ミクダード外務在外居住者大臣「国連安保理決議第2585号は西側諸国のあらゆる取り組みを退け、国境通行所経由だけでなく、シリア国内からの人道支援の搬入も強調した点で成果」(2021年7月10日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は首都ダマスカスで記者会見を開き、周辺国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援をイドリブ県バーブ・ハワー国境通行所経由に限って半年間(2022年1月10日まで)延長することを認めた国連安保理決議第2585号を「西側諸国のあらゆる取り組みを退け、国境通行所経由だけでなく、シリア国内からの人道支援の搬入も強調しており、成果だと見なしている」と評価した。

ミクダードド外務在外居住者大臣は次のように述べた。

決議は、シリアの領土と国民の統合への国連の強い信念を改めて示している。これは、トルコが快く思っていないことを意味する。シリア北部で分離主義者を支援する米国もだ。また、これは、武装集団やテロリストが、シリアにあらゆる支援を行う必要、とりわけシリア国内からの支援をそのすべての文言を通じて強調しているこの決議によって包囲されたことを意味する。

この決議は、外国との通行所(を通じて人道支援)が、西側が人道支援を搬入する枠組みとして依拠していた基本的仕組みではなくなり、シリア国内が基本となったことを意味している。

西側諸国は、三つの通行所を再開したいと考えていた。だが、その半分、つまりバーブ・ハワー国境所通行所以外は認められなかった。1年の延長をしたいと考えていたが、友好国は半年の延長にしか同意しなかった。

ロシア、中国といった安保理の友好国は、西側とトルコの支援が武装集団やテロリストに行われる自由を制限することに成功した。

これは、バーブ・ハワー国境通行所の閉鎖に向けた基本的なステップだ。なぜなら、シリアの主権を尊重することは、その国境を尊重することを通じて行われるものだからで、シリア政府が望まないものも搬入するといういかなる例外もあってはならない。

我々は、友好国であるロシア、中国、そして非常任理事国の努力を快く思っている。これらの国の多大な努力を評価していると表明したい。

SANA(7月10日付)が伝えた。

AFP, July 10, 2021、ANHA, July 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2021、Reuters, July 10, 2021、SANA, July 10, 2021、SOHR, July 10, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.