YPGは負傷した隊員6人をトルコ当局がアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線に引き渡したと非難(2015年8月8日)

西クルディスタン移行期民政局コバネの人民防衛隊総司令部は声明を出し、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市からミュルシトプナル国境通行所を通ってトルコ領内の病院に搬送された人民防衛隊の負傷兵6人が、トルコ領内で消息を絶ったとしたうえで、トルコ当局がこの6人を、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に引き渡し、バーブ・ハワー・ギュヴェッジ国境通行所を経由して、シリア領内(イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所方面)に連行されたと主張した。

人民防衛隊の声明によると、負傷兵6人は西クルディスタン移行期民政局の正式な要請のもとトルコ側に受け入れられていたという。

人民防衛隊とヌスラ戦線は、アレッポ県北部、イドリブ県での支配領域をめぐって対立している。

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一方、HNN(8月9日付)によると、「アフリーン法務局」(シャームの民のヌスラ戦線)が、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の拠点であるアレッポ県アフリーン市にいたるすべての街道を封鎖すると発表した。

道路封鎖は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が2週間前にアアザーズ市内に戻ろうとした住民を検問所で拘束したことへの対抗措置で、これを受け、ヌスラ戦線がイドリブ県ダーナー市とアフリーン市を結ぶ街道を封鎖したという。

AFP, August 8, 2015、AP, August 8, 2015、ARA News, August 8, 2015、Champress, August 8, 2015、al-Hayat, August 9, 2015、HNN, August 9, 2015、Iraqi News, August 8, 2015、Kull-na Shuraka’, August 8, 2015、al-Mada Press, August 8, 2015、Naharnet, August 8, 2015、NNA, August 8, 2015、Reuters, August 8, 2015、SANA, August 8, 2015、UPI, August 8, 2015などをもとに作成。

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