ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)はエルサレムをイスラエルの首都として承認したトランプ米大統領の決定を非難する一方、「拒否と抵抗を続けるイラン同盟」に惑わされず、武装闘争を継続するよう主唱(2017年12月7日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構は声明を出し、ドナルド・トランプ米大統領が6日にエルサレムをイスラエルの首都として承認したことに疑義を呈した。

テレグラムを通じて発表された声明で、シャーム解放機構は、「十字軍ユダヤ同盟はムスリム人民を革命に専念させることに乗じ…、トランプ大統領がエルサレムに米大使館を移転するとした最近の決定を通じて、ムスリム人民を裏切り、ムスリムの感情に挑戦し、侮辱した…。これにより和平プロセスにおける米国の真の役割が確定した…。我々はシャームにおいて、エルサレム(解放)の問題への支持を表明する。なぜなら、この問題は世界中の全てのムスリムの…問題だからだ」と述べた。

その一方、シャーム解放機構は「拒否と抵抗を続けるイラン同盟」なるものが、「エルサレムの日」などと称して偽り、発信し続けるスローガンに疑義を呈する…。エルサレムへの道はシリアにおけるすべてのスンナ派の都市に続いている…。イスラエルが平和に暮らしているなか、シャームの都市は、政権とその同盟者どもの破壊のなかに身を置いている。しかしみながこうしたスローガンによって偽られている…。ムスリム人民はこの真実を理解し、自らの役割を果たさねばならない…。ウンマのウラマーとエリートは自らの義務を実践せねばならない」と主張した。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月7日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, December 7, 2017

AFP, December 7, 2017、ANHA, December 7, 2017、AP, December 7, 2017、ARA News, December 7, 2017、Champress, December 7, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2017、al-Hayat, December 8, 2017、al-Mada Press, December 7, 2017、Naharnet, December 7, 2017、NNA, December 7, 2017、Reuters, December 7, 2017、SANA, December 7, 2017、UPI, December 7, 2017などをもとに作成。

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