イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室の戦闘続く(2020年8月17日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから164日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のダーディーフ村を砲撃し、シリア軍兵士複数人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村一帯に進攻し、「決戦」作戦司令室の戦闘員1人を殺害、複数人を負傷させた。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のアイン・ラールーズ村、アルナバ村、バーラ村、バルユーン村、スフーフン村、フライフィル村、カンスフラ村を砲撃した。

一方、「決戦」作戦司令室の支配下にあるジスル・シュグール市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が負傷した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ズバイダ村で、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団戦闘員の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、元戦闘員1人が死亡した。

 

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, August 17, 2020、ANHA, August 17, 2020、AP, August 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 17, 2020、Reuters, August 17, 2020、SANA, August 17, 2020、SOHR, August 17, 2020、August 18, 2020、UPI, August 17, 2020などをもとに作成。

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