独『シュピーゲル』(1月9日付、インターネット版)は、シリア政府がレバノン国境地帯の地下に秘密核開発施設を建設していることが、諜報機関による調査(衛星写真などによる調査)から明らかになったと伝えた(http://www.spiegel.de/international/world/evidence-points-to-syria-still-working-on-a-nuclear-weapon-a-1012209.html)。
この秘密核開発施設は、ダマスカス郊外県のマルジュ・スルターン地区に建設されていたが、反体制武装集団の攻撃を受け、ヒムス県クサイル市西方のレバノン国境から約2キロの地点に施設を移転したという。
移転はヒズブッラーの支援のもとに行われ、最新の衛星写真には、6棟の建造物、ブルーズ村からの送電線が確認できるほか、冷却水の提供が可能な湖(ザイタ湖)も映っている。
核開発施設であることを示す最大の証拠は、スパイ・ネットワークによって傍受された無線での会話で、この会話ではヒズブッラーの高官が「ザムザム」というコードネームを使用して、核開発施設について言及していたという。
また核開発施設には、イラン・イスラーム革命防衛隊メンバーが駐在しているほか、北朝鮮も関与しているという。
なお、シリアによる核開発は、2007年にイスラエル軍によるキバル(ダイル・ザウル県)の核兵器疑惑施設への越境空爆によって中断していたとされる。
Spiegel, January 9, 2015をもとに作成。
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