スワイダー市アンクード交差点の新検問所をめぐって地元武装集団がシリア政府の治安関連施設などを襲撃し、シリア軍と交戦:地元住民の仲介で一時停戦(2024年6月24日)

スワイダー県では、スワイダー24(6月24日付)、シリア人権監視団によると、シリア軍第44特殊部隊中隊の部隊が23日に、スワイダー市入口のアンクード交差点に新たな検問所を設置したことに対して、地元武装集団は、市内で続く抗議デモの抑圧を目的とした検問所の新設を阻止するため、検問所を撤去することを決定、市内にあるシリア政府の治安関連施設などへの襲撃を開始、シリア政府側との間で市街戦に発展した。


地元武装集団は、スワイダー市のバアス党スワイダー支部をRPG弾で攻撃するなどした。

地元武装集団や活動家らは23日に、検問所前などに参集し、撤去を要求、これを拒否したシリア軍側と撃ち合いになっていた。

また、シャフバー町では、若者、スワイダー市と首都ダマスカスを結ぶ街道をタイヤを燃やすなどして封鎖した。

同町では、集合住宅の入口前で住民が所持していたと見られる手りゅう弾が爆発し、26歳の男性1人が死亡、女性3人が負傷した。

さらに、クライヤー町でも、住民らがタイヤを燃やすなどして抗議行動を行った。

一方、カナワート市では、地元武装集団とシリア軍部隊が交戦し、若い男性1人が負傷した。

23日深夜から24日未明にかけて続いた戦闘は、地元武装集団とシリア軍側が戦闘を一時停止し、事態打開に向けた交渉を行うことを合意したことで収束した。

合意は、地元住民による仲介と停戦の呼びかけを受けたもので、戦闘の発端となったアンクード交差点に新設された検問所の撤去を確約することを基本条件として交わされた。

しかし、シャフバー町では、合意成立の数時間後、総合情報部の施設近くで、何者かが投げた手りゅう弾1発が爆発、シリア軍部隊が応戦するかたちで発砲した。

なお、スワイダー市のサイル広場(カラーマ広場)で、活動家らが抗議デモを続け、自由、体制打倒、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放、人民議会拒否を訴えた。

AFP, June 24, 2024、ANHA, June 24, 2024、‘Inab Baladi, June 24, 2024、Reuters, June 24, 2024、SANA, June 24, 2024、SOHR, June 24, 2024などをもとに作成。

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