スペイン政府は声明を出し、シリア北部のアレッポ市で2015年7月にアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線によって拉致されていたスペイン人記者3人ホセ・マヌエル・ロペス(Jose Manuel Lopez)氏、アントニオ・パンプリエガ(Antonio Pampliega)氏、アンヘル・サストレ(Angel Sastre)氏がトルコ経由で、マドリード郊外の空軍基地に到着した、と発表した。
スペイン政府はまた声明で、3人の釈放が「多くの職員の努力と同盟諸国、友好諸国、とりわけ(交渉の)最終段階におけるトルコとカタールの協力のおかげ」だと付言した。
3人の釈放に際して、スペイン政府が身代金を支払ったかどうかは不明。
シリア人権監視団によると、3人は2015年7月13日に、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市マアーディー地区で目撃されたのを最後に消息を絶っていた。
その後2015年7月21日、3人が拉致されたことが報じられたが、家族らは3人の身の安全を確保するために報道を制限するよう要請していたという。
なお、スペインの日刊紙『エル・ムンド』(5月8日付)は、3人が拘束中に、2015年6月末からシリアで行方不明となっている日本人の安田純平氏と一緒にいたことを明らかにしたと伝えた。
安田氏は、3人を拘束していたグループ、ないしはこのグループと関係のあるブループに拉致されていると見られ、2016年3月にその映像が公開されている。
AFP, May 8, 2016、AP, May 8, 2016、ARA News, May 8, 2016、Champress, May 8, 2016、El Mundo, May 8, 2016、al-Hayat, May 9, 2016、Iraqi News, May 8, 2016、Kull-na Shuraka’, May 8, 2016、al-Mada Press, May 8, 2016、Naharnet, May 8, 2016、NNA, May 8, 2016、Reuters, May 8, 2016、SANA, May 8, 2016、UPI, May 8, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.