イラクの人民動員隊は声明を出し、米国の爆撃への報復権を留保する(2021年6月28日)

イラクの人民動員隊は報道声明を出し、米国の爆撃に関して、イラクの舞台を弱体化させようとするものだと非難した。

本日(6月28日)未明午前2時、米軍航空機が、アンバール県西のカーイム郡の国境から13キロ領内に設置されている人民動員隊(第14旅団および第46旅団)の拠点3カ所を狙った。
この攻撃で、シリアからイラクへのダーイシュ(イスラーム国)の潜入を阻止するための通常任務に就いていた4人が殉教した。任務は合同作戦司令室のもとで人民動員隊に正式に与えられた義務に従うもので、イラク領内のいかなる外国部隊の活動も妨げるものではない。このことについて、人民動員隊はこれまでにも何度も繰り返し自らの立場を明らかにしてきた。

爆撃を受けた人民動員隊の拠点には、米国の主張に反して、倉庫、あるいはそれに類する施設は含まれていなかった。米国はこうした主張を通じて、人民動員隊の戦闘員を狙った犯罪行為を正当化しようとしている。

我々はもっとも強い表現で我が部隊に対する罪深い攻撃を非難するとともに、殉教者に心から哀悼の意を示したい。我々は、こうした攻撃に対する報復権、そしてイラク領内での犯罪者を処罰する権利を留保する。

攻撃は、イラク、そしてその治安部隊と人民動員隊を弱体化させようとして行われている。彼らのおかげで、米国、そして世界の国々はテロの撲滅を目の当たりし、その脅威を排除できた。また、攻撃は、テロ組織が強大化するために行われている。

この攻撃はイラクの主権を標的としたものだ。とりわけ、人民動員隊が大規模な設立記念観兵式を武装部隊総司令官の主催などで大成功を収め、昨日(27日)に首都バグダードで三カ国首脳会談が開催されたのに合わせて行われた。

我々は、ここにおいて、イラク政府の姿勢、領土、領空に対する主権が実現すべく、イラクから外国の部隊を撤退させようとする熱意を賞賛する。

AFP, June 28, 2021、ANHA, June 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2021、Reuters, June 28, 2021、SANA, June 28, 2021、SOHR, June 28, 2021などをもとに作成。

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