北・東シリア自治局は新型コロナウイルス感染の疑いがあるシリア軍兵士が派遣されたウンム・フーシュ村(アレッポ県)を封鎖(2020年4月10日)

アレッポ県では、ANHA(4月10日付)によると、北・東シリア自治局の危機対策チームが、同自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊(いわゆるシャフバー地区)のウンム・フーシュ村を一時的に封鎖した。

北・東シリア自治局とシリア政府の感染防止対策での連携が行われてない結果、新型コロナウイルスの感染が疑われるシリア軍兵士1人が同地に入ったことを受けた措置だという。

シリア軍はこの数日間で多数の将兵を、北・東シリア自治局と連携せずにタッル・リフアト市一帯に派遣したため、自治局の危機対策チームが同地で感染者の有無を確認する対策をとったところ、シリア軍兵士1人が新型コロナウイルスに感染していると思われる症状を発症しているのを発見、検査のためにアレッポ市内の病院に搬送したという。

北・東シリア自治局保健委員会(保健省に相当)のジュワーン・ムスタファー共同議長は、「シリア当局は新型コロナウイルス感染を阻止するため、自治局と連携しておらず、その結果として、ウンム・フーシュ村に感染の疑いのある兵士を派遣した。この兵士は感染の有無を確認するためにアレッポ市の病院に搬送された」と述べた。

そのうえで、「シャフバー地区の危機対策チームは、この兵士の健康状態が明らかになるまで、ウンム・フーシュ村を封鎖した」と付言した。

AFP, April 10, 2020、ANHA, April 10, 2020、AP, April 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 10, 2020、Reuters, April 10, 2020、SANA, April 10, 2020、SOHR, April 10, 2020、UPI, April 10, 2020などをもとに作成。

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