『ハヤート』(10月18日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、トルコやカタールなど一部の中東諸国が、シリア国内の反体制武装集団との折衝を通じて、新たな政治・軍事組織「シリア解放委員会」を設立し、ロシアやイランの介入に対処しようとしている、と伝えた。
また、トルコやカタールのこうした動きに対して、シリア革命反体制勢力国民連立の幹部らは、「シリア解放委員会」の設立によって切り捨てられることを懸念していると付言した。
複数の反体制筋が『ハヤート』に明らかにしたところによると、カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣、同国軍の参謀本部幹部、そして諜報機関の幹部らが最近になって、トルコのイスタンブールでアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、サウジアラビアが支援するイスラーム軍、シリア・ムスリム同胞団とつながりがあるシャーム軍団などの反体制武装集団の代表と会談し、ロシアやイランの介入強化に対処するための支援強化や「シリア解放委員会」の設立といった対応策が検討されたという。
「シリア解放委員会」は、シリア国内で活動する反体制武装集団の活動を調整する一方で、カタールがかねてから後押ししてきた反体制ビジネスマンのムスタファー・サッバーグ氏(シリア革命反体制勢力国民連立元事務局長)やリヤード・ヒジャーブ元首相を軸とした地元評議会を設置することが目的だという。
しかし、サッバーグ氏やヒジャーブ元首相の優遇は、シリア革命反体制勢力国民連立内の権力バランスを変化させ、ほかの幹部からは、連立を解体する計画との批判されているという。
AFP, October 17, 2015、AP, October 17, 2015、ARA News, October 17, 2015、Champress, October 17, 2015、al-Hayat, October 18, 2015、Iraqi News, October 17, 2015、Kull-na Shuraka’, October 17, 2015、al-Mada Press, October 17, 2015、Naharnet, October 17, 2015、NNA, October 17, 2015、Reuters, October 17, 2015、SANA, October 17, 2015、UPI, October 17, 2015などをもとに作成。
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