総合情報機関が内務省関係機関と連携して、アサド前大統領のいとこのワスィーム・アサドを逮捕(2025年6月21日)

SANAによると、内務省は、総合情報機関の特殊任務部隊が、レバノン国境に近いヒムス県タッルカラフ市近郊で内務省関係機関と連携して待ち伏せ作戦を実施、ワスィーム・アサド容疑者をおびき出し、逮捕したと発表した。
同容疑者は麻薬取引の主要人物で、前政権下で複数の犯罪に関与していたことで知られているという。

イナブ・バラディーによると、ワスィーム・アサドは、1980年生まれで、バッシャール・アサド前大統領のいとこ。
カプタゴンの製造・密輸ネットワークに関与したことが疑われており、EUが制裁対象に指定している。
ハムザ・ムスタファー情報大臣は、Xを通じて、ワスィーム・アサド容疑者の逮捕について、シリア人に対する人権侵害の加害者たちを追及する日々強化される取り組みの一環であると強調した。

アナス・ハッターブ内務大臣もXを通じて、逃亡中のバッシャール・アサドの体制の犯罪象徴たちを追及する国家の努力の一環であると強調した。


マズハル・ワイス法務大臣もXを通じて逮捕の歓迎の意を示した。

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シリア人権監視団によると、ヒムス県では、ヒムス市とタッルカラフ市を結ぶハワーシュ橋(ハワーシュ町)付近で、治安機関所属と自称する3人組の武装グループがタルカルフ市出身の若者2人を制止し、バイクへの給油を要求、拒否されると2人に向けて発砲した。

このうち1人はレバノン国境近く(ワーディー・ハーリド)で拘束されたが、残る2人は逃走中。

また、ヒムス市タッル地区でタッルカラフ市出身の若者が自宅で就寝中に武装グループの襲撃を受け射殺された。

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シリア人権監視団によると、治安当局はまた、前政権の民兵の一つバーキル旅団の幹部であるファーディー・アフィース容疑者、ダイル・ザウル県西部出身で、前政権の総合情報局やシリア軍第86師団に配属されていたダウード・トゥーカーン容疑者も逮捕した。

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シリア人権監視団によると、ラタキア県では、ラタキアのマズィーラ橋付近で、アラウィー派の22歳の若者が正体不明の武装グループに銃撃され死亡した。

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シリア人権監視団によると、アレッポ県では、アフリーン市出身の若者が、ムスタファー・シャイフー氏殺害に抗議するデモに参加したとして、内務省総合治安局の要員によって激しい暴行を受けた。

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シリア人権監視団によると、タルトゥース県では、シャイフ・バドル市近郊のスーラーニー村で、内務省総合治安局所属とされるグループが住居を襲撃し、家財道具を略奪・破壊、女性に暴行を加えた。

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シリア人権監視団によると、ダルアー県では、サナマイン市で、住民の男性がバイクに乗った2人組の武装グループの銃撃を受け、死亡した。

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シリア人権監視団によると、スワイダー県では、スワイダー県南部のクーム地区で30代の男性が自宅の部屋でライフル銃で撃たれて死亡しているのが発見された。

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