シリア軍はダマスカス郊外県の反体制派拠点ドゥーマー市を爆撃し、子供を含む10人が死亡(2015年6月30日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、反体制武装集団の支配下にあるドゥーマー市を空爆し、子供1人を含む10人が死亡した(シリア人権監視団によると、ドゥーマー市での死者数はその後11人に増加)。

シリア軍はまた、ミスラーバー市を2度にわたり空爆したほか、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市(ハマー県)とヒムス県を結ぶ街道で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、同地を空爆・砲撃、ヌスラ戦線らが占拠していた拠点複数カ所を制圧した。

この戦闘でヌスラ戦線側の戦闘員5人が死亡、シリア軍側は18人が死傷した。

一方、SANA(6月30日付)によると、アブー・アラーヤー村、西サラーム村、スルターニーヤ村、タルファーウィー村、ザハビーヤ村、ザアフラーナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、ヒムス市のナズハ交差点地区とハダーラ通り地区で爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発した。

死者はなかった。

他方、ヒムス県で活動するとされる武装集団が声明を出し、ヒムス解放運動の結成を宣言、「アラブ人、クルド人、トルクメン人の連帯」を通じた政権打倒を主唱した。

クッルナー・シュラカー(7月2日付)が伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、イフスィム村などを空爆し、20人が死亡した。

これに対して、シャームの民のヌスラ戦線は、カフルナブル市のモスクを襲撃、同モスクのイマームをスーフィー教団だとして追放し、ヌスラ戦線に属するイマームを任命した。

一方、SANA(6月30日付)によると、マジャース村、アブー・ズフール町一帯、イフスィム村、シャンナーン村をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がミンタール村、バンーン・フッス村、アレッポ市ナイラブ地区、マルジャ地区、ライラムーン地区を空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がムザイリーブ町、ウンム・アウサジュ村、タッル・シハーブ町、アクラバー村、イブタア町、東ガーリヤ村、タイバ村、ブスル・ハリール市を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月30日付)によると、カフル・ナースィジュ村、東ムライハ町、ダルアー市アバーズィード貯水場一帯、旧税関地区東部などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月30日付)によると、ハムル丘、マハーミード農場で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ハラムーン軍(シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジャバル・シャイフ旅団、ウマル・ブン・ハッターブ旅団)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月30日付)によると、フライターン市、ハルバル村、バービース村、アアザーズ市、マンスーラ村、ハナースィル市西部、アレッポ市ラーシディーン地区、カルム・カーティルジー地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、アレッポ市サーリヒーヤ地区をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆し、11人が死亡した。

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ラタキア県では、SANA(6月30日付)によると、バラードゥーン・ダム一帯、ラウダ村、ダッラ村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、July 2, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

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