イスラエル軍はレバノンのベカーア県フーシュ・サイイド・アリー地区とシリアのヒムス県クサイル市一帯を爆撃し、6人を殺害(2024年6月11日)

マナール・チャンネル(6月11日付)は、レバノンのベカーア県ヘルメル郡フーシュ・サイイド・アリー地区が少なくとも9発のミサイルの攻撃を受けて、物的・人的被害が生じたと伝えた。

これに関して、スプートニク・アラビア語(6月11日付)は、同地区に隣接するヒムス県クサイル市一帯地域でイスラエル軍のミサイル攻撃による爆発音が複数回確認されたと伝えた。



一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍がクサイル市一帯に対して航空攻撃を行った。

攻撃は、レバノンとの国境から数百メートルの地点の地点で、シリアからレバノンに向かう貨物車輛の車列を狙って行われた。

イスラエル軍の攻撃に対して、シリア軍防空部隊が迎撃を行ったものの、レバノンのヒズブッラーのメンバー(レバノン人)3人、ヒズブッラーとともに活動するシリア人3人を含む5人が死亡、複数人が負傷、貨物車輛複数輌が炎上したという。

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レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、6月11日の戦果について以下の通り発表した。

東部地区

6月11日深夜、レバノン領空を侵犯したイスラエル軍機1機を地対空ミサイルで迎撃、これを撃退。

午後1時6分、前日のアイタルーン村に対する攻撃への報復として、イスラエル軍がメトゥラ町で使用する建物1棟を攻撃し、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)同じく報復として、イスラエル軍が使用するミスガブ・アム(キブツ)の建物複数棟を攻撃し、直接の損害を与える。

午後7時45分、占領下カフルシューバー丘陵地帯のラムサー陣地をミサイルで攻撃し、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)カフラー村への攻撃で民間人に負傷者が出たことへの報復として、クファー・ブルム(キブツ)をカチューシャ砲数十発で攻撃。

西部地区

午前9時00分、ベカーア地方に対する攻撃への報復として、ヌトゥーア陣地一帯に集結するイスラエル軍部隊を攻撃し、兵士らを殺傷。

(時刻明示せず)占領下ゴラン高原のヤルディン兵舎の第210ゴラン師団の砲兵中隊と機構旅団の司令部をカチューシャ砲数十発で攻撃。

午後4時00分、バルアム(キブツ)の灌木地帯に集結するイスラエル軍部隊をミサイルで攻撃し、直接の損害を与える。

(時刻明示せず)ナークーラ村などに対する攻撃で民間人が死亡したことへの報復として、「ガシュル・ハーズィーフ」入植地をカチューシャ砲数十発で攻撃

(時刻明示せず)ベカーア地方に対する攻撃への報復として、リーシャー池陣地に集結するイスラエル軍部隊を攻撃し、直接の損害を与える。

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レバノン・イスラーム抵抗はまた、戦闘員3人が死亡したと発表した。



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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前6時29分、ジェット戦闘機複数機が夜間、ベカーア地方にあるヒズブッラーの第4400部隊の軍事複合施設内の2ヵ所を攻撃。同部隊は武器の密輸入を担当。また、アイタルーン村地域のテロ標的複数ヵ所(ヒズブッラーの軍事施設2ヵ所を含む)を攻撃。攻撃は前日にレバノン領内でUAVが撃墜されたことへの報復。

午前10時59分、レバノンからゴラン高原中部に約50の飛翔体が侵入するのを確認。多連装ミサイルが飛翔体多数を撃破。残りの飛翔体は空地に墜落。

午後2時37分、多連装ミサイルがレバノンから上ガリラヤ地方に飛来したUAV1機を撃墜。アラブ・アル・アラムシェ村地域に飛翔体の破片が落下する危険があったため、警戒警報発令。

午後8時59分、レバノンからガリラヤ地方への約15の飛翔体の飛来を確認。多連装ミサイルがその一部を撃墜、残りは空地に着弾。ジェット戦闘機複数機が先ほど、アイタルーン村、マイス・ジャバル村地域のヒズブッラーの軍事施設やテロ・インフラを攻撃。また、ダイル・アーミス村地域のヒズブッラーのロケット砲発射台1基を攻撃。

午後10時15分、レバノン南部からゴラン高原中部への約50回の砲撃を確認、ヒズブッラーの集中砲火により住宅地で火災が発生した。

AFP, June 11, 2024、ANHA, June 11, 2024、‘Inab Baladi, June 11, 2024、Reuters, June 11, 2024、SANA, June 11, 2024、SOHR, June 11, 2024などをもとに作成。

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