国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ゴラン高原の兵力引き離し地域でのUNDOF(国際連合兵力引き離し監視軍)に関する最新の活動報告書を提出した。
同報告書は、兵力引き離し地域内で、シリア軍と反体制武装集団の戦闘が続く一方、イスラエル軍とシリア側との交流が強まっているとしたうえで、イスラエル軍からシャイフ山(ヘルモン山)一帯で活動するシリア側の複数の個人に対し、この3ヶ月間で複数の車輌・荷車に積まれた「物資」が供与されていると指摘している。
イスラエル軍側の説明によると、これらの物資は人道医療関連の物資だというが、イスラエル軍と交流を深めるシリア側の当事者には、反体制武装集団も含まれており、そのことがシャイフ山一帯でのシリア軍と反体制武装集団との戦闘を激化させかねないと懸念を表明している。
なお、ゴラン高原が位置するクナイトラ県では、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)が、また同地に近いダルアー県ヤルムーク川河畔では、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が活動している。
『ハヤート』(3月29日付)が伝えた。
AFP, March 28, 2017、AP, March 28, 2017、ARA News, March 28, 2017、Champress, March 28, 2017、al-Hayat, March 29, 2017、Iraqi News, March 28, 2017、Kull-na Shuraka’, March 28, 2017、al-Mada Press, March 28, 2017、Naharnet, March 28, 2017、NNA, March 28, 2017、Reuters, March 28, 2017、SANA, March 28, 2017、UPI, March 28, 2017などをもとに作成。
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