レバノンのヒッティー外務大臣が政府を批判して辞任、後任にはアウン大統領外交顧問のワフバ氏が就任(2020年8月3日)

レバノンのナースィーフ・ヒッティー外務大臣(アウン大統領・自由国民潮流指名、マロン派)がハッサーン・ディヤーブ首相に辞表を提出した。

辞表提出後、ヒッティー氏は声明を出し、政府が危機管理に失敗し、国を救済するのに必要な改革を実施しなかったと述べ、辞任の理由を明らかにした。

ヒッティー氏は「誠実に熟考を重ねた末、私はこの歴史的な状況下で義務を果たすことができないとの結論に達した…。政府にレバノンのためのヴィジョンがなく、包括的構造改革を達成しようとする意志がないため辞任する…。私は1人のボスに仕える論理のもとに政府に参加した。だが、何人ものボスがいて、矛盾した利害が存在する…。レバノンは失敗国家になりつつある…。彼らが国民の利益のために一つにならなければ、船は皆を乗せたまま沈没する」と痛烈に政府を批判した。

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ヒッティー外務大臣辞任を受けて、ディヤーブ首相は、2017年からアウン大統領の外交顧問を務めている元外交官のシャルビル・ワフバ氏(マロン派)を後任の外務大臣に指名、ミシェル・アウン大統領もこれを承認した。

AFP, August 3, 2020、ANHA, August 3, 2020、AP, August 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2020、Reuters, August 3, 2020、SANA, August 3, 2020、SOHR, August 3, 2020、UPI, August 3, 2020などをもとに作成。

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