ルダウ(4月26日付)によると、北・東シリア自治局支配地域内で活動する記者・報道関係者が共同声明を出し、内務治安部隊がカーミシュリー市タイ地区での取材を報道の自由に反するかたっちで禁止したと非難、抗議の意思を示した。
「北・東シリア自治局支配地における報道活動への嫌がらせに関する声明」の内容は以下の通り:
(北・東シリア)自治局の内務治安部隊、現地での通称「アサーイシュ」は、北・東シリア各所で許可を受けた報道機関のほとんどに対して、報道の自由に反するかたちで、カーミシュリー市南部のタイ地区での体制側の国防隊との戦闘を報じることを禁じた。
2021年4月21日の戦闘開始以降、報道は自治局の一部チャンネルや通信社、そして地元指導部に近い一部活動かによって独占された。
事件発生から6日が経ち、責任を回避し、報道関係者に対する権利侵害を正そうとして、一部メディアがタイ地区に入ることを許された。
こうした行為は、1948年の世界人権宣言第19条が定める情報を得る権利、さらには1962年の市民的及び政治的権利に関する国際規約の第19条に反している。
自治局に近い一部メディアによる報道の独占、治安要員による報道関係者への脅迫は、内務治安部隊のような法人に相応しくない行為である。
我々は記者・報道関係者は、こうした行為が報道の自由に反し、非難に値し、受け入れられず、報道の自由と情報を得る権利を保障する自治局の法に反するものとして拒否する。
先月末にフール・キャンプで行われた治安措置に際しての報道活動に対する嫌がらせ、キャンプ内での報道前と報道中に記者らに課せられたルーティーンや手続き、地元の記者や報道機関の排除は、北・東シリア各地の報道活動を後退させていることは明らかである。
我々は、報道関係者に対するこうした対応が、我々の地域の報道活動の未来に悪影響を及ぼすものと考える。我々は、自治局と関係機関が、報道関係者が安全に活動できる環境を整えるとともに、機会均等を保障し、報道機関の自由と多元性を保障するために取捨選択を止めることで、過ちを正さなければならないと見ている。そうすることが社会の発展に寄与し、責任をもって監督者としての役割を果たすことに繋がる。
北・東シリア各地での新情報法をめぐって、国内外のさまざまなメディア関係の当事者が議論を終えてから2ヶ月以上経ったが、今もなお自治局の評議会によって承認はなされないままである。
我々は、法の承認、北・東シリアでの記者や報道関係者の権利に対する行き過ぎた行為を助長する法律上の空白状態に対処することを要請する。
著名者:
ヒーバール・ウスマーン
マスウード・ハーミド
ジャーヌー・シャーキル
イーファーン・ハスィーブ
ラーマーン・イーサー
スーリーン・アミーン
カマール・シャイフー
シールザード・サイドゥー
ダーダー・バラカート
アーフティーン・アスアド
アドナーン・ハサン
アフマド・バルフー
ラドワーン・ビーザール
ハサン・フサイン
ヒジャール・サイイド
ハリール・ハリール
フーザーン・ハッシュー
ヌーバール・イスマーイール
ヤーズィル・ウスマーン
イサーム・アミーン
エズディナ機構
AFP, April 26, 2021、ANHA, April 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2021、Reuters, April 26, 2021、Rudaw, April 26, 2021、SANA, April 26, 2021、SOHR, April 26, 2021などをもとに作成。
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