ダイル・ザウル県でシリア民主軍が再び反転攻勢を強め、ハワーイジュ村を再び奪還(2023年9月5日)

ダイル・ザウル県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が再び反転攻勢を強めた。

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アラビー・ジャディード(9月5日付)によると、シリア民主軍が、アカイダート部族の本拠地であるズィーバーン町に三方から突入を試み、ダイル・ザウル軍事評議会とアラブ系部族が応戦した。

また、米主導の有志連合所属と見られる無人航空機(ドローン)が早朝、同町を爆撃した。

シリア民主軍はハワーイジュ村を包囲することには成功したが、ズィーバーン町への突入、包囲には成功しておらず、戦闘で多数の兵士が死傷したという。

これに対して、ダイル・ザウル軍事評議会とアラブ系部族は、ズィーバーン町への侵攻を試みたシリア民主軍を撃退するだけでなく、ハワーイジュ村一帯で反撃、ヒサーン村、キバル村などでシリア民主軍の陣地や検問所を襲撃した。

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ユーフラテス・ポスト(9月5日付)によると、シリア民主軍は奪還したブサイラ市で住民約50人を逮捕、建物の屋上に狙撃兵を配置、市内で外出禁止令を敷いた。

シリア民主軍はまた、ズィーバーン町への突入を試みる一方、ハワーイジュ村を再び奪還することに成功した。

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シリア人権監視団によると、シリア民主軍はハワーイジュ村(ハワーイジュ・ズィーバーン町)を制圧した。

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ANHA(9月5日付)によると、シリア民主軍がハワーイジュ村の浄化を完了し、国防隊の隊員4人を拘束した。

これに関して、シリア民主軍のファルハード・シャーミー広報センター長は、「治安強化」作戦の一環としてハワーイジュ村全域、タヤーナ村の大部分、ズィーバーン町の大部分での浄化を完了し、同地で18人の「傭兵」を殺害、国防隊隊員4人を拘束したと発表した。

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シリア人権監視団によると、27日以降の戦闘による死者は90人、負傷者は104人に達した。

死者の内訳は、民間人が9人(うち子供5人、女性2人)、ダイル・ザウル軍事評議会、アラブ系部族の民兵側が57人、シリア民主軍が24人。

負傷者の内訳は、ダイル・ザウル軍事評議会、アラブ系部族の民兵側が58人、シリア民主軍が33人、民間人13人。

AFP, September 5, 2023、ANHA, September 5, 2023、al-‘Arabi al-Jadid, September 5, 2023、Euphrates Post, September 5, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2023、‘Inab Baladi, September 5, 2023、Reuters, September 5, 2023、SANA, September 5, 2023、SOHR, September 5, 2023などをもとに作成。

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