ロシア国防省は声明を出し、29日にダーイシュ(イスラーム国)が戦死したと発表したアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官に関して、アレッポ県北部のロシア空軍の空爆によって死亡したことを確認したと発表した。
声明によると、ロシア空軍のSu-34戦闘爆撃機が29日にアレッポ県北西部のアフリーン市近郊のマアッラータ村、ウンム・フーシュ村一帯への空爆を実施し、「テロリスト」40人を殲滅、そのなかにアドナーニー氏が含まれていたという。
アフリーン市一帯は西クルディスタン移行期民政局の支配地域で、マアッラータ村、ウンム・フーシュ村はシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動、トルキスターン・イスラーム党などからなるファトフ軍の支配地域。
なお、これに先立って、米国防総省のピーター・クック報道官は30日、米国がアレッポ県アレッポ市東部のダーイシュの主要拠点バーブ市一帯で、アドナーニー氏を標的に空爆を実施したと発表したが、その結果は確認中だと述べていた。
ただし、有志連合合同司令部の発表によると、29日に有志連合は、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(6回)、タドムル市近郊(1回)に対して空爆を実施したのみで、バーブ市近郊では空爆は実施していない。
AFP, August 31, 2016、AP, August 31, 2016、ARA News, August 31, 2016、Champress, August 31, 2016、al-Hayat, September 1, 2016、Iraqi News, August 31, 2016、Kull-na Shuraka’, August 31, 2016、al-Mada Press, August 31, 2016、Naharnet, August 31, 2016、NNA, August 31, 2016、Reuters, August 31, 2016、SANA, August 31, 2016、UPI, August 31, 2016などをもとに作成。
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