アレッポ市での「講和状態」実施後もアレッポ市内外で散発的戦闘が続く一方、シリア軍がイドリブ県北部の避難民キャンプを爆撃(2016年5月5日)

アレッポ県では、SANA(5月5日付)によると、午前1時にシリア軍がアレッポ市で「講和規定」を発動したもの、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市アシュラフィーヤ地区、ザフラー協会地区、マイダーン地区、スライマーニーヤ地区、ファミリー・ハウス地区、ファラフ学校一帯を砲撃し、建物などが被害を受けた。

一方、シリア人権監視団によると、アレッポ市郊外のハーリディーヤ村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構などからなる反体制武装集団がシリア軍、国防隊と交戦した。

ARA News(5月5日付)によると、ヌスラ戦線などからなる武装集団は、戦闘の末、ハーリディーヤ村とアブー・ルワイル村を制圧したという。

またヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構、アジュナード・シャーム・イスラーム連合などは、ハーン・トゥーマーン村一帯に侵攻し、シリア軍と交戦した。

これに対して、シリア軍は、アレッポ市南部郊外のウンム・カラーミール村各所に「樽爆弾」を投下、アターリブ市を空爆、アイス村一帯、ズィルバ村各所を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に近いサルマダー市郊外の避難民キャンプが空爆を受け、子供7人を含む数十人が死傷した(クッルナー・シュラカー(5月5日付)によると、死者数は30人)。

この攻撃に関して、シリア人権監視団は空爆を行った戦闘機の所属を明示しなかったが、反体制活動家・メディアはシリア軍の空爆だと断じていた。

一方、シリア軍はジスル・シュグール市郊外のビダーマー町各所を砲撃した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月5日付)によると、シリア軍が、ダマスカス郊外県、クナイトラ県との県境に位置するいわゆる「死の三角地帯」に激しい攻撃を加え、カフルシャムス町に近いサアディー農場一帯を制圧した。

Kull-na Shuraka', May 5, 2016

Kull-na Shuraka’, May 5, 2016

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と、シャームの民のヌスラ戦線および南部戦線などからなる反体制派の戦闘で、前者に与するイスラーム・ムサンナー運動の司令官の一人ラアド・サラーマート氏が死亡した。


AFP, May 5, 2016、AP, May 5, 2016、ARA News, May 5, 2016、Champress, May 5, 2016、al-Hayat, May 6, 2016、Iraqi News, May 5, 2016、Kull-na Shuraka’, May 5, 2016、al-Mada Press, May 5, 2016、Naharnet, May 5, 2016、NNA, May 5, 2016、Reuters, May 5, 2016、SANA, May 5, 2016、UPI, May 5, 2016などをもとに作成。

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