「ウィーン3会議」に向け、ロシアがシリアの反体制派を「テロ組織」と「合法的な反体制組織」に峻別(2015年11月7日)

『ハヤート』(11月7日付)は、複数の消息筋の話として、13日に予定されている「ウィーン3会議」に向け、ロシアのイニシアチブのもと各国高官が、シリア国内で活動する反体制派を「テロ組織」と「合法的な反体制組織」に峻別する作業を進めていると伝えた。

これに関して、ロシア政府は、シリア紛争の解決に向けた政治的プロセスにおいてシリア政府との交渉を行う反体制派を特定するため、テロ組織を定義することを優先事項として掲げており、上記峻別作業において作成されているテロ組織のリストに、国連が国際テロ組織に指定しているダーイシュ(イスラーム国)、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線だけでなく、「武器を持つすべての者」を含めようとしているという。

なお、ウィーン2会議で採択されたウィーン声明(http://syriaarabspring.info/?p=23772)の第6項目に、ヌスラ戦線の名称を含めようとしたが、一部地域諸国がこれに反対したという。

第6項目は以下の通り規定している。

「6. ダーイシュ(イスラーム国)とそのほかのテロ組織を、国連安保理での決議および参加国の同意に基づき打倒する。」

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ロシア外務省は6日、セルゲイ・ラブロフ外務大臣がジョン・ケリー米国務長官と電話会談し、シリア政府と反体制派の交渉への対応について意見を交わしたと発表した。

AFP, November 6, 2015、AP, November 6, 2015、ARA News, November 6, 2015、Champress, November 6, 2015、al-Hayat, November 7, 2015、Iraqi News, November 6, 2015、Kull-na Shuraka’, November 6, 2015、al-Mada Press, November 6, 2015、Naharnet, November 6, 2015、NNA, November 6, 2015、Reuters, November 6, 2015、SANA, November 6, 2015、UPI, November 6, 2015などをもとに作成。

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