トルコのチャヴシュオール外相はダーイシュの拠点都市マンビジュ市封鎖と「安全地帯」設置に向け米軍のHIMARS配備が合意されたと述べる(2016年4月26日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は『ハベルトゥルク』(4月26日付)のインタビューに応じ、米政府と協議し、5月を目処にシリアとの国境地帯に米国が自走多連装ロケット砲「HIMARS」(High
Mobility Artillery Rocket System)を配備すること合意したことを明らかにした。

HIMARS配備は、アレッポ県北西部国境地帯からキリス市方面へのダーイシュ(イスラーム国)の越境砲撃に対抗するための措置。

チャヴシュオール外務大臣はまた、ジャラーブルス市以西の全長100キロ弱の地域を「安全地帯」に設置する問題について米国と協議したことを明らかにしたうえで、「我々は米国とマンビジュ一帯を封鎖することで合意した。この点で我々の戦略は明白だ」と述べた。

HIMARSの配備が「安全地帯」設置を目的としたものかとの質問に対しても、「その通りだ。我々の主な目的はマンビジュにいたる98キロの地域からダーイシュ(イスラーム国)を浄化することだ。これが実現すれば、自然と安全地帯は設置されることになる」と述べた。

さらに「バラク・オバマ米大統領は先日、安全地帯構想に反対しないと表明した。ドイツもこうした枠組みについて我々と合意した。トルコが安全保障地帯を求めて当然だという理解が生まれた…。ダーイシュを根絶するには、穏健な反体制派を空と陸から支援することが不可欠だ。我々の迫撃砲は射程40キロ足らずだが、HIMARSの射程は90キロに及ぶ。穏健な反体制派への空と陸からの支援が国境を経由して行われるだろう。この枠組みのなかで(支援の対象となる組織)の名前を限定する活動がなされるだろう。このロケット砲を通じて我々はこれまで以上にダーイシュの拠点を正確に攻撃できるようになり、反体制派への支援が地上で行われるようになろう」と付言した。

なお、トルコ国境からマンビジュ市までの距離は約40キロ。

米・トルコ両政府は昨年半ば、マンビジュ市ではなく、アアザーズ市からジャラーブル市にいたる約120キロの国境地帯を「安全地帯」(飛行禁止空域)に設置することで合意していた。

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、Haberturk, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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