スイスのローザンヌで西欧諸国を除くISSG外相が会談し、シリア情勢への対応を協議:トルコはロシアに同調し、ヌスラ戦線のアレッポ市からの退去を求める(2016年10月15日)

米国のジョン・ケリー国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのローザンヌで会談し、シリア情勢への対応について協議した。

米・ロシアの外相が直接会談し、シリア情勢について意見を交わすのは、シリア国内での停戦合意が破棄されて以降初めて。

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この会談後、国際シリア支援グループ(ISSG)の外相級会合が開かれ、米国、ロシアに加えて、サウジアラビア、トルコ、イラン、イラク、カタール、ヨルダン、エジプトの外務大臣、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がシリア情勢への対応を協議した。

西欧諸国は参加しなかった。

複数の消息筋によると、会合では、デミストゥラ氏の提案に基づき、アレッポ市東部で戦闘を続けるアル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線の戦闘員の退去について協議されたという。

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RT(10月16日付)などによると、会談では9月9日に米国とロシアが交わし9月12日に発効するも、19日に破棄された停戦合意に基づくシリア国内、とりわけアレッポ市での戦闘停止の再開や、政治移行プロセスなどについて議論が集中した。

ロシア側はこのなかで、アル=カーイダ系組織であるシャーム・ファトフ戦線とそれ以外の(穏健な)反体制派を峻別する必要を強調した。

これに対して、米国、サウジアラビアなどは、ロシア・シリア両軍がアレッポ市東部で病院、医療機関、民間人に対して空爆を行っていることを批判した。

ケリー米国務長官は会合後、「掘り下げられるべき多くの良いアイデア」が提示されたと述べ、近日中にその詳細を確定し、停戦をめざす意向を示した。

これに対して、ラブロフ外務大臣は、「今後も引き続き連絡を取り続けねばならないことで合意した」と述べるにとどまった。

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一方、『ハヤート』(10月17日付)によると、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は会談後、「アレッポ市内にいるヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)のメンバーはすぐさま撤退せねばならない」と述べた。

チャヴシュオール外務大臣はまた、「ローザンヌに集まったすべての当事者は、シリア危機を政治的に解決することに合意し、シリア全土での停戦が宣言されることを呼びかける…。シリア危機に関して中断している対話を再開すべきで…、シリア政府と「穏健な反体制派」は解決に向けたイニシアチブを発揮しなければならない」と述べた。

AFP, October 15, 2016、AP, October 15, 2016、ARA News, October 15, 2016、Champress, October 15, 2016、al-Hayat, October 16, 2016、October 17, 2016、Iraqi News, October 15, 2016、Kull-na Shuraka’, October 15, 2016、al-Mada Press, October 15, 2016、Naharnet, October 15, 2016、NNA, October 15, 2016、Reuters, October 15, 2016、RT, October 15, 2016、SANA, October 15, 2016、UPI, October 15, 2016などをもとに作成。

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