国連安保理でシリアでの化学兵器保有・開発にかかる会合開催、米仏とロシア・シリアが非難の応酬(2018年9月6日)

国連安保理は、イドリブ県でのシリア軍の攻撃が激しさを増すなか、シリアでの化学兵器保有・開発にかかる会合を開催した。

会合では、軍縮担当上級代表の中満泉氏が、シリア国内の化学兵器関連施設27カ所の廃棄を確認したとしたうえで、シリアでの化学兵器使用に関する調査を行う国連および化学兵器禁止機関(OPCW)の合同査察機構(Joint Investigation Mechanism、JIM)が活動を停止したことに伴う化学兵器再使用の危険について指摘した。

フランスのフランソワ・デラトレ国連代表は、イドリブ県での化学兵器使用の可能性について、使用された場合「シリアの長い悲劇の歴史の新たな一章が幕開けする」と懸念を表明した。

米国のニッキー・ヘイリー国連大使も、シリア政府がイドリブ県で再び化学兵器を使用していると主張した。

これに対して、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、OPCWがシリアでの化学兵器廃絶を確認しているとしたうえで、欧米諸国がシリア政府に使用の嫌疑をかけ続けいていると批判した。

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表も「シリアには化学兵器はもう存在しない」と共同、一部諸国が、シリア国内の化学兵器関連施設が廃棄されたとの報告に耳を傾けようとしない、と批判し、「我々は戦争に勝利しつつあり、化学兵器を使用する必要はない…。シリアが、テロリストではなくて、女性や子供に対して武器を使用する理由がどこにあるのか!」と強調した。

『ハヤート』(9月7日付)などが伝えた。

AFP, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

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