ロシアとシリアはルクバーン、フール両キャンプの避難民が「米国に管理された武装ギャング」に人質にとられていると非難(2019年5月29日)

シリア国外難民帰還調整委員会とロシア当事者和解調整センターは共同声明を出し、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内のヨルダン国境との緩衝地帯に位置するヨルダン国境のルクバーン・キャンプと、北・東シリア自治局の支配下にあり、有志連合が駐留するハサカ県のフール・キャンプの状況に関して、「米国に管理された武装ギャング」によって避難民が人質にとられていると非難した。

声明によると、ルクバーン・キャンプからは3月23日以降、1万3337人がシリア政府支配地域への帰還を果たしたが、約3万人が非人道的な状況下でキャンプにとどまることを余儀なくされている。

キャンプに身を寄せる避難民は85%以上が帰還を希望しているという。

一方、フール・キャンプの状況はさらに劣悪で、過去4ヶ月間で収容者数が4倍に増加、7万3000人とされる避難民が非衛生で劣悪な環境に置かれているという。

シリア国外難民帰還調整委員会はロシア当事者和解調整センターはこうした状況を鑑み、国際社会、国連関連機関、人道支援機関に対して、米国に影響力を行使し、同国が違法に占領する地域から即時撤退を求めるよう呼びかけた。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 29, 2019をもとに作成。

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