ロシア軍(と思われる戦闘機)およびシリア軍は、米トルコが設置合意した「安全保障地帯」の西端に位置するバーブ・サラーマ国境通行所(アレッポ県)などトルコ国境地帯で空爆、攻撃を激化(2015年11月26日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月26日付)によると、ロシア軍爆撃機が、トルコとの国境に位置するバーブ・サラーマ国境通行所にいたる街道一帯、ズィーターン村、ズィルバ村、ハーン・トゥーマーン村、ダマスカス・アレッポ街道(国際幹線道路)一帯、アウラム・クブラー村、ウワイジル村、カフルナーハー村を空爆し、住民7人が死亡、多数が負傷した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(11月26日付)は、ロシア軍がアアザーズ市郊外(バーブ・サラーマ国境通行所一帯)を初めて空爆したと伝えた。

なお、アアザーズ市郊外は、米トルコ両政府が8月に「安全地帯」に設定し、領空権の確保を狙っていたアレッポ県北部の西の端に位置、またアアザーズ市一帯は、西クルディスタン移行期民政局(アアザーズ地区)が実効支配し、同地西部および南部を支配下に置くアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と対立を続けている。

またシリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機の空爆が続くなか、アレッポ市南部郊外各所で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党、ジュンド・アクサー機構などジハード主義武装集団と交戦した。

またロシア軍と思われる戦闘機は、アレッポ市北部のフライターン市を空爆し、2人が死亡した。

一方、SANA(11月26日付)によると、シリア軍がスィムアーン山一帯、フライターン市一帯で反体制武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(11月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局が実効支配するアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、人民防衛諸集団とシャームの民のヌスラ戦線が交戦し、ヌスラ戦線戦闘員2人が死亡した。

このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(11月26日付)によると、アレッポ県で活動する「穏健な反体制派」のファトフ旅団がアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動に吸収された。

シャーム自由人イスラーム運動の広報局によると、これにより、アレッポ県タッル・リフアト市一帯に展開するファトフ旅団の戦闘員約500人がシャーム自由人イスラーム運動に合流したといいう。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月26日付)によると、ロシア軍爆撃機が、トルコ国境に近いサルマダー市、ダイル・ハッサーン村を空爆した。

またシリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機は、マアッラト・ヌウマーン市各所、タマーニア町、サルマダー市、バーブ・サラーマ国境通行所にいたる街道一帯を空爆し、少なくとも5人が死亡した。

一方、SANA(11月26日付)によると、シリア軍がタマーニア町、マアッラト・ヌウマーン市郊外穀物サイロ一帯、サルマダー市、バーブ・ハワー国境通行所入り口一帯で、ファトフ軍の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月26日付)によると、ロシア軍戦闘機がクルド山のジュッブ・アフマル村一帯、同地方最高峰のブルジュ・ザーヒヤ一帯を激しく空爆した。

またシリア人権監視団によると、シリア軍がクルド山、トルクメン山(ラビーア町一帯)を激しく砲撃し、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アラブ系・アジア系外国人戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などのジハード主義武装集団と交戦し、ARA
News(11月26日付)によると、シリア軍がブルジュ・ジャーヒヤを奪還した。

一方、SANA(11月26日付)によると、シリア軍が県北部での反体制武装集団との戦闘で、シャームの民のヌスラ戦線の傘下にあるムジャーヒディーン軍の司令官1人、マーヒル・ヒジャーズィー大隊司令官、第1沿岸師団司令官1人の3人を殺害した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がカフルズィーター市マアルキバ村、ラトミーン村などを空爆した。

一方、SANA(11月26日付)によると、シリア軍がサキーク村、ラトミーン村、ザカート村、ラターミナ町でシャーム軍団など反体制武装集団の拠点を空爆、攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がフーシュ・ハッジュー村、サアン・アスワド村、タルビーサ市各所で反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市各所、マルジュ・スルターン村一帯を砲撃、国防隊とともに反体制武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市、ナワー市、シャイフ・サアド村一帯を砲撃した。

一方、SANA(11月26日付)によると、シリア軍がダルアー県ザイトゥーナ学校、警察住宅南部一帯で反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(11月26日付)によると、シリア軍がダルアー県境のアスラハ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 26, 2015、AP, November 26, 2015、ARA News, November 26, 2015、Champress, November 26, 2015、al-Durar al-Shamiya, November 26, 2015、al-Hayat, November 27, 2015、Iraqi News, November 26, 2015、Kull-na Shuraka’, November 26, 2015、al-Mada Press, November 26, 2015、Naharnet, November 26, 2015、NNA, November 26, 2015、Reuters, November 26, 2015、SANA, November 26, 2015、UPI, November 26, 2015などをもとに作成。

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