シリア軍はアレッポ市北部のラトヤーン村、ダマスカス郊外県ダーライヤー市・ムウダミーヤト・シャーム市回廊などを奪還(2016年2月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、イラン・イスラーム革命防衛隊、アラブ系・アジア系戦闘員が、ロシアの航空支援を受け、ラトヤーン村に侵攻したシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を撃退した。

ロシア軍はヌッブル市、ザフラー町一帯を空爆するなか、シリア軍はまた、ダイル・ジャマール村一帯の農場地帯を制圧した。

なおラトヤーン村一帯での戦闘でヌスラ戦線戦闘イラン80人、シリア軍側兵士60人が死亡したという。

アレッポ市北部ではさらに、アアザーズ市、マンナグ村、アクラミーヤ村、マンナグ航空基地一帯、アナダーン市、マーリア市、タッル・リフアト市など反体制武装集団の支配地域に対して空爆が行われる一方、同地一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(2月6日付)によると、シリア軍が、アアザーズ市近郊のスーラーン・アアザーズ町で反体制武装集団の所点を重点的に空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ARA News(2月6日付)によると、アレッポ市マイサルーン地区、アグユール地区、ブスターン・バーシャー地区、旧市街でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アラブ系・アジア系戦闘員がロシア軍の指揮のもと、カッバーナ村を含むトルクメン山、クルド山一帯で、第1沿岸師団、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(2月6日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、県北部のアーリヤ村および周辺の丘陵地帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を掃討し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月6日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにダーライヤー市とムウダミーヤト・シャーム市を結ぶ回廊地帯でジハード主義武装集団と交戦、同地を奪還、完全制圧し、ダーライヤー市を支配下に置くシャームの民のヌスラ戦線、アジュナード・シャーム・イスラーム連合など反体制武装集団の兵站路を遮断した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアルカバ村一帯、サルマーニーヤ村でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(2月6日付)によると、シリア軍がザカー村でイッザ連合と交戦し、戦闘員5人を殲滅した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がタファス市を20回以上にわたり空爆し、多数の住民が負傷した。

一方、SANA(2月6日付)によると、シリア軍がサイダー町、ハリーフ丘、アトマーン村北部のタッル・フドル村一帯、タファス市、ダルアー市内各所でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣が総司令部士官とともにアトマーン村を視察した。

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イドリブ県では、SANA(2月6日付)によると、シリア軍がカフルルーマ村、タッフ村でフルサーン・ハック旅団の武器庫、拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 6, 2016、AP, February 6, 2016、ARA News, February 6, 2016、Champress, February 6, 2016、al-Hayat, February 7, 2016、Iraqi News, February 6, 2016、Kull-na Shuraka’, February 6, 2016、al-Mada Press, February 6, 2016、Naharnet, February 6, 2016、NNA, February 6, 2016、Reuters, February 6, 2016、SANA, February 6, 2016、UPI, February 6, 2016などをもとに作成。

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