アサド大統領が第4次中東戦争勃発38周年を記念してダマスカス県内の戦没者追悼碑を訪問し、戦没者に哀悼の意を表明(2011年10月6日)

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シャッビーハ

AFP(10月6日付)は、複数の反体制活動家や研究者の証言をもとに、シャッビーハの実態について報じた。

SANA, October 6, 2011

SANA, October 6, 2011

SANA, October 6, 2011

SANA, October 6, 2011

それによると、ダマスカスで暮らしている研究者は匿名を条件に「シャッビーハは体制にいかなる残忍の方法をとることも許されているツールで、いかなる機関とも結びついていない…。老人であれ子供であれ容赦なく殴打しているが、体制はそれを無罪放免としている」と述べたという。

またシリアを逃れてレバノンで活動している地元調整委員会のウマル・イドリビー代表は、「シャッビーハは、正規軍のような単一の統合された組織ではない」としたうえで、「彼らは、シリア国民を攻撃、殺戮するため、さまざまな地域の様々な宗派の武装した民間人からなる集団であり…。軍とは異なり誰に対しても責任を負っていない…。シリア人はシャッビーハとそれ以外の市民を区別できるが、外国人にはほとんどできない」と述べた。

しかしこの発言は自らに敵対する親体制のシリア人を「シャッビーハ」だと決めつける脅迫ともとれる。

なおシャッビーハは「シャバフ」(亡霊)をもとに作られた造語で、地中海岸で密輸を行う犯罪集団を指す言葉として数十年前にラタキアで使われるようになった。

アサド政権の動き

バッシャール・アサド大統領は第4次中東戦争勃発38周年を記念して、ダマスカス県カシオン山にある戦没者追悼碑を訪れ、戦没者に哀悼の意を表した。

この弔問には、ダーウード・ラージハ国防大臣、ファフム・ジャースィム・フライジュ参謀長ら政府、軍、バアス党の幹部が同行した。

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SANA(10月7日付)は、外務省高官が、8月9日のアサド大統領とトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣のダマスカスでの会談でアサド大統領が中東地域の安定にかかわる「脅迫」をしたとの一部メディアの報道に関して、事実無根であると発表したと報じるとともに、いかなる仲介もなされなかったと述べ、シリア・ムスリム同胞団の入閣をめぐる交渉が行われたことを否定した。

イランのファルス通信(10月4日付)はシリア外務省は、この会談で、アサド大統領が「誰かがシリアにミサイルを撃ち込めば、中東を炎上させるのに6時間とかからない。ヒズブッラーがイスラエルを攻撃し、イランが湾岸の西側船舶を攻撃するからだ」と述べたと報道していた。

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シリア軍はレバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール地域に侵入し、シリア人のアリー・ハティーブ氏を追跡・殺害した。

同氏はレバノン人女性と結婚し、アルサール地域に居住していたが、シリア軍が追跡・殺害した理由は不明である。

反体制勢力の動き

フェイスブックの「シリア革命2011」ページは10月7日に「シリア国民評議会は我々の代表である。私、あなた、そしてすべてのシリア人の金曜日」と題したデモを呼びかけた。

またこの呼びかけのなかで、リヤード・トゥルク氏(ダマスカス国民民主変革宣言)は、「今日(10月7日)、我々はシリア国民評議会の誕生への歓迎を宣言する。我々はすべての革命勢力が一つのスローガン、民主的市民体制確立のもとに統一するよう呼びかける」と述べた。

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しかし、国内の反体制勢力からは、シリア国民評議会の活動に対する牽制・批判が相次いだ。

国民民主変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役は、「すべての国民のための国民的計画を平等の原則のもとに策定し、国民の権利を尊重する議会制の民主的市民国家の建設をめざす」と述べるとともに、「審議に基づく代議制の民主的平和的体制への移行」を呼びかけた。

また「国内での大会」の開催を強調し、外国の干渉に異議を唱えた。

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なおSANA(10月6日付)は、シリア・アラブ・テレビが国民民主変革諸勢力国民調整委員会の会合に記者団を派遣し、その様子を報じようとしたが、アブドゥルアズィーム総合調整役の開会の辞の直後、会場を追放された、と報じた。

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人民変革解放人民戦線のカドリー・ジャール代表とアリー・ハイダル氏(シリア民族社会党インティファーダ派党首)は、ダマスカスで記者会見を開き、8月9日にモスクワに訪問することを発表するとともに、シリア国民評議会を拒否するとの姿勢を明らかにした。

彼らはイスタンブールでの大会の「基本的問題が…民間人の保護という暗号で外国の干渉を求めている点であり、それは飛行禁止空域の空爆を意味する」と述べた。

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複数のクルド人青年が共同声明を出し、シリア国民評議会への支持を表明しつつも、同委員会執行委員会にクルド人青年らの代表が参加していないと述べ、同評議会がクルド人による包括的な大会の合意のもとに代表を輩出することを求めた。

その一方、クルド民族主義諸政党が準備しているクルド国民大会に関して、若者勢力の参加が制限しているとの理由で、出席しないと発表した。

共同声明を出したのは、サワー・青年連立、カーミシュロー自由青年の春、シリア・クルド青年運動総合調整局、カーミシュロー自由活動家連合、ダイラカー・ハムコー・クルド青年調整局、カルキリア連立、クルド自由共産主義者青年調整局。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、ザーウィヤ山で、離反兵がトルコ国境に潜伏する村々をシリア軍部隊が攻撃した。

イドリブ県では数百人の兵士が民間人への可能な暴力の行使を拒否し、離反しているという。

シリア人権監視団によると、この攻撃により、シリア軍兵士7人、民間人と離反兵5人が死亡し、数十人が負傷したという。

ダルアー県では、9月25日に治安当局の実弾で重傷を負い、10月5日に死亡したバースィル・シハーダートくん(17歳)の葬儀に約15,000人が参列した。

シリア人権監視団によると、葬儀後にデモが発生し、ロシア、中国による安保理での拒否権発動への抗議や体制打倒が叫ばれた。

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ダイル・ザウル県では、治安当局によって早朝29人が逮捕された。

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市クーリーヤ地区とブーカマール市で大規模な逮捕・捜索活動が行われたという。

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SANA(10月7日付)は、ヒムス県のクサイルで武装集団が治安維持部隊を要撃し、同部隊兵士2人と民間人1人が死亡したと報じた。

SANA(10月7日付)は、ヒムス市ハーリディーヤ地区で大量の武器を押収したと報じた。

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アラビーヤ(10月6日付)は、反体制活動家で身柄拘束中のナウワーフ・ブン・ラーギブ・バシール氏が獄中で拷問を受け死亡したと報じた。

バシール氏はダマスカス宣言事務局メンバーでバッカーラ部族の代表と目されている。

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シリア・アッシリア民主機構の在欧支部代表のアブドゥルアハド・イスティーフー氏は、シリア国民評議会が近く国際的に承認されるだろうとのプレスリリースを発した。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は訪問先のドミニカで、ロシアと中国が安保理で拒否権を発動したことに関して、「このことは決して忘れない」と述べた。

米国務省のヴィクトリア・ノーランド報道官は、「合衆国はシリア政府に対してさらなる圧力をかけるため、多くの国々とともに活動するだろう」と述べた。

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ドイツ外務省報道官は、国連安保理でのシリア制裁決議案をめぐる審議後、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表が「ヨーロッパでユダヤ人を弾圧したドイツは、今や欺瞞に満ちた決議案提出のあくどい仲介者の役割を演じるに至っている」と発言したことを受け、10月6日にラドワーン・ルトフィー在ベルリン・シリア大使を外務省に呼び出し、抗議したと発表した。

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フランスのベルナール・ヴァレロ報道官は、ラファー・ナーシド女史の即時釈放を求めた。

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国連人権高等弁務官は、2,900人以上のシリア人が抗議運動開始以降殺害され、また「同数値以上」の行方不明者がいると発表した。

こうしたなか西側の外交筋は、EUがシリア商業銀行など、ダマスカスに対して制裁を拡大すると述べた。

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マーティン・ネシルキー国連事務総長報道官は、潘基文事務総長がシリアでの反体制抗議運動の弾圧をめぐって、安保理が合意に達することができなかったことに遺憾の意を示すとともに、シリアでの暴力に関して「受け入れられない」と改めて非難したと述べた。

AFP, October 6 , 2011、Akhbar al-Sharq, October 6, 2011, October 9, 2011、Alarabia.net, October 6, 2011、AP, October 6, 2011、DP-News, October 6, 2011、al-Hayat, October 7, 2011、Kull-na Shuraka’, October 6, 2011、Reuters, October 6, 2011、SANA, October 7, 2011などをもとに作成。

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