アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の最高指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏がアラビー21(12月12日付)の単独インタビュー(https://youtu.be/xXgeoFlUY8Y)に応じ、サウジアラビアがリヤドで主催した反体制派の合同会合を「殉教者の血への裏切りで、アサド体制への降伏だ」と非難した。
ジャウラーニー氏はインタビューに以下の通り述べた。
「国際社会は、反体制武装勢力を体制と糾合させることでアサドを大統領として残留させ、彼らに休戦を宣言させ、それに拒否する勢力と戦わせようとしている…。我々はリヤド会合への招待を受けなかった。招待されていたとしても、それを受け入れなかったろう…。(シリアの)体制が終わろうとしているなかで、国際社会は急いで政治的解決を図ろうとしている」。
「(アサド政権との)停戦は政権を利するだけで、我々には利益をもたらさないだろう…。我々は、グータ地方での停戦を阻止しようとしている。我々は決して停戦を受け入れない。我々がそこにいる限り、停戦が適用されることはあり得ない」。
「ダマスカスは今日、ラーフィディーン(シーア派)に奪われてしまった…。しかしそれは拒否されるべきものであり、彼らとの共存は不可能だ」。
「(アレッポ市南部郊外に展開する)イラクやイランの民兵の数は5,000人が死亡した。また我々のもとには、こうした民兵の捕虜がいる…。ロシアの介入は政権を守るためではなく、それを生き返らせるために行われた。なぜならアサド政権は死に体だったからだ…。ロシアの介入を受け、政権はガーブ平原を3度にわたって奪還しようとしたが、いずれも失敗に終わっている。我々は…敵から武器を捕獲し、彼らの武器を駆使して戦闘を繰り返している」。
「主要メディアが吹聴しているのとは異なり、カタール、トルコとは一切つながりはない」。
「我々はアル=カーイダとのつながりを絶ち切る意思などない。西洋は自分たちの考えに従って武装勢力を分類しているだけだ。アル=カーイダとのつながりは、こうした分類とは無関係だ」。
「南部(ダルアー県)での戦闘は、ダーイシュに属すヤルムーク殉教者旅団と我々が戦わざるを得ないために失敗した」。
一方、「自由シリア軍」に関して、ジャウラーニー氏は「自由シリア軍の名で活動するまとまりのない武装組織がいるだけで、実体的な組織構造を持ってはいない」と述べた。
なお、インタビューが行われた場所、日付は不明。
AFP, December 12, 2015、AP, December 12, 2015、ARA News, December 12, 2015、Arabi 21, December 12, 2015、Champress, December 12, 2015、al-Hayat, December 13, 2015、Iraqi News, December 12, 2015、Kull-na Shuraka’, December 12, 2015、al-Mada Press, December 12, 2015、Naharnet, December 12, 2015、NNA, December 12, 2015、Reuters, December 12, 2015、SANA, December 12, 2015、UPI, December 12, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.