シリア反体制勢力の動き:民主統一党党首、トルコによるクルド人への武器供与阻止を非難(2014年9月30日)

西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党のサーリム・ムスリム共同党首は、ロイター通信(9月29日付)に、ダーイシュ(イスラーム国)を撃退するために武器支援が必要と述べるとともに、さもなくば、アイン・アラブ市でダーイシュが虐殺に及ぶと警鐘を鳴らした。

ムスリム共同党首は「戦車や迫撃砲に対抗する人々に武器を供与することを、支援可能なあらゆる人に求めているが、誰も何もしない。多くの人々が死んでしまうだろう…。欧州、米国にメッセージを送ったが、障害があるように思う…。トルコなど一部の国が、これ(武器支援)を阻止している。なぜならこれらの国は、クルド人が自衛のための力を得ることを望んでいないからだ」と述べた。

また「(アイン・アラブ市一帯で)激しい戦闘が行われている。クルド人戦闘員は虐殺を回避するため、持てるすべてをもって自衛を行っている…。しかし、ダーイシュが市内に入れば、すべてを破壊し、人々を虐殺するだろう」と付言した。

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アイン・アラブ市で活動するシリア・クルド国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立)は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための民兵を組織すると発表した。

ARA News(9月30日付)が伝えた。

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クッルナー・シュラカー(9月30日付)によると、アレッポ県南部、イドリブ県南東部、ハマー県北東部の部族長(ハッダーディーン部族、マワーリー部族)が共同声明を出し、「スンナの民部族軍事連合」の名で民兵を統合し、イスラーム法の遵守とアサド政権に対する武装闘争を行うと発表した。

AFP, September 30, 2014、AP, September 30, 2014、ARA News, September 30, 2014、Champress, September 30, 2014、al-Hayat, October 1, 2014、Kull-na Shuraka’, September 30, 2014、al-Mada Press, September 30, 2014、Naharnet, September 30, 2014、NNA, September 30, 2014、Reuters, September 30, 2014、SANA, September 30, 2014、UPI, September 30, 2014などをもとに作成。

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