ロシアのチュルキン国連大使「アサド大統領の発言はロシアが行っている外交努力に合致していない」(2016年2月19日)

ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は『コメルサント』(2月19日付)のインタビューのなかで、2月12日のAFPのインタビューでのアサド大統領の発言に関して、個人的な見解だとしつつ「ロシアが行っている外交努力に合致していない」と批判した。

チュルキン国連大使はまず「トルコとサウジアラビアの支援を受ける非妥協的な反体制派は依然として、ダマスカスを破壊できると確信している。これが紛争が続く理由の一つだ。私は彼ら、そして彼らを支援する者たちが政治的解決が必要だと言うことを理解することを願っている。米国はすでにこのことを理解している」と述べた。

続いて、アサド政権の姿勢、とりわけ12日のアサド大統領の発言に関して、チュルキン国連大使は「ロシアは政治的、外交的、そして軍事的にこの紛争に極めて真摯に対処してきた。我々はこのことをアサド大統領に考慮して欲しい」としたうえで、「ロシアが行っている外交努力に合致していない…。彼ら(シリア政府)がいかなる停戦も不要で、完全勝利のための戦闘を必要だと考え続けるのであれば、この紛争は非常に長く続くことになる。そのことを考えただけて恐ろしくなる」と述べ、アサド大統領の発言を批判した。

しかし、チュルキン国連大使は「我々は(アサド大統領の)こうした発言を過度に重要視したり、ドラマチックに扱うべきではない…。我々は…彼が最終的に何をするかということから判断を下すべきだ…。シリア政府は、ミュンヘンでのISSG(国際しりあ支援グループ)諸国の合意がシリアにとって特筆すべき機会であることを理解している」と述べた。

アサド大統領は「我々にできるかできないかはともかく、これ(シリア全土の奪還)は、我々が躊躇せずにめざしている目標だ。一部を放棄するなどと言うこと自体非論理的だ…」と付言した。

AFP, February 19, 2016、AP, February 19, 2016、ARA News, February 19, 2016、Champress, February 19, 2016、al-Hayat, February 20, 2016、Iraqi News, February 19, 2016、Kommersant, February 19, 2016、Kull-na Shuraka’, February 19, 2016、al-Mada Press, February 19, 2016、Naharnet, February 19, 2016、NNA, February 19, 2016、Reuters, February 19, 2016、SANA, February 19, 2016、UPI, February 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カテゴリー: シリア政府の動き, 諸外国の動き パーマリンク