外務在外居住者省は声明を出し、化学兵器禁止機関(OPCW)が4月12日に発表したシリアでの化学兵器使用疑惑事件にかかる調査識別チーム(IIT)の第2回報告書(技術事務局覚書S/1943/2021)に関して、「米国とその西側同盟国が化学兵器禁止条約(CWC)の規定を改ざんして設置し、シリアおよび多くのCWC加盟国が違法で非公認だと主張するチーム」による「虚偽報告」と断じた。
声明は、報告書が、テロ組織「ホワイト・ヘルメット」、シリアに敵対する一部諸外国の諜報機関が提出した偽の証拠に基づいて、捏造された結論を導出し、シリア政府に有毒ガスを使用した嫌疑をかけるものだと批判した。
また、調査チームは現地で実地調査を行わないまま、客観的な手順を踏まずに調査を行ったと非難した。
そのうえで、報告の内容をその詳細にいたるまで全面的に否定、シリア軍がサラーキブ市を含むいかなる場所においても化学兵器を使用したことはないと改めて主張した。
SANA(4月14日付)が伝えた。
ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣もイフバーリーヤ(4月14日付)に出演し、報告書の内容を否定した。
AFP, April 14, 2021、ANHA, April 14, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2021、al-Ikhbariya, April 14, 2021、Reuters, April 14, 2021、SANA, April 14, 2021、SOHR, April 14, 2021などをもとに作成。
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