SNN(1月24日付)、ARA News(1月25日付)などによると、シャーム・ファトフ戦線が、トルコ(レイハンル市)とアレッポ市西部郊外のラーシディーン地区を結ぶ街道に位置するイドリブ県ダーナー市近郊のアレッポ県ハルズーン村にあるムジャーヒディーン軍の拠点複数カ所を襲撃、トルコからの兵站線を遮断した。
ムジャーヒディーン軍は、12月にシリア政府に解放されたアレッポ市東部などでの戦闘に参加していた「穏健な反体制派」と目される武装集団。
シャーム・ファトフ戦線による襲撃の理由は定かでないが、アレッポ市周辺の地域における支配権争いだとの見方が有力。
シャーム・ファトフ戦線は、イドリブ県ハザーヌー町、マアッルシューリーン村などでもムジャーヒディーン軍と交戦し、拠点を掌握した。
また、シャーム・ファトフ戦線は、アレッポ市郊外のタームーラ村、ザフラー協会地区、ラーシディーン地区南部にあるシャーム戦線の拠点のほぼすべてを掌握した。
シャーム戦線は、「命じられるままに進め」連合、ムジャーヒディーン軍、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ヌールッディーン・ザンキー運動(2016年9月にヌスラ軍と統合)、シャームの鷹旅団、アサーラ・ワ・タンミヤ運動、ハズム運動、第101歩兵師団(2016年10月に第21軍連合に解消)、ジュンド・イスラーム旅団からなる連合組織。
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『ハヤート』(1月25日付)によると、イドリブ県カフルナブル市などでも、シャーム・ファトフ戦線がシャーム自由人イスラーム運動の拠点を攻撃した。
シャーム・ファトフ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の戦闘は、後者が前者の車列の通行を阻止したことが発端だという。
シャーム・ファトフ戦線とシャーム自由人イスラーム運動は、イドリブ県のザーウィヤ山一帯でシャーム・ファトフ戦線に完全統合されていたジュンド・アクサー機構がシャーム自由人イスラーム運動の支配地域に侵攻した21日以降ぎくしゃくしていた。
AFP, January 24, 2017、AP, January 24, 2017、ARA News, January 24, 2017、Champress, January 24, 2017、al-Hayat, January 25, 2017、Iraqi News, January 24, 2017、Kull-na Shuraka’, January 24, 2017、al-Mada Press, January 24, 2017、Naharnet, January 24, 2017、NNA, January 24, 2017、Reuters, January 24, 2017、SANA, January 24, 2017、SNN, January 24, 2017、UPI, January 24, 2017などをもとに作成。
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