シリア人権監視団は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、シリア軍が攻勢を続けるラッカ県(ラッカ市)とダイル・ザウル県からダーイシュ(イスラーム国)・メンバーの家族多数が、ダーイシュ戦闘員に続いて、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構が活動を続けるイドリブ県に向かい、127世帯以上がイドリブ市および同市郊外に到着したと発表した。
イドリブ県に逃れて来たダーイシュ・メンバーとその家族のほとんどは、ラッカ県、ダイル・ザウル県から、西クルディスタン移行期民政局支配地域に入ったのち、同民政局の拠点都市であるアレッポ県アフリーン市方面に移動、そこからシャーム解放機構の勢力下にあるアレッポ県西部やイドリブ県に入っているという。
彼らは、西クルディスタン移行期民政局の検問所で、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市での戦闘に参加したダーイシュ・メンバーが記載された指名手配者リストに照合されたうえで、シャーム解放機構への退去を認められたが、シャーム解放機構の支配地域では通過を許可されるまで殴打されるなどの暴行を受けたという。
なお、ハマー県東北部のワーディ・アズィーブ一帯でも、ダーイシュ支配下の住民がシャーム解放機構支配下のイドリブ県への避難を続けているという。
AFP, October 28, 2017、ANHA, October 28, 2017、AP, October 28, 2017、ARA News, October 28, 2017、Champress, October 28, 2017、al-Hayat, October 29, 2017、Kull-na Shuraka’, October 28, 2017、al-Mada Press, October 28, 2017、Naharnet, October 28, 2017、NNA, October 28, 2017、Reuters, October 28, 2017、SANA, October 28, 2017、UPI, October 28, 2017などをもとに作成。
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