カーミシュリー市(ハサカ県)での停戦発効を受け、双方が逮捕者・捕虜を釈放(2016年4月24日)

ハサカ県では、カーミシュリー市を訪問した西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区内務委員会(内務省に相当)のカナアーン・バラカート委員長(内務大臣に相当)が記者会見を開き、シリア政府代表と西クルディスタン移行期民政局代表によるカーミシュリー市での停戦合意の内容について明らかにした。

カーミシュリー市内で20日に発生した国防隊、シリア軍と、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ、人民防衛隊の戦闘は、22日に停戦が実現、その後もダマスカスから派遣されたシリア政府高官と西クルディスタン移行期民政局高官がカーミシュリー国際空港(シリア政府支配下)で停戦合意の詳細について協議を重ねていた。

バカラート内務委員長によると、両者の停戦合意は、国防隊、シリア軍と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、アサーイシュ双方の戦闘停止に加えて、①カーミシュリー市内の国防隊解体に向けて、その組織の再編を行うこと、②双方が拘置・捕捉している逮捕者・捕虜の釈放すること、③シリア軍の砲撃で損害を被った住民に対して補償を行うこと、④市内の非常事態を解除すること、⑤西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区の青年に対してシリア政府当局は徴兵を行わないこと、⑥シリア政府はカーミシュリー市の公務員への給与支払いを停止しないこと、また公務員の兵役を免除すること、などを骨子としている。

クルド治安筋がAFP(4月24日付)に明らかにしたところによると、これにより、最近の戦闘で人民防衛隊、アサーイシュが掌握した市内アラヤー地区のカーミシュリー中央刑務所、市内のシリア軍、国防隊の拠点の西クルディスタン移行期民政局への移譲がなされ、カーミシュリー市の大部分は西クルディスタン移行期民政局の支配下に入り、シリア政府は市内中心街とカーミシュリー国際空港一帯を維持するのみとなった。

また、ARA News(4月24日付)によると、シリアの治安当局は2011年以前からのクルド人逮捕者を釈放する一方、アサーイシュもまた最近の戦闘で捕捉していたシリア軍兵士および国防隊隊員102人を解放した。

なお、バラカート内務委員長によると、3日間に及ぶ戦闘で民間人17人、アサーイシュ隊員7人、人民防衛隊隊員3人が死亡したことを明らかにした。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍側は22人が死亡、80人が捕捉され、またシリア軍による砲撃で23人が死亡したという。

ARA News, April 24, 2016

ARA News, April 24, 2016

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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