英国のスカイ・ニュース・チャンネル(3月10日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)メンバー数万人の個人情報が記載されたリストを入手したと伝えた。
リストは、ダーイシュの内務治安警察(通称「SS」)が管理するデータから盗み出され、スカイ・ニュースはメモリー・スティックにコピーされたデータを入手したという。
そのなかには、メンバーや家族の氏名、住所、電話番号、家族の連絡先が記載されており、英国など51カ国から集まった約2万2,000人分の情報がデータベース化されているという。
データを盗み出したのは、「自由シリア軍」からダーイシュに加わったというシリア人のアブー・ハマドを名乗る人物。
アブー・ハマド氏は、ダーイシュの指導部に幻滅したとしたうえで、現在指導部はイラクの旧バアス元兵士らによって掌握されていると述べた。
また、彼が信奉していた「イスラーム的な支配」は、ダーイシュ内では完全に崩壊しており、そのことがダーイシュからの離反を促す理由だったとしている。
データを受け取ったステュアート・ラムゼイ主任特派員は、トルコ領内の某所でアブー・ハマド氏と会い、同氏から、ダーイシュがラッカ市の本部を引き払い、シリア中部の砂漠地帯やイラクに移動したと聞いたという。
またアブー・ハマド氏は、ダーイシュ、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、そしてシリア政府が結託し、「穏健な反体制派」に対抗していると主張していたという。
Sky News, March 10, 2016をもとに作成。
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