ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、イスラーム軍やシャーム自由人イスラーム運動が米露による戦闘停止合意(2月27日発効)を破棄したことに関して、ジュネーブ3会議での「交渉プロセスの復活」を意味すると高く評価した。
イスラーム軍とシャーム自由人イスラーム運動は、リヤド最高交渉委員会に所属していたが、前者はシリア軍への抗戦を主唱、またシャーム自由人イスラーム運動は脱会を宣言している。
ラブロフ外務大臣はこの二つの組織を「テロ組織」に指定することを求めてきたとしたうえで、「イスラーム軍とシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員はダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線が採用しているような反人道主義的な敵対姿勢を持っている」と改めて断じた。
そのうえで「国連安保理で承認され、シリア人自身による対話を通じた問題解決を確認している戦略の受諾を拒否するこうした組織が去ったことは、彼ら以外の誰にも損失とはならない」と述べる一方、「リヤド最高交渉委員会を離反したメンバー(民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム氏らを意図)が無所属として交渉に参加することを支持する」と表明した。
AFP, April 22, 2016、AP, April 22, 2016、ARA News, April 22, 2016、Champress, April 22, 2016、al-Hayat, April 23, 2016、Iraqi News, April 22, 2016、Kull-na Shuraka’, April 22, 2016、al-Mada Press, April 22, 2016、Naharnet, April 22, 2016、NNA, April 22, 2016、Reuters, April 22, 2016、SANA, April 22, 2016、UPI, April 22, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.