ハサカ市とカーミシュリー市の治安厳戒地区封鎖に向けロシア軍使節団がシリア民主軍・アサーイシュと交渉:シリア民主軍側は部族軍を率いるイブラーヒーム・ハフル氏らの身柄引き渡しを求める(2024年8月9日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市とカーミシュリー市の治安厳戒地区への北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の封鎖解除をめざして、ラタキア県のフマイミーム航空基地からロシア軍の使節団が派遣され、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令官らと会談したが、交渉は物別れに終わった。

同監視団によると、交渉において、シリア民主軍は、ロシア軍の使節団に対して、部族軍を率いるアカイダート部族の部族長であるイブラーヒーム・ハフル氏ら攻撃の首謀者らの身柄引き渡しを、治安厳戒地区の封鎖解除の条件として求めたという。

AFP, August 10, 2024、ANHA, August 10, 2024、‘Inab Baladi, August 10, 2024、Reuters, August 10, 2024、SANA, August 10, 2024、SOHR, August 10, 2024などをもとに作成。

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東シリア地域民主自治局の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているハッラーブ・ジール村の農業用空港に、輸送機1機が軍装備品や兵站物資を輸送(2024年8月9日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているハッラーブ・ジール村の農業用空港に、輸送機1機が軍装備品や兵站物資を輸送した。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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イスラエル軍は南部県スール市にあるアイン・フルワ・パレスチナ難民キャンプを無人航空機で攻撃、ハマース幹部の1人のサーミル・ハーッジ・ジュムア氏を殺害(2024年8月9日)

イスラエル軍は南部県スール市にあるアイン・フルワ・パレスチナ難民キャンプの四輪駆動車を狙って無人航空機1機で攻撃を行い、ハマース幹部の1人のサーミル・ハーッジ・ジュムア氏を殺害した。

マナール・チャンネル(8月9日付)などが伝えた。

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レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、8月9日の戦果について以下の通り発表した。

午前9時40分、メトゥラ町一帯に集結するイスラエル軍部隊をロケット弾複数発で攻撃し、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)ハンナーウィーヤ村などに対する攻撃への報復として、キリヤット・シュモナ入植地の代769旅団司令部をカチューシャ砲複数発で攻撃。

(時刻明示せず)ハンナーウィーヤ村、ナークーラ村などに対する攻撃への報復として、レモン山の西部旅団沿岸大隊司令部を自爆型無人航空機複数機で攻撃し、確実な損害を与える。

(時刻明示せず)カフルカラー村、アイター・シャアブ村などに対する攻撃への報復として、イスラエル軍が使用するキリヤット・シュモナ入植地内の建物複数棟を攻撃し、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)ハンナーウィーヤ村、ナークーラ村などに対する攻撃への報復として、第769旅団司令部をファラク1・ロケット弾複数発で攻撃。

(時刻明示せず)レバノン南部に対する攻撃への報復として、イスラエル軍が使用するマナラ入植地の建物1棟を攻撃。

午後1時25分、占領下カフルシューバー村丘陵地帯のサンマーカ陣地をロケット弾複数発で攻撃、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)レバノン南部に対する攻撃への報復として、イスラエル軍が使用するマナラ入植地の建物複数棟を攻撃し、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)同じく報復として、イスラエル軍が使用するドビブ入植地の建物複数棟を攻撃し、直接の損害を与える。

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レバノン・イスラーム抵抗はまた、戦闘員2人が死亡したと発表した。


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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午後7時34分、イスラエル空軍が夜間、ハンナーウィーヤ村のヒズブッラーの司令部、アイター・シャアブ村地域のテロ・インフラ、上ガリラヤ地方のビラニット軍事キャンプへの攻撃に使用されたロケット弾発射装置1基を攻撃。マナラ入植地とキリヤット・シュモナ入植地で警報が発令され、多数の飛翔体がレバノンから飛来、空地に着弾。

午後12時44分、ナークーラ村地域の軍事施設でヒズブッラーのテロリスト2人が活動していることを確認、イスラエル空軍が2人を殲滅。

午後8時2分、IDF(イスラエル国防軍)とISA(イスラエル保安庁)は共同声明を出し、イスラエル空軍の航空機1機がサイダー市を攻撃し、ハマースの幹部の1人でアイン・フルワ・キャンプの武装部隊司令官だったサーミル・マフムード・ハーッジを殲滅したと発表。

午後8時36分、イスラエル空軍のジェット戦闘機複数機が先ほど、ハマーム村地域にあるヒズブッラーのロケット弾発射台1基を攻撃。またアイター・シャアブ村、ムハイビーブ村、マルカバ村、カフルカラー村地域にあるテロ・インフラを攻撃。マイス・ジャバル村地域を砲撃。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Qanat al-Manar, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合による「非紛争議定書」違反を3件、55キロ地帯への侵犯を10件確認したと発表(2024年8月9日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、過去24時間にシリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」への米主導の有志連合所属の無人航空機(ドローン)による違反を3件確認したと発表した。

イグナシュク副センター長はまた、米国が違法に占領するヒムス県ヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、F-15戦闘機4機、A-10サンダーボルト攻撃機6機による領空侵犯を10件確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(8月9日付)、タス通信(8月9日付)が伝えた。

RIA Novosti, August 9, 2024、TASS, August 9, 2024をもとに作成。

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米中央軍(CENTCOM)はフーシー派の対艦巡航ミサイル2発、地上管制ステーション、無人水上艦艇1隻を破壊したと発表(2024年8月9日)

米中央軍(CENTCOM)は現地時間の午前2時56分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM)を通じて声明を出し、過去24時間以内に、イエメン領内のフーシー派の支配地域で対艦巡航ミサイル2発とフーシ派の地上管制ステーション1つを破壊、紅海でフーシー派の無人水上艦艇1隻を撃沈することに成功したと発表した。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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アレッポ県タッル・リフアト市一帯でシリア民主軍傘下のアフリーン解放軍団とトルコ軍が激しく交戦(2024年8月9日)

アレッポ県では、ANHA(8月9日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のアフリーン解放軍団が、シリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のズィヤーラ村、アウダ国内避難民(IDPs)キャンプ、バイナ村、タナブ村、シャワーリガ村、マルアナーズ村、マーリキーヤ村一帯でシリア国民軍を迎撃し、戦闘員多数を殺傷した。

これに対して、トルコ軍は、マイヤーサ村、ブルジュ・カース村、スーガーニカ村、バイナ村、ズィヤーラ村、ダイル・ジャマール村、シャフバーIDPsキャンプ(カシュタアール村)、タナブ村、シャワーリガ村、マルアナーズ村、マーリキーヤ村、アルカミーヤ村、タッル・リフアト市、マンナグ村、アイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村を砲撃、これによって女児1人が負傷した。

一方、シリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会は、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市の一つバーブ市東方の農村地帯でトルコ軍の無人航空機2機を撃墜した。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県各所で、住民らが金曜日の午後の集団礼拝後にジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモ(2024年8月9日)

イドリブ県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるカフルルースィーン村の国内避難民(IDPs)キャンプ、アルマナーズ市、アリーハー市、イドリブ市、アビーン・サムアーン村、ビンニシュ市、カフルタハーリーム町、カッリー町、カフルルーマー村のIDPsキャンプ、フーア市、ジスル・シュグール市で、住民らが金曜日の午後の集団礼拝後にアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモを行った。











またタフタナーズ市では、夜間にも抗議デモが行われた。

一方、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市の一つ、アアザーズ市(アレッポ県)でも同様のデモが発生した。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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スワイダー市のサイル広場(カラーマ広場)で、活動家らが抗議デモを続け、自由、体制打倒、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放を訴える(2024年8月9日)

スワイダー県では、スワイダー24(8月9日付)、イナブ・バラディー(8月9日付)によると、スワイダー市のサイル広場(カラーマ広場)で、活動家らが抗議デモを続け、自由、体制打倒、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放を訴えた。



AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024、Suwayda 24, August 9, 2024などをもとに作成。

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山岳(ジャバル)旅団は、サイル広場でのデモの主導者の1人であるマルハジュ・ジュルマーニー氏の殺害が娘とボーイフレンド、そして妻のカーミーリヤー・アブー・ファフルの犯行だったと発表(2024年8月9日)

山岳(ジャバル)旅団は声明を出し、7月17日に同旅団司令官でサイル広場でのデモの主導者の1人であるマルハジュ・ジュルマーニー氏がスワイダー県スワイダー市の自宅で撃たれて死亡した事件に関して、娘(20歳)とそのボーイフレンド、そして8月6日に同じく自宅で何者かによって殺害された妻のカーミーリヤー・アブー・ファフルさんが関与していたことが明らかになったと発表した。

また、アブー・ファフルさんの殺害についても、事件の経緯を知ったジュルマーニー氏のきょうだいによる犯行で、このきょうだいは犯行後、刑事治安課に自首したという。

スワイダー23(8月9日付)などが伝えた。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024、Suwayda 24, August 9, 2024などをもとに作成。

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シリア政府支配下のハサカ市の治安厳戒地区で、シリア民主軍による攻撃に抗議するデモ(2024年8月9日)

ハサカ県では、シリア政府の支配下にあるハサカ市の治安厳戒地区で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による攻撃に抗議するデモが行われた。


SANA(8月9日付)が伝えた。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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北・東シリア地域民主自治局、ズィヌービヤー女性連合などはダイル・ザウル県ダフラ村に対する攻撃を「虐殺」と非難(2024年8月9日)

北・東シリア地域民主自治局は声明を出し、シリア軍、国防隊、地元武装集団(部族軍)によるユーフラテス川東岸各所への攻撃、とりわけダイル・ザウル県のダフラ村に対する攻撃を「虐殺」と断じたうえで、「シリア政府が主権を維持すべき地域と、安全で安定した地域への攻撃との区別を見失った」と非難した。

また同自治局の支配地で活動するズィヌービヤー女性連合、ダイル・ザウル地区の名士や部族長ら、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会、ハサカ県フール町の住民も、攻撃を非難する声明を発表した。


さらに、ハジーン市では、住民も攻撃に抗議するデモを行った。


シリア人権監視団によると、ブサイラ市、ヒサーン村、ムハイミーダ村、ダフラ村でも、住民らがダフラ村に対する「親イランの民兵」の「虐殺」に抗議するデモを行った。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県でシリア軍・国防隊とシリア民主軍の戦闘が激化、3日間で死者数は民間人14人、負傷者数は36人に(2024年8月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、「親イランの地元民兵」が8日深夜から9日未明にかけて、シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県ユーフラテス川西岸のブーライル村から、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下東岸のダフラ村の民家を狙って迫撃砲や重火器で攻撃、子供6人と女性複数を含む住民11人が死亡した。

ANHA(8月9日付)によると、シリア軍と国防隊が午前2時30分にダフラ村に対してロケット弾と迫撃砲数十発で砲撃を行い、女児2人を含む一家4人が死亡、3人が負傷した。
シリア軍と国防隊はまた、ジュダイド・バッカーラ村に対しても砲撃を行い、民間人9人が死亡した。

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シリア人権監視団によると、これを受けるかたちで、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ブーライル村を砲撃し、「親イランの地元民兵」のメンバー2人と民間人2人が死亡した。

SANA(8月9日付)によると、シリア民主軍が発射した砲弾1発がブーライル村の民家に着弾し、女性1人と娘1が死亡、2人の家族7人が負傷した。

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シリア人権監視団によると、シリア民主軍はまた、シリア政府の支配下にあるスバイハーン市に向けて発砲し、子供1人が負傷した。

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戦闘激化を受けて、地元武装集団はブーライル村、ダイル・ザウル市南東のトゥーブ地区に増援部隊を派遣する一方、シリア軍はサーリヒーヤ山に陣地を設置した。

また、シリア民主軍も、ダフラ村、ジュダイド・ジュダイド・バッカーラ村、ジュダイド・アカイダート村、アブリーハ村に増援部隊を派遣した。

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なお、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県で7日に始まったシリア軍、国防隊、地元民兵(部族軍)とシリア民主軍との戦闘での死者数は民間人14人、負傷者数は36人となった。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、Deirezzor 24, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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