シャーム解放機構幹部のサウジアラビア人説教師ムハイスィニー氏と幹部1人が組織からの脱会を宣言、ハーシム・シャイフ総司令官は2人を「無様だ」と非難(2017年9月12日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の幹部(法務委員会メンバー)でサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏とムスリフ・ウルヤーニー氏の2人は共同声明を出し、委員会を脱会すると発表した。

声明で、両名は「最近の戦闘における法務委員会の行き過ぎ、一部幹部がシャリーア実践を拒否する音声データの流出以降…、我々が一部のシャイフとともに提起した断固たる措置を通じて、麻痺状態を改革するための蜂起が不可避となった」にもかかわらず、これが結実しなかったと非難、「我々がこの組織にいても、目的を達成できないことが分かったがゆえに、我々はシャーム解放機構からの脱会を告知する必要が生じた」と述べている。

Kull-na Shuraka’, September 12, 2017
Kull-na Shuraka’, September 12, 2017

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シャーム解放機構のハーシム・シャイフ(アブー・ジャービル)総司令官は、アブドゥッラー・ムハイスィニー氏とムスリフ・ウルヤーニー氏の脱会に関して、テレグラムを通じて声明を出し、両名を「無様だ」と非難した。

クッルナー・シュラカー(9月12日付)が伝えた。

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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シリア・ロシア両軍はダルアー県の要衝カフルシャムス町の反体制武装集団に和解に応じるよう求める(2017年9月12日)

クッルナー・シュラカー(9月12日付)は、ダルアー県北部のサナマイン市に展開するシリア・ロシア両軍部隊が、カフルシャムス町で活動を続ける反体制武装集団に、シリア政府との和解に応じ、同地を退去し、アンタル丘方面に撤退するよう求めていると伝えた。

カフルシャムス町が、ダルアー県内のロシア軍展開地域を一望できる場所にあることが背景にあるという。

これに対して、ハウラーン・カフルシャムス・ムジャーヒディーン旅団(アフマド・ラスミー司令部)、第1歩兵旅団(マーリク・シャリーフ司令部)、アブー・カースム旅団(ムハンマド・ムハンマド・ハイイル・ザルカーン司令部)、イスラームの剣中隊旅団(ハーリド・ムハンマド・ハイイル・ザルカーン司令部)は11日付で共同声明を出し、カフルシャムス町に対するいかなる敵対行為に対しても鉄剣で応じると表明し、和解を拒否した。

Kull-na Shuraka’, September 12, 2017

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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シャーム解放機構はアレッポ市郊外でシリア軍、イラク人民防衛隊の拠点を襲撃(2017年9月12日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(9月12日付)によると、シャーム解放機構が、アレッポ市南部郊外のアッザーン山近郊に設置されたシリア軍とイラク人民動員隊ヌジャバー運動の拠点を襲撃し、兵士13人を殺害、戦車1輌を破壊した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(9月12日付)によると、ハマー県西部のジューリーン村の基地に展開するシリア軍が、ザーウィヤ山のマウザラ村を砲撃し、女性1人、子供1人を含む4人が死亡した。

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県地元評議会は、ダーイシュに対するシリア軍の優勢を「宗派対立と過激化をもたらす」と非難(2017年9月12日)

トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立に近いダイル・ザウル県地元評議会は声明を出し、ダイル・ザウル県でのダーイシュ(イスラーム国)に対するシリア軍および親政権武装勢力、ロシア軍の優勢に関して、「政権軍、イランの民兵がダイル・ザウル県を掌握すれば、地域は政治的・民族的・社会的紛争に突入し、宗派対立の緊張が増し、過激化する」と警鐘を鳴らした。

Kull-na Shuraka’, September 12, 2017

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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イスラーム軍幹部のアッルーシュ氏「イドリブ県の問題解決はシャーム解放機構(ヌスラ戦線)が自らを解体することにかかっている」(2017年9月12日)

ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるイスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ氏(政治委員長)は、アナトリア通信(9月12日付)に対して、9月14~15日に開催予定のアスタナ6会議に関して、「多数の反体制派が参加し、主にイドリブ県について議論がなされるだろう。この問題はセンスィティブ且つ重要だ」と述べた。

アッルーシュ氏はまた、「我々は二つの段階の間にいる。第1段階は停戦だ。それは戦争終結ではなく、イラン、シーア派民兵、そしてシャッビーハの占領が続く限り、戦争状態が終わるとするのは正しくない…。(第2段階)は、和平と解決に向けたステップだ。それはシリア全土をテロ、宗派主義的民兵から解放することだ」と述べた。

一方、イドリブ県情勢については、「私は、イドリブ県の民間人がイニシアチブを握り、(シャーム解放機構指導者のアブー・ムハンマド・)ジャラーニーと彼の組織を抑えるよう呼びかけてきたし、今も呼びかけている…。問題解決は、ジャウラーニーの組織が自らを解体し、イドリブ県が民政局の支配下に入り、自由シリア軍が事態を掌握し、国防軍として統合されることに隠されている」と述べた。

AFP, September 12, 2017、Anadolu Ajansı, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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シリアとイランは日本が支援してきた発電所の復旧など電力部門での協力にかかる覚書に署名(2017年9月12日)

ムハンマド・ズハイル・ハルブートリー電力大臣は、発電公社のハンムード・ラマダーン総裁とともにイランの首都テヘランを訪問し、イランのサッタール・マフムーディー・エネルギー大臣、マブナー社のアリー・アバーディー最高経営責任者と、電力部門での協力にかかる覚書に署名した。

ラタキア県での新規発電所建設(出力540メガワット)、タルトゥース県バーニヤース市のガス・ユニット5基(出力125メガワット)の新設、アレッポ市郊外の火力発電所の被害実態の評価、同地の第1ガス・ユニットおよび第5ガス・ユニットの復旧準備、E-SCADA(電力監視制御データ収集システム)復旧に向けた準備、ダイル・ザウル県ティーム発電所(出力90メガワット)の復旧準備、ヒムス県ジャンダル発電所の補修準備などが盛り込まれている。

SANA(9月12日付)が伝えた。

なお、アレッポ市郊外の火力発電所、ジャンダル発電所は日本が技術支援などを行ってきた施設。

SANA, September 12, 2017

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市内、ダイル・ザウル市北部ユーフラテス川右岸でダーイシュと交戦(2017年9月12日)

ラッカ県では、ANHA(9月12日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のジーハーン・シャイフ・アフマド報道官が、ラッカ市内でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、サクナ(兵舎)地区を制圧したと発表した。

ANHAによると、戦闘はラシード公園および国立病院一帯で激しく行われた。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(9月13日付)によると、「ジャズィーラの嵐作戦」を遂行するダイル・ザウル軍事評議会主導のシリア民主軍(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体)は、ダイル・ザウル市北部のユーフラテス川左岸地帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦を続けた。

シリア人権監視団によると、戦闘はユーフラテス川左岸数キロの地点で激しく行われたという。

syria.liveuamap.com, September 12, 2017

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はユーフラテス川右岸に到達し、ダーイシュ支配下のダイル・ザウル市内の街区を包囲(2017年9月12日)

ダイル・ザウル県では、SANA(9月12日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南東部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、支配地域を拡大した。

シリア軍の攻撃(空爆)はジャフラ村一帯、ジュナイナ村、アイヤーシュ村、ブガイリーヤ村、ハトラ村、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区などに対して集中的に行われた。

また、スプートニク・ニュース(9月12日付)によると、シリア・ロシア両軍はサルダ山、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル、マリーイーヤ地区、ハウィージャト・マリーイーヤ村のダーイシュ拠点に対して断続的に空爆を実施した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は、ダイル・ザウル市南東部郊外のユーフラテス川河畔(右岸)に到達、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にとどまる同市内の街区および同市郊外一帯を包囲した。

syria.liveuamap.com, September 12, 2017

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ハマー県では、ロシア国防省の発表によると、ロシア軍航空部隊が、シリア軍によって奪還された県東部のウカイリバート町一帯にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点約180カ所(防衛陣地、地下壕、司令拠点、武器弾薬庫、教練キャンプなど)を爆撃、これを破壊した。

また、SANA(9月12日付)によると、シリア軍は、県東部からイドリブ県に逃走しようとしたダーイシュのメンバー25人を拘束した。

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、Sputnik News, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領はアサド大統領との極秘会談を否定(2017年9月12日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領の要請を受け、シリアのアサド大統領と極秘に会談したとの一部報道を否定した。

トルコ日刊紙『ヒュッリイイェト』(9月12日付)によると、エルドアン大統領はカザフスタンから帰国途中の機内で記者団に対して「アサドと会ってはいないし、会う意思もない」と述べた。

エルドアン大統領はまた、9月14~15日に開催予定のアスタナ6会議に関して、「イドリブ県では現在、ロシアとの合意に沿って事態はうまく進んでいる。この点に関してロシアとの間にいかなる意見の相違もない。イランとの協議も議事に反してはいない。アスタナでの会合後も平和的な協議は継続されると思う。プロセスは良い方向に進展している」と述べた。

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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ロシアのショイグ国防大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談(2017年9月12日)

ロシア国防省は、セルゲイ・ショイグ国防大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談したと発表した。

会談では、ロシア・シリア両軍の軍事・技術協力、ダーイシュ(イスラーム国)に対するシリア軍の戦果およびロシア空軍の航空支援、緊張緩和地帯への人道支援などについて意見が交わされたという。

Ministry of Defence of Russia, September 12, 2017

AFP, September 12, 2017、ANHA, September 12, 2017、AP, September 12, 2017、ARA News, September 12, 2017、Champress, September 12, 2017、al-Hayat, September 13, 2017、Kull-na Shuraka’, September 12, 2017、al-Mada Press, September 12, 2017、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 12, 2017、Naharnet, September 12, 2017、NNA, September 12, 2017、Reuters, September 12, 2017、SANA, September 12, 2017、UPI, September 12, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2017年9月12日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月12日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県4件、ダルアー県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県4件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

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一方、過去24時間にイドリブ県の2カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,235市町村、武装組織の数は233組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 12, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は9月11日、ラッカ市などに対して38回の爆撃を実施(2017年9月12日)

米中央軍(CENTCOM)は、9月11日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して41回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は38回で、ダイル・ザウル市近郊(7回)、ラッカ市近郊(31回)で実施された。

CENTCOM, September 12, 2017をもとに作成。

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