シリア政府の動き(2014年6月19日)

『ハヤート』(6月20日付)は、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官が、EUの対シリア制裁に参加しているノルウェーのオスロを訪問中だと報じた。

シャアバーン補佐官は、2012年半ばにシリア政府高官らの渡航禁止を定めたEUの対シリア制裁のリストに加えられ、欧米諸国への渡航が制限されてきた。

複数の消息筋によると、シャアバーン報道官は、ノルウェー外務省からのビザ発給を受け、モスクワ経由(同地でミハイル・ボクダノフ外務副大臣と会談)でオスロを訪問し、19日に開催されたオスロ・フォーラムに出席した。

オスロ・フォーラムでは、アラブ諸国やシリアの反体制勢力代表らも参加し、シリア情勢などの問題が議論された。

議論は「チャタム・ハウス・ルール」により出席者、発言者が非公開とされた。

『ハヤート』によると、シャアバーン報道官のオスロ訪問の2週間前には、オスロでブルッキングズ研究所のもと、シリア政府支持者と反体制勢力代表が会合を開いた。

この会合は、シリア政府高官からの「提案」でシリア政府関係者は出席せず、支持者が参加した。

なお5月には、レバノンの首都ベイルートで、リチャード・マーフィー元駐シリア米大使、フランク・ウィンザー元駐シリア米対しが、シリア政府関係者と非公式に会合を持っている。

AFP, June 19, 2014、AP, June 19, 2014、ARA News, June 19, 2014、Champress, June 19, 2014、al-Hayat, June 20, 2014、Kull-na Shuraka’, June 19, 2014、al-Mada Press, June 19, 2014、Naharnet, June 19, 2014、NNA, June 19, 2014、Reuters, June 19, 2014、SANA, June 19, 2014、UPI, June 19, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.