ロシアのプーチン大統領「シリア軍によるダイル・ザウル市解囲によって現地情勢は根本的に変わり、アサド政権の優位は議論の余地がなくなった」(2017年9月5日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、シリア軍によるダイル・ザウル市解囲を受けて「きわめて重要な戦略的勝利」と讃えた。

プーチン大統領は、記者団に対して「現地情勢は根本的に変わり、シリア軍に有利となった…。シリア政府支配地域はこの1~2年で数倍に拡大した…。ダイル・ザウル県での戦いが終われば、それはテロリストが大敗を喫したことを意味し、政府軍、そしてアサド政権の優位は議論の余地がなくなり、停戦と緊張緩和地帯を強化し、政治プロセスを開始するための次のステップが踏まれねばならない」と述べた。

また「我々はダーイシュ、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)、そしてそのほかのテロ組織が永遠に殲滅されたと言うことができるだろうか? それについて話すには依然として時期尚早だが、シリア領内の現地情勢の根本的は変化は現実のものとなった」と付言した。

プーチン大統領はまた、アサド大統領に対して祝電を送り、勝利を讃えた。

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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アサド大統領はダイル・ザウル市解囲を達成したシリア軍部隊を称賛(2017年9月5日)

アサド大統領は、ダーイシュ(イスラーム国)の3年以上にわたる包囲を受けてきたダイル・ザウル市をシリア軍が解囲したことを受けて、作戦を指揮してきたラフィーク・シハーダ少将(ダイル・ザウル県治安委員会委員長)、ハサン・ムハンマド少将(第17師団司令官)、イサーム・ザフルッディーン准将(共和国護衛隊第104旅団司令官)、そしてダイル・ザウル市守備隊の将兵に向け、以下のような声明を発表し、勝利を讃えた。

「歴史はこう記すだろう。諸君たちは少ない兵力にもかかわらず…、孤立した市民を守り、任務を全力で遂行し、恐れることも戸惑うこともなく、英雄的な戦いを繰り広げた…。歴史はこう語るだろう。祖国のために犠牲となり、殉教した諸君の戦友たち、そして負傷した諸君ら…の清らかな血が、地域諸国や諸外国の支援を受けるタクフィール主義テロ思想に対する勝利として結実し、諸君らは戦友たちとともに、ダイル・ザウル市解囲をいうもっとも困難な戦いで勝利し…、すべての地域からテロを浄化し、全土で治安と安定を回復するために第一戦に身を置いている」。

SANA(9月5日付)が伝えた。

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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ロシア海軍は黒海に配備されているフリゲート艦から巡航ミサイルを発射し、ダイル・ザウル市近郊のダーイシュ拠点を破壊(2017年9月5日)

ロシア国防省は、黒海に配備されているロシア海軍のフリゲート艦アドミラル・エッセンがカリブル(Calibre)巡航ミサイルを発射し、ダイル・ザウル市西部のシューラ村近郊にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点(通信拠点、武器弾薬庫など)を破壊した。

Ministry of Defence of Russia, September 5, 2017

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

 

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シリア軍はダーイシュが3年以上にわたり包囲してきたダイル・ザウル市の解囲に成功(2017年9月5日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、シリア・ロシア両空軍の航空支援を受けるシリア軍地上部隊、予備部隊、同盟部隊が午後、ダイル・ザウル県西部の砂漠地帯でのダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦の末、第137連隊基地を経由して、3年以上にわたり包囲を受けていたダイル・ザウル市の解囲を達成したと発表した。

これにより、ヒムス県スフナ市方面から進軍を続けてきたシリア軍部隊とダイル・ザウル市内でダーイシュとの戦闘を続けてきた守備隊が対面し、解囲を喜び合った。

シリア軍はまた、スフナ市(ヒムス県)、カバージブ村、フライビシャ村を結ぶ回廊地帯でダーイシュに対する掃討戦を継続し、カバージブ一帯の丘陵地帯を制圧した。

一方、シリア・ロシア両軍航空部隊は、ダイル・ザウル市解囲を航空支援する一方、マーリフ村、ブガイリーヤ村、ジャズィーラ大学一帯、ティーム油田、シューラー村、第137旅団基地一帯のダーイシュ拠点を空爆した。

SANA(9月5日付)が伝えた。

SANA, September 5, 2017
SANA, September 5, 2017
SANA, September 5, 2017
SANA, September 5, 2017
SANA, September 5, 2017
SANA, September 5, 2017
syria.liveuamap.com, September 5, 2017

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ハマー県では、SANA(9月5日付)によると、シリア軍が県東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続した。

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県東カラムーン地方(ルバイヤ市、ジャイルード市など)の反体制武装集団がロシア軍との停戦に合意(2017年9月5日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、東カラムーン地方のルハイバ市、ジャイルード市、マンスーラ村、ナースィリーヤ村、バトラー山、マガル山で、ロシア軍と反体制武装集団が、戦闘停止と緊張緩和地帯設置にかかる停戦に合意した。

Kull-na Shuraka’, September 5, 2017
Kull-na Shuraka’, September 5, 2017

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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イラク人民動員隊代表団がドゥルーズ派の研究センターを訪問(2017年9月5日)

イラクの人民動員隊の一つヌジャバー運動の代表団が、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市を訪問し、タウヒード(ドゥルーズ)研究調査センターのラビーア・ザフルッディーン所長と会談した。

クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、ヌジャバー運動の代表団は3月と5月にもシリアを訪問し、スワイダー県でドゥルーズ派のシャイフ・アクルと面談している。

Kull-na Shuraka’, September 5, 2017

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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トルコで活動するシリア革命暫定内閣はアブー・ハトブ首班を「革命防衛大臣」に任命(2017年9月5日)

トルコで活動するシリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣は声明を出し、ジャワート・アブー・ハトブ首班を「革命防衛大臣」に任命(兼務)したと発表した。

「革命防衛大臣」は、シリア・イスラーム評議会がすべての反体制武装集団を統合し、「革命国防省」の統括下に置くことを主唱したことを受けた動き。

クッルナー・シュラカー(9月5日付)が伝えた。

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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シリア軍は反体制派が包囲を続けるイドリブ県のカファルヤー町、フーア市解囲に向けてアレッポ県南部への攻撃を激化(2017年9月5日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、アレッポ市南部郊外のハーディル村に展開するシリア軍が、タッル・バージル村一帯の反体制武装集団を砲撃、またバーキル旅団、クドス旅団などからなる増援部隊が到着し、攻撃を激化させた。

攻撃はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が包囲を続けるイドリブ県のカファルヤー町、フーア市解囲に向けた前哨戦。

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ラタキア県では、シャーム自由人イスラーム運動が声明を出し、県北部のクルド山一帯を砲撃し、シリア軍兵士を殺傷したと発表した。

クッルナー・シュラカー(9月5日付)が伝えた。

Kull-na Shuraka’, September 5, 2017

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クナイトラ県では、クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、マスハル村とナブア・サフル村を結ぶ街道で爆弾が爆発氏、反体制武装集団戦闘員2人が死亡した。

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は9月4日、ラッカ市などに対して22回の爆撃を実施(2017年9月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、9月4日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して37回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は28回でダイル・ザウル市近郊(5回)、ラッカ市近郊(23回)で実施された。

CENTCOM, September 5, 2017をもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2017年9月5日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月5日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県3件、ハマー県1件、クナイトラ県1件、ラタキア県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(アレッポ県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

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一方、過去24時間にハマー県の2カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,222市町村、武装組織の数は229組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 5, 2017をもとに作成。

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ダルアー県西部のダーイシュ系組織支配地域に所属不明のヘリコプター3機が飛来、有志連合にダイル・ザウル県への退去を阻まれた戦闘員と家族を移送か?(2017年9月5日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(9月5日付)が活動家のアフマド・ミスリー氏の話として伝えたところによると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を使うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にあるサフム・ジャウラーン村とジッリーン村間の地域に、所属不明のヘリコプター3機が飛来し、パラシュートを投下、また同地に着陸した。

ミスリー氏によると、同様の所属不明のヘリコプターが4月にもヤルムーク川流域にパラシュートを投下しているという。

この動きに関して、クッルナー・シュラカーは、ヘリコプターには、ヒムス県とダイル・ザイル県の県境の砂漠地帯で、米有志連合の空爆によって足止めを食ったダマスカス郊外県西カラムーン地方カーラ市無人地帯とレバノンのベカーア県バアルベック郡ラアス・バアルベック村無人地帯から退去したダーイシュ(イスラーム国)戦闘員およびその家族の一部を搬送したものの可能性があると伝えた。

退去した戦闘員とその家族は二つのグループに分けられ、そのうちの一つがハーリド・ブン・ワリード軍支配地域に空路で移送され、別のグループはシリア政府支配地域に留まっているという。

AFP, September 5, 2017、AP, September 5, 2017、ARA News, September 5, 2017、Champress, September 5, 2017、al-Hayat, September 6, 2017、Kull-na Shuraka’, September 5, 2017、al-Mada Press, September 5, 2017、Naharnet, September 5, 2017、NNA, September 5, 2017、Reuters, September 5, 2017、SANA, September 5, 2017、UPI, September 5, 2017などをもとに作成。

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