる真空が生じようと、それはすべての国に悪影響を及ぼす。何が起きるかは誰にも分からない」と述べ、アサド政権が崩壊することに改めて危機感を示した。

さらに、ヨルダンとの間に、地域情勢に関する連絡・協議を目的とした合同政治委員会を設置したいとの意向を明らかにした。

一方、ジャウダ外務大臣は、イランの対シリア政策に理解を示し、「(ヨルダンは)対話と開かれたチャンネルを信じている。その姿勢は原則的且つ確固たるものであり、それについては明確に表明している…。みなが解決策の一部とならねばならない」と述べた。

そのうえで、外国(米国)の軍が領内に展開しているとの情報を否定しつつ、「数十年にわたる友好国との(軍事)教練プログラムがある」と付言した。

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イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は、視察先のガザ地区周辺地域で、イスラエルのラジオ局に対して「我々がシリアの内戦に巻き込まれるようなことはないが、我々の国益が何なのかについてはこれまでに明らかにしてきた」としたうえで、「我々がレッドラインを引いてきたのは、ヒズブッラーなどのようなテロ組織への高性能兵器の移転、化学兵器(の移転)、そして国境地域での我々の主権に対する侵害だ」と述べた。

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ジョン・ケリー米国務長官がロシアを訪問し、モスクワでウラジーミル・プーチン大統領、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、シリア情勢などについて協議した。

プーチン大統領との会談後の記者会見で、ケリー国務長官は、米露がシリア政府と反体制勢力双方に対して、シリアに関する国際会議(「ジュネーブ2」)に参加するよう圧力をかけると述べるとともに、この国際会議が6月はじめにジュネーブで開催予定であることを明らかにした。

しかしケリー国務長官は、記者団に対して、「個人的には、今様々な罪を犯す男によってシリアがどう将来統治されるかを理解することは不可能だ」と述べ、アサド大統領の退任に固執した。

一方、ラブロフ外務大臣も記者会見で、「ロシアと米国がシリア政府と反体制勢力に対して政治的解決を促すことで合意した」と明言した。

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バラク・オバマ米大統領は韓国の朴槿恵大統領との会談後の記者会見で、シリア情勢に関して「安易な対応をしたいという意思があることは理解できるが…、正しい分析に基づかずして決定を下すことはできない」と述べ、慎重な姿勢を示した。

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米上院外交委員会委員長のロバート・メネンデス議員(民主党)は、シリアの反体制勢力への「非殺傷兵器」を含む支援を定めた法案を議会に提出した。

ロイター通信(5月7日付)が報じた。

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国連人道問題調整事務所(OCHA)は、シリアでの紛争による国内避難民が425万人に、また国外避難民が140万人に達している、と発表した。

国内避難民のうち、125万人がアレッポ市内で、また70万5200人がダマスカス郊外県で避難生活をしているという。

AFP(5月7日付)が報じた。

AFP, May 7, 2013、DamPress, May 7, 2013、al-Hayat, May 8, 2013, May 9, 2013、Kull-na Shuraka’, May 7, 2013、Kurdonline, May
7, 2013、Naharnet, May 7, 2013、Reuters, May 7, 2013、SANA, May 7, 2013、al-Sharq al-Awsat, May 7, 2013、Syrian Days, May 7, 2013、UPI, May 7, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルによる越境空爆に関して各反体制派勢力あるいは反体制寄りの諸国家さえもこれに批判的な立場を表明、シリア高官「我々は待つことなるが、報復する」(2013年5月6日)

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区、カーブーン区が軍の砲撃・空爆を受け、複数名が負傷した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ハジャル・アスワド市が軍の砲撃を受け、女性2人が死亡した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ザマルカー町、ドゥーマー市、ハラスター市、ダーライヤー市、アドラー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アシュラフィーヤ・サフナーヤー市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村が軍の砲撃を受け、ダルアー市では軍が摘発逮捕を行った。

一方、SANA(5月6日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町付近で武装集団どうしが交戦し、ラーヤート・ハック大隊を名乗る組織の戦闘員らが死傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、クサイル市、ラスタン市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月6日付)によると、軍がハウラ・シャリーア法廷のメンバー複数を殲滅した。

またヒムス市ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ウユーン・シャアラ村、ウザイル村、ザアフラーニーヤ村、サッルーミーヤ村郊外、ラフムーニーヤ村、アッシュー・ウルード村、クサイル市、アイン・ダナーニール市、ラスタン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市アレッポ街道地区で軍と反体制武装集団が交戦、またサワーイク地区で軍が摘発逮捕を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーッス村などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月6日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アイン・バーリダ村、アイン・スーダ村、タフタナーズ市、サルミーン市、ナイラブ村、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が軍のヘリコプターを撃墜する一方、軍は反体制武装集団によって大部分が占拠されたマンナグ航空基地を空爆し、ヘリコプター3機を破壊した。

また反体制武装集団が「シーア派住民が多く住む」ヌッブル市、ザフラー町を砲撃する一方、軍はサフィーラ市などを砲撃した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ムスリミーヤ村、ヒーラーン村、マンナグ村、アルカミーヤ村、アレッポ市ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市に軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市でアブー・バクル・スィッディーク大隊連合が第137旅団基地を離陸した軍のヘリコプターを撃墜し、士官2人を含む兵士8人を殺害した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジャブラ市の北部に位置するブスターン・バーシャー村およびその周辺に迫撃砲弾複数発が着弾した。

同監視団によると、この攻撃は、タルトゥース県バイダー町とバーニヤース市ラアス・ナブア地区での「虐殺」への報復だという。

一方、SANA(5月6日付)によると、サルマー町、タルティヤーフ村、カフルダブラ村、ドゥッラ村、ブルジュ・アフラーシュ村などで、軍が反体制武装集団のアジトを攻撃、サウジ人、ヨルダン人など外国人戦闘員らを殺傷、武器弾薬を破壊・押収した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、タッル・ハミース市が軍ヘリコプターの空爆を受けた。

シリア政府の動き

シリア高官は、AFP(5月6日付)に対して、「シリアはイスラエルの攻撃に報復するが、実行のタイミングを選ぶだろう…。すぐには行われない。なぜならイスラエルは警戒態勢にあるからだ…。我々は待つことなるが、報復する」と述べた。

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Facebook, May 6, 2013
Facebook, May 6, 2013

ダムプレス(5月7日付)などは、殉教者記念日(5月6日)に合わせて、アサド大統領とアスマー・アフラス夫人が殉教者の子息が通う学校を慰問したと報じ、その映像を公開した。

学校の所在地は不明。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=nx7i1YJ0esk

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃を「シリアとパレスチナの土地を占領する敵だけでなく、あらゆる敵による我らが国への攻撃を非難する」としたうえで、「シリアにおける民主化のための交渉を通じた関係正常化への道を開く…すべての外交的・政治的努力を支持する」と表明した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、シリア軍弱体化の責任のすべてはアサド政権にあると非難する一方、タルトゥース県バイダー町などでの軍の「虐殺」と時を一にするかたちで行われた空爆を「疑惑の目」を持って見ていると指摘、空爆によってアサド政権による「虐殺」が激化すると警鐘を鳴らした。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「シリア国民が敵に対する統合を回復する好機」としたうえで、「政府軍に与している過ちを犯したすべてのシリア人に発砲を停止し、同胞の殺戮をやめ、人民の側に加わり、内外の敵に対抗して自衛する」よう呼びかけた。

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シャーム自由人大隊は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線の指導者どうしの対立が「国内および地域に及ぼす影響」を注視しているとしたうえで、同戦線に対して「アサド政権という敵を追いやるための戦いに努力を一つにして注ぎ込む」よう呼びかけた。

なお『ハヤート』(5月7日付)によると、シャーム自由人大隊はシリア・イスラーム戦線を主導する。

シリア・イスラーム戦線は10以上の武装集団、約15,000人の戦闘員を擁し、シリア・イスラーム解放戦線に次ぐ国内第2の武装集団。

これに対して、シャームの民のヌスラ戦線は約6,000人の戦闘員を擁し、自由シリア軍参謀委員会(駐トルコ)は40,000~50,000人の戦闘員を統括しているとされる。

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クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、自由シリア軍メンバーを名乗るハサン・ラストワーニーなる人物が、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、イスラエル・テレビで、自由シリア軍の志気高揚を促したこととに謝意を示したことに関して、この人物が自由シリア軍とは無関係で、おそらくムハーバラートの工作員だと断じた。

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、『アンバー』(5月6日付)に対して、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃が「イスラエルと反体制勢力が協力しているという口実をシリア政府に与える」としつつ、また「シリア政府への姿勢がどのようなものであれ、イスラエルの攻撃は正当化できない」と非難した。

諸外国の動き

国連人権理事会の国際独立調査委員会のカルラ・デル・ポンテ調査官は、スイスのイタリア語放送のインタビューで「入手した証拠に基づくと、反体制武装勢力がサリン・ガスを用いるなどして化学兵器を使用した」疑いが高いと述べた。

デル・ポンテ調査官はまた「確証はないが、サリン・ガスが使用されたという強い疑い、そして具体的な疑いがある」としたうえで、「我々は調査を深め、さらなる証拠を通じて正確且つ確実な調査を行わなくてはならない。しかし現時点での結論は、反体制派がサリン・ガスを使用したというものだ」と改めて強調した。

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国連人権理事会の国際独立調査委員会はジュネーブで声明を出し、カルラ・デル・ポンテ調査官の発言に関して「化学兵器を使用した当時者に関する最終的な結果は出ていない。それゆえ、疑惑に関してコメントすることはできない」と発表し、慎重な姿勢を示した。

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『ハヤート』(5月7日付)は、トルコの匿名衛生当局筋の話として、シリア国内での化学兵器の使用を確認するため、トルコ当局が領内に非難したシリア人負傷者の血液サンプルの検査を開始したと報じた。

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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はシリアでの化学兵器使用疑惑に関して「シリアでのいかなる化学兵器の使用も国際人道法への明確な違反にあたる」としつつ、「シリア政府が(国連調査チームの)受け入れを拒否していることは遺憾である」と述べた。

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『ハヤート』(5月7日付)は、イスラエルの複数の消息筋の話として、イスラエル政府が「複数の外交チャンネル」を通じて、越境攻撃が、反体制勢力との闘争におけるアサド政権の力を弱めることを意図していない旨伝えたと報じた。

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ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェビィッチ報道官は、イスラエル軍のシリアへの越境攻撃に関して「シリアで長らく続いている国内紛争への軍事的介入に世界の世論が備える兆候ではないかと大いに懸念している」としたうえで、「シリア国内…の紛争が国際問題化することを許してはならない」と警告した。

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中国外務省報道官は、声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「地域の現状は複雑且つデリケートだと考える…。我々は軍事力の行使に反対し、あらゆる国家を守る者たち権をも尊重しなければならないと考える」と非難しつつ、すべての関係当事者に自制を求めた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「イスラエルは…ヒズブッラーに武器が供与されたら報復すると言ってきた。このことは誰でも理解できる。しかし同時に、周辺諸国に紛争が拡大すれば、紛争の正確も変容するがゆえに、リスクが高い」と批判的な見方を示した。

そのうえで、シリア革命反体制勢力国民連立への支持を改めて訴えるとともに、「反体制勢力の統合と政治的解決の必要」を求めた。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「イスラエルは地域の現下の異常な状況を利用した」と非難、東アラブ地域に「さらなる混乱と危険な事態」をもたらしかねないと警鐘を鳴らした。

またウサーマ・ヌジャイフィー国民議会議長は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「イスラエルの攻撃にシリア政府は報復すべき」と主唱した。

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イランのマスウード・ジャザーイリー副参謀長はイラン・イスラーム革命防衛隊のHPを通じて、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆がイラン製の武器を標的としたとの一部報道を「シリア政府はイランの武器を必要としていない。この手の情報はプロパガンダ戦争、心理戦だ」否定した。

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サウジアラビアのサルマーン・ブン・アブドゥルアズィーズ副首相兼国防大臣は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「アラブ国家を守る者たち権への深刻な侵害」、「あからさまな敵対行為」と批判、攻撃停止と再発防止のために至急行動すべきだと述べた。

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AFP(5月5日付)は、ダマスカス郊外県のサイイダ・ザイナブ廟の「防衛」任務中に戦死したイラク人の葬儀がイラクのバスラ市で行われた。

戦死したのはディヤー・マトシャル・カーティウ・イーサーウィー(29歳)で、バスラ市で結成された「殉教者の主大隊」を名乗る民兵に属していたという。

AFP, May 6, 2013、al-Anba’, May 6, 2013、DamPress, May 7, 2013、al-Hayat, May 7, 2013、Kull-na Shuraka’, May 6, 2013、Kurdonline, May 6, 2013、Naharnet,
May 6, 2013、Reuters, May 6, 2013、SANA, May 6, 2013、UPI, May 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍機がダマスカス郊外県の43か所に対して越境空爆を実施し複数の師団が壊滅するなど甚大な被害、シリア外務省は国連への報告のなかで空爆が「タクフィール主義テロ集団の調整のもとに」行われたと指摘(2013年5月5日)

イスラエル軍によるシリアへの越境空爆

『ハヤート』(5月6日付)など、イスラエル軍機がダマスカス郊外県ジャムラーヤー市の軍科学研究センターなど43カ所に対して約4時間にわたって空爆を行ったと報じた。

Kull-na Shuraka', May 5, 2013
Kull-na Shuraka’, May 5, 2013

複数の目撃者によると、空爆による「火柱」がカシオン山上空まで昇み、ダマスカス県住民の多くが階下へと避難したという。

なお攻撃には、少なくとも18機の戦闘機が空爆に参加したという。

http://www.youtube.com/watch?v=7KjDnKr_ZBY

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RT(5月5日付)は、シリアの複数の匿名消息筋の話として、イスラエル軍のシリアへの越境空爆によって、ダマスカス郊外県のジャムラーヤー地区、クドスィーヤー地区、ハーマ地区、サッブーラ地区に展開していた共和国護衛隊第104旅団、第105旅団、第14師団の兵士約300人が死亡した、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(5月5日付)は、イスラエル軍のシリアへの越境空爆には、米軍製のJDAM誘導爆弾、ヘルファイヤ地対空ミサイル、およぶ非伝統兵器の巨大な爆弾が使用され、巨大な爆弾によってマグニチュード4の揺れが生じたと報じた。

また同報道によると、空爆の標的となった軍施設およびその被害状況は以下の通り:

Kull-na Shuraka', May 5, 2013
Kull-na Shuraka’, May 5, 2013

共和国護衛隊第105旅団:壊滅
共和国護衛隊第104旅団:壊滅
カシオン山に駐留するミサイル旅団
カシオン山の武器庫
ジャムラーヤー市の科学研究センター
ハーマ町の防空向上近くの施設
クドスィーヤー市郊外の第4師団拠点
クドスィーヤー市郊外の第4師団武器庫
マアルバ町・タッル市間の軍施設(スカッド・ミサイル関連施設と思われる施設)
クドスィーヤー市にある共和国護衛隊団地内の施設(未確認情報)
クドスィーヤー市にある住宅地内の施設(未確認情報)

そのうえで、クッルナー・シュラカー(5月5日付)は、イスラエル軍の越境攻撃で、第4師団の精鋭部隊兵士など約2,000人が死亡したものと思われると付言した。

なおクッルナー・シュラカー(5月6日付)はその後、イスラエル軍の越境空爆によって、共和国護衛隊第104、105旅団の将兵約500人が死亡したと報じた。

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AFP(5月5日付)は、ダマスカス国際空港近くの施設をイスラエル軍機が空爆したことをイスラエル公式筋(匿名高官)が認めたと報じた。

空爆は、ヒズブッラーに手渡されるミサイルが格納されていた倉庫などに対して行われたという。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出し、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃の詳細を報告した。

同書簡によると、イスラエル軍は、イスラエル領内からレバノン領空と占領下のゴラン高原を侵犯・通過し、ジャムラーヤー市北西部、マイサルーン市、ディーマース町シャワーイー航空基地にあるシリア軍の施設3カ所に対して空爆を行い、これにより、軍施設は破壊され、また市民に多数の死傷者が出た。

また同書簡は「イスラエルとシャームの民のヌスラ戦線に属すタクフィール主義テロ集団の調整のもとに攻撃が行われた」と指摘するとともに、シリア領外への武器輸送阻止というイスラエルの主張には根拠がないと却下、イスラエルの敵対的行為が地域の緊張を高め、大規模な地域戦争を誘発しかねないと警鐘を鳴らした。

さらに、米国首脳が行ったイスラエルの攻撃を是認するような米国首脳の発言が、イスラエルの越境空爆を促したと断じ、「シリアの主権侵害を政治的に隠蔽するもの」と非難した。

最後に、シリア・アラブ共和国が自国の領土と主権に対して自衛権を有することを強調し、「シリアに対するイスラエルの敵対行為を停止させ、その再発と地域の混乱を回避するために責任を果たす」よう呼びかけた。

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ワーイル・ハルキー内閣が緊急閣議を開き、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃に対する非難決議を採択し、ウムラーン・ズウビー情報大臣が閣議後の記者会見で決議を読み上げた。

非難決議はイスラエル軍の越境攻撃を「国際法のすべての基礎にあからさまに違反している」と非難する一方、「シリアに対する戦争を構成するタクフィール主義勢力とシオニストの有機的なつながりに対して何らの疑いの余地もないことが明らかになった」としたうえで、「シリア・アラブ共和国政府は、この攻撃がすべての可能性に対する門戸を開いたと考える」と報復を示唆した。

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またバアス党シリア地域指導部、人民議会、ビラード・シャーム・ウラマー連盟、人民諸組織、職業諸組合、クルド国民平和的変革運動、人民諸委員会連盟連合、アラブ社会主義運動、アラブ民主団結党、人民民主党、シリア共産党ニムル派などが、相次いでイスラエル軍によるシリアへの越境空爆を非難した。

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市ラアス・ナブア地区、カルア地区で軍による捜索摘発が行われる一方、マルカブ村周辺などに軍が砲撃を加えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町一帯などに軍が激しい砲撃を加えた。

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ヒムス県では、クサイル市郊外で軍と「ヒズブッラーを支持する人民諸委員会」が反体制武装集団と交戦、戦闘員21人を含む34人が死亡、またクサイル市とラスタン市での空爆で子供1人、女性1人を含む4人が死亡した。

また東ブワイダ市近くで車が襲撃され、子供3人、女性3人が殺害された。

一方、SANA(5月5日付)によると、マジュダル村、ヒムス市カラービース地区、ワーディー・サーイフ地区、ワルシャ地区、クサイル市などで、軍が反体制武装集団の拠点を破壊、戦闘員を殺傷、武器弾薬などを押収した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ズグバ村が軍の空爆を受け、カフルヌブーダ町、カフルズィーター市で軍と反体制武装集団が交戦した。

またハマー市アレッポ街道地区では軍が摘発逮捕を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団にようと、ダルクーシュ町などが軍に砲撃を受けた。

一方、SANA(5月5日付)によると、タフタナーズ航空基地周辺、サルミーン・ビンニシュ街道、アブー・ズフール軍事基地周辺、ナイラブ村、ジダール・ブカフルーン市、マアッラトミスラーン市、アイン・シーブ村、タッル・サラムー市、トゥルア市、アイン・スーダ村、ジャーヌーディーヤ町、タッル・ザハブ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーイル町、ハルビール市、ハッダーディーン村、マンナグ航空基地周辺、ハーン・アサル村、アレッポ中央刑務所周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦、また第80師団基地周辺での戦闘では、反体制武装集団戦闘員9人を含む23人が死亡した。

またアレッポ市では、ハーリディーヤ地区で軍と反体制武装集団が交戦、カーディー・アスカル地区、アレッポ城周辺が砲撃を受けた。

一方は、SANA(5月5日付)によると、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アルカミーヤ村、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市バドウ地区、種はダー地区、第17師団基地周辺などが軍の空爆を受けた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムーハサン市などが軍の空爆を受けた。

一方、SANA(5月5日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市などで軍と反体制武装集団が交戦し、ダルーシャー村、ハーン・シャイフ・キャンプのパレスチナ難民キャンプなどが砲撃を受けた。

一方、SANA(5月5日付)によると、アドラー市、ランクース市東部、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月5日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ヤルムーク地方、タスィール町、ジャムラ村などを軍が空爆した。

一方、SANA(5月5日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町、ジャースィム市、ナーフィア村、シャジャラ町、ダーイル町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア民主左派連合は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、シリア情勢を複雑化し、シリア人民の革命が挑まねばならない新たな課題を生み出す動きと非難した。

レバノンの動き

NNA(5月5日付)は、ベカーア県ヘルメル郡カスル村に、シリア領から発射されたカチューシャ砲が着弾したと報じた。

諸外国の動き

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、マナール・チャンネル(5月5日付)に対して、「この攻撃は、シオニスト政体とシリア国民と戦うテロ傭兵集団が結託していることを示すものであり、シリア軍の成果と勝利の結果として行われた」と非難した。

そのうえで、イスラエル軍の攻撃があらゆる国際的な取り決めに反しており、地域の安定を脅かすと付言した。

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アラブ連盟は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆を「危険な影響」を及ぼし得ると警鐘を鳴らすとともに、国連安保理に対して、敵対行為の停止と再発防止に向け、即時に行動するよう呼びかけた。

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また、イランのアリー・ラーリージャーニー諮問評議会(国会)議長、アルジェリア外務省報道官、レバノンのミシェル・スライマーン大統領、アドナーン・マンスール外務大臣、アマル運動政治局、スーダンのアフマド・ビラール・ウスマーン情報大臣、PFLP、パレスチナ・イスラーム聖戦、PFLP-GC、パレスチナ人民闘争戦線、PLO政治局長、クウェート国会などが、相次いでイスラエル軍によるシリアへの越境空爆を非難した。

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NNA(5月5日付)などによると、イスラエル軍は対レバノン・シリア国境地帯にアイアン・ドーム防空システム2基を配備した。

シリアへの越境攻撃に対する報復を警戒した動き。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、AKP党員らを前に演説し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関連して、「我々はアッラーの許しのもと、このとさつ人、人殺しがこの世界で報いを受けるのを目にすることになろう…。お前は振り籠の子供に対して勇気を見せつけたことに対して、非常に高い代償を支払うことになろう」と述べ、アサド大統領を非難した。

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国連の潘基文事務総長は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して「イスラエルが攻撃を行ったとの(5月4日の)報道に関して大いなる懸念」を表明しつつ、「国連は攻撃が行われたかどうか確認できない」と述べた。

AFP, May 5, 2013、al-Hayat, May 6, 2013、Kull-na Shuraka’, May 5, 2013, May 6, 2013、Kurdonline, May
5, 2013、al-Manar Channel, May 5, 2013、Naharnet, May 5, 2013、NNA, May 5,
2013、Reuters, May 5, 2013、SANA, May 5, 2013、UPI, May 5, 2013などをもとに作成。

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人民防衛隊がアレッポ市アシュラフィーヤ地区で軍と交戦、またハサカ県では親政権シャッラービーン部族の民兵の検問所を制圧(2013年5月3日)

国内の暴力

タルトゥース県では、「スンナ派が住むバーニヤース市南部の複数の地区に、アラウィー派のシャッビーハが突入し、逮捕を行った」とシリア人権監視団(駐英)が発表した。

同監視団によると、突入・逮捕は、他県からの避難民が暮らす住居を対象とし、逮捕者は政治治安部に連行されたという。

シリア人権監視団は「バイダー町で、アラウィー派シャッビーハに支援された軍が犯した宗派虐殺を完了すべく、これらの地区(バーニヤース県)で政府軍が宗派虐殺を行う恐れがある」と喧伝した。

またこれと前後して、反体制活動家らがユーチューブなどを通じて、至近距離から撃たれて殺害されたバイダー町の住民だとして、複数の映像をアップした。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダール・カビーラ村が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月3日付)によると、クサイル市郊外のマシャーリーウ・ジュースィーヤ村、フサイビーヤ市、ドゥースィリーヤ市などで軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またラスタン市、ダール・カビーラ村、ジュースィーヤ村郊外、ニザーリーヤ市、アイン・サーヒナ市、ヒムス市カラービース地区、ハーリディーヤ地区、ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにヒルバト・ウルード市、マニーヤ市、キースィーン市、タッルドゥー市、ナースィリーヤ村、タルビーサ市、ガントゥー市、ガジャル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、ハワーシュ町での反体制デモに参加した市民をシリア民族社会党の武装したメンバーが殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市郊外のマーリキーヤ村軍検問所を反体制武装集団が襲撃し、複数の兵士を殺害した。

またマンナグ航空基地周辺での戦闘で、反体制武装集団戦闘員3人が死亡した。

アレッポ市では、アシュラフィーヤ地区で軍と民主統一党人民防衛隊が交戦し、軍兵士1人が死亡、6人が負傷した。

一方、SANA(5月3日付)によると、ムスリミーヤ村、ハーン・アサル市、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ランクース市で反体制武装集団が軍の検問所を襲撃し、軍兵士多数が死傷した。

この戦闘では反体制武装集団戦闘員1人も死亡したという。

またムライハ市、ダーライヤー市などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月3日付)によると、ダマスカス国際空港に向けて反体制武装集団が迫撃砲2発撃ち、空港の燃料庫で火災が発生、また航空機1機が被害を受けた。

同報道によると、砲撃による火災は鎮火され、空港は通常通り営業しているという。

またSANA(5月3日付)によると、イバーダ市、ダーライヤー市、ハラスター市郊外、ドゥーマー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ドゥーマーの楯大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊、武器弾薬を押収した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月3日付)によると、タッル・タムル町・カーミシュリー間のヒルバト・イード村で、民主統一党人民防衛隊がシャッラービーン部族(親政権)の民兵の検問所を制圧した。

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ダマスカス県では、SANA(5月3日付)によると、ティジャーラ地区の住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が負傷した。

またオートストラード・アダウィー地区にも、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(5月3日付)によると、アブー・ズフール軍事基地周辺、ジャーヌーディーヤ町、ハーッジ・ハンムード市郊外、マアッラトミスリーン市、クマイナース村、ジダール・ブカフルーン市、ビンニシュ市、カフルジャーリス市、タッル・サラムー市、トゥルア市、タフタナーズ市、シャビーバ軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(5月3日付)によると、ハマー市郊外などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(5月3日付)によると、ナワー市などで軍が反体制武装集団と交戦市、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア人権監視団によると、国内の複数カ所で「あなた方のレッドラインがシリア人を殺す」金曜日と銘打って、反体制デモが実施され、シリアでの紛争に対する国際社会の対応の悪さに対して抗議が行われた。

反体制デモは、アレッポ県アレッポ市カーティルジー地区、マイサル地区、マルジャ地区、ジャズマーティー地区、スッカリー地区、シャッアール地区、ハイダリーヤ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、バーブ市、ハマー県ハマー市ハミーディーヤ地区、バーブ・クブラー地区、カフルズィーター市、ラターミナ町、カルアト・マディーク町、サラミーヤ市、イドリブ県ハーッス村、カフルナブル市、フバイト村、ダルアー県ダルアー市、ヤードゥーダ村、マアルバ町、ガーリヤ市、ダマスカス郊外県ドゥーマー市、ダマスカス県バルザ区、アサーリー地区などで発生したという。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(5月3日付)は、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領(バーニヤース市出身)がバイダー町での軍と反体制武装集団の交戦およびそれに伴い軍が行ったとされる「虐殺」に関して、「目的は紛争を宗派紛争にすることにある…。バイダーに介入したのは軍ではなく、軍によって集められたアラウィー派のシャッビーハだ」と断じたと報じた。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は、訪問先のサンホセ(コスタリカ)でコスタリカ大統領との会談後の記者会見で、米軍最高司令官として、いかなる選択肢も排除しないとしつつ、「米軍をシリア領内に派遣するというシナリオは、米国、さらにはシリアにとって良いことではない」と述べた。

AFP, May 3, 2013, May 4, 2013、al-Hayat, May 4, 2013、Kull-na Shuraka’, May 3, 2013, May 6, 2013、Kurdonline, May
3, 2013、Naharnet, May 3, 2013、Reuters, May 3, 2013、SANA, May 3, 2013、UPI,
May 3, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バーニヤース市近郊のバイダー町で軍・親政権武装組織が反体制武装集団と激しい戦闘を繰り広げるなか、米国による第1回目の支援物資供与800万ドル相当が自由シリア軍参謀委員会に引き渡されたことが明らかに(2013年5月2日)

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市近郊のバイダー町で軍と親政権の武装組織が反体制武装集団と激しく交戦した。

SANA, May 2, 2013
SANA, May 2, 2013

親政権の複数の消息筋によると、軍・治安機関・人民諸委員会のパトロール隊がバイダー町で要撃を受け、治安要員1人、兵士1人、人民諸委員会メンバー1人が殺害され、パトロール隊隊員20人が負傷したのを受け、軍、国防隊が応援に駆けつけ、数十人の武装集団戦闘員と交戦したという。

この戦闘では、マルカブ城に展開する軍の大隊がバイダー町に砲撃を加え、軍、国防隊は、数時間にわたる戦闘の末、武装集団を殲滅したという。戦闘では、軍、国防隊側には負傷者が出た。

シリア人権監視団によると、軍と反体制武装集団の交戦後、バイダー町で軍が「戦場処刑」が行われた模様で、複数の活動家によると、少なくとも51人が殺害されたという。

これに関して、SANA(5月2日付)は、バイダー町の反体制武装集団のアジトに対して軍が作戦を遂行し、武器弾薬を押収したと報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍が、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区で反体制武装集団を掃討し、同地区の大部分を約1年ぶりに奪還した。

同監視団によると、軍は、国防隊、イラン当局、ヒズブッラーの支援を受けていたという。

一方、SANA(5月2日付)によると、軍がジュースィーヤ村、ウブーディーヤ市で反体制武装集団の掃討を完了し、両市の治安を回復した。

またダブア市、マスウーディーヤ村、シューマリーヤ市、サッルーミーヤ市、アッシュ・ウルード市、ラスタン市、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラ・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区、ハーリディーヤ地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、複数の活動家によると、ダイル・ザウル市内のユーフラテス川に架けられていた架け橋が崩壊した。

反体制活動家らは、軍が爆弾で破壊したと主張する一方、政権支持者は「テロリスト」が橋を爆破したと主張している。

一方、SANA(5月2日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、工業地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、アブー・ザッル・ギファーリー団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ティシュリーン地区、ヤルムーク区、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を受けた。

複数の活動家によると、軍と反体制武装集団の戦闘は、カラジャート・アッバースィーイーンにもおよび、軍はザブラターニー地区方面からジャウバル区の入口に展開し、アッバースィーイーン地区に至る街道を封鎖したという。

一方、SANA(5月2日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またルクンッディーン区で反体制武装集団が仕掛けた車爆弾が爆発し、運転手1人が負傷した。

他方、クッルナー・シュラカー(5月2日付)は、バルザ区で活動する自由シリア軍が早朝、ダマスカス県およびダマスカス郊外県に対する砲撃の拠点となっているカシオン山の砲台を迫撃、軍の迫撃砲2門を破壊したと報じた(未確認情報)。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイル町、スィヒム・ジャウラーン市などが軍の砲撃を受け、ヒルバト・ガザーラ町などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月2日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町、カニーヤ村、ジャースィム市、ダーイル町、タファス市、ジャムラ村、シャジャラ町、スィヒム・ジャウラーン市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード大隊旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(5月2日付)によると、軍がカイサー市の反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

イバーダ市、ザバダーニー市、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

またハラスター市、ドゥーマー市などでも、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、反体制消息筋によると、ナバク地方で、反体制武装集団の戦闘員90人と軍・親政権支持者11人の「捕虜交換」が行われた。

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イドリブ県では、SANA(5月2日付)によると、アブー・ズフール軍事基地周辺、ジャーヌーディーヤ町、ミシュミシャーン市、アイン・アサーフィール市、ナイラブ村、マアッラトミスリーン市、フマイシュー市、カフルルーヒーン村、バラーギースィー市、フシャイル市、アリーハー市、ガッサーニーヤ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(5月2日付)によると、ムスリミーヤ村、アイン・ダクナ村、ズィラーア市、ヒーラーン村、ジュバイラ市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、スライマーニーヤ地区、ハイダリーヤ地区、サラーフッディーン地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(5月2日付)によると、ダルバースィーヤ市で、軍がシャームの民のヌスラ戦線、使徒末裔大隊と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月2日付)が、自由シリア軍使徒末裔大隊が、サイイダ・ザイナブ廟から約100メートルの地点に集結、同廟に籠城する軍やシャッビーハに対峙していると報じた。

同報道によると、自由シリア軍は、ヒズブッラーやシリア軍とは異なり、サイイダ・ザイナブ廟をはじめとするイスラーム教、キリスト教の聖地に被害が及ぶことを避けて活動しているという。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の演説に関して「イランとともにシリアの体制を擁護するために干渉するとの脅迫は、(アサド)体制が崩壊しつつあることを直接白状したようなものだ」と批判した。

またヒムス県クサイル市郊外のレバノン人が居住する村を自由シリア軍が攻撃しているとのナスルッラー書記長の発言を「根拠がなく事実でない」と否定した。

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シリア国民評議会は声明を出し、ダイル・ザウル市の架け橋破壊をアサド政権の犯行と断じ、非難した。

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カイロなどで活動する反体制活動家約20人が共同声明を出し、「民主主義(市民権国家)のためのシリア人」がアサド政権に対する運動の統合に失敗したとして、同組織からの脱会を発表した。

シリア国内の動き

クッルナー・シュラカー(5月2日付)は、ラーミー・マフルーフ氏が4月29日付でシリアテル社の取締役会に辞表を出したと報じた。

マフルーフ氏はこれを受けてダマスポスト(5月3日付)に声明を出し、自身が個人名義で保有していたシリアテル社の株を3月にラーマーク社に譲渡したことを改めて明らかにし、シリアテル社の株の42%を保有するに至ったラーマーク社がシリアテル社の運営を担うのが当然との見解を示した。

レバノンの動き

MTV(5月2日付)やムスタクバル・チャンネル(5月2日付)は、シリア軍兵士約70人がベカーア県バアルベック郡カーア地方に侵入し、住民に退去を求めたと報じた。

しかしNNA(5月2日付)はこれを否定した。

諸外国の動き

チャック・ヘーゲル米国防長官は、フィリップ・ハモンド英国防大臣との会談後の記者会見で、シリアの反体制武装集団への武器供与の可否に関して「武器を与えることも選択肢としてある」と述べた。

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『ウォールストリート・ジャーナル』(5月2日付)は、複数の米高官の話として、米国による第1回目の支援物資供与が4月30日にトルコの自由シリア軍参謀委員会に対して行われたと報じた。

供与された支援物資は、食糧品、衣料品などで、総額が800万ドル相当だという。

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イラクのフダイル・フザーイー副大統領は「シリアのテロリストたちは、サハーバであるフジュル・ブン・アディー廟を襲撃することで、アッラーの使徒の教友への憎しみの牙を向いた」と非難した。

フジュル・ブン・アディー・キンディーは第4代カリフ・アリーの冒涜を拒んだことで知られる。

イラーキーヤ・チャンネル(5月2日付)などによると、シリアの反体制武装集団はダマスカス郊外県アドラー市にあるフジュル・ブン・アディー廟から遺体を掘り起こし、どこかに持ち去ったという。

AFP, May 2, 2013、Damaspost, May 2, 2013、al-Hayat, May 3, 2013, May 4, 2013、Kull-na Shuraka’, May 2, 2013, May 3, 2013、Kurdonline,
May 2, 2013、Naharnet, May 2, 2013。NNA, May 2, 2013、Reuters, May 2, 2013、SANA,
May 2, 2013、UPI, May 2, 2013、The Wall Street Journal, May 2, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍が各県内の反体制武装集団の拠点に砲撃を加える一方、アラブ連盟はシリア革命反体制勢力国民連立の代表出席を「暫定政府の発足と国外での代表権に関わる行政的措置の完了」まで見合わせ(2013年5月1日)

シリア政府の動き(シリア社会の動き)

アサド大統領はメーデーを祝して、ダマスカス県ティシュリーン公園のウマウィーイーン発電所を視察訪問し、従業員らの歓迎を受けた。

SANA(5月1日付)によると、アサド大統領は発電所の従業員らに対して、「シリアの労働者たちは、我々の国が2年以上にわたって曝されている戦争を通じて、自らが常に国力を支える構成要因であるということを証明した…。インフラを標的とする試みは…労働者たちが愛国的義務を継続することを阻止し得ないだろう…。テロリストの手によってさまざまなセクターで数百人の労働者が犠牲となろうとも」と述べ、謝意を示した。

SANA, May 1, 2013
SANA, May 1, 2013

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シリア民間航空公社幹部は、SANA(5月1日付)に対して、ロシアの民間旅客機がシリア上空で地対空ミサイル2発の攻撃を受けたとのロシア・メディアなどの報道内容を否定した。

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ロイター通信(5月1日付)は、紛争に伴う治安悪化や犯罪(誘拐、暴行、強姦)の多発を受け、ダマスカスのスポーツ・センターに女性たちを受け入れ、護身術を教えている、と報じた。

SANA, May 1, 2013
SANA, May 1, 2013

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(5月1日付)によると、バーブ・ムサッラー地区のバーブ・ムサッラー地区公園とハーリド・ブン・ワリード通りで、爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発し、10歳の子供1人を含む市民2人が死亡、約30人が負傷した。

またマッザ区では、爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発し、市民2人が死亡、2人が負傷した。

さらにアッバースィーイーン地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発が着弾し、市民3人が負傷した。

このほか、シリア人権監視団によると、サーリヒーヤ区で銃声が聞こえた。銃撃の理由は定かでないという。

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同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区に対して軍が空爆・砲撃を行った。

一方、SANA(5月1日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区に反体制武装集団(サラフィー主義者)が開設した「シャリーア委員会」前で住民が抗議の座り込みを行った。

同監視団によると、シャリーア委員会は、マサーキン・ハナーヌー地区の「民間防衛センター」の撤去を要請、これに対してアレッポ市議会が抗議し、要請を拒んだことを受け、住民がシャリーア委員会の要請に異議を唱えるために抗議行動を行ったという。

「民間防衛センター」は、自由シリア軍が占拠する地域での無政府状態に対処するために設立されたNPOで、市街地の清掃、復興、住民へのサービス提供を行っている。

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Kull-na Shuraka', May 1, 2013
Kull-na Shuraka’, May 1, 2013

同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ街道地区で3週間前に殺害された青年の遺体が発見された。

またハフサ町、カフルハムラ村などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、アルカミーヤ村、マンナグ航空基地周辺、アイン・ダクナ村、アナダーン市、フライターン市、ムスリミーヤ村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ザマルカー町などに、軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(5月1日付)によると、キーサー市、アフマディーヤ市、イバーダ市、ザマルカー町、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、アドラー市、ダイル・アティーヤ市、カーラ市郊外、アシュラフィーヤ・ワーディー市、リーマー市郊外などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、第34師団本部周辺、マスミヤ町の軍事情報局施設周辺、ナワー市などで軍と反体制武装集団が交戦、タッル・シャフバー市などが砲撃を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、反体制武装集団がダルアー国立病院事務局長のワリード・シャンヌール氏を襲撃、同氏は負傷し、病院に搬送された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市各所、ラビーア町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月1日付)によると、ガントゥー市、カフルラーハー市、西タイバ村、サッルーミーヤ市、ラフムーニーヤ市、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ジャウラ・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルヌブーダ町に近いタッル・ウスマーン検問所などで軍が反体制武装集団と交戦した。

また軍がハマー市アレッポ街道地区、ティーバ・イスム村、ハスファイン村、マギール市などを砲撃・空爆する一方、反体制武装集団はズール・スース村を迫撃砲で攻撃した。

一方、SANA(5月1日付)によると、ハマー市ワーディー・ジャウズ地区、マシャーウ地区、アレッポ街道地区、ハウワーシュ丘、カフルヌブーダ町、カサービーヤ市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ナージヤ村などが軍の空爆を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、アブー・ザーヒル軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市中心部に対して軍が空爆を行い、タブカ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

またラッカ市内の広場で、政府に協力し、ロケット弾を撃ったとの罪で、青年3人が公開処刑された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区、ジュバイラ地区、ムワッザフィーン地区、ウルフィー地区などで軍と反体制武装集団が交戦し、ムーハサン市などが砲撃を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区、ハウィーカ地区、ウルフィー地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、アッバース大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(5月1日付)によると、サルマー町、バイト・アワーン村、グナイマ村、カサーティル村、ダイル・ハンナー村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線、トリポリ自由人メンバー(外国人)など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

ダマスカス国民民主変革宣言(ダマスカス宣言)事務局が声明を出し、紛争の政治的解決は不可能と断じたうえで、国内の武装勢力の統合と同勢力による革命の指導を主唱した。

レバノンの動き

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー元首相は声明を出し、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のテレビ演説(4月30日付)に関して、「ナスルッラーによる発言でもっとも危険なのは、シリアの革命に関する彼の姿勢でも、アサド大統領を擁護しようとする姿勢でもない。レバノンの運命をシリアとリンクさせようとする自殺的な姿勢だ」と非難した。

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レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のテレビ演説(4月30日付)に関して「シリアの体制は崩壊する。歴史が記されるのをあなたは止めることなどできない」と反論した。

諸外国の動き

アレクサンドル・ザスィプキン在レバノン・ロシア大使は、シリア危機へのヒズブッラーへの介入に関して、「誰が主権を侵害する権利を持つのか、そしてヒズブッラーの支援を必要とするか否かはアサド政権が決めることだ」と述べた。

そのうえでザスィプキン大使は「一部の陣営はシリアでのヒズブッラーの役割に焦点を当てているが、別の勢力が戦闘員や武器をレバノンから送り、体制と戦っていることを見過ごしている」と批判した。

『アフバール』(5月1日付)が報じた。

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『ハヤート』(5月2日付)は、アラブ連盟事務局が加盟国および関連機関に対して、連盟関連の会合へのシリア革命反体制勢力国民連立の代表出席を、暫定政府の発足と「国外での代表権に関わる行政的措置の完了」まで見合わせる旨、通達したと報じた。

AFP, May 1, 2013、al-Akhbar, May 1, 2013、Akhbar al-Sharq, May 1, 2013、al-Hayat, May 2, 2013、Kull-na Shuraka’, May 1, 2013、Kurdonline, May 1,2013、Naharnet,
May 1, 2013、Reuters, May 1, 2013、SANA, May 1, 2013、UPI, May 1, 2013などをもとに作成。

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ダマスカス県内のマルジャ広場で爆破テロが発生し14人が死亡し国内外からの非難を呼ぶなか、オバマ米大統領はアサド政権による化学兵器使用の確認が「ゲームを変える要因」となるとの見解を示す(2013年4月30日)

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(4月30日付)によると、首都中心部に位置するマルジャ広場で爆破テロが発生し、14人が死亡、約100人が負傷した。

またダマスカス商業タワー・ビル、ファドルッラー・ブサイリー・モスク、ウマル・ハイヤーム・ホテル、ダマスカス郊外県移籍局などが被害を受けた。

爆発は車に仕掛けられた爆弾によるもので、クッルナー・シュラカー(4月30日付)によると、爆発は内務省正門から数メートルの距離で発生した。

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

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同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で、同地区の完全制圧をめざす軍が反体制武装集団と交戦した。

またカフルスーサ区などに迫撃砲が着弾した。

これに関して、反体制活動家は、迫撃砲がダマスカス郊外県の第18旅団基地から発射されたと断じた。

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

一方、SANA(4月30日付)によると、ラウダ地区(ジャーヒズ公園近く)、マイダーン地区、ラブワ街道に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾3発が着弾した。死傷者はなかった。

またルクンッディーン区で軍が反体制武装集団のアジトから大量の武器弾薬を押収した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月30日付)によると、ドゥーマー市、シャブアー町、ザマルカー町、アドラー市および同市周辺などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線、使徒末裔大隊と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

またナブク市、カーラ市、ヤブルード市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アトマーン村での軍との戦闘で、反体制武装集団の戦闘員2人が死亡した。

またワーディー・ヤルムークでは、軍の迫撃砲による攻撃で、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

このほか、ヒルバト・ガザーラ町、ラジャート市郊外、ヒルバト・ガザーラ町・ダーイル町間の一帯で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月30日付)によると、アトマーン村・ダーイル町間、ジャースィム市、インヒル市、ヌアイマ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダール・カビーラ村、ガントゥー市周辺などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月30日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、ワアル地区、ガントゥー市、ダール・カビーラ村、ティール・マアッラ市、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タッル・ザハブ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、タウヒード旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアレッポ街道地区、マシャーウ地区、ワーディー・ジャウズ地区に対して、軍が砲撃を行い、複数の死傷者が出た。

一方、SANA(4月30日付)によると、ラアス・アイン市、シュアサ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、両村の治安を回復した。

またハマー市マルアブ地区、サマク地区、マシャーウ・タイヤーラ地区、ダウワール・イスカーン地区、クルド人地区、フワイザ市などで軍が反体制武装集団に対する特殊策戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなどを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月30日付)によると、サラーキブ市で軍が反体制武装集団と交戦、シャーム自由人大隊メンバーや外国人戦闘員複数を殺害した。

この戦闘の直前、反体制武装集団はシャーブール地区や市への南部入り口で、「粉」が入った袋を明け、その粉を吸った住民が呼吸困難、痙攣、感覚麻痺などの症状を発したと報じた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イドリブ県サラーキブ市で軍が民間人に対して化学兵器を使用したと主張した。

クッルナー・シュラカー(4月30日付)は、イドリブ県カフルナブル市での反体制デモの写真だとして、フェイスペイントを施された子供たちや、プラカードや絵を掲げさせられた子供たちの画像を公開した。

英語で書かれたプラカードや絵は、大人が作成したもので、子供たちが反体制運動に巻き込まれ、利用されているさまが如実に示されている。

なおシリア人権監視団によると、サラーキブ市、イドリブ市に対して軍が砲撃を行い、サラーキブ市で子供1人が死亡した。

Kull-na Shuraka', April 30, 2013
Kull-na Shuraka’, April 30, 2013

またSANA(4月30日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、対トルコ国境のバーブ・ハワー市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港に近いアズィーザ市に対して軍が砲撃を加えた。

Kull-na Shuraka', April 30, 2013
Kull-na Shuraka’, April 30, 2013

一方、SANA(4月30日付)によると、フライターン市、マンナグ村、ハーン・アサル市、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ザフラー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾多数が着弾し、住民4人が負傷した。

このほか、ハイダリーヤ地区、ブアイディーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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Kull-na Shuraka', April 30, 2013
Kull-na Shuraka’, April 30, 2013

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シュハイル市、ブーカマール市、マヤーディーン市に対して軍が空爆を行った。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ県マハッタ地区で何者かによって市民1人が殺害された。

またクルドオンライン(4月30日付)によると、反体制武装集団(自由シリア軍)がタッル・ハミース市に近いアイン・アブド村を襲撃、これに対して民主統一党人民防衛隊が応戦し、武装集団戦闘員多数を殺害、撃退した。

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ラタキア県では、SANA(4月30日付)によると、スーラース遺跡、ガマーム村などで軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー内務大臣は、ダマスカス県マルジャ広場での爆弾テロに関して、「テロとテロリストに対する我らが武装部隊の戦場での成果と勝利によって挫折に追い込まれたもの反応」と指摘、「民間人を無差別に標的にしたテロ」と厳しく非難した。

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ワーイル・ハルキー内閣は閣議で、29、30日のダマスカス県での爆弾テロを厳しく非難した。

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シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送り、そのなかで29、30日のダマスカス県での爆弾テロを「政治的解決を拒否する明確な表明にほかならない」と非難したうえで、一連のテロの原因がアル=カーイダと関係のある組織への諸外国の様々な支援にあると強調、テロ非難と適切な対応を求めた。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、ダマスカス県マルジャ広場での爆弾テロを「犯罪的としか評し得ず、合法的な革命闘争のなかに収まらない」と非難した。

そのうえで「戦闘を行うすべての当時者」に住宅地から撤収し、「いかなる勢力が行うにせよ…、砲撃、化学兵器使用、大量破壊兵器使用を非難する」との意思を示した。

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SANA-サウラ通信(4月30日付)は、ダマスカス県マルジャ広場での爆弾テロに関して、政権の自作自演だと非難した。

同通信は、複数の目撃者の話として、爆発が発生する30分前に、即席爆弾を撤去するとの理由でマルジャ広場が封鎖され、消防車が到着したと報じた。

またジャウダト・ハーシミー学校に生徒の話として、爆発が発生する前に生徒たちが下校を指示されたと伝えた。

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ザマーン・ワスル(4月30日付)は、SANA(4月29日付)が配信した写真をもとに、29日のダマスカス県マッザ区でのワーイル・ハルキー首相暗殺未遂事件が政権による自作自演の疑いがあると報じた。

同報道によると、ハルキー首相が乗っていた車から無事に脱出することは、車や現場周辺の被害を踏まえると、不可能だという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のテレビ演説(4月30日付)を受けるかたちで声明を出し、レバノン政府に対して、不関与政策を貫徹し、ヒズブッラーのシリア領内での軍事行動を停止させるよう改めて求めた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説を行い、と述べ、シリアでの紛争への関与が「人道的・道徳的」に妥当だとの立場を示すとともに、シリア危機の地域全体の波及を懸念する「世界」にとっての「真の友人」であるアサド政権の崩壊はないと強調した。

ナスルッラー書記長は「クサイルの農村で攻撃に曝されるレバノン人を放ってはおかない。我々は彼らを助けることに躊躇しないだろう…。クサイルの問題についてはすでに…、3,000人のレバノン人イスラーム教徒とキリスト教徒が狙われ、仕事に行けない状態だと述べた」としたうえで、「これらの人々は自衛のためにあらゆることをする権利があり、支援を受ける権利がある。これは道徳的・人道的な問題だ」と述べた。

また「レバノンでは、ファトワー、演説、送金、武器・戦闘員派遣が2年間とどまることなく行われている…。レバノンのいかなる勢力も無実だなどとは言えない」と強調した。

さらに「サイイダ・ザイナブ廟から数百メートルの場所に武装集団がおり、タクフィール主義集団はインターネットで廟を破壊すると脅迫している…。我々はスンナ派全体を責めてはいない。我々の問題はタクフィール主義者との間にある。みなが…彼らによる廟の破壊を阻止しなければならない」と述べた。

そのうえで「殉教者となった戦闘員は、宗派対立を阻止しようとしていた…。我々は殉教者、とりわけ最近の戦闘で命を落とした者たちを誇りに思っている」とシリアでの戦闘での戦死者に弔意を示した。

一方、アサド政権に関して「戦闘が長引いても、ダマスカスを掌握し、体制を倒すことできないだろう…。シリアは地域における真の友人であり、シリアを米国、イスラエル、タクフィール主義者の手に渡させない世界にとって真の友人である」と強調した。

シリア紛争については「同国をレジスタンスの枢軸から排除するだけでなく、シリアの国家、社会、軍を破壊し、失敗国家に貶めようとする」動きだとの見方を示した。

そのうえで「紛争は二つの陣営の間で行われている。第1の陣営は、体制を転覆し、醜い戦い、殺戮…に訴え、シリアを破壊するため国際社会の政治的・軍事的介入をめざしている…。第2の陣営は、シリア危機が地域全体に及ぼす影響に注意を払っている」と指摘、ヒズブッラーが第2の陣営に属し、「常に政治的解決を呼びかけている」と強調した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領はホワイトハウスで記者会見を開き、「我々が持っているのは、シリア国内で化学兵器が使用された証拠だ」と述べつつも、「分からないのは、誰がそれを使用したかだ」と述べ、アサド政権による使用を断定できないことを明らかにした。

また「何が起きたかを示す証拠がなくて、どうして何をするかを決定できようか?」と付言、シリア情勢への介入に慎重な姿勢を示した。

一方、「もしアサド政権による化学兵器使用を確認できれば…、それはゲームを変える要因(game changer)になる」と強調し、断固たる姿勢を示そうとしたが、反体制武装集団が化学兵器を使用した場合に対応については明言しなかった。

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『ワシントン・ポスト』(4月30日付)は、米政府高官の話として、バラク・オバマ米大統領がシリア反体制派への武器供与を準備していると報じた。

同紙によると、反体制派への武器供与は「数週間以内」に最終決定する見通し。シリア内戦への介入に反対するロシアの説得に努めるという。

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『シャルク・アウサト』(4月30日付)は、サウジアラビア訪問中の安倍晋三首相とのインタビュー内容を掲載した。

インタビューのなかで、安倍首相はシリア情勢に関して以下通り答えた。

「中東の安定は世界の安定と直結している。これは日本の安全保障にとっても同じです。日本は関係当事者との協力を通じて全力で同地域を支援し続けます。とくにシリアに関して、同国および同国国民が被った甚大な人的被害、そしてその影響が地域全体に拡がっていることに大きな懸念を表明したいと思います。日本はすでに緊急人道支援として8,000万米ドルを供与し、シリア国民や周辺諸国を支援しようとしてきました。我々はアサド大統領が権力にとどまることが円滑な転換プロセスの進行を妨げると考えています。一方、もし現状が今のまま続けば、アサド体制後に過激派の影響が増す懸念があります。国際社会は、こうした事態の解決策を案出するため、反体制勢力の統合プロセスにおいて一致団結、支援しなければなりません」。

AFP, April 30, 2013、Akhbar al-Sharq, April 30, 2013、al-Hayat, May 1, 2013、Kull-na Shuraka’, April 30, 2013、Kurdonline, April 30,2013、Naharnet,
April 30, 2013、Reuters, April 30, 2013、SANA, April 30, 2013、al-Sharq al-Awsaṭ, April 30, 2013、UPI, April 30, 2013、The Washington Post, April 30, 2013、Zaman al-Wasl, April 30, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県でハルキー首相の車列を狙った爆破テロが発生するなか、民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーム代表は「シリア国民の唯一の代表」としてのシリア革命反体制勢力国民連立承認を批判(2013年4月29日)

シリア社会の動き

クッルナー・シュラカー(4月29日付)などによると、バフル機構がシリア人1,500人を対象に、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出などに関する世論調査を行った。

SANA, April 29, 2013
SANA, April 29, 2013

世論調査は、20歳から39歳のシリア国内外で暮らすシリア人を対象とし、うち男性は83%、女性は17%、また91%が高等教育修了者だった。調査はインターネットなどを通じて行われた。

質問は、暫定政府に関する項目、ヒートゥー首班に関する項目からなる。

主な結果は以下の通り。

1. 現下の暫定政府が必要でないと答えたのは41%。
2. 暫定政府の拠点がシリア国内にあるべきと答えたのは89%。
3. 暫定政府のポストを人種、宗派、政党などによって配分すべきでないと答えたのは81%。
4. 首班がシリア国籍以外の外国籍を持っているべきでないと答えたのは50%。
5. ヒートゥー首班の経歴に不満と答えたのは45%。
6. 暫定政府および首班選出方法を拒否すると答えたのは70%。
7. シリア国民評議会にいかなる閣僚ポストも与えるべきでないと答えたのは69%。
8. シリア革命反体制勢力国民連立にいかなる閣僚ポストも与えるべきでないと答えたのは57%。

国内の暴力

インテルファクス通信(4月29日付)は、ロシアの信頼できる消息筋の話として、ロシアの民間旅客機がシリア上空で地対空ミサイル2発の攻撃を受けたと報じた。

同消息筋によると、被害は出なかったという。

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ダマスカス県では、SANA(4月29日付)によると、ダマスカス県マッザ区(ヴィーラート・ガルビー)イブン・ルシュド公園近くでワーイル・ハルキー首相の車列を狙った「爆破テロ」が発生し、複数の市民が死傷した。

スカイ・ニュース・アラビック(4月29日付)によると、死者は、1人はハルキー首相に同行していた1人を含む12人に上った。

ハルキー首相本人は無事だった。

複数の消息筋によると、ハルキー首相はマッザ区の自宅から首相官邸に向かう途中で、首相が乗った車の目の前で、道路脇に駐車していた車が爆発した、という。

SANA, April 29, 2013
SANA, April 29, 2013

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同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区に対して軍が空爆を行い、マイダーン地区では重火器の発砲があった。

一方、SANA(4月29日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で軍は反体制武装集団の追撃を続け、ナースィル・サラーフッディーン大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, April 29, 2013
SANA, April 29, 2013

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤ・シャーム市、ザマルカー町、バイト・ジン市、ウーファーニヤー村などで軍と反体制武装集団が激しく交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ハルマラ市、ハラスター市、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ダーライヤー市などで、軍は反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市、アイン・ウルード市、カマーム市などを軍が砲撃した。

ヒムス県では、SANA(4月29日付)によると、ヒムス市ジャウラ・シヤーフ地区、クスール地区、ハーリディーヤ地区、ダール・カビーラ村、タッル・ザハブ町、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タドムル市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッルカラフ市郊外にレバノン領から潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市の南部が軍の砲撃を受け、また同市のアレッポ街道地区、トゥライスィーヤ村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ジュナイナ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またハマー市マルアブ地区、ルーズ・スース市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッル・シャマーリーン市、マアッル・ダブサ市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ナイラブ村、サラーキブ市、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、タフタナーズ市、サルミーン市、ザルダナー村、マアッル・ダブサ市、バシュラームーン村、アイン・バーリダ市、ダルクーシュ町、シュグル市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市、ハナースィル市、マンナグ航空基地周辺、クワイリス航空基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ市では、シャッアール地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、マンナグ村および同市周辺、タッル・ジブリーン市、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、マッルアナーズ市、ダール・イッザ市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、スライマーニーヤ地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

スライマーニーヤ地区では反体制武装集団が撃った迫撃砲弾4発が着弾し、市民2人が死亡、複数が負傷したという。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、タービーヤ市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、工業地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、サーイカ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダルバースィーヤ市に近い対トルコ国境のフシャイフィーヤ村を徒歩で越境しようとした家族が地雷を踏み、4人が死亡、2人が負傷した。

またタッル・タムル町で戦闘があったほか、ハサカ市中央刑務所近くで爆発があった。

一方、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ハサカ市グーラーン地区で治安要員を載せたバスに仕掛けられた爆弾が爆発し、5人が死亡、多数が負傷した。

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ダルアー県では、軍が結集するダルアー市のマディーナ・リャーディーヤを反体制武装集団が砲撃した。

また、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ハルキー首相暗殺未遂事件の直後、軍は首相の生地であるジャースィム市を空爆したという。

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ラタキア県では、SANA(4月29日付)によると、アブー・リーシュ地方、クーズ山、スッカリーヤ町、カンダースィーヤ村、キンサッバー町、ブルジュ・カサブ村、アティーラ村などで、軍が反体制武装集団を交戦し、外国人戦闘員やシャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、ダマスカス県マッザ区での自身を狙った爆破テロに関して、「シリア・アラブ軍の追跡、残党狩り、そして治安回復によって…テロ集団とそれを支持する勢力が破綻し、フラストレーションを募らせていることを示す」と非難した。

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ハルキー首相暗殺未遂爆破テロに関して「一部の者が政治的解決拒否という姿勢を選んだことを示す明確な表明」と非難した。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ハヤート』(4月30日付)の電話取材に応じ、そのなかで「シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の唯一の代表として承認することは、専制的方法そのものを強化する試みである。それは一党体制、指導党体制の方法であり、行き過ぎた体制から別の行き過ぎた体制へと転換することを意味している」と述べ、連立を支援する国々の姿勢を批判した。

またシリアでの暴力と紛争が続けば、「シリアの火事はレバノン、ヨルダン、イラクにも及ぶ」と警鐘を鳴らした。

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クッルナー・シュラカー(4月29日付)は、民主統一党(西クルディスタン人民議会)がクルド人が居住する全地域で、人民防衛隊に事前届け出のないデモを禁じる声明を出したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ダマスカス県ヤルムーク区で活動するヤルムーク・キャンプ調整は自由シリア軍に宛てて声明を出し、そのなか「ヤルムーク・キャンプのパレスチナ人とシリア人は…自由シリア軍およびその名を語る者の行為を拒否する。自由の抑圧、逮捕、拷問、民家の没収は犯罪者体制の行いと同じだ」と拒否の姿勢を示した。

レバノンの動き

マナール・チャンネル(4月29日付)は、ベカーア県バアルベック郡カーア村郊外にシリア領から発射されたロケット弾6発が着弾し、女性1人が負傷したと報じた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、シリアでの化学兵器使用調査団長を務めるスウェーデンの科学者オーケ・セルストローム氏とニューヨークの国連本部で会談し、化学兵器使用の有無を見定めるには現地調査が不可欠との認識で一致した。

潘事務総長は会談前に記者団に対し、「包括的で信頼できる調査をするには、化学兵器が使われたと疑われている場所への立ち入りが完全に認められなければならない」と述べ、シリア政府に対し調査団を受け入れるよう求めた。

また政府側が化学兵器サリンを使った可能性があるとの米国の分析について、米政権がその後確実な証拠でないと語気を弱めたにもかかわらず、「真剣に受け止める」とした。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、化学兵器使用疑惑をめぐってシリア政府に国際調査団の受け入れを求めた国連の潘基文事務総長の発言をめぐって「大量破壊兵器に関する調査プロセスが始まったときのイラクで起きたのと同じようなことをシリアで繰り返そうとする試み」と述べ、難色を示した。

またラブロフ外務大臣は「シリアの体制を倒すのにあらゆる手段をとってよいと考えている国や外国のアクターがいる。しかし大量破壊兵器を利用するのは非常に危険で、それをもてあそぶべきでない」と非難した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、Euro 1ラジオ(4月29日付)に対して、「英国人と米国人が示した証拠はあるが、我々には確証はなく、この点で調査を行っている」と述べ、シリア政府による化学兵器使用の証拠がないことを明らかにした。

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バラク・オバマ米大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行い、シリアでの化学兵器使用に対する懸念を表明した。

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イスラエル労働党のビンヤーミン・ベン・エリゼール議員はイスラエルのラジオ番組(4月29日付)で、アサド政権が化学兵器を使用したことに「疑いはない」と述べる一方、「これらの武器はヒズブッラーに流出しつつある」と断じた。

しかしナハールネット(4月30日付)は、イスラエルの複数の高官の話として、ヒズブッラーが化学兵器を入手した証拠はないと報じ、ベン・エリゼール議員の発言内容を否定した。

AFP, April 29, 2013、Akhbar al-Sharq, April 29, 2013、al-Hayat, April 30, 2013、Kull-na Shuraka’, April 29, 2013、Kurdonline, April 29,2013、al-Manar
Channel, April 29, 2013、Naharnet, April 29, 2013, April 30, 2013、Reuters,
April 29, 2013、SANA, April 29, 2013、Sky News Arabic, April 29, 2013、UPI,
April 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンを訪問したボクダノフ露外務副大臣がヒズブッラー戦闘員のシリアからの撤退を求めたと報じられるなか、トルコのハタイ県アンタキア市で、「世界帝国主義の陰謀」に立ち向かうアサド政権との連帯を訴える大規模デモが実施される(2013年4月28日)

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村近くのレーダー大隊基地を反体制武装集団が制圧した。

これに先だって、27日にはヌアイマ村、サイダー町の大隊基地を完全制圧したという。

またマスミヤ町の第34旅団基地および軍事情報局周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市周辺、ダルーシャー村、スバイナ町、ザマルカー町などに軍が空爆・砲撃を行った。

一方、SANA(4月28日付)によると、シャイフーニーヤ村、リーハーン市、ハルマラ市、ハラスター市、ダーライヤー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町などで軍が反体制武装集団に対する特殊策戦を行い、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクドスィーヤー市では、軍が外国人からなる武装集団と交戦、殲滅した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦、迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(4月28日付)によると、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、複数の市民が負傷した。

またバルザ区では、ダマスカス郊外県衛星局長補佐の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、同局長補佐が負傷した。

さらにジャウバル区、バルザ区で軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺などに軍が空爆を加えた。

一方、SANA(4月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、シュグル市、バシュラームーン村、カスタン村、フーカーニー市、アイン・スーダー市、ナイラブ村、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シリア殉教者大隊・旅団、使徒末裔連合メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地内で軍と反体制武装集団が交戦した。

またハンダラート・キャンプ、タッル・リフアト市、アレッポ市サラーフッディーン地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月28日付)によると、バーブ市、ナイラブ村、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アイン・ダクナ村、アルカミーヤ村、バヤーヌーン町、カフルアントゥーン市、マーイル町、タッル・リフアト市、アアザーズ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、アブー・ドゥジャーナ大隊、ジュンド・ハラマイン旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、シャイフ・マクスード地区、ハイダリーヤ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(4月28日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市のアラーヤー中央刑務所の収監者60人が集団脱獄を図り、反体制武装集団が制圧する地域に逃走した。

同報道によると、治安当局および民主統一党人民防衛隊が脱獄者を追跡、人民防衛隊が4人を拘束、1人を殺害した。

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ヒムス県では、SANA(4月28日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

またクサイル市郊外のカマーム村、シューマリーヤ市、サッルーミーヤ市、アクラブ町、東ブワイダ市、西ダミーヤ市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区タッルドゥー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

うちクサイル市郊外のカマーム市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

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ハマー県では、SANA(4月28日付)によると、ファーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月28日付)によると、ムッラート村、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、SANA(4月28日付)によると、ラッカ市のスィナーイーヤ地区にある「シャリーア委員会」本部など反体制武装集団の拠点を軍が破壊し、ラッカ・イスラーム革命家旅団メンバーなどを殺害した。

レバノンの動き

ヒズブッラー執行議会のハーシム・サイフッディーン議長は、「シリアにおける我々の姿勢は、レジスタンスに力を与えると考える。シリアで起きている戦闘はレジスタンスとその武器を標的にしている」と述べた。

そのうえでサイフッディーン議長は「そこ(レバノン南部)で勝利したのと同じ戦い、同じ大義、同じ目的であり、我々はこれらすべての戦いにおいて勝者となるだろう」と強調した。

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LBCI(4月28日付)は、ベカーア県バアルベック郡シャムスィーン村・カフルザバド村間でシリア領からの銃撃により13歳にシリア人が死亡したと報じた。

諸外国の動き

SANA(4月28日付)は、トルコのハタイ県アンタキア市で、「世界帝国主義の陰謀」に立ち向かうシリア(アサド政権)との連帯を訴えるデモが行われ、多数の市民が参加した、と報じた。

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SANA, April 28, 2013
SANA, April 28, 2013

ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣は4日間にわたるレバノン訪問を終え帰国した。

『ナハール』(4月28日付)によると、副大臣は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長らと会談し、ヒズブッラーの参戦が事態をさらに複雑にするとしたうえで、ヒズブッラーにシリアからの戦闘員の撤退を求めたと報じた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は『ヴェルト・アム・ゾンターグ』(4月28日付)に対して「シリアでの戦争の火の手がトルコ、イラク、ヨルダン、レバノンといった隣国に及び、我々の友好国であるイスラエルの脅威とならないよう警戒せねばならない」と述べた。

またドイツが民主的反体制勢力を支援すると強調する一方、「アサドと戦うテロリストや過激派は我々の友人ではない」と非難した。

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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領はシリア情勢に関して、反体制勢力が勝利すれば、地域の不安定化をもたらし、「地域全体に脅威となる」と述べた。

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英国のデヴィッド・リチャーズ軍参謀長は、『サンデー・タイムズ』(4月28日付)に対して、シリア政府による化学兵器使用に対して英国政府が介入すれば、英国軍を「全面戦争」に巻き込む危険があると警鐘を鳴らした。

AFP, April 28, 2013、Akhbar al-Sharq, April 28, 2013、al-Hayat, April 29, 2013、Kull-na Shuraka’, April 28, 2013、Kurdonline, April 28,2013、LBCI,
April 28, 2013、al-Nahar, April 28, 2013、Naharnet, April 28, 2013、Reuters, April 28, 2013、SANA,
April 28, 2013、The Sunday Times, April 28, 2013、UPI, April 28, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍合同司令部が「ハウラーン地方火山」作戦の始動を発表するなか、イラク・クルディスタン地域政府はシリアのクルド民族主義政党間の対立を解消するためのクルド最高委員会会合の開催を決定(2013年4月27日)

国内の暴力

自由シリア軍合同司令部中央広報局(在レバノン)は声明を出し、自由シリア軍がダルアー県の軍拠点制圧を目的とした「ハウラーン地方火山」作戦を開始したと発表した。

これを受け、ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がヌマイマ市近くのレーダー大隊基地を砲撃、また同市で軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団戦闘員2人と軍兵士複数が死亡した。

自由シリア軍はその後、ヌアイマ村の防空大隊基地を制圧した、と発表した。

反体制武装集団はまた、ナダー村の第67連隊基地、第175中隊基地、ダーイル町・アトマーン村間に駐留する「ハドル大隊」、ウンム・ワラド村・カラク村間のスルア航空基地に属する第3連隊なども砲撃・攻撃した。

これに対して、軍はヌアイマ村、タッル・アラーラー市、イズラア市・ナーミル村間の一帯を空爆し、反撃した。

一方、アトマーン村では、シリア人権監視団によると、軍の空爆により子供1人を含む4人が死亡した。

これに対して、SANA(4月27日付)は、ダルアー市、ヒルバト・ガザーラ町、タファス市、ダーイル町、シャジャラ町、ナーフィア村、ジッリーン村、カルフィス市郊外などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した、と報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーンマ市の科学研究センターを反体制武装集団が砲撃した。

またドゥーマー市では軍の砲撃により、子供1人を含む10人が死亡、ムウダミーヤ・シャーム市も軍の砲撃を受けた。

さらにスバイナ町では、軍の空爆により4人が死亡した。

このほか、ジュダイダト・アルトゥーズ町でも軍が1人を射殺したという。

一方、SANA(4月27日付)によると、アドラー市、ザマルカー町、ハルマラ市、シャイフーニーヤ村、リーハーン農場郊外、ナブク市、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、ダイル・アティーヤ市、ヤブルード市、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦し、ジャウバル区では軍兵士10人が死亡したという。

一方、SANA(4月27日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、ヒムス市ワアル地区で、1人が撃たれ死亡した。

またダール・カビーラ村などに軍が砲撃を加え、複数名が負傷した。

ナハールネット(4月27日付)は、地元調整委員会の情報として、クサイル市での反体制武装集団との戦闘で、ヒズブッラーの戦闘員6人が死亡したと報じた。

一方、SANA(4月27日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・サーイフ地区、ジャウラ・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、バッラー旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアレッポ街道地区、マシャーウ・ワーディー・ジャウズ地区などに軍が砲撃を加える一方、3月18日通りで家宅捜索を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がアブー・ズフール軍事基地周辺、ナージヤ村、フーア市、カフリヤー市、マアッラト・ヌウマーン市などを砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、飛行場敷地内に反体制武装集団が突入した。

複数の活動家によると、反体制武装集団はクワイリス航空基地に駐留する防空連隊を制圧したという。

一方、SANA(4月27日付)によると、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村などで軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマンナグ航空基地で軍が反体制武装集団と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

さらにアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、ハイダリーヤ地区、サラーフッディーン地区、ライラムーン地区などで軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ハミース市を軍が空爆した。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月28日付)は、複数の反体制筋の話として、ミシェル・キールーとファーイズ・サーラの主導のもと、シリア革命反体制勢力国民連立を離反した指導者らを含む反体制活動家がカイロで「民主的局」大会の開催を準備していると報じた。

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『ハヤート』(4月28日付)は、複数の反体制筋の話として、シリア革命反体制勢力国民連立におけるシリア・ムスリム同胞団のヘゲモニーを是正するため、女性活動家10人を含む「世俗的」活動家25人が連立に参加をめざしていると報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、化学兵器使用疑惑に関して、ロシア人専門家からなる調査チームの派遣を求めたシリア政府の提案を拒否、国連調査チームの派遣を改めて要求した。

諸外国の動き

トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は、クウェート紙『ラアユ』(4月27日付)のインタビューに応じ、そのなかで「我々は化学兵器、大量破壊兵器に反対であり、地域にこれらの兵器があってはならない。我々はこの点に関して決して寛容ではない」と述べた。

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イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領(イラク・クルディスタン民主党党首)は、シリアのクルド民族主義政党間の対立を解消するためのクルド最高委員会会合を28日にエルビルで開催することを決定、シリア・クルド国民評議会加盟政党と西クルディスタン人民議会(民主統一党)に参加を呼びかけた。

しかしシリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長は「クルド民族主義運動は自らの問題をこれまで同様解決できないばかりか、事態はさらに複雑化している」と述べ、不参加の意向を示した。

また民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会の代表5人も会合をボイコットした。

AFP, April 27, 2013、Akhbar al-Sharq, April 27, 2013、al-Hayat, April 28, 2013, May 1, 2013、Kull-na Shuraka’, April 27, 2013、Kurdonline,
April 27,2013、Naharnet, April 27, 2013、al-Ra’y, April 27, 2013、Reuters, April 27, 2013、SANA, April 27, 2013、UPI, April 27, 2013などをもとに作成。

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米・英当局がアサド政権が化学兵器を使用した可能性について慎重なコメントを出すなか、シリア国民評議会は同問題をめぐって国連安保理にシリア国内での調査を実施するよう要求(2013年4月26日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市などが軍の砲撃を受けた。

またムライハ市で、軍が拷問・殺害されたと見られる男性の遺体が発見された。

一方SANA(4月26日付)によると、イバーダ市、ドゥーマー市郊外、ダーライヤー市、ナブク市、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アッシュ・ウルール地区、ヤルムーク区、ジャウバル区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月26日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ザーヒル航空基地周辺、サラーキブ市、ハーッス村、マアッラトミスリーン市、カフルウバイド村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月26日付)によると、アブー・ザーヒル航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団などによると、ガマーム村、ダイル・ハンナー村、ラビーア町などが軍の「樽爆弾」による空爆を受けた。

一方、SANA(4月26日付)によると、カサブ村、ムガイリーヤ村、グナイマ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区西部で、民主統一党人民防衛隊とバドル殉教者大隊(ハーリド・ハイヤーティー司令官)が交戦、また同地区に対するバドル殉教者大隊の砲撃で子供3人を含む12人(クルド人)が死亡した。

一方、SANA(4月26日付)によると、マンナグ村周辺、カフルハーシル村、アイン・ダクナ村、タニーバ市、カフルタルビーン市、ズィラーア市、アルカミーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ハイダリーヤ交差点などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺に対して、軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市空港周辺、ジュバイラ地区、ハウィーカ地区などで軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(4月26日付)によると、ダイル・ザウル市の工業地区、旧空港地区、ジュバイラ地区、マリーイーヤ村、アシャーラ市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クルドオンライン(4月26日付)によると、ラアス・アイン市で武装したバアス党員が、ラアス・アイン市暫定地元評議会メンバーのムスタファー・ファルハーン氏を誘拐した。

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ヒムス県では、SANA(4月26日付)によると、クサイル市および郊外、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、タルビーサ市郊外、ダール・カビーラ村、ダブア市、東ブワイダ市、タッルドゥー市、カフルラーハー市、キースィーン市、アイン・フサイン市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(4月26日付)によると、トゥライスィーヤ市、ズグバ市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ハヤート』(4月27日付)は、アレッポ県アレッポ市フィルドゥース地区、マサーキン・ハナーヌー地区、マアーディー地区、バーブ街道地区、サラーフッディーン地区、シャッアール地区、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、イドリブ県ビンニシュ市、カフルナブル市、クッリー市、ダルアー県ヤードゥーダ村、ヒルバト・ガザーラ町、ハマー県カフルズィーター市、カルアト・マディーク町、ムーリク市、ダマスカス郊外県ムライハ市、カフルバトナー町、ミスアーバー市、ヤブルード市、アルバイン市、ダマスカス県ヤルムーク区などで、「多数派保護の金曜日」と銘打って反体制デモが行われたと報じた。

シリア政府の動き

RT(4月26日付)、インテルファクス通信(4月26日付)などによると、マフムード・ズウビー情報大臣は訪問先のモスクワで、「アレッポ市ハーン・アサル地区でテロリストが使用した化学兵器がトルコから持ち込まれたものと思われる」と述べた。

またズウビー情報大臣は「シリア軍は化学兵器を保有していない」と述べたという。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、シリア政府による化学兵器使用疑惑をめぐる米ホワイトハウスの書簡などを受けるかたちで、国連安保理にシリア国内での調査を要求した。

諸外国の動き

ジェイ・カーニ-米ホワイトハウス報道官は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して「米政府は、シリア政府が化学兵器を使用したとの証拠を検討中だ。期限は設けていない…。諜報機関の評価は…決定的な証拠ではない」と述べた。

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バラク・オバマ米大統領はヨルダン国王アブドゥッラー2世とワシントンDCで会談し、シリア情勢、化学兵器使用疑惑などについて協議した。

オバマ米大統領は会談後、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して「いつ、どこで、どうやって兵器が使用されたかに関して多くの疑問が残っている」と述べ、確実な証拠を得るための調査を急ぐ考えを示した。

またオバマ大統領は「一般市民に大量破壊兵器を使用することは、国際規範と国際法上の一線を越えるもので、事態は一変する」と述べた。

しかし、イラク戦争で大量破壊兵器が発見されなかったことなどを念頭に「我々は慎重に評価を下さなければならない」と付言し、慎重な姿勢を示した。

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イスラエルのゼエヴ・エルキン副首相は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して、軍のラジオ局に対して、「レッド・ラインを実際に越え、化学兵器が使用されたと理解しているのなら、シリアの化学兵器の備蓄を掌握でき、そうすればみなの懸念が払拭されるだろう」と述べた。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して、BBC(4月26日付)に対して「限定的な証拠だが、アサド政権によって化学兵器が使用されたであろうことを示すさらなる証拠が我々にはある。これは非常に危険であり、戦争犯罪だ」と述べた。

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AFP(4月26日付)は、ローラン・ファビウス外務大臣が28日発売予定の仏週刊誌とのインタビューで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任に関して、「政治的対話を支持していたハティーブ議長の辞任は遺憾」と述べた、と報じた。

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フランス外務省は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して、シリア政府が国連の調査団展開を求める国際社会の要求に応えねばならない、との意思を示した。

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トルコ外務省報道官は、シリア政府による化学兵器使用疑惑に関して「この(米国の)新たな情報は事態を別の次元へと移行させる。大いなる懸念を喚起する…。シリアでの化学兵器使用に関する報告がなされた当初から、我々は国連に包括的な調査を求めてきた。しかしシリア政府がそれを許さなかった」と非難した。

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国連難民高等弁務官は、周辺諸国で難民登録をしたシリア人避難民の数が140万人に達したと発表した。

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『ハヤート』(4月27日付)によると、ヨルダンの複数の消息筋は、シリア軍がダルアー県からヨルダンに不法入国したバス2台を攻撃したと報じた。

このバスはシリアからの避難民を載せていたという。

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ハマースのムーサー・アブー・マルズーク政治局メンバーは、シリアからエジプトへのパレスチナ人の流入に関して、国連難民高等弁務官がUNRWAの所轄だとして関与しようとしないと非難、エジプト国内にパレスチナ人避難民の登録事務所を設置すべきだと主張した。

AFP, April 26, 2013、Akhbar al-Sharq, April 26, 2013、al-Hayat, April 27, 2013、Kull-na Shuraka’, April 26, 2013、Kurdonline, April 26,2013、Naharnet, April 26, 2013、Reuters, April 26, 2013、SANA, April 26, 2013、UPI, April 26, 2013などをもとに作成。

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ハサカ県で民主統一党人民防衛隊とバアス党員からなる武装集団が交戦、米国の諜報機関が「一定の確信をもって」アサド政権がサリンを使用したと考えていることが明らかに(2013年4月25日)

国内の暴力

ハサカ県では、クルドオンライン(4月25日付)によると、タッル・タムル町西部で未明から午前中にかけて、住民2人が武装集団に殺害された。

また、クッルナー・シュラカー(4月25日付)によると、タッル・タムル町内で民主統一党人民防衛隊とシャッラービーン部族の民兵が交戦した。

これに関して、ハワル通信(4月25日付)は、戦闘が、シャッラービーン部族の民兵と住民のけんかに民主統一党人民防衛隊が介入したことで発生、これにより女の子1人を含む2人が死亡したと報じた。

さらにクルドオンライン(4月25日付)によると、タッル・タムル町で民主統一党人民防衛隊とバアス党員からなる武装集団が交戦し、バアス党員10人が殺害され、党員多数が捕捉された。

殺害されたのは、タッル・タムル支局のハサン・トゥウマ書記長らで、武装集団は市民の家を攻撃しようとしていたという。

一方、SANA(4月25日付)によると、ルマイラーン地方のユースフフィーヤ村の住民が、シャームの民のヌスラ戦線の侵入を阻止、撃退した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアレッポ街道地区で軍と反体制武装集団が交戦し、軍兵士5人、武装集団戦闘員5人が死亡した。

また同監視団によると、反体制武装集団が同地区のナースィル・アルワーニー学校を制圧した。同学校は軍の拠点として使用されていたのだという。

一方、同市北部での交戦では、反体制武装集団の戦闘員9人が死亡したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジュダイダ市、イバーダ市、ナブク市、ヤブルード市などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(4月25日付)によると、ハラスター市、フサイニーヤ町、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が空爆した。

一方、SANA(4月25日付)によると、アズバキーヤ地区のムルシド・ハーティル通りで、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させた。死傷者はなかった。

またジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市で反体制武装集団が発射した迫撃砲弾により市民2人が死亡した。

またバヤーヌーン町などに軍が砲撃を加えたほか、ハンダラート・キャンプ、アレッポ市アーミリーヤ地区などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月25日付)によると、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、マンナグ村周辺、バヤーヌーン町、マーイル町、ダイル・ジャマール村、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ハイヤーン町などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヤードゥーダ村などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月25日付)によると、ヨルダン領からタッル・シハーブ町に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またヌアイマ村では、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ハリータ村が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月25日付)によると、ダイル・ザウル市のシャイフ・ヤースィーン地区、ハウィーカ地区、ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市を軍が空爆した。

一方、SANA(4月25日付)によると、ヒムス市ワーウィヤート地区、サッルーミーヤ市、シューマリーヤ市、ハミーディーヤ市、アルジューン市、東ブワイダ市、ウユーン・フサイン市、バイト・ラービア市、カマーム市、ダブア市、西ダミーヤ市、ラスタン市、ガントゥー市、サアン村、タルビーサ市、ダール・カビーラ村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクサイル市郊外のブルハーニーヤ村・アイン・タンヌール村間で、関係当局が反体制武装集団によって殺害された市民の遺体が遺棄されている「集団墓地」を発見した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マルイヤーン村、バシーリーヤ市、ラカーヤー村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッル・シャムシャ市、マアッル・シャマーリーン市などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月25日付)によると、アイン・スーダ村、アイン・バーリダ村、バシュラームーン村、ブザイト市、ビダーマー町、バルナース市、トゥッファーヒーヤ市、ナージヤ村、ザンバキー市、カニーヤ村、ヤアクービーヤ村、ラーム・ハムダーン市、カフルルーヒーン村、サルヌーバシュ市、サラーキブ市、ヒルバト・マールティーン村、ナイラブ村、ウンム・ジャリーン村、ドゥウーン村、アブー・ズフール軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、対イラク国境地帯に位置するヤアルビーヤ町、タッル・ハミース市が軍の砲撃を受けた。

シリア政府の動き

ファイサル・ミクダード外務在外副大臣は「反体制勢力への米国の支援は、逆の結果をもたらすだろう。シリアでテロの炎を拡げ、それは世界全体におよぶだろう」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(4月25日付)は、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長とファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が、両国の緊張関係に関してヨルダン高官と協議するため、秘密裏にアンマンを訪問した、とバフジャト・スライマーン在ヨルダン・シリア大使が明らかにしたと報じた。

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『イクティサーディー』(4月25日付)は、財務省が、反体制活動家のハイサム・マーリフ弁護士の資産を凍結したと報じた。

「国家転覆をもくろむ政治結社に参加した」のが理由だという。

諸外国の動き

米ホワイトハウスは、複数議員に送った書簡のなかで、諜報機関の分析だけでは十分ではない」としつつ、「我々の諜報機関は、一定の確信をもって(varying degrees of confidence)、シリアの体制がシリアで小規模に化学兵器、とりわけサリンを使用したと分析している」と述べ、米当局がアサド政権による化学兵器使用を前提に情報収集活動を行っていることを明らかにした。

BBC(4月25日付)によると、「一定の確信をもって(varying degrees of confidence)」という表現は、諜報機関に別の見解がある場合に用いられる、という。

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チャック・ヘーゲル米国防長官は、訪問先のUAEで、シリア政府が化学兵器、とりわけサリンが小規模に使用されたことを示す証拠を米諜報当局がつかんだと述べた。

しかしヘーゲル国防長官は、結論を出すのは時期尚早だと述べ、あらゆる情報を集めて事実関係を確認する必要があると指摘。「何が起きたのか、誰に責任があるのかといった詳細についてはまだ調査中だ」と語った。

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英国外務省報道官は声明を出し、「我々は限定的な情報だが、シリアでのサリン・ガスなど化学兵器使用を示す多くの信頼できる情報を持っている」と発表した。

AFP, April 25, 2013、Akhbar al-Sharq, April 25, 2013、BBC, April 25, 2013、al-Hayat, April 26, 2013、al-Iqtisadi, April 25, 2013、Kull-na Shuraka’, April 25, 2013、Kurdonline, April 25,2013、Naharnet, April 25, 2013、Reuters, April 25, 2013、SANA, April 25, 2013、UPI, April
25, 2013などをもとに作成。

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シリア外務省がブラーヒーミー共同特別代表に「国連代表としてのみ協力する」意向を示す、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスクのミナレットが軍と反体制武装集団の交戦のなかで倒壊(2013年4月24日)

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は、声明を出し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表に関して、「国連代表としてのみ協力をする。なぜならアラブ連盟はシリアに対する陰謀の一当事者であり、停戦監視団の任務が終了した2012年2月12日にその役割を終えたからである」と発表した。

SANA(4月24日付)が報じた。

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シリア外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、アレッポ県でのキリスト教主教2人の誘拐に関して、シャームの民のヌスラ戦線に属するチェチェン人テロリストが率いる武装集団の犯行だと報告し、シリア・アラブ共和国が引き続き国内でテロとの戦いを進めるとの意志を表明した。

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インテルファクス通信(4月24日付)は、ロシア訪問中のウムラーン・ズウビー情報大臣がモスクワの大学での講演で、「シリアは国民に対して化学兵器を使用しない。また戦時下であっても、イスラエルに化学兵器を使用することさえない」と述べたと報じた。

 国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街(UNESCO世界文化遺産)にあるウマイヤ・モスクのミナレットが軍と反体制武装集団の交戦のなかで倒壊した。

al-Hayat, April 25, 2013
al-Hayat, April 25, 2013

反体制武装集団戦闘員はユーチューブにアップされた映像などで、ミナレットが軍の戦車による砲撃を受けて破壊、倒壊したと主張した。

一方、シリア・アラブ・テレビ(4月24日付)は、シャームの民のヌスラ戦線に属するテロリストがミナレットを爆破し、その映像を撮影…、シリア・アラブ軍に嫌疑をかけている」と報じた。

他方、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(4月24日付)に対して、「数ヶ月におよぶ激しい戦闘の被害が原因で、ミナレットが自壊した可能性もある」と述べた。

ミナレットが破壊される瞬間の映像が存在していないため、いずれの主張が真実かは不明。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンナグ航空基地に反体制武装集団が突入し、軍と激しく交戦した。

シリア軍消息筋によると、軍は侵入した反体制武装集団を撃退したという。

またクルドオンライン(4月24日付)によると、アフリーン市郊外のザーラータ村を軍が空爆し、1人が死亡、4人が負傷した。

一方、SANA(4月24日付)によると、ズィヤーラ村、ダイル・ジャマール村、カフルハーシル村、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、マンナグ村周辺、ハーン・アサル村、ハイヤーン町、ズハイラーン市、マーイル町、アレッポ市アーミリーヤ地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団およびSANA(4月24日付)によると、ジャルマーナー市内の住宅街に迫撃砲弾2発が着弾し、市民7人が死亡、25人が負傷した。

一方、SANA(4月24日付)によると、ドゥーマー市、ハラスター市、アイン・タルマー村、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月24日付)によると、バラームカ地区で、電力省教育訓練局のムハンマド・アブドゥルワッハーブ局長が乗った車に仕掛けられた爆弾が爆発し、同局長が死亡した。

シリア人権監視団によると、この爆弾テロで2人が負傷したという。

一方、SANA(4月24日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月24日付)によると、ヒムス市カラービース地区、ハーリディーヤ地区、クサイル市郊外のハイダリーヤ村、ハミーディーヤ市、アッシュ市、ダブア市、東ブワイダ市、西ダミーナ市、カマーム村、ラスタン市郊外のアイン・ダナーニール市、ウンム・シャルシューフ村、ザアフラーナ村、タッルドゥー市、ダール・カビーラ村、タルビーサ市、キースィーン市、ブルジュ・カーイー村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、ムンタサル・ビッラーヒ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月24日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、マアリー市、カフルハーヤー村、ウンム・ジャリーン村、タマーニア町、サルジャナーズ市、タッル・マンス村、タッル・スーダー市、カフルジャーリス市、マアッラトミスリーン市、ハルブヌーシュ村、タフタナーズ市、ナイラブ村、アリーハー市、タッル・ザハブ町、バシュラームーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月24日付)によると、ヌサイリー山地山頂に近い避暑地スルンファ町で反体制武装集団が撃ったロケット弾が着弾し、市民1人が死亡、4人が負傷した。

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ギリシャ正教会アレッポ主教区のガッサーン・ワルド神父は、22日にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教に関して、AFP(4月24日付)に「我々には新たな情報はない。解放されたと述べることはできない」と述べた。

またオリエント行動(Oeuvre d’Orient)協会(本部パリ)は、両主教に関して、AFP(4月24日付)に対して解放されたことを示す「具体的な証拠」を未だに得ていないと述べた。

同協会は23日に、両主教が解放されたと発表していた。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、『ワタン』(4月24日付)に対して、委員会が現在、政治的解決を支持するすべての勢力からなる「民主的市民同盟」の結成をめざしているとしたうえで、そのなかにシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ前議長も参加するだろうと述べた。

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クルドオンライン(4月24日付)によると、クルド最高委員会メンバーのイルハーム・アフマド女史は、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、「石油だけを通じてシリアの反体制勢力と関わろうとすることは間違っている」と非難した。

そのうえで、「クルド人地域の石油の販売は、クルド最高委員会の決定に基づく」と主張し、シリア革命反体制勢力国民連立との協議により、石油取引を行うとするEUの決定に異論を唱えた。

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シリア・イスラーム戦線は声明を出し、ラタキア県カルダーハ市に迫撃砲2発を打ち込んだと発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、アレッポ市のウマイヤ・モスクのミナレット倒壊に関して、軍戦車の砲撃で破壊されたと断じ、「人類の文明に対する犯罪」と非難した。

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自由シリア軍事評議会大隊参謀委員会メンバーを名乗るムハンマド・ダーマス・カイラーニー「博士」は、シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長を「自由シリア軍への武器支援に熱心なキリスト教徒」と評価し、暫定議長就任を歓迎した。

クッルナー・シュラカー(4月24日付)が報じた。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードはAFP(4月24日付)に対して、「自由シリア軍最高司令部(参謀委員会)の公式の姿勢は…シリアでのジハードの呼びかけを感謝しつつも、それを拒否するというものだ」と述べ、レバノンの一部サラフィー主義シャイフによる呼びかけを拒否する姿勢を明示した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は、一部サラフィー主義者によるシリアでのジハードの呼びかけに対して、「シリアへの武器、戦闘員の派遣、レバノンでの訓練基地の設置」を行わないよう呼びかけた。

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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は声明を出し、「レジスタンスは、狙撃銃を誤った方に向け、市民に対する虐殺を行う体制を支持している」と述べ、ヒズブッラーのシリア危機への関与を批判した。

また「シリア国民はレバノンのジハード主義者を必要としていない」と述べ、一部サラフィー主義シャイフによるジハードの呼びかけを拒否する姿勢を明示した。

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ナハールネット(4月24日付)は、南部県サイダー市のビラール・ブン・ラバーフ・モスクのイマーム、アフマド・アスィールが「シリア、とりわけクサイルでのジハードは義務であり、レバノンでそれが可能な者なら誰でも、我々に加わらねばならない」と述べた。

アスィールはまた「我々はシリアの革命に巻き込まれることに反対だ。だが、ヒズブッラーは専制君主アサド支持に固執しており、我々に選択肢はない」と付言した。

同報道によると、23日の段階で、数十人の若者がアスィールの事務所を訪れ、ジハードへの参加を誓約したという。

諸外国の動き

ジル・ド・ケルショヴEUテロ対策調整官はBBC(4月24日付)に対して、約500人のEU諸国出身者がシリアで反体制武装集団に参加していることを明らかにした。

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ローマ法王フランシスコは、22日にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐され、解放に関して情報が錯綜しているシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教に関して、「両主教がそれぞれの教区に速やかに戻ることを望む」と述べた。

AFP, April 24, 2013、Akhbar al-Sharq, April 24, 2013、al-Hayat, April 25, 2013、Kull-na Shuraka’, April 24, 2013、Kurdonline, April 24,
2013、Naharnet, April 24, 2013、Reuters, April 24, 2013、SANA, April 24, 2013、UPI,
April 24, 2013、al-Watan, April 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のマーリフ法務委員会委員長がハティーブ議長による辞任を「合法性を覆すクーデタ」と非難する一方、アラブ連盟事務総長はシリアの反体制武装集団への武器供与を是認する姿勢を示す(2013年4月23日)

シリア政府に動き(国内の動き)

ワーイル・ハルキー内閣は閣議を開き、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、「敵対行為」を非難、シャームの民のヌスラ戦線に代表されるテロ集団への武器、資金確保のため、世界のいかなる勢力がシリア国民の財産を盗み、売買することをも許さないとの意思を表明した。

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シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長および安保理議長宛に書簡を送り、そのなかで、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、内政干渉を禁じた国際法の原則への前代未聞の新たな違反だと批判・抗議するとともに、必要な措置をとる当然の権利を行使し、主権と自国の天然資源を保全するとの意思を明示した。

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SANA(4月23日付)は、テロ掃討と治安回復が完了したアレッポ県サフィーラ市郊外にあるワーハ村で、シリア軍への支持、犠牲者への哀悼の意を示す大規模な行進が行われ、多数の住民が参加したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月23日付)は、先週アレッポ市で死亡したリフアト・アサド前副大統領の娘シャザー・アサドの葬儀に関して、アサド大統領が叔父である前副大統領の帰国と葬儀への参列を認めなかったと報じた。

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東方教会を支援する団体、オリエント行動(Oeuvre d’Orient)協会(本部パリ)は声明を出し、22日にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教が無事解放され、アレッポ市にいると発表した。

同協会は誘拐直後から、反体制武装集団と国際社会に対して両主教の釈放に向けて働きかけるよう求めていた。

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ワーイル・ハルキー首相は、メーデーと東方教会の復活祭に合わせて、5月1日から6日まを休日とすると官庁に対して布告した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフ法務委員会委員長は、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任と、連立政治委員会によるジョルジュ・サブラー暫定議長任命を「合法性を覆すクーデタ」と非難した。

マーリフ委員長は、議長の任免権は政治委員会ではなく、総合委員会にあるとしたうえで、総合委員会が新議長を選出するまで、ハティーブ前議長が議長職を遂行しなければならないとの見解を示し、前議長に職務続行を求めた。

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『ハヤート』(4月24日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ前議長が議長辞任と合わせて、「民主市民同盟」への移籍を検討していたと報じた。

民主市民同盟は、国内で活動するシリア国家建設潮流や、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長らの協力のもと、活動家らが結成した組織で、ジュネーブ合意に基づく紛争の平和的解決をめざしている。

同報道によると、民主市民同盟の幹部の一人が、カイロを訪問し、ハティーブ議長(当時)に会った際、議長は同盟への参加の意思を示していたという。

これを受け、民主市民同盟は、ハティーブ前議長と連絡をとり、移籍に向けた調整を行うという。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は『フィナンシャル・タイムズ』(4月23日付)のインタビューに応じ、そのなかで、自由シリア軍兵士30,000人を動員し、油田地帯、穀物庫、対トルコ・イラク国境の通行の安全を確保する意思があると述べた。

イドリース参謀長はまた、アル=カーイダと関係があるとされるシャームの民のヌスラ戦線などに変わる「穏健」な軍を創設したいとしたうえで、参謀委員会に参加する戦闘員に対して一人あたり100米ドル、総額で3,500万~4,000万米ドルを給与として支払う予定だと述べた。

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クッルナー・シュラカー(4月23日付)は、民主統一党がハサカ県カーミシュリー市の住民に対して、EUなどから持ち込まれた自動車を登録し、登録料15,000シリア・ポンドを支払うよう呼びかけていると報じた。

国内の暴力

ヒムス県では、クサイル地方で軍の猛攻が続き、AFP(4月22日付)は、軍消息筋の話として、同地方が「数日以内」に軍によって奪還されるだろうと報じた。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、軍が北部、東部の戦線からクサイル地方に進軍する一方、「ヒズブッラーは南部と西部の戦線で戦闘を行っている」という。

アブドゥッラフマーン代表はまた、軍がクサイル市周辺のほとんどの村を制圧したことを認めたうえで、軍の「作戦の第1の目的は、ヒムスおよびその周辺地域への過激なテロ集団の侵入を阻止することである…。また長期的目標は、住民の帰還を保証するため、同地域からテロリストを掃討することにある」と述べ、レバノンからサラフィー主義者が潜入していることを認めた。

しかし、アブドゥッラフマーン代表によると、クサイル市奪還は、戦闘員の志気が高く、死を覚悟して戦っているため、困難だという。

一方、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市などが軍の空爆を受けた。

他方、SANA(4月23日付)によると、クサイル市、同市郊外のカマーム村、サッルーミーヤ村、シューマリーヤ村、ラフムーニーヤ村、アースィー川西岸の村々などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またラスタン市郊外、タルビーサ市郊外、ヒムス市ハーブ・フード地区などでも、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊、さらにレバノン領内からの潜入を試みる戦闘員を撃退した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で反体制武装集団が軍の大佐を暗殺した。

一方、SANA(4月23日付)によると、マッザ区にあるアラブ作家連合ビル近くで、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させた。死傷者はなかった。

また、ドゥンマル区では、反体制武装集団が自爆ベルトを爆発させ、死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ハーン・シャイフ・パレスチナ難民キャンプ周辺、ザマルカー町、ナブク市、ダイル・アティーヤ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(4月23日付)によると、軍がウタイバ村で反体制武装集団の制圧を完了し、治安と安全を回復した。

また、アッブ農場郊外、カラム・ラサース市、ザマルカー町、アイン・タルマー村、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、ハラスター市郊外に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が負傷した。

このほか、ダイル・ムクリン町では、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突、双方に複数の死傷者が出た。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町、ハルファーヤー市、タイバト・イマーム市、シャフシャブー山、ジスル・バイト・ラース村などが軍の空爆・砲撃を受けた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルマー町が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月23日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、アイン・スーダ村、マアッラトミスリーン市、ダイル・サンバル村、マナーラ・ハースィカ市、タフタナーズ市、マアッラト・ヌウマーン市、ナヒーラ市、アブー・ズフール軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラビーア町、マルジュ・ザーウィヤ村、カールーラ村などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月23日付)によると、ムライジュ村、カルト村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を攻撃・破壊し、戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市の住民から編成される人民諸委員会が民主統一党人民防衛隊をズィヤーラ村近くで要撃し、その戦闘員9人を殺害した。

同監視団はヌッブル市の住民が「シーア派」であると敢えて明言することで、現下の武力紛争へのヒズブッラーの介入をことさら強調しようとしている。

一方、SANA(4月23日付)によると、マンナグ村および動詞周辺、アルカミーヤ村、アアザーズ市、ダイル・ジャマール村、マーイル町、ムスリミーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、アフガン人戦闘員3人、チェチェン人戦闘員4人を殺害した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺の軍と反体制武装集団の戦闘で、武装集団の司令官1人が死亡した。

またタブカ市、ラッカ市が軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(4月23日付)によると、(ラッカ市で)フザイファ・ブン・ヤマーン大隊とシャーム自由人大隊が、シャリーア委員会の権能をめぐって交戦した。

2日におよぶこの戦闘で、双方に多数の死傷が出たという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のジュバイラ地区、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団と交戦した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線が占拠するヤアルビーヤ町に対して軍が空爆を加えた。

レバノンの動き

シリアでのジハードを呼びかけた北部県トリポリ市のシャイフ、サーリム・リファーイーは、LBCI(4月23日付)に対して、「(マルワーン・)シルビル(内務地方自治大臣)が私に電話してきたので、ヒズブッラーがシリアへの戦闘員派遣を停止すれば、我々はジハードの呼びかけを取り下げる用意があると彼に伝えた」と述べた。

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ムスタクバル・ブロックは声明を出し、「我々はレバノンの若者がシリアでの戦闘に参加することを受け入れない。シリア国民は戦闘員ではなく支援を必要としている」と述べ、レバノンのスンナ派シャイフらによるシリアでのジハードの呼びかけに対して拒否の姿勢を示した。

また声明では、ヒズブッラーによるシリア国内での戦闘への参戦、シリア領からの越境攻撃を非難した。

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サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー元首相は声明を出し、ヒズブッラーのシリア危機への参戦に関して、「レバノン、レバノン国民、シリア、シリア国民への犯罪だ」と非難した。

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NNA(4月23日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡マアーリー地方にシリア領から発射された迫撃砲弾2発が着弾し、建設中のビルが被害を受けた。

諸外国の動き

NATO外相会議に出席するためブリュッセルを訪問中のジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が会談し、シリア情勢などについて協議した。

また両外相はアナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長とそれぞれ個別に会談した。

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ジョン・ケリー米国務長官は、NATO外相会議出席のため訪問中のブリュッセルで、化学兵器使用を含むシリアでのあらゆる脅威から加盟国を守るための行動をNATOがどのように用意するかを検討しなければならないとの意思を示した。

またケリー米国務長官は、記者団に対して「(イスラエルのベンジャミン・)ネタニヤフ首相と今朝、(電話で)話した。会談で、このこと(シリア政府による化学兵器使用)を確認することができなかった」と述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、NATO外相会議後、記者団に対して、「過激な少数派が国際社会の努力を無に帰すれば」事態はさらに悪化すると述べ、欧米諸国、湾岸アラブ諸国、トルコを暗に批判した。

また、アラブ連盟に関しては、「シリアの反体制勢力に連盟の代表ポストを与えることはどういう意味があるのか?…こうした行為は、外交的、政治的手段を通じた紛争解決への希望がどのように破壊されたのかを示すものだ」と厳しく非難した。

そのうえで、「危機解決の遅れは、過激派による事態掌握を可能にするかもしれない…。現地には交渉と移行期政府樹立をめざす勢力がいる」としたうえで、ジュネーブ合意に基づく紛争解決を改めて主唱した。

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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談後、シリア情勢に関して「シリア危機を解決する直接の道は、政治的出口を作ることにある」と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、シリアの紛争当時者への武器の流入を止めるよう呼びかけ、武器の増加がさらなる死者と破壊をもたらすと警鐘を鳴らした。

マーティン・ニスルキー報道官が明らかにした。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、国連の潘基文事務総長と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後、アラビー事務総長は、「シリア政府が一部の当時者から武器を受けてとっているのであれば、反体制活動家への武器供与はある種のバランスを作り出すために不可欠だ」と述べ、武装集団への武器供与を是認するとの姿勢を示した。

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バラク・オバマ米大統領はワシントンDCでカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、記者会見で、シリア政府が国民に対していまだ化学兵器を使用していないとの結論に達したと述べた。

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イスラエル軍諜報機関調査ユニットのイタイ・バロン准将は、シリア国内の被害状況・犠牲者を撮した写真から、同国の複数カ所で軍が化学兵器を使用していると理解できるとの見解を示した。

UPI(4月23日付)などが報じた。

AFP, April 24, 2013、Akhbar al-Sharq, April 24, 2013、The Financial Times, April 23, 2013、al-Hayat, April 25, 2013、Kull-na Shuraka’, April 24, 2013、Kurdonline, April 24, 2013、LBCI, April 23, 2013、Naharnet, April 24, 2013、NNA, April 23, 2013、Reuters, April 24, 2013、SANA, April 24, 2013、UPI, April 24, 2013などをもとに作成。

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アサド大統領がボルージェルディー国家安全保障外交委員長を団長とするイラン国会使節団と会談するなか、EUが外相理事会を開きシリアからの石油禁輸措置を一部緩和などを決定(2013年4月22日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、アラーッディーン・ ボルージェルディー国家安全保障外交委員長を団長とするイラン国会使節団とダマスカスで会談し、地域情勢などについて意見を交換した。

SANA(4月22日付)によると、会談で、アサド大統領は、両国関係強化に向けてイラン国会で提案されている域内諸国支援策に協力する用意があると述べた。

一方、イラン国会使節団はワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ジハード・ラッハーム人民議会議長、パレスチナ諸派代表、アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティーなどと会談した。

会談後の記者会見で、ボルージェルディー国家安全保障外交委員長は、一部のシリア周辺諸国が「ヨルダン方面でシリアに対する新たな戦線が開かれたことは、米国とその同盟国の政治的失敗を示している」と述べた。

SANA, April 23, 2013
SANA, April 23, 2013

また「シリアでの対立や危機を煽り、無実のシリア国民を殺している…。この危機は早晩収束し、これらの国々の有害で誤った行為しかシリア国民の記憶には残らないだろうということを知るべきだ」と非難した。

また「現下の最善の選択肢は、2014年夏までアサド氏が大統領の地位にとどまり、その後、シリア国民が自らの行く末を決めるための言葉を述べるための自由選挙が行われること」と述べた。

そのうえで、シリア政府による危機解決政治プログラムへの支持を表明した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月23日付)によると、軍が攻勢をかけるジュダイダト・ファドル町で、軍によって殺害された(と思われる)女性10人、子供3人、男性88人、反体制武装集団戦闘員24人の遺体が発見された。

クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、ダマスカス郊外県ジュダイダト・ファドル町での軍の掃討作戦に関して、「第4(機甲)師団と黒い服を着た国防隊」が住民虐殺と民家焼き討ちを主導していたと報じた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市、ジュダイダト・ファドル町、ダーライヤー市、ドゥマイル市、カナーキル村、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ダイル・ハビーヤ村、ザーキヤ町などで、軍が反体制武装集団を追撃し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、複数の反体制消息筋によると、マンナグ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

同消息筋によると、反体制武装集団は同飛行場を防衛する大隊本部に突入し、武器庫を占拠、司令官を殺害したという。

シリア人権監視団によると、このほか、クワイリス航空基地周辺、マーリア市、ヌッブル市、タッル・リフアト市、アレッポ市ライラムーン地区などでも、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行ったという。

また同監視団によると、ヌッブル市・ズィヤーラ村間で、自由シリア軍、民主統一党人民防衛隊が、軍および政権を支持するシーア派民兵と交戦した。

同地区はクルド人が多く住んでいるという。

戦闘は、マンナグ航空基地、ヌッブル市、ズィヤーラ村に対する反体制武装集団の包囲を解除するため、軍が北進したことで発生したという。

戦火はザフラー町西部まで拡大し、ヌッブル市とザフラー町の住民、マーイル町とバヤーヌーン町の武装集団が軍との戦闘に参加したという。

このほか、アレッポ市では、サラーフッディーン地区、アーミリーヤ地区、ブスターン・カスル地区などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、ズィヤーラ村、マーイル町、クファイン市、カフル・アントゥーン村、ズィラーア市、ダイル・ジャマール村、タッル・アッザーズ市、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マルジャ地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、カフルダーイル村で、シリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教が乗った車が襲撃され、武装集団に誘拐されたと報じた。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月23日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とサラーフッディーン大隊が、ムライハ市入り口にある灯油貯蔵所の検問所に対して、爆弾を積んだ車2台で自爆攻撃を行い、治安要員18人を殺害した。

またシリア人権監視団によると、ザマルカー町周辺、アイン・タルマー村、ダーライヤー市、ムライハ市、ヤルダー市、バービッラー市、イバーダ市、ナブク市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル地方での戦闘で、ヒズブッラーの戦闘員2人が死亡した。

またヒムス市の複数の地区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、タドムル市デデマン・ホテル近く、アブー・フーリー村(クサイル地方)、ダブア市、東ブワイダ市、カマーム市、ハミーディーヤ市、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、マスウーディーヤ村、ハイダリーヤ村、キースィーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市ダッバーガ地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ザーウィヤ山周辺の村々、マアッラト・ヌウマーン市、ビンニシュ市、ジャルジャナーズ町などが軍の砲撃・空爆を受け、イドリブ市内で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、アブー・ズフール軍事基地周辺、ウンム・ジャリーン村、タッル・サラムー村、ブワイティー・タリーハ村、ジャーヌーディーヤ町、ヤアクービーヤ村、ジャミーリーヤ村、ハーッジ・ハンムード村、アイン・バーリダ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺に対して、軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ダイル・ザウル市旧空港地区、フサイニーヤ町、ムハイミーディーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カティーバ村、ウンム・マヤーズィン町、サフム・ジャウラーン村、ヌアイマ村、タスィール町、ハイト村、シャジャラ町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月22日付)によると、ジャウバル区、ルクンッディーン区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月22日付)によると、マズィーン村、バーシューラ村、カールーラ村、ムライジュ村、カサーティル村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(4月22日付)に対して、ヒムス県クサイル地方での軍の攻勢に関して、「クサイルでの戦闘を指揮しているのはヒズブッラーのエリート部隊だ」と断じた。

アブドゥッラフマーン代表は、このエリート部隊に関して「必ずしもレバノン出身の戦闘員ではなく、レバノン人が住むシリア領内のシーア派の村々出身のヒズブッラーの戦闘員だ」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任を受け、イスタンブールで政治委員会会合を開き、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長を暫定議長に任命した。

また、前議長の任期終了に合わせ、5月10、11日に議長選挙を行うことを決定した。

サブラー暫定議長は、イスタンブールで記者会見を開き、ヒズブッラー戦闘員の危機への参戦に関して、「ヒムスで起きていることはシリア国民に対する戦線布告だ。こうした認識のもとアラブ連盟は事態に対処しなければならない」と述べた。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は、シリアの友連絡グループ会合でのシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任表明に関して、フェイスブック(4月22日付)で「外国の前で辞表を投げつけることは…、彼らの会社の社員だったかのような振る舞いだ」と批判した。

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シリア革命反体制勢力国民連立経済活動グループ代表でシリア国民評議会幹部のウサーマ・カーディーは、EUによる対シリア石油禁輸措置部分緩和に関して、「暫定政府がなければ、何もできない。今月末に連立に対して、暫定政府をめぐる提案がなされるだろう」と述べた。

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ナハールネット(4月22日付)によると、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、レバノン政府のシリア危機に対する不関与政策に関して、「(ミシェル・)スライマーン(大統領)のシリア国民や反乱軍に対する敵対的姿勢に一部のレバノン人、アラブ人は疑問を抱いていない。なぜならお前(スライマーン大統領)の大統領就任において主要な役割を果たしたバッシャール・アサド大統領に忠誠を尽くしているからだ」と批判した。

レバノンの動き

南部県サイダー市のビラール・ブン・ラバーフ・モスクのイマーム、アフマド・アスィールは「自由抵抗大隊」の結成を宣言し、ヒムス県クサイル地方で「不正な扱いを受ける者たち」を支援するためにシリアに向かうようサラフィー主義者たちに呼びかけた。

アスィールは「イランの党(ヒズブッラー)の攻撃を恐れるすべてのレバノン人に、5人からなる秘密結社を作って武装し、自衛のために備えよ」としたうえで、「我らが民を救うため、シリアに行ける者は防衛ジハード」を行うよう求めた。

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北部県トリポリ市のシャイフ、サーリム・リファーイーは、「クサイルのスンナ派同胞のために人員と武器を支援する」と宣言した。

また「すべてのスンナ派の若者に対して、クサイルでのジハードの義務を果たすための第一陣を派遣する充分な準備を行う」よう呼びかけた。

そのうえで、レバノンの大統領、首相、国民議会議長に対して「クサイルのレバノン人とシリア人に対するヒズブッラーの攻撃に沈黙することは、レバノンでの宗派内乱への門戸を開くことになる」と警鐘を鳴らした。

諸外国の動き

EUはルクセンブルクで外相理事会を開き、シリアからの石油禁輸措置を一部緩和し、反体制勢力からの原油、石油産品の購入、反体制勢力が支配するとされる地域の石油部門への投資、関連技術・設備の輸出などを認める決定を行った。

反体制勢力が支配するとされる地域での住民生活の再建や経済活動の回復を後押しするのが目的だという。

EUの官報で発表されたこの決定は、各国の関係当局による取引の監督、シリア革命反体制勢力国民連立との事前協議が定められており、2013年6月1日に発効することになっている。

なお信頼できる複数の消息筋が、『ハヤート』(4月23日付)に明らかにしたところによると、シリア国内の70カ所以上の油田が、反体制武装集団と民主統一党によって掌握されているという。

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UNHCRのヨルダン事務所は、シリアで避難生活を送っていたイラク人約2,800人がヨルダンに避難した、と発表した。

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SANA(4月22日付)は、イラクの匿名治安筋の話として、イラクのアンバール県、ニネベ県の対シリア国境地帯複数カ所で、イラク軍第27旅団と連邦警察が、シリア領に潜入しようとしていたサラフィー主義戦闘員数十人を追跡・逮捕、武器・装備を押収したと報じた。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア軍と反体制武装集団の双方によるレバノンへの「無差別の越境攻撃」が国際法に違反すると非難、その停止を呼びかけた。

AFP, April 23, 2013、Akhbar al-Sharq, April 23, 2013、al-Hayat, April 24, 2013、Kull-na Shuraka’, April 23, 2013、Kurdonline, April 23,
2013、Naharnet, April 23, 2013、Reuters, April 23, 2013、SANA, April 23, 2013、UPI,
April 23, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がレバノンの政党代表などからなる使節団と会談し同国のシリア情勢をめぐる不干渉姿勢に対し不満を露わに、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長が19日に改めて辞任を表明したことを明らかにする(2013年4月21日)

国内の動き

アサド大統領はレバノンの政党代表などからなる使節団とダマスカスで会談し、中東情勢、シリア・レバノン情勢について意見を交換した。

SANA(4月21日付)によると、会談でアサド大統領は、シリア情勢が改善に向かっているとの見方を示す一方、タクフィール主義テロ集団との間にいかなる和解の余地もないと強調し、テロ撲滅と危機解決政治プログラムの貫徹への意思を示した。

SANA, April 22, 2013
SANA, April 22, 2013

ナハールネット(4月22日付)によると、アサド大統領は会談で、シリア危機に対するレバノン政府に不関与政策に関して、「この政策が何を意味しているのか理解できない。シリア危機が終わるまでレバノンのアフリカ大陸に移しておくことを意味しているのか?…火に囲まれ、炎が迫ってきているのにどうやって無関係でいられようか?」と述べ、不満を露わにしたという。

一方、タマーム・サラーム議員の首相就任に関して、「古い民族主義の家族が戻ってくるべきだ」と述べ、暗に歓迎の意を示したという。

他方、クッルナー・シュラカー(4月22日付)によると、アサド大統領は23日にブリュッセルで予定されているロシアのウラジーミル・プーチン大統領とバラク・オバマ大統領の会談に関して、「戦場が両者のあらゆる対話の結果を決める」と述べた。

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『ワタン』(4月21日付)は、イスタンブールでのシリアの友連絡グループ会合に関して「火に油を注ぐ」行為と非難した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月22日付)によると、軍がジュダイダト・ファドル町を制圧した。

またシリア人権監視団によると、軍がジュダイダト・ファドル町、ジュダイダト・アルトゥーズ町に突入した。

さらに、ダーライヤー市、フジャイラ村、ダイルハビーヤ市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダルーシャー村、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ザマルカー町郊外、ドゥーマー市などで軍による砲撃が続いた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ジュダイダト・ファドル町、ダーライヤー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団の拠点に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市ハーリディーヤ地区を奇襲、またアシュラフィーヤ地区、カルム・ジャバル地区で軍と交戦し、兵士10人を殺害した。

また同市のアーミリーヤ地区、サラーフッディーン地区などでも軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月21日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、ハンダラート・キャンプ、マンスーラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、ブスターン・カスル地区、アーミリーヤ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マガーラ村のアリー・ハティーブ小学校を軍が砲撃し、生徒5人が死亡、約20人が負傷した。

またマアッラト・ヌウマーン市、カフルサジュナ市、バーブーリーン村周辺、アリーハー市などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ジスル・シュグール市、ジャーヌーディーヤ町、ハマーマ市、ヤアクービーヤ村、クトルーン市、シュグル市、ジャフタリク市、ハーッジ・ハンムード市郊外、アイン・バーリダ村、アイン・スーダ村、アイン・シーブ村、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区で軍による砲撃が続いた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市・シャイフ・マスキーン市間の国際幹線道路沿いで軍と反体制武装集団が交戦、シャイフ・マスキーン市、バスラ・ハリール市、ムハッジャ村、ヒルバト・ガザーラ町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市クスール地区に対して軍と反体制武装集団と交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月21日付)によると、ハウワーシュ丘、カルカート地方で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団が、ブルハーニーヤ村、ラドワーニーヤ村、タッル・ナビー・マンドゥー村などクサイル市郊外の村々を軍、政権やヒズブッラーを支持する民兵が制圧したと発表した。

また同監視団によると、クサイル市、ハウラ地方などが軍の空爆を受け、複数が死傷した。

一方、SANA(4月21日付)によると、クサイル市郊外のハーリディーヤ村、ムーフ村、ジャルースィーヤ村、サクラジャ村を軍が制圧、治安を回復した。

またヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・スィバーア地区、ジュワーディーヤ市、西ダミーナ市、東ブワイダ市、ダール・カビーラ村、カルアト・ヒスン市、アブー・フーリー村、ハスヤー町、ラスタン市、キースィーン市、カフルナーン市、タドムル市郊外などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、イスタンブールでのシリアの友連絡グループ閉幕後、フェイスブック(4月21日付)で、19日に参加国外相や連立幹部の前で改めて辞任表明を行ったことを明かすとともに、「血で満たされた映像しか見ていない」と言い放って彼らとの会食を拒否したと書き込んだ。

またハティーブ議長は「自らが閉じ込められていた欺瞞に満ちた黄金の籠から飛び出し、自由な道を進む」と綴った。

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シリア革命反体制勢力国民連立メンバー委員会のマルワーン・ハーッジュー委員長は、AFP(4月21日付)に対して、国際社会がシリア危機に対して行動を起こさなかったことが、ハティーブ議長による辞任表明の理由だと述べた。

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ザマーン・ワスル(4月21日付)によると、シリア国民評議会の執行部メンバーのサミール・ナッシャールは、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班に関して、シリア国内の自由シリア軍全体から承認され、支持を得る必要があり、それが不可能な場合、退任した方がよいと考える傾向が評議会内にあることを明らかにした。

ただし、こうした考え方を実際に主張する者は(いまのところ)いないという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ヒズブッラーに対してシリア領からの即時撤退を求めるとともに、レバノン政府にヒズブッラーの行為を停止させるための措置を講じるよう呼びかけた。

一方、自由シリア軍に対してもレバノン領内での活動を自制するよう求めた。

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クルドオンライン(4月21日付)は、シャームの民のヌスラ戦線と自由シリア軍が、シリア国内の紛争へのヒズブッラーの参加を受け、レバノンへと戦場を移し、同国を戦車で攻撃するとの声明を出したと報じた(未確認情報)。

諸外国の動き

ロイター通信(4月21日付)は、FBIがシカゴで、アル=カーイダと関係のあるシリアの武装集団に参加しようと計画していた18歳の男性を逮捕したと報じた。

男性の名前はアブドゥッラー・アフマド・トゥーニスィーで、イリノイ州出身。

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AFP(4月21日付)は、ヨルダン治安当局の話として、ザアタリー避難民キャンプで発生した暴動に関連して、8人のシリア人を逮捕した、と報じた。

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WFP(世界食糧計画)は、25,000トンの小麦を積んだ米国船籍舶が4月半ばにレバノンとトルコで物資を陸揚げしたと発表した。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、イスタンブールでのシリアの友連絡グループ会合後、「EUの1カ国、ないしは複数の国が、別の勢力に武器が渡るリスクがないと考えるのなら、この意見を尊重するだろう」と述べ、シリアへのEUの武器禁輸措置解除を検討する用意があるとの意思を示した。

また、シリア革命反体制勢力国民連立が、民主主義、テロとの戦い、過激派排除を誓約したことに関して、「こうした状況であれば、我々は反体制勢力への支援強化の努力をしなければならないし、そうするだろう」と付言する一方、過激派ではなく、「民主的勢力」を支援すると強調した。

さらに反体制勢力に対して1,500万ユーロの追加支援を行うと発表した。

この追加支援を含めると、ドイツの反体制勢力への支援額は1億4,500ユーロに達する。

AFP, April 22, 2013、Akhbar al-Sharq, April 22, 2013、al-Hayat, April 23, 2013、Kull-na Shuraka’, April 22, 2013, April 23, 2013、Kurdonline,
April 22, 2013、Naharnet, April 22, 2013, April 23, 2013、Reuters, April
22, 2013、SANA, April 22, 2013、UPI, April 22, 2013、al-Waṭan, April 21, 2013、Zaman al-Wasl, April 21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの友連絡グループ会合が開かれ米国務長官はシリア革命反体制勢力国民連立に政権との交渉に応じるよう圧力をかけたことを示唆、自由シリア軍合同司令部がヌスラ戦線などのサラフィー主義者らが「革命を邪悪なものにしようとしている」と断言(2013年4月20日)

国内の暴力

ハサカ県では、ハワルニュース(4月20日付)によると、ハッダード村の住民の要請により、民主統一党人民防衛隊が同村に突入し、反体制武装集団(自由シリア軍)を放逐した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムサッラブ村で続く住民(部族)とシャームの民のヌスラ戦線の戦闘で、住民、ヌスラ戦線双方の死者数がそれぞれ17人、20人に達した。

同監視団によると、戦闘は石油輸送トラックの盗難をめぐって3月末に始まり、住民は軍が供与した武器でヌスラ戦線に対峙しているという。

また戦闘は、住民がヌスラ戦線の戦闘員17人(14人がシリア人、6人が外国人)を殺害したのに対して、ヌスラ戦線が報復として民家30県を爆破したことで、激化したという。

このほか、ダイル・ザウル市郊外で、旅客バスが迫撃砲による攻撃を受け、多数の市民が死亡、またハリータ村への軍の攻撃で、女性1人、子供3人が死亡した。

一方、SANA(4月20日付)によると、ダイル・ザウル市内、マリーイーヤ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員を殲滅した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外の村々で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員6人が死亡した。

同監視団によると、戦闘には、ヒズブッラーが支援する人民諸委員会(自警団)と武装集団が参加し、戦闘によって軍はラドワーニーヤ村を制圧した。

また軍はクサイル市郊外、ハウラ地方、ヒムス市に砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、クサイル市郊外のカーディシュ村、マンスーリーヤ村、ラドワーニーヤ村、サアディーヤ村、サクマーニーヤ村を軍が奪還し、治安を回復した。

またラスタン市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ハーリディーヤ地区、アーミリーヤ市、サルーミーヤ市、ウンム・シャルシューフ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアレッポ街道地区で軍が反体制武装集団を要撃し、戦闘員4人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍による掃討作戦が続き、ジュダイダト・ファドル町では、この4日で69人が死亡した。

死亡した69人のほとんどは武装集団戦闘員だという。

またジュダイダト・アルトゥーズ町、ムウダミーヤト・シャーム市、ドゥーマー市、アイン・タルマー村、ウタイバ村、ヤブルード市などで軍が反体制武装集団の追撃を行った。

これに関して、クッルナー・シュラカー(4月20日付)は、ジュダイダト・ファドル町に対する軍の掃討作戦にはヒズブッラーの戦闘員が多数参加していると報じた。

一方、SANA(4月20日付)によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町の住宅街に向かって反体制武装集団が迫撃砲を発射し、複数の市民が負傷した。

またフサイニーヤ町、バービッラー市、ブワイダ市、ハラスター市、ドゥーマー市、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、ヤルダー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、バルザ区で反体制武装集団が旅客マイクロバスを襲撃、これにより乗客1人が死亡、16人が負傷した。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーラ村、カフルルーマー村、マアッル・シューリーン村、サラーキブ市などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、イブリーン村近くで、トルコ領内から武器を持ち込もうとした武装集団を軍が攻撃し、戦闘員を殲滅した。

またタッル・サラムー村、ウンム・ガザール村、アブー・ズフール軍事基地周辺、ビンニシュ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市などに軍が砲撃を加え、アレッポ国際空港周辺で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月20日付)によると、ナイラブ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アルカミーヤ村、マーイル町、タッル・リフアト市、フライターン市、ヤーキド・アダス村、カフルハムラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ジャミーリーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供2人が負傷した。

さらに同市のシャイフ・マクスード地区、バーブ街道地区、旧市街、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、また第93旅団が展開するアアユージュ村に近いアッジャージュ村が砲撃を受けた。

このほか、サフサーファ村では、部族長のアブドゥッラフマーン・ムハンマド・ファラジュの家に迫撃砲弾が着弾し、ファラジュ氏が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジーザ町、ジャースィム市、ナマル町、ダルアー市ダム街道地域などが、軍の砲撃を受けた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリーは、中東通信(4月20日付)に宛てた声明で、シャームの民のヌスラ戦線に代表されるサラフィー主義者の一部が、イラン・イスラーム革命防衛隊やシリアのムハーバラートと連携するイラクからの戦闘員で、「革命を邪悪なものにしようとしている」と断じ、非難した。

またヌスラ戦線のアミールを名乗るアブー・ムハンマド・ジャウラーニーに関して、イランとシリアの諜報機関が作り上げた「音声録音でしか知られていない架空の人物だ」とその存在を否定した。

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シリア革命反体制勢力国民調整委員会はフェイスブック(4月20日付)で声明を出し、「現体制が存在する限り、シリアの危機に政治的解決の余地はない」としたサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣の発言を「シリアの現状への深遠な理解」と賞賛した。

レバノンの動き

NNA(4月20日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡カスル村および同村郊外に、シリア領から発射された迫撃砲弾5発が着弾した。

諸外国の動き

トルコのイスタンブールで、シリアの友連絡グループ会合が開かれ、米英仏、ドイツ、イタリア、トルコ、サウジアラビア、カタールなど11カ国の外相が参加した。

シリアの反体制勢力からは、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長、ジョルジュ・サブラー副議長、リヤード・サイフ副議長、スハイル・アタースィー副議長、ムスタファー・サッバーグ書記長、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長が出席したが、それ以外の組織は参加しなかった。

シリア革命反体制勢力国民連立は、会合開催に合わせて声明を出し、アサド政権が化学兵器や弾道ミサイルの使用などを通じて「テロ」を行っていると断じる一方、シリアの友連絡グループ会合が事態に充分対処していないと非難、4項目からなる要望を行ったと発表した。

イスタンブールでのシリアの友連絡グループ会合に提出された4項目の要望は以下の通り。

1. シリア政府による弾道ミサイル、化学兵器使用を非難し、その防止を具体化させるための国連安保理決議の採択。
2. シリアの友連絡グループ構成国による無人航空機を使用した弾道ミサイル発射地点に対する「外科的打撃」。
3. 飛行禁止空域の設置。
4. シリア革命反体制勢力国民連立を支援するための国際基金の設置。

この声明に関して『ハヤート』(4月22日付)は、「あらゆる形態のテロを拒否する」との文言が含まれていると報じたが、実際の声明(http://all4syria.info/Archive/78671)にはこうした文言はない。

会合に先立って、ジョン・ケリー米国務長官に同行する米高官は、米国はシリア革命反体制勢力国民連立や自由シリア軍参謀委員会など、穏健な反体制勢力に対して、非殺傷兵器などを追加供与する意思があると述べた。

また自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は記者団に「対話を通じた政権との問題解決はなく、武力以外による問題解決はない」と述べた。

一方、ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は「シリアの反体制勢力は過激なテロ勢力から距離を置かねばならない…。ドイツは反体制武装集団への武器増強に疑義を呈している」と述べた。

20日晩、ケリー米国務長官、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が共同記者会見を開き、6時間にわたる会合の内容について明らかにした。

ケリー米国務長官は、共同記者会見で、米国がシリアの反体制勢力に1億2,300万ドルの追加支援を行い、支援総額を2億5,000万ドルに倍増させることを明らかにした。

支援内容の詳細に関して、ケリー米国務長官は「食糧品、医薬品、非殺傷装備など」と述べ、明言を避けた。

また反体制勢力へのすべての支援を、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)を経由して行うことを確認したことを明らかにした。

さらにケリー米国務長官は、シリア革命反体制勢力国民連立から「シリアの未来のビジョンを表した…重要な文書」を受け取ったとしたうえで、その文書で連立が、マイノリティの権利を保障した多元主義、テロや過激主義の拒否、政治的解決の優先を誓約していると強調した。

ケリー国務長官によると、この文書で、シリア革命反体制勢力国民連立は「すべてのマイノリティが自らの権利を享受し、将来の選択に参加する多元的シリアを樹立」することを誓約したという。

またシリア革命反体制勢力国民連立は「テロ、過激主義を拒否し、化学兵器を使用せず、いかなる宗派に対しても復讐を行わず、誤った勢力に武器を渡さない」ことを遵守し、「政治的解決を優先」すると宣言したのだという。

しかし、実際の文書(要望、http://all4syria.info/Archive/78671)にはこうした誓約は明記されておらず、ケリー国防長官の発言からはシリア革命反体制勢力国民連立が強硬姿勢の変更を余儀なくされたことを伺い知ることができる。

なおケリー国務長官は、シリアの友連絡グループ会合の閉幕時に採択された声明で、シリア革命反体制勢力国民連立が「ジュネーブ合意の枠組みに基づいて…シリア危機を解決するための交渉のテーブルにつくことを支持した」と述べ、連立に政権との交渉するよう圧力をかけたことを暗示する一方、「シリア政府がこの機会を拒否すれば、我々は(反体制勢力への)さらなる支援を発表する」と警告した。

これに関して、『ハヤート』(4月22日付)は、複数の反体制消息筋の話として、米国が反体制勢力に対してすべての支援を自由シリア軍参謀委員会経由で行うことを通知し、「過激派の孤立化」をめざすとともに、「軍事的な政権打倒ではなく、現地でのパワーバランスを変更すること」を狙っていると報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、国連安保理に対して、シリアでの暴力停止に向けて、統一した姿勢をとるよう呼びかけた。

AFP(4月20日付)が報じた。

AFP, April 20, 2013、Akhbar al-Sharq, April 20, 2013、al-Hayat, April 21, 2013, April 22, 2013、Hawarnews, April 20, 2013、Kull-na Shuraka’,
April 20, 2013、Kurdonline, April 20, 2013、MENA, April 20, 2013、Naharnet,
April 20, 2013、NNA, April 20, 2013、Reuters, April 20, 2013, April 21, 2013、SANA,
April 20, 2013、UPI, April 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

複数の欧米紙が直近の戦闘で「化学兵器」が使用された可能性を報じるなか、民主統一党のムスリム共同党首がアレッポ市での軍と人民防衛隊との交戦に関して「クルド人と反体制武装集団が停戦に合意したことが原因」との見解を示す(2013年4月19日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、反対消息筋によると、ダーライヤー市、スバイナ町、ズィヤービーヤ町、ヤルダー市、ダイル・ハビーヤ村、ジュダイダト・アルトゥーズ町、ムウダミーヤト・シャーム市、ジュダイダト・ファドル町などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、アドラー市、ナブク市、ザーキヤ町、ミスラーバー市、ダーライヤー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、反体制消息筋によると、ハウラ地方、クサイル市周辺が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした戦闘員を軍が撃退した。

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ハマー県では、反体制消息筋によると、カフルズィーター市が軍の砲撃を受けた。

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イドリブ県では、反体制消息筋によると、バーブーリーン村に対する軍の攻撃が続いた。

またシリア人権監視団などによると、タッフ市、バシーリーヤ村、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、ジスル・シュグール市、バシュラームーン村、アイン・バーラ村、カスティン市、フーカーニー市、バシーリーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、反体制消息筋によると、アレッポ市スッカリー地区などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月19日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、タッル・アッジャール村、カフルアントゥーン市、マーイル町、アナダーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マルジャ地区、シュカイイフ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、反体制消息筋によると、ダイル・ザウル市の航空基地周辺、ラサーファ地区、工業地区で軍と反体制武装集団が交戦、またムーハサン市に対して軍が砲撃を加えた。

一方、アラビーヤ(4月19日付)がダイル・ザウル市内の将校クラブで爆発があったと報じた。しかしSANA(4月19日付)はこれを否定した。

またSANA(4月19日付)によると、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、軍がカーミシュリー市に砲撃を加えた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャムラ村、サイダー町、フラーク市、ヌアイマ村、ナスィーブ村などが軍の砲撃を受けた。

また軍がダルアー市クスール地区に突入する一方、ナーミル村・ヒルバト・ガザーラ町間の国際幹線道路で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月19日付)によると、ダルアー市などで、軍が反体制武装集団を追撃、サウジアラビア国籍のシャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラビーア町一帯に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月19日付)によると、ムライジュ村、ジュッブ・アフマル村、ガマーム村、ラビーア町で軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

殺害されたヌスラ戦線メンバーのなかには、ベルギー人、チェチェン人、リビア人が含まれている、という。

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ダマスカス県では、SANA(4月19日付)によると、バルザ区で、反体制武装集団が、車で移動中のタミーム・アブドゥッラー大佐を襲撃、暗殺した。

またマッザ区でも、反体制武装集団が、レストランで食事中の社会問題省計画局のアリー・バッラーン局長を撃ち、暗殺した。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

国内の動き

SANA(4月20日付)は、ダルアー県高官筋の話として、シリア人避難民約5,000人がヨルダンからシリアに帰国した、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月20日付)によると、ハマー県サラミーヤ市で「イランとヒズブッラーはアサドとともに敗れる」と銘打った抗議デモが行われた。

またAFP(4月19日付)などによると、イドリブ県カフルナブル市などで反体制デモが行われ、参加者が米ボストンでの爆弾事件に対して弔意を示した。

反体制勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首はロイター通信(4月19日付)に対して、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区などでの軍と人民防衛隊との交戦に関して、「クルド人と反体制武装集団の穏健派の一部が停戦に合意したことが原因だろう」と述べた。

ムスリム共同党首は、トルコ政府とPKKのアブドゥッラ・オジャランとの停戦合意(3月)に関して、「シリアの反体制勢力を支援し、政権退陣を求めるトルコがクルド人マイノリティと和平交渉に入ったのを受けて、トルコがシリアのクルド人を支援することを懸念している」との見方を示した。

一方、自由シリア軍と自らの党の統合に関しては「自由シリア軍が世俗的・民主的シリアをめざすと制約しなければ不可能だ…。自由シリア軍には過激なジハード主義者やサラフィー主義者が参加している」と否定した。

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シリア国内外で活動する著名は反体制活動家が声明を出し、シリア市民権センターの設立を宣言した。

声明に署名したのは、ハビーブ・イーサー、フアード・ハミール、アーリフ・ダリーラ、ナビール・マルズーク、ルーリー・ラクビーら。

センターは、「祖国」概念の再構築、「市民文化とその価値観」の普及をめざすとともに、シリアを「宗教、宗派、エスニシティに基づく差別を越えたすべてのシリア人のもの」と位置づけ、「国民の一部ではなく、全体が最終的な政治権威の行使者」と訴えている。

諸外国の動き

国連安保理は、シリア情勢に関して、人道支援物資配給に対する「妨害」に遺憾の意を示し、「すべての当時者」に対して、シリア全土における人道支援機関の活動を保証することを求める議長声明を全会一致で採択した。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、国連安保理での非公式会合後、記者団に対して、「私はまだ職務を辞していない。毎日目が覚めては、辞めなければならないと考えているが、今のところそうはしていない。いつか辞めるかもしれないが…、今のところは辞めない…。私の職務の任期が3ヶ月しかないなどと初めて耳にした。まったく根拠がない」と述べた。

またブラーヒーミー共同特別代表は、シリア情勢を「世界でもっとも深刻な危機」としたうえで、「私は今日、安保理に軍事介入は不可能で、望まれていないと言った」と述べた。

さらに「反体制勢力に(移行期)政府樹立を急がないよう忠告した…。反体制勢力に属する多くの人々が政府樹立が、有益で必要だと考えていない」と付言した。

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AFP(4月19日付)は、米匿名高官が、最近のシリア国内での戦闘で化学兵器の「疑いが強い」兵器が使用されたと情報を限定的だが得たと報じた。

同高官によると、化学兵器が限定的・局地的に使用された可能性があり、米諜報機関はこの情報の真偽を確認中だという。

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『ワシントン・ポスト』(4月20日付)と『フォーリン・ポリシー』(4月20日付)は、匿名高官の話として、英仏が国連の潘基文事務総長に対して、シリア国内で入手した土壌サンプルの検査と、目撃者・反体制武装集団の証言をもとに、シリア軍がアレッポ市および同市周辺、ヒムス市およびその周辺、そしておそらくはダマスカス(郊外県)で化学兵器を使用したと報告したと報じた。

『ハヤート』(4月20日付)は、英仏の報告に関して、真剣に検証を行っているとの米国高官の発言を伝える一方、それ以外の高官、専門家が両国の報告を実証することはきわめて困難だと見ていると報じた。

また『ハヤート』は、(米国の)別の匿名高官が、「諜報機関はシリアでの化学兵器の使用を確認できなかった」と述べた、と報じた。

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ザアタリー避難民キャンプで、ヨルダン治安当局がキャンプ外への逃走しようとしたシリア人避難民を取り締まったことに抗議して、避難民数百人が暴徒化し、治安部隊などに投石を行い、治安要員10人が負傷した。

AFP(4月20日付)が報じた。

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RT(4月19日付)は、ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官が、ヨルダン政府による米兵200人の受け入れに関して、シリア危機を悪化させかねないと批判したと報じた。

AFP, April 19, 2013、Akhbar al-Sharq, April 19, 2013、Alarabia.net, April 19, 2013、The Foreign Policy, April 20, 2013、al-Hayat, April 20, 2013、Kull-na Shuraka’, April 19, 2013, April 20, 2013、Kurdonline, April 19, 2013、Naharnet, April 19, 2013、Reuters, April 19, 2013、SANA, April 19, 2013, April 20, 2013、UPI, April 19, 2013、The Washington Post, April 20, 2013などをもとに作成。

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ジャアファリー国連代表が安保理会合で演説し欧米諸国による反体制武装集団への支援を批判、イスラエルのネタニヤフ首相が「ゲーム・チェンジャーとなりうる危険な兵器」がテロ組織のもとにわたることを懸念(2013年4月18日)

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がクサイル市北部のダブア航空基地の大部分を制圧、地元調整諸委員会によると、MiG戦闘機2機、戦車2輌を含む大量の武器弾薬を奪った。

しかし、政府を支持する活動家によると、軍はダブア航空基地から近隣の大隊本部に撤退したため、「破壊された戦車しか発見できなかった」という。

一方、ヒムス県では、SANA(4月18日付)によると軍がアーバル市の反体制武装集団の掃討を完了、同市を奪還・制圧した。

またタッル・シャンナーン村、シターヤ村、ヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区、ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、アイン・ダナーニール氏、ダール・カビーラ村などで軍が、反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ムカイラビーヤ市、ウタイバ村、バイト・サフム市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月18日付)によると、マルジュ・スルターン村郊外、アドラー市、ハラスター市、タッル・クルディー町郊外、ザーキヤ地方、ダイルハビーヤ地方、スバイナ町などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区、ヤルムーク区が砲撃を受けた。

一方、SANA(4月18日付)によると、ジャウバル区で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がジスル・シュグール市からバーブーリーン村方面に増援部隊を派遣した。

またハーミディーヤ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月18日付)によると、ジャーヌーディーヤ地方、カトルーン地方、アイン・シュグル地方、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サラーキブ市、ジスル・シュグール市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハッターブ村に軍が突入、タイバト・イマーム市に迫撃砲弾が着弾した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のサーフール地区、スライマーン・ハラビー地区、アーミリーヤ地区、ダイル・ジャマール村、アアザーズ市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月18日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、カフルハーシル村、カフルアントゥーン市、タナブ村、アナダーン市、フライターン市、ウワイジャ地区、ナイラブ村、ドゥワイリーナ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーライル村が砲撃を受けた。

一方、SANA(4月18日付)によると、マリーイーヤ村、フサイニーヤ町、ダイル・ザウル市労働者住宅地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、反体制活動家らによると、第17師団本部周辺に軍が空爆を行った。

シリア政府の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、安保理会合で、「シリア政府は、テロ組織が盗んだ石油を買うなどの手段でシリアでのテロに資金援助をする者すべてを安保理で追及する…。今日から、西側のどの政府にも、自国民が国境を越えてシリアに入り、流血に加担するのを無視することを正当化する口実はない」と述べ、欧米諸国の反体制武装集団への支援を批判した。

またジャアファリー国連代表は、イスラエルがゴラン高原の兵力引き離し地域を経由してテロリストがシリア国内に潜入するのを支援していると断じ、批判した。

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『ハヤート』(4月19日付)は、西側外交筋の話として、ファイサル・ミクダード外務副大臣がヨルダンを秘密裏に訪問し、ナースィル・ジャウダ外務大臣やヨルダンの治安当局高官と会談、アル=カーイダおよび過激集団の危険はシリアだけでなく、隣国にも及ぶとの警告のメッセージを伝えたと報じた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立はアサド大統領のインタビュー(18日付)に関して、「現実から隔絶されている」と述べ批判した。

諸外国の動き

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はBBC(4月18日付)に対して、「我々は中東のパワーバランスを変更する特殊兵器がテロリストの手に落ちることを懸念している。こうしたことが起きることを阻止するために行動する権利を持っている」と述べた。

また「我々は必要とあれば、自衛する用意がある。私が言っていることがバランスのとれた真剣なものだということを皆が分かっていると思う…。我々が懸念している主な兵器はシリアに実際に存在する兵器だ。つまり対空兵器、化学兵器、そしてゲームを変更するかもしれない非常に危険な兵器だ」と強調した。

そのうえで「こうした兵器は、中東のパワーバランスの条件を変更し、世界レベルでテロの危険をもたらすだろう。我々の国益とは自衛だが、それは他の国の国益でもあると考えている」と付言した。

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ヨルダンのムハンマド・ムーマニー内閣報道官は「シリア危機が安全保障に悪影響を与えるなか、米国防総省は約200人の兵士を我が国領土に展開させることを提案した」と述べた。

ムーミニー報道官はしかし「シリア情勢への王国の姿勢は変わらず、軍事介入に反対し、包括的な政治的解決を呼びかけている」としたうえで、米国兵士の派遣が両国間の通常の軍事協力関係の一環をなし、シリア情勢とは関係がないと強調した。

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チャック・ヘーゲル米国防長官は上院の軍事委員会で、シリア国内での化学兵器使用の有無に関して、「この問題は非公式会合で検討すべきだ」と述べ、明言を避けた。

マーティン・デンプスィー米陸軍参謀長も同じく上院軍事委員会で、「メディアで情報が流れている…。しかしこの委員会ではこれ以外のことは言うことはできない」と明言を避けた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は欧州議会外交委員会で「(シリア)情勢を放置すれば、シリアは解体の危険に向かい、その分裂は地域レベルで悪影響をもたらす」としたうえで、「こうした状況が生じれば、過激派が勝者となるだろう」と警鐘を鳴らした。

ファビウス外務大臣はまた「アル=カーイダに属す過激な組織がパワーバランスの中心を獲得すれば、不安定化の危険がヨルダン、レバノン、トルコ…、さらにはアラブ・イスラエル紛争にも及ぶということを考えねばならない」と述べた。

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「ロシア2013」フォーラムに参加中の英国のトニー・ブレア前首相は、記者団に対して、「シリアを脅かす危険は…解体の危険であり、地域全体に大きな影響を及ぼすだろう。事態はシリア領内にとどまらない」と警鐘を鳴らしたうえで、国際社会がシリアの統合を保証するための合意を行うべきだと述べた。

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ロシアの複数のメディアが伝えたところによると、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の進退に関して、「政府と反体制勢力の対話実施という任務を彼に与えた二つの組織のうちの一つ(アラブ連盟)が、対話支援という方針を修正し、ダマスカスの当局が正統でなく、シリア革命反体制勢力国民連立がシリア国民の唯一の正統な代表だと宣言したあとで…、どのように振る舞うことができようか?」と述べ、辞任の可能性もあると示唆した。

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国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア情勢に関して「戦闘を行う当時者たちは、民間人の声明を完全に無視している…。ダイル・ザウル市、ハマー市、イドリブ市、ヒムス市は瓦礫と化し、アレッポも破壊し尽くされている」と非難した。

アモス事務次長は、国外避難民が130万人、国内避難民が425万人に達しているとしたうえで、衛生状態の悪化に懸念を示す一方、シリア政府の支援受け入れ措置の遅れが、人道活動の障害になっていると批判した。

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レバノンのナウワーフ・サラーム国連代表は安保理で、シリア領内の国境地帯で戦闘地域から離れた場所に避難民キャンプを設営することを検討すべきと提案した。

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UPI(4月18日付)によると、リビア国防省法務担当官のハイサム・ウバイディーは、自由シリア軍がリビア領内に訓練センターを持っていないとしつつ、旧暫定国民評議会や革命家たちが、シリアでの「革命」に共鳴し、シリア人とともに、軍事・人道支援を行っていると述べた。

またリビア軍参謀本部のアリー・シャイヒー報道官は、リビア当局の認可を受けて解説された自由シリア軍の事務所はない、と述べた。

AFP, April 18, 2013、Akhbar al-Sharq, April 18, 2013、al-Hayat, April 19, 2013、Kull-na Shuraka’, April 18, 2013、Kurdonline, April 18, 2013、Naharnet, April 18, 2013、Reuters, April 18, 2013、SANA, April 18, 2013、UPI, April 18, 2013などをもとに作成。

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アサド大統領がシリア独立記念日にあわせてインタビューに応じ、「我々はタクフィール主義勢力と戦っている」としつつ、世俗主義や「戦争」で勝利する重要性を改めて強調(2013年4月17日)

アサド大統領のインタビュー

アサド大統領はシリア独立記念日(4月17日)に合わせてイフバーリーヤ・チャンネルのインタビューに応じた。

http://www.youtube.com/watch?v=DS-hARtOMsMhttp://www.youtube.com/watch?v=W1W45xdBOqk
http://www.youtube.com/watch?v=pJ99eG2rj9s
http://www.youtube.com/watch?v=iYCPIfx4FY8

SANA, April 17, 2013
SANA, April 17, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「シリアはあらゆる手段と方法を駆使した新たな植民地主義の試みに曝されていると思う。さまざまな国籍を持った者からなる外国の軍事勢力がシリアを侵略しようとしている。それは、新たな戦術によるもので、我々が新植民地主義と名付けていた伝統的な戦術と異なっている」。

「また思想的な侵略を通じて文化的にシリアを占領しようとする試みもある。これは、シリアを大国、とりわけ西側に従属させようとすること、そして不正に満ちたタクフィール勢力に従属させようとするという二つの方向からなっている」。

「今起きていることの真実は戦争だ。治安に関わる事件ではない」。

「大国、とりわけ米国は欧州においてでさえも独立性を持つ国があることを受け入れない…。シリアは非常に重要な地政学的な位置にある。それゆえシリアを支配したいという願望は、植民地主義諸国の政治において歴史的かつ伝統的なものだ。この戦いにおいて、これらの国が当初から、政治や報道といった面で支援を行う役割を担っている。最近になって、物資兵站支援を公然と行うようになっており、武器支援も行っていると思う」。

「今起きていることの真実は、我々がタクフィール主義勢力と対決しているということだ。(彼らは)大打撃を被り、一部の場所では消滅した。あるいは、もともとアル=カーイダの一部だったが、その傘下で活動するため強制的に移動させられた。我々は今実質的にタクフィール主義勢力と戦争を行っている」。

「どんな社会にも、狭量な思想を持った者からなる集団はいる…。こうした集団は危機が発生すると台頭する。彼らの有害な思想と行動を持って現れる…。これは1980年代のシリアにおいて、宗派主義的な思想を利用したムスリム同胞団の危機を通じて生じた…。彼らは宗派主義的な思想をもてあそぶことはできたが…、敗北後、シリアの状況は、シリア社会の本来の状態へと戻った」。

「我々が唯一よりどころとしているのはシリア国民の意思だ…。誇張せずにこう言うことができる。今のシリアは危機発生当初よりよくなっている。危機当初は、宗派主義的言説が利用され、病巣が顕著に表れ、多くの人々の間でこの点への懸念が生じ、バランスが失われた…。タクフィール思想、差別、宗派主義を広めようとする衛星報道による攻撃への…シリア国民の2年に及ぶ抵抗を経て、こう言いたい。シリア国民は偉大な国民であり、彼らへの懸念はない」。

(国内に「解放区」があるとの一部報道に関して、「伝統的な方法で敵が領土の一部を占領するためにやってきた場合、国軍はこの敵を攻撃し、祖国を防衛し、敵を放逐する…。こうした状態が領土解放である。しかし我々は全く異なった状況、新たな戦争、新たな方法に立ち向かっている。我々は都市の内部に入り込んだ集団に対処している。その一部はシリア人ではなく、外国人、アラブ人であり…、都市や街区に入り込み破壊活動を行っている…。我々は、解放区について云々するために領土解放作戦を行っていると言っているのではない。我々は今、テロ殲滅作戦を行っているのだ。この二つの違いは大きい。我々がテロリストを殲滅しなければ、シリア国内のいかなる地域を解放したとしても意味がない」。

「我々は宗派主義を恐れてはおらず、真に分裂をもたらすような根拠もないと考えている。分裂は、宗教的、宗派的、人種的な境界が必要だが、そうした地図は実質的には存在しない。なぜならシリア社会は、ほぼすべての地域において統合されているからだ…。(シリアが分裂していることを示すような)地図は、神経戦の一部であれ、我々が常に話している敗北の一部だ」。

(アレッポ市および郊外の分断に関して)「これは分裂という枠組みなかに位置づけられるものではない。人種や宗派に基づく境界線には基づいていない。テロリストがいる場所かどうかというということに基づいている」。

「エルドアンは、自分のために自分の国を差し出す((クルド国家の建設を認める)用意があるだろう。しかしシリアのクルド人に関して、私は繰り返し言っていることがある。シリアのクルド人はシリア社会本来の基本的な部分をなしている。彼らはこの地域に何世紀も前から暮らしてきた…。個人的な利益のために特定の問題を利用しようとする日和見主義者もいる。だから、シリアではクルド政党を名乗る多くの集団が立ち上げられ、彼らはいわゆるクルド問題やクルド人迫害について常に大げさにとりあげてきたという。しかしこうした言葉はまったく正しくない。彼らはクルド人の国籍取得について話してきた…。私が会った殉教者遺族のなかには多くのクルド人がいる」。

(世俗主義に関して)「我々は国家として、宗教に基づいて対処することはない。例えば、人々が仕事を得るためにやって来たとしても、我々はこの人が属する宗教や人種を問うことはない。宗教や人種に基づいて差別をしてはいけない。これがこの概念(世俗主義)だ。それは非宗教的な世俗主義でなくので、宗教には対立し得ない。また信仰の自由について言う場合、この世俗主義はさまざまな宗教を支持し、それに対立しない。まったく逆で、宗教は道徳であり、我々は道徳を必要としており、つまりは宗教を必要としている」。

(反体制勢力に関して)「テレビに出る度に違った言葉で話し、それぞれの段階で異なった言葉で話す者がいる。こうした人々は愛国的な反体制勢力なのか…。動揺せずに安定していなければ愛国的たり得ない。我々は国家として、危機の初日から一つの言葉で語ってきた。我々はテロと戦う、外国から内政干渉しようとするものと戦う、と言ってきた…。それと同時に、我々は対話に向けて門戸を開いてきた。最初は対話を拒否したが、その後それに同意した勢力がいる。もし間違えていたら、我々は間違っていたと言って欲しい。我々の評価は間違っていたと…。危機の当初、私は演説を行い、間違いがあったと述べた。しかし彼らは発言を変えるだけだ」。

「我々が誰と対話するのかという質問がなされれば…、シリアには今多くの政党がある。依然として成長過程にある政党だが、愛国的で、態度を変えるような政党ではない。外国に頼ったりもしない。国内には愛国的な勢力がいる。愛国的なシリア人は多くいる…。国民を代表する愛国的な反体制勢力の地位にあると自称する者は、自分たち以外しか代表していないこを我々は知っている」。

「シリアがどのようになるか…という問題、反大統領制になるのか、これは国民が決めることだ。我々は国民が決めたことに同意する」。

「地域と私は別問題だ。つまり地位は政治体制に関わり、政治体制がすべての地位の権限を決定している…。一方、リーダーというのは…、個人に関わる問題だ。これは権限とは異なる。地位を求める者は軽蔑に値する。そう思っている。地位は単なるツールであって目的ではないとするなら、目的は個人が社会に対してプロジェクトを提示し、国民がそれを支持し、シリアにとってよりよい状態に至ることである。敵対的なメディアが概して言ってきたのは…、問題が国民によって拒否されたリーダーにあり、このリーダーがイスに固執し、そのために国民を殺しているというものであり…、それゆえ退陣問題が提起されている。しかし、地位には何の価値もないというのが真実であり、民衆の支持がなければ、地位が個人に何かを与えることはない…。だから言いたい…。国民が決めることが、大統領としてとどまるか、去るかの根拠となる」。

「我々は武器や装備を持った戦闘員やテロリスト数千人がヨルダンからやって来たのを目の当たりにした。我々は治安当局高官を1ヶ月ほど前に派遣し、ヨルダンの当局者と会談し、彼らに我々がもっているデータについて説明をした。しかし彼らはヨルダンが事件に関与したことを否定した。しかしこれは非論理的だ…。ヨルダンが昨年、パレスチナでレジスタンスを行おうとして軽武装しかしていなかった男一人を逮捕できたのに、(ヨルダン当局が関知しないかたちで)シリアに数千人が武装して入っているなどという信じることはできない」。

「武器をもって市民に敵対する者は、アル=カーイダであろうがなかろうが、みなテロリストだ…。一方、「穏健な武装勢力」は、米国民に対して自らの行為を正当化しようとする米国の手口だ」。

「西側があらゆる勢力を利用していることは真実だ。西側が対立している勢力であってもだ。その証拠に、彼らはアル=カーイダとマリで戦っているが、シリアやリビアでは支援してきた。シリアで戦っていたのと同じ過激派がリビアで支援を受けており、この戦闘員はマリの戦闘員を…支援している。これはいわゆる二枚舌、三枚舌、四枚舌だ…。西側は、自分たちが満足できない国に害を与えるためにどんなカードでも利用する。シリア情勢は、彼らにとって幸運だった。なぜならアル=カーイダがやってきたからだ。彼らはまず、リビアであれ、マリであれ、アフガニスタンであれ、それ以外の場所であれ、こうした勢力を放逐したかった。こうした勢力はシリアにやってきたため、他の地域の圧力が軽減した。しかしこれによって、シリアで誰が勝者になるかは別として、破壊がもたらされた。国家、アル=カーイダ、それ以外の誰かが勝つにせよ、結局シリアが高い代償を払うことになるだろう」。

「我々はシリアのインフラ、思想の破壊の結果を目の当たりにしている。たとえ国家が勝利したとしても、弱い国家になってしまうだろう。(アル=カーイダへの)支援を通じて西側がめざしているのはこうしたことだ。しかし同時に、西側は今、このテロが自分たちにいずれふりかかるだろうということを知らない…。彼らは事実、アフガニスタンのアル=カーイダを当初は支援し、高い代償を払った。今、シリア、リビアなどでアル=カーイダを支援し、欧米の心臓部で大きな代償を支払うことになろう。

「我々の前には勝利以外の選択肢はない。我々が勝利しなければ、シリアは終わってしまう。シリアのいかなる市民もこうした選択肢を受け入れるとは考えていない」。

国内の暴力

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月17日付)によると、ラアス・アイン市の反体制武装集団制圧地区で、民主統一党女性局の開設を呼びかけ街頭活動を行っていた車が発砲を受けた。

これを受け、民主統一党人民防衛隊が同地区に向かって進軍し、24時間以内にラアス・アイン市から退去するよう武装集団に求めた。

反体制武装集団に近い消息筋によると、発砲は「自由シリア軍」の命令によるものではなく、スライマーン・ハサクーが率いる武装集団の単独犯行だという。

一方、シリア人権監視団によると、ハサカ市、シャッダーディー市で、武装集団が女性1人を含む市民3人を殺害した。

また、ザマーン・ワスル(4月17日付)によると、マアシューク・ハズナウィー大隊のワラート・ムラード司令官と兵士6人が何ものかに誘拐された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市、アーバル市、クサイル市などで軍が反体制武装集団を攻撃し、反体制武装集団の司令官1人、戦闘員5人を含む18人が死亡した。

同監視団によると、これらの地域での戦闘において、ヒズブッラーを支持する武装集団が政府側について参加している、という。

一方、SANA(4月17日付)によると、タイバ村、タッルドゥー市、タッルダハブ市、ラスタン市、クサイル市、ダブア市、アーバル市、東ブワイダ市、ダミーナ市、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、タドムル市郊外などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市空港周辺などでの軍との戦闘で、反体制武装集団のメンバー3人が殺害された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市、アレッポ市カルム・フーミド地区、サーフール地区、ブアイディーン地区、マサーキン・ハナーヌー地区などに対して軍が空爆を行い、外国人戦闘員らが死亡した。

一方、SANA(4月17日付)によると、ハンダラート・キャンプ(キンディー大学病院一帯)、タッル・アッジャール村、カフル・アントゥーン村、カフルハーシル村、アイン・ダクナ村、マッルアナーズ市、マーイル町、ハーン・トゥーマーン村などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャッアール地区、シャイフ・マクスード地区、マサーキン・ハナーヌー地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーッス村、マアッル・シューリーン村、サラーキブ市、バーラ村、ビダーマー町、カフルルーマー村などに対して軍が砲撃を加えて、子供1人を含む2人が死亡した。

一方、SANA(4月17日付)によると、サラーキブ市、ナイラブ村、マアッラトミスリーン市、サルミーン市、ジスル・シュグール市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町、ウタイバ村、ダルーシャー村などで軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月17日付)によると、アドラー市、ウタイバ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヤブルード市、ドゥーマー市、ハラスター市、ナブク市などで軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月17日付)によると、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾4発が着弾し、市民1人が死亡、17人が負傷した。

またジャウバル区で軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町、ワーディー・ヤルムークなどに軍が空爆を受け、反体制武装集団と交戦した。

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ラタキア県では、SANA(4月17日付)によると、ラビーア町、アティーラ村、ムライジュ村、リーシュ村、バイト・アワーン村、ハーン・ジャウズ村、ジュッブ・アフマル村、ズワイク村、ダグマシュリーヤ村などで軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷した。

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ハマー県では、SANA(4月17日付)によると、ウンム・ミール村、スーハ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線を殲滅した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はフェイスブック(4月17日付)で、ムフティーを選出するための「シリア最高イスラーム評議会」を設置すべきだと綴った。

諸外国の動き

ロイター通信(4月17日付)などは、匿名外交筋の話として、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が自身の役割をアラブ連盟との関係のない国連特別代表とすることを望んでいる、と報じた。

同外交筋によると、ブラーヒーミー共同特別代表がアラブ連盟との関係を絶ちたいとの意向を持った主因は、連盟首脳会談でシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表の地位を与えられたことにあり、これにより中立的な仲介者としての役割が果たせなくなったと考えていたという。

しかし、国連の潘基文事務総長は、この報道に関して、記者団に関して、「ブラーヒーミーは共同特別代表として活動を続けるだろう。最も重要なのは、国連がアラブ連盟と共同で行動することだ」と述べ、否定した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はトルコでアフメト・ダウトオール外務大臣と会談した。

会談でラブロフ外務大臣は、シリアの友連絡グループに関して、「現時点で、我々はこのプロセスがジュネーブ合意にマイナスに作用すると考えている」と述べ批判した。

また「次回の協議で、我々は軍事介入に関わり、一当事者を孤立させるあらゆる措置を回避することを試みるだろう…。我々はすべての当時者を含む対話の基礎を作ることに集中している」と強調した。

さらに「反体制勢力の活動を停止させねばならない。そうすることで、シリアでの事態が悪い形で推移することを回避できるだろう」と付言した。

一方、ダウトオール外務大臣は、「シリアを中東・北アフリカから孤立させることはできない…。シリアの危機はトルコに大きな影響を与えるが、それは政権の暴力が理由で続いている」と述べた。

そのうえで「シリアはシリア国民のものであって、アサド大統領のものではない」と主張した。

AFP, April 17, 2013、Akhbar al-Sharq, April 17, 2013、al-Hayat, April 18, 2013、Kull-na Shuraka’, April 17, 2013、Kurdonline, April 17,
2013、Naharnet, April 17, 2013、Reuters, April 17, 2013、SANA, April 17, 2013、UPI,
April 17, 2013、Zaman al-Wasl, April 17, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領が独立記念日にあわせて2013年4月16日以前の犯罪に対する恩赦の実施を決定、シリア革命反体制勢力国民連立のヒートゥー暫定政府首班がヌスラ戦線を「同志」と表現(2013年4月16日)

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(4月17日付)によると、サッハーラ村でタウヒード旅団のヌールッディーン・ザンキー大隊司令官のタウフィーク・シハーブッディーンが負傷し、トルコ領内の病院に搬送されたが死亡した。

またアレッポ市のアンサール地区では、灰色(シャフバー)の楯旅団司令官のアブー・ウバイダが何者かに撃たれ、重傷を負った。

一方、SANA(4月16日付)によると、ハンダラート・キャンプ(キンディー大学病院一帯)、マンナグ村、アルカミーヤ村、マッルアナーズ市、ハーン・アサル村、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、バーブ・ハディード地区、シュカイイフ地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、シリア人権監視団によると、タラール市からトルコ領内に避難しようとしたシリア人に対して、トルコの国境警備隊が発砲し、複数の負傷者が出た。

ロイター通信(4月17日付)によると、アレッポ市で、シリア赤新月社スタッフと地元評議会メンバーが車でサーフール地区に入り、軍と反体制武装集団に巻き込まれて死亡した市民らの遺体31体を搬出した。

この間、軍と反体制武装集団は戦闘を停止した。

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イドリブ県では、サマーン・ワスル(4月16日付)によると、自由シリア軍の司令官の一人イスマーイール・ウラービーがダーナー市で暗殺された。

同報道によると、自由シリア軍は暗殺を行ったとされるアブー・バナート大隊の戦闘員を追跡し、ダイル・ハッサーン市で4人を殺害、12人を捕捉した。

ウラービーの部隊は、同地域で武装解除キャンペーンを行っていたが、マシュハド市で「イスラーム首長国」樹立をめざすアブー・バナート大隊などと対立、暗殺されたという。

ウラービーはバーブ・ハワー国境通行所制圧を行った活動家一人。

なお、外国人戦闘員が参加しているムハージリーン大隊が最近、反体制武装集団の「穏健派」への暗殺作戦を開始したという。

また、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ航空基地の包囲を解除し、タッフ村に進軍した軍を反体制武装集団が撃退、バーブーリーン村に後退させた。

この戦闘で、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ジスル・シュグール市および同市郊外、サラーキブ市郊外、マアッラトミスリーン市、ワーディー・マハーミール市、ハーン・シャイフーン市郊外などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線、イスラームの剣旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またイドリブ市では、医療センター前で武装集団が爆弾を積んだバイクを爆破した。爆発によりセンターや周辺の住宅に被害が出た。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ウタイバ村、ハラスター市、スバイナ町(パレスチナ難民キャンプ)などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ハラスター市、ウタイバ村、アドラー市、ナシャービーヤ町などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、ファールーク大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ファハーマ地区で、反体制武装集団が車に仕掛けた爆弾が爆発した。

また、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市の空港周辺を軍が砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市、ジャースィム市などを軍が空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外のタッル・ナビー地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月16日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ワーディー・サーイフ地区、カラービース地区、タッルドゥー市、ラスタン市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

国内の動き

アサド大統領は独立記念日(4月17日付)に合わせて政令第23号を発し、2013年4月16日以前の犯罪に対する恩赦の実施を決定した。

恩赦は、「民族感情を弱め、人種的・教条的な亀裂をもたらした」プロパガンダ活動、「民族の精神を弱めるような嘘の情報や誇張された情報の発信」、「当局に対して武装内乱を引き起こそうとして行われたすべての行為」、逃亡罪、兵役忌避罪、武器・麻薬取引以外に関する密輸罪に対する刑を全免するとしている。

また「テロ活動を犯すことを意図した陰謀」、「国家の経済的、社会的実体の変更を意図した結社の結成」に対する刑期を4分の1に減刑することを定めている。

なお2012年法律第19号(テロ撲滅法)が定める犯罪は恩赦の対象から除外されている。

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クルドオンライン(4月16日付)は、ハサカ県ハッダード村に対する軍の空爆(11人の民間人が死亡)に関して、複数の住民の話として、「バーディヤ自由人」を名乗る自由シリア軍が村にいたことが原因だったと報じた。

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ロシアの複数のメディアが報じたところによると、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣は、モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、「シリア国内の反体制勢力の指導者たちは、シリア革命反体制勢力国民連立が外国の介入を拒否し、暴力を否定すれば、その指導者と対話を行う用意がある」と述べた。

これに対して、ラブロフ外務大臣は、シリア人同士の対話を通じた危機解決に向けた平和的イニシアチブを支援するとの意思を示した。

またジャミール副首相は、RT(4月16日付)に対して「我々は今、かつてなく政治的解決に近いところにいる」と述べる一方、シャームの民のヌスラ戦線に関して、「政治的解決の論理の外にいる」と批判し、シリア国民に対して「こうした現象をシリアの国土から一致団結して放逐しよう」と呼びかけた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班は、トルコのイスタンブールで、シャームの民のヌスラ戦線に関して、「体制打倒のために武器を持つ同志だ」としたうえで、すべての当時者には、制約無しに自由に意見を述べる権利があると述べた。

その一方で「シリア国民は穏健で、テロや過激主義を拒否する…。我々は外国からの戦闘員を必要としていない。支援を必要としているのだ。我々には十分な戦闘員、シャイフがいる」と強調した

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AFP(4月16日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立が、レバノン政府に対して、国境管理を強化し、対シリア国境付近でのヒズブッラーの軍事作戦のすべてを停止させるように呼びかけた、と報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はフェイスブック(4月16日付)で、「複数の機関が…人々が依拠できるものすべてを破壊しようとしている」と述べ、メディアを非難し、「我々全員の首を絞めようとしている者がいる…。外国を信用するな、自分自身に頼れ」と呼びかけた。

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またハティーブ議長はアサド大統領の恩赦に関して、「恩赦の前に、16,000人以上にのぼる無実の人々、とりわけ女子供を釈放して欲しい」と批判した。

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イスラーム旅団の殉教志願者大隊が声明を出し、5つの「連隊」が新たに大隊に加入したと発表した。

新たに加入したのは、殉教者サイード・ワーニリー・アブー・ラシード連隊、ルクン・ディーン・フィダーイー連隊、殉教者ハムザ・ヒンディー・アブー・ラーミズ連隊、殉教者アドナーン・ハイドゥー・アブー・ターハー連隊、サーリヒーヤの楯連隊。

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シリア北東部で活動する11の反体制武装集団が、ラッカ第2軍団の発足を宣言した。

司令官はバッシャール・トゥラース少佐。

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シリア革命反体制勢力国民連合は声明を出し、アサド大統領による恩赦に関して、アサド政権から前向きな行為を期待できず、さらなる殺戮と破壊を行おうとしていると非難した。

諸外国の動き

ベルギー連邦検察の報道官は声明を出し、4月16日朝、ベルギー警察がアントウェルペン市とヴィルヴォールデ市の46カ所に突入し、シリアでの戦闘に参加しようとしていた約80人を逮捕したと発表した。

声明によると、逮捕者のなかには、「ベルギー・シャリーア」を名乗る組織のフアード・ベルカースィム報道官らが含まれていた。

「ベルギー・シャリーア」はベルギーでイスラーム国家の樹立をめざす過激派。

警察当局はまた、シリアでの戦闘で負傷しブリュッセルの病院に入院中の男1人に対して事情聴取を行った。

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『ザマン』(4月16日付)は、トルコ警察が、コンヤ市とイスタンブール市シリアへの戦闘員派遣を行う「M.G.」をリーダーとする集団のメンバーの自宅に突入、10人を逮捕した。

同報道によると、逮捕のために、トルコ警察は半年にわたって準備を行っていたという。

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ジョン・ケリー米国務長官は、米国を訪問したサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣と会談し、シリア情勢、中東和平問題などについて協議した。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ベルリンでカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、メルケル首相は「みなが解決を望んでいる。しかし(シリア)情勢はきわめて複雑だ…。反体制勢力に武器を渡すことはないだろう。EUでこの問題について検討したが、意見の相違があった」と述べた。

一方、ハマド首相は、アサド大統領が「正統性を失った。我々はシリア国民と反体制勢力の望みを実現させたいが、アサドには政治的解決への門戸を開く用意がない」と述べた。

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ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は下院で、シリアの反体制勢力への装甲車34輌と防弾シールド20セットを増強すると述べた。

AFP, April 16, 2013、Akhbar al-Sharq, April 16, 2013、al-Hayat, April 17, 2013、Kull-na Shuraka’, April 16, 2013, April 17, 2013、Kurdonline,
April 16, 2013、Naharnet, April 16, 2013、Reuters, April 16, 2013, April
17, 2013、SANA, April 16, 2013、UPI, April 16, 2013、Zaman, April 16, 2013、Zaman
al-Wasl, April 16, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア殉教者大隊旅団連合の司令官が軍の攻勢にさらされているハーミディーヤ航空基地周辺の武装集団を訪問し、彼らに「体制打倒のためのジハードの呼びかけ」に応じるよう求める(2013年4月15日)

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外のタッル・ナビー地方で、軍と人民諸委員会が反体制武装集団と交戦、また軍が同地方一帯を空爆した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、タドムル市デデマン・ホテル周辺、タイバ村、タッル・ザハブ町、タッルドゥー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ドゥーマー市が軍の砲撃を受けた。

またダーライヤー市、ヤルブード市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ハラスター市で反体制武装集団が旅客バスに発砲し、市民3人が死亡、多数が負傷した。

またミスラーバー市、ハラスター市、フタイタト・トゥルクマーン市、イバーダ市、アタイバ町、スバイナ町、ズィヤービーヤ町、リーマー市、ナブク市、ダーライヤー市、アドラー市、ヤブルード市、ムウダミーヤト・シャーム市などの郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区が砲撃を受け、またジャウバル区、カーブーン区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ジャウバル区で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町、サイダー町、マアルバ町、タッル・シハーブ町、ワーディー・ヤルムークなどを軍が空爆した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町で軍が反体制武装集団と交戦、戦闘員を殲滅した。

またダルアー市、ラジャート高原、シューマラ村、アッラーリー村などで軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺やラッカ市各所を軍が空爆、また軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市労働者住宅地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アーミリーヤ地区、シャイフ・サイード地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ハンダラート・キャンプ(キンディー大学病院一帯)、マアッラータ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、インザーラート地区、バーブ・ナイラブ地区、マルジャ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ヒーシュ村、カフルバースィーン市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、シュグル村、ガッサーニーヤ村、バシュラームーン村、ミシュミシャーン村、アイン・スーダ村、カスティン村、カトルーン村、トゥウーム村、ヒルバト・マラティーン市、ラーム・ハムダーン市、イフスィム町、シャイフ・バフル村、カフルルーヒーン村、マアッラトミスリーン市、ハルブヌーシュ村、サルマダ市、カフル・ヤフムール村、タッルムーハ村、アームーディーヤ市、アブー・ヒッバ村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月15日付)によると、軍のヘリコプターが対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町を空爆し、反体制武装集団の戦闘員2人が負傷した。

軍のヘリコプターはこの際、イラク領内のラビーア町にミサイル2発を誤射したが、イラクからの反撃はなかったという。

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ラタキア県では、SANA(4月15日付)によると、ラビーア町、ムライジュ村、サーキヤ・カルト村、ウワイナート村、ワーディー・シーハーン村、ハーン・ジャウズ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月15日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、労働者住宅地区で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

また市内のカトリック・教会前で、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆破させ、教会の建物が被害を受けた。

国内の動き(シリア政府の動き)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、『ガーディアン』(4月15日付)に対して、アサド政権が崩壊すれば、シリアは地図上から消滅すると警鐘を鳴らすとともに、英仏がシリアでテロ活動を行う「アル=カーイダ」を支援していると批判した。

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政党問題委員会が会合を開き、国民救済党が提出した公認申請の内容を検討した。

SANA(4月15日付)が報じた。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月16日付)によると、シリア殉教者大隊旅団連合の司令官ジャマール・マアルーフが、軍の攻勢に曝されているイドリブ県ハーミディーヤ航空基地周辺の武装集団を訪問した。

またシリア殉教者大隊旅団連合、使徒末裔旅団、ザーウィヤ自由人大隊、3月15日旅団は共同声明を出し、「堅田の建造物の戦いを継続」し、「体制打倒のための…ジハードの呼びかけに応じる」よう戦闘員に呼びかけた。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はイスタンブールで記者会見を開き、そのなかで同胞団がシリア革命反体制勢力国民連立などで他の反体制勢力に対して自らの意思を押しつけようとしているとの一部批判を否定した。

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カイロなどで活動するアラウィー派の反体制活動家らが共同声明を出し、「イラン政府と、それに従うイラク、レバノン」のシーア派が、シリア領内の「聖地」を防衛するとのスローガンを掲げて介入し、ヒムス市を陥落させ、「宗派主義的な政体」を樹立しようとしている、と非難した。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は『シャルク・アウサト』(4月15日付)に対して、「我々はシャームの民のヌスラ戦線メンバーに、専制体制を終わらせるための革命勢力との共同計画をとるよう呼びかけている」と述べた。

そのうえで「ヌスラ戦線のメンバーはシリア国民であり、外国からやって来てヌスラ戦線に加わった者はほんの少数だ」と述べ、テロ組織だとの批判に反論した。

レバノンの動き

ファールーク大隊司令官のアブー・ウダイは、AFP(4月15日付)に対して、14日のベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に対してシリア領から攻撃を行ったのはヒズブッラーだと述べ、反体制武装集団による攻撃を否定した。

しかし、アブー・ウダイは「しなければならないのなら、我々は彼らと同じように民間人を標的にする。我々の民間人は、彼らの民間人ほど価値がない訳ではない」と述べた。

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ベカーア県ヘルメル郡カスル村郊外に、シリア領内から発射されたロケット弾2発が着弾した。死傷者はなかった。

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米国務省は、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に対するシリア領からの越境攻撃を非難した。

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AFP(4月15日付)などは、シリアでの戦闘で数日前に死亡したヒズブッラーのメンバー4人の遺体がベカーア県バアルベック郡フライバ村で埋葬されたと報じた。

諸外国の動き

『デイリー・テレグラフ』(4月15日付)は、反体制武装集団が制圧した「解放区」での物資の配給を監督するため、文民活動家数十人に数百万ポンドの資金援助を行っていると報じた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長がベルリンで会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、両氏は、シリア革命反体制勢力国民連立への支持を引き続き確認する一方、シャームの民のヌスラ戦線など過激派集団への非難の姿勢を示した。

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UNDOFのヨルダン代表は、シリア、とりわけダルアー県に対する軍の空爆に対して、さらなる避難民を発生させるとの懸念を表明した。

AFP, April 15, 2013、Akhbar al-Sharq, April 15, 2013、The Daily Telegraph, April 15, 2013、The Guardian, April 15, 2013、al-Hayat, April 16, 2013、Kull-na Shuraka’, April 15, 2013、Kurdonline, April 15,
2013、Naharnet, April 15, 2013、Reuters, April 15, 2013、SANA, April 15, 2013、al-Sharq al-Awsat, April 15, 2013、UPI, April 15, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県では軍がワーディ・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の包囲を解除、シリア革命反体制勢力国民連立は声明のなかでヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明およびイスラーム国家樹立主唱を拒否(2013年4月14日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍が反体制武装集団によるワーディ・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の包囲の解除に成功、その際の戦闘で反体制武装集団の戦闘員21人が殺害された。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、軍はバーブーリーン市とヒーシュ村の国際幹線道路沿いの高台を制圧し、両基地への兵站路を確保したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、バーブーリーン市、バースリーム市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクーリーン市、サラーキブ市、ビンニシュ市、アリーハー市、マジュダリヤー村、ジスル・シュグール市、アリーハー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、カーミシュリー市への攻略を開始した反体制武装集団は同市南部のザバーナ村などから戦術的に撤退した。

同報道によると、カーミシュリー市内のシュクリー・クーワトリー通りからファールーク・モスクに至る治安厳戒地区では、治安機関要員や政権支持者らが、アサド大統領を支持するシュプレヒコールを繰り返し、祝砲を撃ち、反体制武装集団の放逐を祝ったという。

一方、シリア人権監視団によると、クルド人が多く住むハッダード村を軍が空爆し、子供3人と女性2人を含む16人が死亡した。

同監視団によると、村には反体制武装集団が拠点とする灯油配給所があったが、空爆は民家に対して行われたという。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)は、ダマスカス県旧市街ミドハト・パシャ通りのカルイー・モスク前で若者らが中心となって反体制デモを行ったと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、スバイナ町、ダーライヤー市、ハジャル・アスワド市などに対して軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ジャルマーナー市の大型旅客バス・ステーションに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民4人が死亡、20人が負傷した。

またスバイナ町、ナブク市、ダーライヤー市、リーマー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、ダルアーの楯旅団司令官のアブー・アリー・ドゥーマーニー氏がウタイバ村での軍との戦闘で負傷した。

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アレッポ県では、シリア・アラブ・テレビ(4月14日付)によると、アレッポ市の治安機関拠点の近くで反体制武装集団が爆弾を積んだ車を自爆させ、爆発によって同市で取材活動をしている特派員3人を含む18人が負傷した。

同報道は事件現場の詳細については報じなかったが、シリア人権監視団によると、自爆テロはフルカーン地区の将校クラブ近くで発生したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、ムスリミーヤ村、ダイル・ジャマール村、タッル・ハースィル村、ドゥワイリーナ市、ナイラブ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市シャイフ・サイード地区、サーフール地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(4月14日付)は、破壊されたダルアー県ダルアー市のウマリー・モスクのミナレットに関して、ダルアー地区に展開するシャームの民のヌスラ戦線が破壊したと報じた。

SANAは「あらゆる証拠がテロリストが(ダルアー市のウマリー・モスクの)ミナレットを爆破したことを示している…。ミナレットが崩壊する瞬間を撮影するため、あらかじめビデオ・カメラがどうして設置されていたのか」と報じた。

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ヒムス県では、『サウラ』(4月15日付)によると、タドムル市、ガジャル村、アーバル市、東ブワイダ市、アルジューン市、ダブア市、タッル・ザハブ町、カフルラーハー市、ラスタン市、ガジャル村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、『サウラ』(4月15日付)によると、ダイル・ザウル市の治安維持局周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、『サウラ』(4月15日付)によると、スーダー村、バイト・ハーミーク村、ドゥワイルシャーン村、ワーディー村、トゥウーマー村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明とイスラーム国家樹立主唱に関して「シリア国民の意思に抵触し、偉大なる革命の目的とその原則から逸脱している」と非難し、拒否する意思を示した。

そのうえでヌスラ戦線に対して、「シリア国民のなかのあるべき場所にとどまり、アサド体制と戦う努力を続け、シリア国民すべての自由を支持」するよう求めた。

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シャーム自由人大隊が主導するシリア・イスラーム戦線の「精神的父」アブー・バスィール・タルトゥースィーは英国のヒワール・チャンネル(4月14日付)に対して、「我々はイスラーム的な共通項、すなわちイスラーム国家樹立をアッラー、我らが指導者ムハンマド、そしてシャリーアのために維持する…。しかしシャームとシャームの民への反感を抱かせるような組織の名称を我々は避けてきた」と述べた。

そのうえで「この名の組織に属している、この名の組織のもとに戦っているなどという必要はない」と強調し、イラク・イスラーム国によるイラク・シャーム・イスラームの国結成宣言やシャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言に疑義を呈した。

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シリア・クルド国民評議会は声明を出し、ハサカ県ハッダード村に対する軍の空爆を非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立の使節団(ムハンマド・アブー・ハイル・シュウリー団長)がサウジアラビアを訪問し、今年のズー・ヒッジャ月にハッジを予定しているシリア人巡礼者約20,000人のサウジアラビア訪問について関係者と協議した。

レバノンの動き

NNA(4月14日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に、シリア領内から撃たれたロケット弾が着弾し、子供1人を含む2人が死亡、5人が負傷した。

マヤーディーン(4月14日付)によると、迫撃砲はヒムス県クサイル地方の反体制武装集団の拠点から発射されたという。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明に関して、「重要なのはシリアの反体制勢力の統合であり、その結束を脅かす行為を排除すべきだ」と批判した。

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ベルギーの複数のメディアが報じたところによると、シリアの反体制武装集団に加わり、戦闘に参加していたフランス人のラファエル・ジャンドラン(38歳)が、シリアで死亡した。

ジャンドランは、数ヶ月前にシリアに潜入し、アブドゥッラフマーン・アイヤーシーが率いるシャームの鷹旅団に加わっていた。

AFP, April 14, 2013, April 15, 2013、Akhbar al-Sharq, April 14, 2013、al-Hayat, April 15, 2013、Kull-na Shuraka’, April 14, 2013、Kurdonline, April 14,
2013、al-Mayadeen, April 14, 2013、Naharnet, April 14, 2013、NNA, April 14,
2013、Reuters, April 14, 2013、SANA, April 14, 2013、al-Thawra, April 14, 2013、UPI, April 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.