ミクダード外務在外居住者大臣はイランのザリーフ外務大臣との電話会談で、27日にイスラエルが殺害に関与したとされる核開発主導者のファクリザデ氏への弔意を伝える(2020年11月28日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣と電話会談を行い、11月27日にテヘラン近郊で何者かによって殺害されたモフセン・ファフリー・ザーデ(ファクリザデ)氏の死を悼み、最高指導者のアリー・ハーメネイー師、ハサン・ロウハーニー大統領、そしてザリーフ外務大臣、イラン政府、イラン国民、ファフリーザーデ氏の遺族に弔意を示した。

SANA(11月28日付)によると、ミクダード外務在外居住者大臣は、電話会談のなかで、「シオニスト機関が、新型コロナウイルス感染症の治療薬の発見など、科学の発展に大きな関心を払ってきた偉大な科学者に対して行った卑劣な行為を厳しく非難」した。

また、科学者に対して行われた犯罪は、中東地域内外の治安と安定を揺るがすがゆえに正当化し得ないとしたうえで、国際社会に対して、真相の究明と犯罪者の処罰を求めた。

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イラン国防省などによると、同国の核開発で中心的な役割を担ってきた科学者のファフリーザーデ氏は11月27日、首都テヘラン近郊で何者かに暗殺された。

イランのメディアによると、ファフリーザーデ氏が乗っていた車の周辺で爆発音や銃声が聞こえ、同氏は搬送先の病院で死亡が確認された。

護衛ら複数の負傷者も出ている。

ザリーフ外務大臣は「イスラエルの関与を示す重大な形跡が」あると指摘、イラン・イスラーム革命防衛隊、ロウハーニー大統領は報復を宣言している。

また『ニューヨーク・タイムズ』(11月27日付)は、米当局者らの話として、イスラエルが事件の背後にいると伝えた。

AFP, November 28, 2020、ANHA, November 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2020、The New York Times, November 27, 2020、Reuters, November 28, 2020、SANA, November 28, 2020、SOHR, November 28, 2020などをもとに作成。

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