シリア軍がイドリブ市などを爆撃(2015年3月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が、ファトフ軍によって制圧されたイドリブ市各所を数回にわたって空爆した。

シリア軍はまたサルミーン市、ナイラブ村、ビンニシュ市、そしてシャーム自由人イスラーム運動によって包囲されているフーア市近郊とカファルヤー町近郊に対しても空爆を行った。

これに関して、クッルナー・シュラカー(3月30日付)は、シリア軍がビンニシュ市に「毒ガス」を装填した「樽爆弾」2発を投下したと伝えた。

「シリアのパレスチナ人のための行動グループ」によると、2週間前にトルコに避難する途中に逮捕され、イドリブ市内のイドリブ中央刑務所に収監されていたとされるパレスチナ人(ダマスカス郊外県ハーン・シャイフ・キャンプ出身者)多数が、同市の制圧を受けて釈放された。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(3月31日付)によると、フライタ村で武装集団がヒズブッラー戦闘員の乗った車を襲撃し、戦闘員5人を殺害した。

またシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員は、ラアス・マアッラ町郊外無人地帯にあるムーサー丘でシャームの民のヌスラ戦線などと交戦、シリア軍が同地一帯を「樽爆弾」で攻撃した。

一方、SANA(3月30日付)によると、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線との交戦の末、ザバダーニー市西方の1715高地を完全制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カフルハムラ、バーシュカウィー村一帯、ハンダラート・キャンプ周辺、アレッポ市旧市街(アレッポ城、ウマイヤ・モスク、バーブ・ナスル一帯)、バニー・ザイド地区、ハーリディーヤ地区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らが、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部のシリア軍検問所で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、旧市街(ハミディーヤ市場とハリーカ地区の間)に迫撃砲弾1発が着弾し、男性1人が死亡した。

またジハード主義武装集団は、ジャウバル区各所のシリア軍拠点を砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、マスハラ村をシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(3月30日付)によると、アフマル丘、マスハラ村、ビイル・アジャム村、ブライカで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラームの暁旅団、フルカーン旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、自由シリア軍南部戦線第1軍広報局のマーヒル・アリー氏によると、ジーザ町で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、民間人6人が死亡、40人以上が負傷した。

一方、SANA(3月30日付)によると、ブスラー・シャーム市、ジュライン村、ダーイル町、サムリーン村、タファス市、ジャダル村、インヒル市、ダルアー市マンシヤ地区、ヤルムーク学校、旧税関地区東部などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月30日付)によると、タッルドゥー市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 30, 2015、AP, March 30, 2015、ARA News, March 30, 2015、Champress, March 30, 2015、al-Hayat, March 31, 2015、Iraqi News, March 30, 2015、Kull-na Shuraka’, March 30, 2015、al-Mada Press, March 30, 2015、Naharnet, March 30, 2015、NNA, March 30, 2015、Reuters, March 30, 2015、SANA, March 30, 2015、UPI, March 30, 2015などをもとに作成。

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