2014年4月1日のシリア情勢:国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、軍がカサブ町近郊のタッラト・ドゥーリーン、ナブアイン村一帯、サムラー村一帯を砲撃、また第45監視塔近くで軍がジハード主義武装集団を要撃し、複数の戦闘員を殺傷したという。

一方、SANA(4月1日付)によると、クーズ山、ナスル山、ナブア・ムッル村回廊、ファルラク交差点で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が砲撃、またアレッポ街道、アッバースィーイーン地区に複数の迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(4月1日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカッサーア地区、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、2人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バアス大隊の支援を受けた軍部隊が、アレッポ市旧市街でジハード主義武装集団と交戦した。

これに対して、ジハード主義武装集団はアシュラフィーヤ地区の軍拠点を手製の迫撃砲で砲撃したという。

またハイヤーン町、フライターン市、マアーッラト・アルティーク村各所を軍が「樽爆弾」で空爆、マアーッラト・アルティーク村では女性5人、子供9人を含む15人が死亡したという。

現地の活動家の話によると、この要撃では20人の民兵戦闘員が捕捉されたという。

シリア人権監視団はさらに、サフィール市でジハード主義武装集団の要撃を受けて捕捉され、斬首されたとされる親政権民兵4人の遺体の写真を入手した、と発表した。

またシリア人権監視団は、クルド戦線旅団、予言者末裔旅団、東部戦線戦闘員(自由シリア軍参謀委員会)が、アイン・アラブ市郊外のカワーズィク村、スィッリーン村、シュユーフ村一帯でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と戦っているのは自分たちだけで、それ以外の武装集団はトルコに「逃げ去った」と述べている、と発表した。

しかし、ARA News(4月1日付)は、アイン・アラブ(コバネ)市近郊のズール・マガール村、ハッラーブ・アトウ村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦したと報じた。

他方、SANA(4月1日付)によると、ダーラト・イッザ市、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、バヤーヌーン町、フライターン市、ハンダラート・キャンプ、ヒーラーン村、ムスリミーヤ村、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、アッザーン村、マルジャ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ラスム・アッブード村、クワイリス村、タッル・ハッターバート村、アレッポ市ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ブラーカート・アルマン地区に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

このほか、アレッポ市内のナイル通り、ムーカンブー広場に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民5人が死亡、26人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市郊外、ビンニシュ市、ハーリム市が軍の・空爆砲撃を受け、ジハード主義武装集団の戦闘員7人を含む13人が死亡した。

またクッルナー・シュラカー(4月1日付)は、イドリブ県内を通るイドリブ・ラタキア街道に面したアウラム・ジューズ村、キヤーサート村、バシュラーヤー村一帯で、「自由シリア軍」が、増援部隊はマストゥーマ軍事基地からラタキア県方面に向かっていたシリア軍の増援部隊を迎撃したと報じた。

一方、SANA(4月1日付)によると、ハーッラ市周辺、ガファル村、タフタナーズ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シリア革命家戦線、ハック旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またイドリブ市クスール地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、14人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市で軍とジハード主義武装集団が交戦した。

またSyria-News(4月1日付)によると、スーラ町でジハード主義武装集団で自由シリア軍に属すムハージリーン・ワ・アンサール軍の司令官イヤード・カッドゥール大尉が乗った車の近くで爆弾が爆発し、随行していた戦闘員1人が死亡、同大尉が負傷した。

同報道によると、ダルアー市東部でも、自由シリア軍殉教者サーミル・ガルマーニー大隊司令官のムハンナド・ミスリー氏が何者かに暗殺されたという。

一方、SANA(4月1日付)によると、ダルアー市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月2日付)によると、軍がランクース市一帯から反体制武装集団を相当するための作戦を開始した。

一方、SANA(4月1日付)によると、サルハ市郊外、ルハイバ市東部、ザバダーニー市東部山岳地帯、アーリヤ農場、ムライハ市東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、クタイファ市、ジャブアディーン町、ハラスター市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供4人が死亡、1人が負傷した。

このほか、スバイナ町、ズィヤービーヤ町で反体制武装集団メンバー25人が当局に投降、その後釈放された。

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ヒムス県では、SANA(4月1日付)によると、ヒムス市カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、反体制武装集団メンバー23人が当局に投降、その後釈放された。

一方、SANA(4月1日付)によると、ウンク・ハワー村、アブー・ハワーディード村、ジュッブ・ジャッラーフ村、ガースィビーヤ村、ダール・カビーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジュッブ・ジャッラーフ村・アブー・アラーヤー村間に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、マルカダ町周辺で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、同村奪還をめざし、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の検問所を攻撃、交戦した。

3月31日から激化している戦闘で、ヌスラ戦線などの戦闘員の死者は43人に達しているという。

また、同監視団は、ダーイシュに10日ほど前に殺害されたと思われるヌスラ戦線などの戦闘員の遺体27体が発見されたとの「信頼できる情報」を得たという。

一方、SANA(4月1日付)によると、ハサカ市で反体制武装集団メンバー11人が当局に投降、その後釈放された。

またカーミシュリー市文化センター通りに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

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クナイトラ県では、SANA(4月1日付)によると、ハッジャ村、ダヤーワ・スグラー村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月1日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 1, 2014、AP, April 1, 2014、ARA News, April 1, 2014、Champress, April 1, 2014、al-Hayat, April 2, 2014、Iraqinews.com, April 1, 2014、Kull-na Shuraka’, April 1, 2014、Naharnet, April 1, 2014、NNA, April 1, 2014、Reuters, April 1, 2014、SANA, April 1, 2014、Syria-news.com, April 1, 2014、UPI, April 1, 2014などをもとに作成。

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